マイルチャンピオンシップ2021予想
目次
マイルチャンピオンシップの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
下半期のマイル王座決定戦!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | ジャパン・オータムインターナショナル 第38回 マイルチャンピオンシップ(GⅠ) |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2021年11月21日(日曜) |
発走時間 | 15時40分 |
開催場所 | 阪神競馬場 |
距離 | 芝1600m |
コース | 右回り |
賞金 | 1億3000万円 |
レコードタイム | 1:31.1 |
マイルチャンピオンシップ2021の予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定後)
マイルチャンピオンシップ2021の予想オッズと登録馬
枠順 | 馬番 | 出走予定馬 | 騎手 | 性齢 | 斤量 | 予想オッズ | 人気 | 1週前追い切り | 最終追い切り |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ホウオウアマゾン | 坂井 瑠星 | 牡3 | 56.0 | 50.5 | 8 | 1週前追い切り 栗東・CW・稍重 7F 94.3-78.8-63.6-49.6-36.7-11.9(稍一杯) | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 53.7-39.0-25.3-12.4(馬なり) |
1 | 2 | クリノガウディー | 岩田 望 | 牡5 | 57.0 | 167.6 | 12 | - | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 54.8-39.3-25.2-12.3(末強め) |
2 | 3 | シュネルマイスター | 横山 武史 | 牡3 | 56.0 | 3.0 | 2 | 1週前追い切り 美浦・南W・稍重 5F 66.8-51.5-37.1-11.2(直強め) | 最終追い切り 美浦・南W・良 5F 69.4-53.6-38.3-11.7(馬なり) |
2 | 4 | サリオス | 松山 弘平 | 牡4 | 57.0 | 9.6 | 3 | 1週前追い切り 美浦・南W・良 5F 65.0-50.1-36.0-11.0(馬なり) | 最終追い切り 美浦・南W・良 5F 67.4-52.6-38.2-12.1(馬なり) |
3 | 5 | サウンドキアラ | 武 豊 | 牝6 | 55.0 | 76.6 | 11 | - | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 51.7-37.6-24.5-12.2(末強め) |
3 | 6 | ケイデンスコール | 岩田 康誠 | 牡5 | 57.0 | 65.7 | 9 | 1週前追い切り 栗東・坂路・良 800m 51.8-37.0-23.9-11.9(一杯) | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 54.9-38.8-24.5-12.0(馬なり) |
4 | 7 | インディチャンプ | 福永 祐一 | 牡6 | 57.0 | 9.8 | 4 | 1週前追い切り 栗東・坂路・良 800m 51.2-37.5-24.7-12.5(一杯) | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 51.8-37.7-24.6-12.7(一杯) |
4 | 8 | ダーリントンホール | 和田 竜二 | 牡4 | 57.0 | 181.5 | 13 | 1週前追い切り 美浦・南W・良 6F 82.4-66.8-52.0-37.7-11.5(馬なり) | 最終追い切り 美浦・南W・良 6F 85.2-68.2-53.1-38.4-11.7(馬なり) |
5 | 9 | グレナディアガーズ | 池添 謙一 | 牡3 | 56.0 | 10.5 | 5 | 1週前追い切り 栗東・CW・良 6F 82.3-65.2-50.1-36.6-11.3(直強め) | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 53.0-39.4-25.1-12.1(馬なり) |
5 | 10 | ロータスランド | 田辺 裕信 | 牝4 | 55.0 | 69.4 | 10 | 1週前追い切り 栗東・CW・稍重 6F 84.4-67.4-52.0-38.1-11.7(末一杯) | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 52.0-37.2-23.5-11.9(馬なり) |
6 | 11 | カテドラル | 戸崎 圭太 | 牡5 | 57.0 | 30.1 | 7 | 1週前追い切り 栗東・CW・稍重 6F 81.1-65.4-50.9-37.6-11.9(一杯) | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 52.3-37.8-24.6-12.1(馬なり) |
6 | 12 | グランアレグリア | C.ルメール | 牝5 | 55.0 | 1.8 | 1 | 1週前追い切り(14日の追い切り) 美浦・坂路・稍重 800m 54.1-38.6-25.4-13.1(馬なり) | 最終追い切り 美浦・南W・良 6F 80.3-65.3-51.4-37.6-12.2(馬なり) |
7 | 13 | ダノンザキッド | 川田 将雅 | 牡3 | 56.0 | 17.9 | 6 | 1週前追い切り 栗東・CW・良 6F 82.9-67.1-52.1-38.1-11.7(馬なり) | 最終追い切り 栗東・CW・良 6F 84.8-68.0-52.6-38.8-11.4(直強め) |
7 | 14 | リプレーザ | 幸 英明 | 牡3 | 56.0 | 243.3 | 14 | 1週前追い切り 栗東・坂路・良 800m 51.0-36.7-24.3-12.5(一杯) | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 53.1-38.3-25.1-12.6(末強め) |
8 | 15 | サウンドカナロア | 藤岡 康太 | 牡5 | 57.0 | 345.8 | 16 | - | 最終追い切り 栗東・坂路・良 800m 51.7-37.6-24.5-12.2(末強め) |
9 | 16 | レインボーフラッグ | 小崎 綾也 | 牡8 | 57.0 | 309.9 | 15 | 1週前追い切り 栗東・CW・良 7F 99.6-83.9-66.9-51.3-37.9-11.7(一杯) | 最終追い切り 栗東・CW・良 6F 78.1-62.9-49.4-36.9-13.1(一杯) |
枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 2回 | 2回 | 3回 | 33回 | 5% | 10% | 17.5% |
2枠 | 2回 | 1回 | 4回 | 33回 | 5% | 7.5% | 17.5% |
3枠 | 4回 | 1回 | 1回 | 34回 | 10% | 12.5% | 15% |
4枠 | 3回 | 7回 | 4回 | 26回 | 7.5% | 25% | 35% |
5枠 | 2回 | 2回 | 0回 | 36回 | 5% | 10% | 10% |
6枠 | 2回 | 2回 | 1回 | 35回 | 5% | 10% | 12.5% |
7枠 | 2回 | 2回 | 5回 | 47回 | 3.6% | 7.1% | 16.1% |
8枠 | 3回 | 3回 | 2回 | 50回 | 5.2% | 10.3% | 13.8% |
脚質 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
逃げ馬 | 1回 | 1回 | 1回 | 17回 | 5% | 10% | 15% |
先行馬 | 4回 | 4回 | 5回 | 59回 | 5.6% | 11.1% | 18.1% |
差し馬 | 11回 | 13回 | 8回 | 124回 | 7.1% | 15.4% | 20.5% |
追い込み馬 | 4回 | 2回 | 6回 | 94回 | 3.8% | 5.7% | 11.3% |
マイルチャンピオンシップ予想2021 - 過去10年のデータ傾向
いい馬ばかり集まったマイルチャンピオンシップのようだが、意外なほど年齢別の好走するパターンは画一的であったりする。
3歳馬はG1を勝っていない馬を買うべし
牝馬が来ていない。
もっと前はもっと沢山出ていたような気もするが、ローテの編成がここ5年で劇的に変化すると同時に、ノーザンファームの絶対王座がまるで揺るがないかのような状況が、その成功パターンの確立と共に、如実に、秋華賞狙いか否か、短距離戦に狙いを定めるか、というA級馬の選択が明確になることで、賞金が足りる他の牧場産の牝馬が大変少なくなったというのが、事の真相であろう。
牡馬で勝った2頭は、皐月賞2着馬とスプリングS勝ちの、バリバリクラシック戦線で働いてきた、いずれも現役のペルシアンナイトとステルヴィオ。
ハービンジャーとやや重厚さを備えたシンボリルドルフ一族のロードカナロアの産駒という両者だけに、底力が素晴らしく、性能が決して晩成型でジワリジワリ力をつけるような戦績ではなかったことでも、最初から好勝負必至とされた面々とされていたわけだが、古馬と戦っていたということが重要。
古馬と未対戦の馬が、このレースで3着以内に入ったというのは、2005年に桜花賞、NHKマイルC優勝と前走秋華賞2着というラインクラフトくらいしか、そもそも見当たらない。
その前が桜花賞馬のキョウエイマーチ。
牝馬もこのクラスが求められるなら、牡馬も…、ということはない。
NHKマイルC優勝馬が、秋もG1を勝った例というのは、エルコンドルパサー<ジャパンC>、アドマイヤマーズ<香港マイル>しかおらず、ダートの例外にクロフネ<ジャパンCダート>がいて、着外だったアグネスデジタルもダート戦線に戻ってから久々芝でこのレース優勝なので、マイルタイトルはなかなか連続しては獲れないと言える。
これはシュネルマイスターもグランアレグリアも共通の課題。
どちらがどうこうということではない。
また、毎日王冠勝ちの馬は、何故か厳しい中2週連続ローテを勝ち続けないとここを勝てない嫌なジンクスがある。
4歳馬はいつぞの実績と関係なく、G1連対実績が必須
いささか偏ったデータである。
G1連対馬なら買い、それ以外はほとんどいらない…。分かりやすい。
サリオスのような2歳タイトルのみというような馬でも、クラシック用なしだったエイシンアポロン<朝日杯2着馬>が、タフな馬場で完全勝利を決めたから、調子だけの問題。
休み明け勝利も同厩舎の堀宣行調教師の管理馬であるモーリスが、作り上げる前の状態でも強引に勝ち切った。
他の4歳の登録馬に、G1実績に主だったものがあるという実力者が限られるため、理論上は、牝馬の重賞勝ち馬であるロータスランドを押さえに入れれば、この世代のフォローは完了。
サリオスをどう買うか、また狙いをどこに据えるかに傾注すれば、何も考えなくても主軸となるグループなので、例年ならば迷わず軸馬の1頭であるとできる。
何を信じるかによって、評価は大きく変わる。
毎日王冠を3歳で制したような馬は、結局、またどこかで仕事をするということは、よく思い返した方がいいだろう。
5歳の牝馬は、実力がない限りほとんど必要ない
どうしたって軸から外せない、あのグランアレグリア嬢の扱いは、特権級とすべきか否か、の一点に絞られる。
G1をいっぱい勝ってきたことが、かえって邪魔な実績としてつきまとってくることは、大阪杯でも天皇賞でも証明されたわけだが、中2週など今は何も怖くないとして、そもそも、5歳牝馬はどう扱うのが正しいのか…、という点でまた迷いが生じる。
牝馬に限れば、前走の府中牝馬Sで重賞初勝利であったブルーメンブラットが、毎日王冠勝ちのスーパーホーネットをぎゃふんと言わせたという2008年の5歳馬上位独占<3着は高松宮記念を制したファイングレイン>叶った時くらいしか、そもそも大活躍の年はない。
3歳がダメダメな年もあれば、4歳が今年のように不甲斐ないようなシーズンもあるが、だからって、簡単に5歳馬は好走できない。
上り詰めるだけの迫力を若い頃から、しっかりとG1級のままキープするのは、デュランダルのように走りたくても爪が生えないから走れない、というようなパターン以外かなり困難だ。
時代は変化し、3歳馬も5歳馬もまるで4歳馬のように振るまえるようになったが、グランアレグリアは感動の独走であっさり快勝のシーンを目撃することは、激しい争いとなるマイル戦を選択しているから、アーモンドアイのようにはいかないかもしれない。
最後にこのレースを制したG1未勝利の5歳馬であるトーセンラーは、4歳シーズン、サマー2000シリーズでフル参戦も勝ち切れず、年明けから再始動して、京都狙いのローテで復活を遂げたような馬。
80点と120点が混ざる馬より、大体85点をずっとキープできるイスラボニータのようなタイプの方が、狙いやすいとも思える。
古豪の扱いは安田記念とは違い、G1で今年も足りているかの一点で必要かどうか決まってくる
唯一の勝ち馬であるダノンシャークは、前年1番人気3着であり、その前後からG1以外は大体1番人気で、決まって、人気に応えられず敗れるも、肝心のG1・安田記念ではジャスタウェイが辛勝のド不良馬場の一戦で4着に健闘。
人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 5回 | 4回 | 2回 | 9回 | 25% | 45% | 55% |
2番人気 | 1回 | 5回 | 2回 | 12回 | 5% | 30% | 40% |
3番人気 | 3回 | 6回 | 0回 | 11回 | 15% | 45% | 45% |
4番人気 | 5回 | 3回 | 2回 | 10回 | 25% | 40% | 50% |
5番人気 | 3回 | 0回 | 4回 | 13回 | 15% | 15% | 35% |
6~9番人気 | 1回 | 0回 | 6回 | 73回 | 1.3% | 1.3% | 8.8% |
10番人気以下 | 2回 | 2回 | 4回 | 166回 | 1.1% | 2.3% | 4.6% |
古馬らしく、不利を受けた前哨戦からの叩き一変で、見事に最初で最後のタイトルを得ている。
これがいるせいで、G1未連対でも勝負になりそうな気がしてしまうが、連絡みはこれとセットのような同ディープ産駒のフィエロだけなので、タレントとしては大物でも、元マイル王者であるインディチャンプは馬が若いとしても、昨年以上に頑張るとはさすがに思えない。
4年続けて出走で、1−2−3−7着としたペルシアンナイト<阪神替わりも影響したのだろう>のような緩やかな下り坂傾向が一般的な解釈。
1−2着という完璧な適性を誇ったインディチャンプは、どことなく、グランアレグリア自滅に懸けるしかない面も秘めている。
ちなみに、この前の10年では3勝もしているので、まるで用なしという感じはないが、何か京都で色々とプラスアルファがあって、ラップの安定に助けられたのは間違いないのだが、阪神開催が連続する特殊な事情もあって、普通なら同じコースの好走馬は消さない方がいい。
結果的に、前年の1~3番人気を押さえることになるのだが、アドマイヤマーズ<4歳で3着>タイプの選定が今年のポイントのように思う。
これは3歳世代に譲るべきと思い、そこは手広くに押さえておいた。
マイルチャンピオンシップ予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
おいコントレイルよ、よく見ておけ。叩き2走目の距離短縮で謎の大不発が続く元スターが、ワンターンの力勝負で逆襲をかける!
ここはワンクッション。
改めて、同族のタイトルホルダー同士の血統構成を確認しておきたい。
両者に共通する点は、
- ・3歳母=Salde <父・Alkalde>
- ・ダンチヒ <サリオス=母母父・Tiger Hill/ シュネルマイスター=父・Kingman>
- ・リファール <サリオス=父母母父・Lyphard自身/ シュネルマイスター=父母母父・Dancing Brave>
- ・ニジンスキー <サリオス=母父・Lomitas/ シュネルマイスター=母父母母父・Caerleon>
- ・ゼダーン <サリオス=父母父・トニービン/ シュネルマイスター=母母父・Highest Honor>
種牡馬 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 51回 | 46回 | 49回 | 278回 | 12% | 22.9% | 34.4% |
ロードカナロア | 21回 | 13回 | 16回 | 135回 | 11.4% | 18.4% | 27% |
ハーツクライ | 19回 | 13回 | 16回 | 129 | 10.9% | 16.7% | 25.9% |
ダイワメジャー | 15回 | 23回 | 18回 | 139 | 7.7% | 19.5% | 28.7% |
キングカメハメハ | 13回 | 13回 | 8回 | 86 | 10.8% | 21.7%% | 28.3% |
ルーラーシップ | 9回 | 16回 | 11回 | 107 | 6.3% | 17.5% | 25.2% |
エピファネイア | 9回 | 9回回 | 6回 | 43 | 13.4% | 26.9% | 35.8% |
キズナ | 9回 | 7回 | 7回 | 61 | 10.7% | 19% | 27.4% |
ステイゴールド | 8回 | 4回 | 4回 | 64 | 10% | 15% | 20% |
オルフェーヴル | 7回 | 4回 | 9回 | 67 | 8% | 12.6% | 20.6% |
これを踏まえつつ、構成を図示すると、
- ■サリオス→サンデーサイレンス系×(ゼダーン系)>×<(ニジンスキー系)×(ダンチヒ系)>
- ■シュネルマイスター→(ダンチヒ系)×ゴーンウェスト系>×<サドラーズウェルズ系×(ゼダーン系)>
相違点
リボー<セントサイモン系>の存在感は、薄っすらながらもサリオスにはあるが、シュネルマイスターにはない。
ハーツクライの4代父であるヘイルトゥリーズンは、シュネルマイスターがサドラーズウェルズの血を持つから、当然その母父系で共通も、存在する意義が全く違うので関係ないというレベル。
また、ノーザンダンサー系で共通しないThe Minstrelとサドラーズウェルズ直系・Soldier Hollowらは、いずれもシュネルマイスターの中に入るラインであるが、母母が共通するヘイロー<サリオス3代父>とノーザンダンサー<5代父>のミキシングを俯瞰して捉えれば、まるで違う配合ではないからこそ、早くから高速のマイルG1を制し、2000Mも難なくこなしたという共通の戦績にも納得がいく。
追記。
サリオスに入るTiger Hillは、世界の大種牡馬であるDanehillの直仔。
シュネルマイスターの配合時に発生したKris<3代父ネイティヴダンサー>の4×5は、Danehillを作る時に生まれるナタルマ<ノーザンダンサーの母>3×3に付随したネイティヴダンサー4×4とよく似ているだけでなく、父Kingmanの4代父にノーザンダンサー、ミスタープロスペクター、シャーペンアップ<Krisの父>がぴたりと並ぶ6代父ネイティヴダンサークロスというのは、ノーザンダンサー系が複合的に交わる現代の血統馬の共通項から、全く不思議な組み合わせではないが、一応、3系統に分かれてクロスするから、近親交配の度合いを分析すれば、種牡馬Kingmanと同系種牡馬Danehillは似た者同士なのだろうと結論できる。
また、サリオスのスピードをアシストするのは、5代父にKalamounで共通のグレイソヴリン直系らしい、芝のスピード勝負向きの血脈の存在とも、これで追加した強調点であろうとも推察できる。
同族に括られるブエナビスタやマンハッタンカフェらに、「快速」のイメージまではない。
ただ、ブエナビスタの母であるビワハイジは牝馬の2歳チャンプであると同時に、セントサイモン系のクロス<プリンスキロ>とターントゥのクロスを得て、父Cearleonの強調材料をフルに活かすようにスピード能力を出し切った。
ここにも快速のラインの陰があるから、ニジンスキーの血はどこに入っても強力なのであろう。
一方で、成長力は他から得ていかねばならないという言えるから、両者、ここが山場となるはずだ。
マイルチャンピオンシップ予想2021 - レース展開と最終予想
都合3連敗中、いずれもG1であり、またグランアレグリアが中心視されるレースに、彼女を交えてコントレイルと3強を成した大阪杯もそこに含まれる。
どれも連を外し、勝ち馬から置かれた5着以下なのだが、不思議と敗因はくっきりと見えてしまうのが、元天才児のサリオスなのである。
毎日王冠を完勝した直後、乗り替わりが再度あったとしても、そこはデムーロなので何とかなるだろうと思った昨年のこのレースは、序盤が遅かったことが問題なのではなく、そこに至るまでに人馬とも生気漲る迫力に欠ける競馬に転じたから、敗れたのだった。
追って誰に伸び負けるということはない、この時期まではの注釈付きだが、そんなサリオスが豪快に外から追い込んでも意味はない。
速く走ることを2歳時秋の時点で、しっかりと重賞の舞台で結果を残すことで、自他共に認める高い能力値を示したのであるから、上がりトップに才能の一端を見たところで、グランアレグリアを差せないのであれば本末転倒。
続く大阪杯も、前走の安田記念も得意とは言い難い、大型馬泣かせの内枠からのスタート。
ただ、少頭数であるから、言い訳である。
大阪杯は休み明けの500kg超の馬に厳しいタフな道悪競馬であり、その後の安田記念は、ほとんどマイルチャンピオンシップ・CS敗退の原因とほぼ同質のものであったのだろう。
叩いて2戦目は、位置取りを落とす。
皐月賞の後の中5週であったダービーも、外々追走だから、1角10番手の旧式ダービーポジションギリギリラインは、後方待機。
昨年のマイルCSでは、3コーナーが13番手。
もっと少頭数の安田記念は、ほぼリズムが同じ東京ワンターンで9番手。
前走がいずれも、同型で相似形のような競馬だから、比較はしやすい。
皐月賞・4番手、毎日王冠・4番手、大阪杯・3番手。
仕上げやすい大型馬だけに、アーモンドアイやグランアレグリアのような性質とすべきところが、かなり判然としている面は大いに見受けられる。
今春劇的復活を遂げたダノンキングリーも、サリオス、シュネルマイスターらも、相手に関係なく、毎日王冠を3歳で制したメンツ。
一様に、次走はここを選んできたが、54で勝った2頭だからダメだったわけでなく、ずっと前に、14年間にウオッカを差し切ったスーパーホーネットもダメだったように、古馬ではアエロリットも惨敗の記録がある毎日王冠勝ち馬は、ダイワメジャーやカンパニーを除き、直行では全敗の記録がある。
スーパーG2とされてきた一戦だが、距離延長の余力で秋の天皇賞も制した若くない牡馬たちが、ここを力で平定しにかかるという構図のみ通用。
春から頑張るシュネルマイスターは、どことなくダノンキングリーに近く、サリオスほどヘンテコな競馬はしないだろうが、完全に苦しいローテのサイクルに突入。
周到なローテとて、ここで初めての関西遠征だから、そこもダノンキングリーと同じとすると、函館→札幌の移動は経験していることを交配が強みとできたら、また好走だろう。
さすがに消す勇気はなかった。
一方で、休み明けでまた結果が出ないとなると…、危険信号が完全に灯ってしまうサリオスの方は、ある意味で言い訳できない立場だから、これまでで初めての3連続騎乗である松山騎手ともに、いよいよ見捨てられ加減の低支持を味方につけ、自由にいつものスタイルで他を封じに懸かりたい。
時計の短縮がまるでないに等しいことは、結果を見れば明らかとしながらも、実際、本番をマイルG1と据えた2シーズンの流れがあるから、ここはダノンキングリーの勝ちパターンにハメ込めんでしまいたいところ。
初めて休み明けで敗れた昨年の秋の天皇賞は、古馬になって唯一の450kgでの出走。
クラシック路線でもその後半の馬体重で好走していた馬であり、内面が完全に戻っていなかったようだ。
秋から再び走り出すことに、もう2度挑んできたサリオスは、きっと納得の結果を出せる。
それが優勝なのかどうか、はっきりとは言い切れない面はあるが、グランアレグリアだって速さで勝負できるような天真爛漫さはもう見られないだろう。
2年間の優勝馬であるインディチャンプを含め、マイルG1馬はいずれも、ここでは横一線。
ならばフレッシュなサリオスに、若干のローテ上の有利さがあるように感じる。