大阪杯2023の予想 過去10年間のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

大阪杯の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第66回大阪杯 (G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年4月2日(日)
発走時間15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝2000m
コース右回り
賞金2億円
レコードタイム1:57.2

大阪杯2023の予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

大阪杯2023の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ジェラルディーナ岩田 望来牡556.05.54栗東・CW・良(団野)
6F 81.6-65.6-51.3-36.7-11.8(末強め)
栗東・CW・良(団野)
6F 84.1-68.0-53.2-37.8-11.5(馬なり)
12マリアエレーナ浜中俊牡558.020.37栗東・坂路・良(助手)
800m 64.6-46.2-29.5-14.4(馬なり)
栗東・CW・稍重(助手)
7F 97.9-66.7-51.9-36.6-11.3(強め)
23モズベッロ西村 淳也牡758.0219.315栗東・坂路・良(西村淳)
800m 51.6-37.7-25.1-12.9(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.0-39.2-25.2-12.5(一杯)
24ノースブリッジ岩田 康誠牡558.037.49美浦・南W・良(岩田康)
5F 66.1-51.3-36.6-11.1(強め)
美浦・南W・良(岩田康)
5F 66.7-51.0-36.7-11.2(馬なり)
35ワンダフルタウン和田竜二牡558.0230.116栗東・CW・良(和田竜)
7F 97.4-66.7-52.7-37.5-12.4(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.4-38.6-24.8-12.4(馬なり)
36ヴェルトライゼンデ川田 将雅牡658.05.85栗東・坂路・良(水口)
800m 51.2-38.1-24.3-11.9(一杯)
栗東・坂路・良(川田)
800m 52.8-38.8-25.0-12.1(末強め)
47マテンロウレオ横山 典弘牡456.039.210栗東・CW・良(助手)
7F 94.8-65.7-51.8-37.3-11.9(一杯)
栗東・CW・良(横山典)
6F 84.8-70.2-55.3-39.6-12.2(馬なり)
48ラーグルフ戸崎 圭太牡458.039.511美浦・南W・良(助手)
6F 84.2-67.8-52.9-38.3-11.7(馬なり)
美浦・南W・良(助手)
6F 82.3-66.7-51.7-37.9-11.5(馬なり)
59ジャックドール武 豊牡558.03.92栗東・CW・良(助手)
6F 84.2-67.2-50.9-35.8-11.5(一杯)
栗東・CW・良(武豊)
6F 80.3-64.8-50.6-35.6-11.0(一杯)
510ポタジェ坂井 瑠星牡658.042.912栗東・CW・良(助手)
7F 95.7-66.0-51.7-36.9-11.9(一杯)
栗東・CW・良(坂井瑠)
7F 99.8-67.8-52.8-37.7-11.7(末強め)
611スターズオンアースC.ルメール牡456.03.71美浦・南W・良(杉原)
6F 81.0-65.5-50.2-36.0-11.1(馬なり)
美浦・南W・良(ルメール)
6F 82.2-65.7-51.2-37.2-11.7(馬なり)
612キラーアビリティ団野 大成牡458.019.16栗東・CW・良(助手)
6F 81.7-66.7-51.9-37.4-12.0(稍一杯)
栗東・CW・良(団野)
6F 83.1-67.6-52.8-38.0-12.0(強め)
713ダノンザキッド横山 和生牡558.025.08栗東・CW・良(横山和)
7F 99.4-68.5-53.7-37.6-11.5(一杯)
-
714ヒシイグアス松山 弘平牡558.04.83美浦・南W・良(助手)
6F 82.5-66.0-50.9-36.2-11.2(馬なり)
-
815ヒンドゥタイムズ池添 謙一牡758.0139.914栗東・CW・良(池添)
7F 96.9-65.0-50.1-35.8-11.5(一杯)
栗東・CW・良(池添)
6F 85.1-69.4-53.9-38.0-11.0(G前仕掛け)
816ノースザワールド北村友一牡558.0131.313-栗東・坂路・良(助手)
800m 56.1-39.9-25.6-12.7(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬3回4回3回11回14.3%33.3%47.6%
先行馬9回8回6回50回12.3%23.3%31.5%
差し馬5回4回8回72回5.6%10.1%19.1%
追い込み馬3回43回3回59回4.3%10.1%14.5%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠0回1回0回21回0.0%4.5%4.5%
2枠0回0回0回3回0.0%0.0%12.5%
3枠3回7回1回17回10.7%35.7%39.3%
4枠3回1回3回22回10.3%13.8%24.1%
5枠6回3回3回22回17.6%26.5%35.3%
6枠2回1回4回31回5.3%7.9%18.4%
7枠3回3回2回30回7.9%15.8%21.1%
8枠3回4回4回28回7.7%17.9%28.2%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト33回31回31回154回13.3%25.7%38.2%
ハーツクライ21回16回17回146回10.5%18.5%27.0%
キングカメハメハ17回14回8回66回16.2%29.5%37.1%
ハービンジャー15回12回21回110回9.5%17.1%30.4%
ルーラーシップ15回12回17回94回10.9%19.6%31.9%
キズナ12回12回11回70回11.4%22.9%33.3%
ドゥラメンテ11回10回7回38回16.7%31.8%42.4%
オルフェーヴル11回8回10回72回10.9%18.8%28.7%
ロードカナロア8回7回5回50回11.4%21.4%28.6%
ジャスタウェイ6回4回2回39回11.8%19.6%23.5%

大阪杯2023 - 過去10年のデータ傾向

人気になっても気にしなかった2頭は、いずれも有馬記念で負けていた若い人気馬

スワーヴリチャードはキタサンブラックの引退レースで自滅、そのキタサンブラックが絶妙な仕掛けのサトノダイヤモンドに惜敗したというそれぞれの有馬記念の内容から、スワーヴリチャードはしっかりと金鯱賞を叩いての参戦で、キタサンブラックは古馬タイトル総なめか凱旋門賞挑戦を展望し、両者とも力を示す完勝であった。

いずれもがその後の大レースになども参戦しては、好走を繰り返した。
一方で、この後の4年では、グランプリホースであるブラストワンピースとエフフォーリアが、信じられないほどの惨敗。
前走の有馬記念は素晴らしかったが、4歳になったばかりで、G1での57が古馬相手で初めてだとか、探せば敗因はあった関東馬ではあったが…。

あとは、マイルチャンピオンシップでも好走を期待されたダノンキングリーと、伝説の三冠馬三つ巴戦のあとで最初に使われた、結果的には太すぎて、雨でダメ押しされたコントレイル。
後二者はその後、大レースで再び結果を出すが、例のグランプリウイナーは悲惨な末路を辿ることになる…。
ブラストワンピースは壮行レースと位置付けた札幌記念を勝つくらいで、距離が合わなかった感じでもないが、阪神2000が特殊とされる面が、浮き彫りになったような結果でもあった。

鬼脚で魅せる馬を買っても、損害が大きくなるだけ

プログノーシスがローテの関係で、中2週では万全での参戦が難しいとなって、どうやら回避濃厚。
ある意味で無茶苦茶なレースで3着の有馬以来となるジェラルディーナや、イン強襲でやることはした三冠ならずのスターズオンアース、様子見の叩き台をあっさり快勝のヒシイグアスなど、やけに素晴らしい決め手を、一定以上の格、それもコーナー4つの重賞レースで見せつける馬は、どうしても過剰に評価されることがある。

まあ、ヒシイグアスは香港でも宝塚記念でも連対実績があるので、牝馬よりは買えるし、ヒシイグアスそのものはそこまでは直線でキレる馬ではないから、好位の後ろくらいが合う。
一方、どう乗るのが相応しいのかまではまだ見通せない牝馬勢は、追い込みがまず決まらないレース傾向、3コーナーではほぼ先行馬を捉えられるところにつけていた馬しか勝っていないことからも、いずれも推せる存在となっていない。
自分の型に戻して戦うことであろうヒシイグアスが、反動が出なければ問題ないが、休み明けの牝馬というだけでややこしいのに、阪神内回り戦というのは、実績だけでは買えないのであるからこそ、本命視するのはよした方がいいはずだ。
実力一枚上の根拠があるなら、むしろ、推すべきだが。
牝馬には、元々相性のいいレースだ。

まあ、どういう理由であれ、前年にこのレースに参加している馬は、押さえておきたい

数字は今一つだが、レイパパレ、アルアイン、キタサンブラックというラインナップが、前年の内容を同じくらい走って、負けていた2頭は快勝。
レイパパレは非常に惜しい2着だった。

ポタジェは完全にスランプの状態であるが、G2ならいつでも勝ち負けのジャックドール、ヒシイグアスらは、例年の傾向なら、もう少し評価を下げてもいいくらいの掲示板内もそこそこ好走組に過ぎないが、格段に昨年よりも相手強化の組み合わせではなく、少なくとも、秋のビッグレースウイナーはジェラルディーナのみなので、昨年の好走馬を消す理由は特にない。
ポタジェもちょっとしたきっかけで復活しておかしくないタイプで、全然ディープっぽくないから、買い目に余裕があるなら拾っておいて損はない。

怖いのは4歳馬というよりも、意地でも何でも、実力を取り戻したい5歳勢の方が推し

5歳となったオルフェーヴルにとってはリスタートの一戦であり、ここ数年のアルアイン、ラッキーライラックなど、王道路線に戻ってきて、ラッキーライラックは再度のライバルとの対決に望みを残すような勝利を挙げている。
他のコースほど、時計が遅くなるわけではないものの、上がりが33秒台中盤くらいになる最速の出走馬が出現しない条件であるから、坂の適性なども含め、まだ若い4歳馬が絶対的にいいという組み合わせにならない。

少々休んでいたにしても、何かが普通と違うスワーヴリチャード<大まくり>、レイパパレ<厳しい雨中決戦>のような、注釈付きの勝ち馬が前走連勝の形で来るのに対し、5歳で連対した7頭すべてが、前走は2着以下。
今回の方がより適距離に近いノースブリッジを除くと、登録する有力馬全てが、これに該当する。

不可思議なラップで古馬勢にねじ伏せられたジャックドールは、少々選り好みがあるような傾向の配合でもあし、どうしても買いたい理由でもない限りは怪しいジェラルディーナ、ダノンザキッドらよりは、小倉記念圧勝のマリアエレーナの方が妙味ありなのだから、よほど好適性の4歳馬が見当たらないのもあるし、昨年くらいの内容でまた走れればの条件付きで、ジャックドールが狙い目であることは明らかであろう。

大阪杯予想2023 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

モーリス軍団主将の逆襲、スタート2F・22.6秒の不運から1年、中距離エースへの道を諦めるわけにはいかないジャックドール

ジャックドールの血統

3代父は天才競走馬として多くのファンに愛され、有馬連覇などの偉業を成し遂げた北米産のグラスワンダー。
社台牝系のダイナアクトレス・父ノーザンテースト の孫にあたる父父・スクリーンヒーローは、そのほぼ唯一としていい後継馬として、父が出走さえ叶わなかったジャパンCへの出走で、一発回答の大穴快勝を、デムーロ騎手と共に決めて見せた。

父モーリスは、グラスワンダーともスクリーンヒーローとも似つかなかったが、伝統のメジロ牝系・デヴォ―ニアの末裔として、悶々とし過ごした3歳春から、堀宣行厩舎に転厩後、翌年の中山条件戦から覚醒。
同厩舎では【9・2・0・0】と、2歳時は4戦全て圧勝のグラスワンダーのようになってしまった彼を見て、皆が若き日のおじいさんの腕白な勝ちっぷりを思い出したのだった。

時を経て、モーリスも父となり、いきなり初年度から、スプリンターズS快勝のピクシーナイトを送り出し、これが産駒の初重賞制覇。
産駒はオーストラリアでも活躍しているが、かつてのロベルト系のイメージ通り、まとめて一族総出でせっせと活躍するのが特徴。
ピクシーナイトのシンザン記念制覇からちょっとした、一昨年の今頃は、シゲルピンクルビーとルークズネストが、同時期に重賞を勝っている。

また、父と同じような危険な一面を覗かせたことで、コントレイルが少しお休みしていた時期に福永元騎手が馬を作り直していったジェラルディーナも、結局は、ジャックドールとは同期の華というような関係。
この解説を書いているときに、高松宮記念に無事出走しているか不安なピクシーナイトもそう。
オーストラリアのHitotsuもそうだから、ワンセットでイッチョ上がりなのである?

グラスワンダーが有馬記念を連覇する前にも、同系ブライアンズタイム産駒がナリタブライアン以降で3勝、グラスワンダー引退後もすぐに、シンボリクリスエスが連覇している。
なお旧産経大阪杯時代から、このレースでロベルト直系の馬の勝利はない。
昨年は、シンボリクリスエス直系の断然人気馬・エフフォーリア共々<その父エピファネイアも1番人気を裏切った>、大いに不興を買うこととなったわけだが、母父ブライアンズタイムが妙によく来る時期もあったレース。
舐めてると、痛い目に遭うぜ…、くらいの勢いで、急に甦って欲しいものだ。

大阪杯予想2023 - レース展開と最終予想

今更ながら、G1昇格後初年度のキタサンブラックで制した以外にも、ここと前後してG1を勝っていた人気馬とG2時代に6勝、大阪杯を計7勝の武豊騎手と、このジャックドールとの相性がどうなのかという問題が、ひとつの焦点となっているレースなのだが、出負けでバランスを崩し、1コーナーまでのポジショニング争いが、JRAローカル場の芝1800Mのレースのように厳しい沙田の2000Mで、渋々中団からゆったり進出でも、勝ち馬のロマンティックウォリアーの独走で目立たなかったが、止まったわけでもないジャックドールは、好位抜け出しでパンサラッサを交わすだけの競馬に持ち込んだ札幌記念から、消耗戦と高速の上がり勝負が混在する天皇賞の4着を経て、少しだけでも、昨年以上の上積みがあったと感じられた。

そこは天下の武豊である。
同じ轍を踏むはずもなく、負けるならまた別の理由ということになる。
今年は昨年とは違い、先行争いも激化しそうにないから、元は令和のサイレンススズカと言われた逸材。
撃沈した昨年のレース回顧から、十分にここでも推せると考えた。
前走間隔中6週以上では、【4・0・0・1】であり、唯一敗れたのは秋の天皇賞なのだが、展開上、仕掛け方も難しかったが、それ以上に、前走制した札幌記念も休み明けという異例のローテ。
今のオープン級は、渋い動きのダート型でもこうしたローテになるから、決め手不足でも力負けではない。

そこで、改めて考察したい昨年の競馬。
エフフォーリアとの初対戦で大盛り上がり、スタート直後は枠の比較的近いところであったから、競馬が上手な両者だけに、期待感もあった最初の6秒くらいだったのだが、200通過に掛かる12.3秒の間に、周りの圧を感じながら、ようやく先頭が出かけたところで、その後に香港ヴァーズを制する、これも巧みなレース運びをするウインマリリンにまずはけしかけられ、今度は行かないと存在意義を問われるアフリカンゴールドや前年ハイペース押し切り圧勝のレイパパレと、対エフフォーリアだけでなく、このジャックドール包囲網にも翻弄。
行かせるしかない、未完成であったジャックドールを叱咤した藤岡佑介騎手の仕方のない判断は、400Mで22.6秒という、先行潰れ当然の猛烈な単騎逃げで、実際問題、ここで脚を使ってしまったことは明らか。

前走から中2週、年明け3戦目という厳しいローテの影響は、ナーバスになって不思議ないパドックでの雰囲気からは、必ずしも、危ないほどのものは感じられなかったが、そういう匂いがしていなくとも、この展開で、中距離G1を逃げ切ることは不可能。
あの幻の秋の天皇賞不滅のレコード勝ちを完遂できなかったサイレンススズカでも、2F目は23.9秒であり、伝説の旧中京競馬場で駆け抜けた大差勝ちの金鯱賞でさえ、24秒ちょうど。
テンはサイレンススズカより速くとも、そこから加速するのがスズカで、マイペースに落とし込む落ち着いたラップにするのがジャックドールなのだから、実は、逃げ馬でも巧みに差し馬に作り変えるラップの魔術を時に繰り出す武豊ならば、途中から先頭のプランもあって不思議ないとさえ思う。

昨年の大阪杯の1000M通過は、59秒をわずかに切るくらいで、勝ちタイムが1:58.4。
5着のジャックドールは苦しみながらも、12秒のラップを継続して踏み続け、1:58.9で初G1参戦を乗り切った。
もっと難解な秋の天皇賞は、パンサラッサには置いて行かれ、それをハイペースに逃がせたある種の主犯格であるバビットやノースブリッジなどを、ゆったり交わしにかかったことが、結果的に失敗。
しかし、器用なようで自在では決してない先行馬の悲哀が、何とも切ない3歳差し馬勢の目標となった直線に凝縮されていた。

上がりが速すぎなければ、そこは問題ないが、3歳の2頭は直線で10秒台後半のラップを推定2F連続で繰り出していたから、自身の33.5秒は普通過ぎる競馬であったことの証左。
香港遠征を機に乗り替わりは、G1獲りを目指す過程では、やはり避けて通れなかった面もある。

引き出しは30代の一流どころよりも、2倍3倍はある名手であるから、捲って出る札幌記念よりもさらにタフな展開も想定しながら、キタサンブラックで逃げ馬2頭を好きに走らせて、いいところを持っていくスパートのプランもあるし、逃げ切りの普段の型も当然準備してあるだろう。
メンバー構成からも、行くとしたら、一旦成功の型を崩すことになるノースブリッジか、1度逃げたことがあるだけのノースザワールドくらい。
行くと思わせて…、という判断よりも、不確定要素に対する準備力の方が重要なメンバーだから、差し馬人気の構図を嘲笑う、昔よりも最近の方がよく見る、してやったりのユタカスペシャルがハマって不思議ない。
まず、もう序盤から22.6秒はあり得ないから、ラチ沿い進行を優先して逃げる可能性はあるノリ騎手のマテンロウレオの出方次第で、目標になるリスクよりは、マイペース進行の確率の方が上。

そこで、ジャックドール自身に加わった経験値と、スパートのタイミングは大レースほど逆算しやすいこととあわせ、正確さで他の追随を許さない武豊の高度な技術な、自在な展開を可能とする条件が、今回はかなり整っている。
左回り得意の説も、単調な逃げ馬になりかけている説もあるが、香港で彼なりの粘りがあり、その前の天皇賞でも先行する平均ラップ型には全く以ってはた迷惑なややこしい展開で4着。
そうしたレースのウイナーが、ここ数年は負け続けている。
引き出しが増えた、初コンビではない両者だからこそ、ここは積極的に狙いたい。

オープンに上がってからは【3・0・0・3】。
初勝利戦があまりに鮮やかだったことで、初関東遠征ではないことを理由に、わざわざ中1週でプリンシパルSに挑んだ際の5着以外は、大阪杯に至るまで連外しはなく、前走の香港が初掲示板外。
少し怪しい馬となった瞬間の、意外にも思える復活劇は、大体がファンのキャラへの認識の不足が原因であったりする。
実は強くなっているジャックドールは、このメンバーで崩れることはまずない。