皐月賞2021【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着エフフォーリア(3.7倍)2着タイトルホルダー(17.0倍)3着ステラヴェローチェ(14.3倍)

レース名第81回皐月賞
日程2021年4月18日(日曜)
優勝馬エフフォーリア
優勝騎手横山 武史
勝ちタイム2:00.6
馬場稍重
3連単配当82,320円

皐月賞2021 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
17エフフォーリア2:00.6 -
213タイトルホルダー2:01.1
33ステラヴェローチェ2:01.1クビ
41アドマイヤハダル2:01.2クビ
56ヨーホーレイク2:01.2クビ
単勝7370円
複勝7170円
複勝13490円
複勝3380円
枠連4-71,150円
ワイド7-131,540円
ワイド3-71,150円
ワイド3-133,560円
馬連7-134,300円
馬単7-135,510円
3連複3-7-13 20,000円
3連単7-13-3 82,320円

皐月賞2021 - レース後コメント(騎手/厩舎)

最高です。デビューから乗せてもらっている馬で、何とかいい結果をと思っていましたが、現実になって良かったです。次はもっと大きなレースになると思います。自分ももっと成長して臨みたい

※横山武騎手のコメント

折り合い重視でリズム良く。狙い通りの調教で、オーバーワークにならないよう今日はセーブできた

※鹿戸調教師のコメント

皐月賞2021 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

皐月賞2021 - 回顧

川田騎手のダノンザキッドをエスコートするテクニックも、またその考え抜いた策も何も言うことなしであったが、今回ばかりは、エフフォーリアと横山武史騎手の今持っている力を引き出すようなお膳立てにしかならなかった。

馬の具合も気になるくらいの失速だったが、あっという間に、その持ちうる才能の差は、歴然としたものがあったというゴールシーンへと転じた。

勝負の世界は改めて厳しいなと感じた。

美しいバランスラップのレースであった。

『60.3−60.3→2:00.6』

昨年はもっとひどい馬場で、もう少しレースのレベルもタイトだったが、

『59.8−60.9→2:00.7』

言わずもがな、勝ったのは今何かに迷っているのか、どことなく真面目に走らない性質が強く出はじめているようにも思えるコントレイル。

レースラップを破壊するような我が物顔の最終コーナー進出で、本来、外を差してくる馬の方が有利だった馬場状態にもかかわらず、理想の仕掛けをしてきた中団グループに、もっと外を回ってきて、サヨナラの挨拶をして見せるほどの余裕があった。

ロスのない立ち回りで、多少は走り方に問題はあったとはいえ、モンスター級の評価を受けていたサリオスをそこから先の勝負で負かしたのだ。

普通の馬ならば、そこで故障する。

2001年の皐月賞だから、もう20年前のことになるが、今回と同じように3戦無敗のアグネスタキオンが、後の宝塚記念馬・ダンツフレームと、災い過多の内枠で悶々としたレースに終始のジャングルポケット<ダービー、JC快勝後、種牡馬としても活躍>を一気に負かして、天才ぶりを遺憾なく発揮するだろうと思われた彼とて、ダービーへの出走は叶わず、5月中の引退であった。

モンスターを皐月賞で負かすのは、自身が素晴らしい競走馬であるだけではダメ。

もっと言えば、それがストレスではないことを示すことが重要なのだ。

エフフォーリアの最初の関門は、武史騎手が思っている以上に大したことはなかったのである。

コントレイルのタイムを超えるということは、歴史を作ることそのものであり、記録上、その点で三冠馬を超えたとなるのだから、自身にとっても一気に夢が開けるようなステージへと駆け上がった1戦となった、と断言して問題ない。

日本で育ったシンボリクリスエスから始まるの新たなロベルトの直系であり、それと同期の同系・タニノギムレットは、初年度から顕彰馬となるウオッカを送り込んだ。

スクリーンヒーローの鹿戸雄一調教師の管理馬でもある。

この父は、歴史的天才の一頭に数えられるグラスワンダー<G1・4勝>だったが、父がスペシャルウィークを2度続けて負かしたように、仔もまた、ダービー馬3頭出走の大レースとなったジャパンCで未出走であった父の無念を晴らして、お釣り十分の結果を出した。

面白いもので、その娘の1頭であるウインマリリンは、横山武史の名を世のファンに完全に認識させる存在として、名を挙げたパートナーなのだ。

縁あっての世界とはいえ、ここまで出来過ぎると怖いくらいのサクセスストーリーだ。

−アラカルトー

☆3戦3勝の馬がこれで3連覇 <サートゥルナーリア、コントレイルに続き>

☆共同通信杯から直行の勝ち馬は、近10年で半分の5頭に上る<ゴールドシップ、イスラボニータ、ドゥラメンテ、ディーマジェスティ>

☆2番人気馬による勝利は、グレード制導入後多く誕生したわけではないが、将来性はすでに担保された?

<1987年 サクラスターオー>… 直後に故障も、次走の菊花賞も制し、クラシック二冠

<1998年 セイウンスカイ>… ダービーは踏んだり蹴ったりだったが、菊花賞で歴史的レコードでダービー馬討ち

<2000年 エアシャカール>… ダービーは僅差捉え切られるも、菊花賞では見事な人馬一体の競馬で二冠

<2014年 イスラボニータ>… ダービーはわずかに捉え切られるも、マイル戦線に転じ長く活躍

どういうわけだか、次のダービーに向けたあれやこれやに、父の影がちらつく。

振り払ってしまいたい。(笑)

しかしながら、武史騎手は完全にライアン・ムーアのフォームを体得しようと日夜努力を続けていることがよくわかる、独特の鐙の弾み方をする追い方がすっかりお馴染みになっているのだが、きっとそういうことをしたというのは、父の典弘騎手も同じだったはずだ。

だから、事あるごとに注意をすることはあるという。

生まれながらの馬乗りに見せる父は、最初から今の横山典弘だったわけではない。

しかしながら、もうプロの世界で生きているから、それとは違うルートで駆け上がらなければ、父が恐らく記録するだろう通算3000勝には遠く及ばないとなってしまって不思議ない。

どういうわけだか、こういうあるあるの反抗をする時、また父の偉大さを実感するもの。

セイウンスカイの横山典弘は、もはや、ワンセットの形で印象深いレースをファンに披露していったが、奇しくも、キャリアは違っても、最初のクラシックタイトルがこの皐月賞だった。

ダービー2着のメジロライアンにばかり、ファンの多くは先に思い浮かぶのだが、ダービーを勝つのは、もっとずっとあと。

2009年のドロドロ馬場の年だった。

何も恐れるものがなくなった武史騎手は、今後、父が味わった屈辱や焦燥感をまた同じように感じることになる。

笑えるのも今のうち。ライアンとローレルとホクトベガとで味わった栄光の瞬間と、血生臭い人間の恨み言を聞かねばならない立場を受け入れつつ、また聞き流した時、父はセイウンスカイ騎乗を途中からの依頼で任せられ、その地位を高めた。

武豊も福永祐一も味わったタフすぎる比較対象など、もはや、自然体を超えた異次元の存在となった典弘騎手のそれと対称の位置にいるから、全く関係ない状況になった武史騎手は、このトウカイテイオーと化した独走力をもったパートナーを背にする歓びを、何から何まで教えてくれるはずの二代目ジョッキーたちから少しずつ、受け取っていき、三代目としての糧にすることになるだろう。

それにしても、アドマイヤハダルも何か燃えるものはあったかのように粘ったタイトルホルダーも、何とか底力を荒れた内を進出のステラヴェローチェも、3馬身以上つけられたのでは、何も言えない。

何だか疲れていたのかもしれないと、ダノンザキッドを思いやりつつ、荒れ馬場を難なく初コースでこなしたエフフォーリアの強烈さは、歴代の覇者とも遜色ないとここは断言するより他ない。

<サンデーサイレンス直系が1頭も3着以内に入らない皐月賞>

・2013年に父が2着だった年以来。

・人気通りの決着も、ダービーは弥生賞5着のキズナにぶち抜かれる。

・ちなみに、母父はみんなサンデーサイレンスかその直仔だった。

*今年も、サンデーサイレンスの入った馬ではあった。

ダービーはなかなか勝てないレースとされるが、三代目となると違うのかもしれない。

父系のダービー2着の呪いを、父典弘が屈辱晴らすダービーのようにせず、一気に勝ち切った時、また新たな時代が開ける。