桜花賞2024予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

桜花賞の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第84回桜花賞 (G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年4月7日(日)
発走時間15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝1,600m
コース右回り
賞金1億4,000万円
レコードタイム1:31.1

桜花賞2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

桜花賞2024の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ワイドラトゥール北村 友一牝355.098.117栗東・坂路・稍重(北村友)
800m 54.4-39.0-24.8-12.1(馬なり)
栗東・CW・良(北村友)
4F 54.6-38.1-11.7(馬なり)
12クイーンズウォーク川田 将雅牝355.05.72栗東・CW・稍重(調教師)
6F 84.5-68.5-53.0-37.4-11.5(直強め)
栗東・CW・良(川田将)
6F 84.1-68.7-53.2-37.5-11.2(馬なり)
23イフェイオン西村 淳也牝355.027.18栗東・CW・稍重(助手)
6F 83.9-67.0-51.6-36.7-11.4(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.1-39.8-25.5-12.5(強め)
24キャットファイト松山 弘平牝355.039.611美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 66.8-51.5-36.6-11.4(G前仕掛け)
美浦・坂路・良(助手)
800m 55.2-40.4-25.0-12.2(馬なり)
35シカゴスティング浜中 俊牝355.062.216栗東・坂路・稍重(浜中)
800m 52.9-38.1-24.3-11.9(末強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.6-38.7-24.9-12.3(馬なり)
36ハワイアンティアレ池添 謙一牝355.052.215栗東・坂路・不良(池添)
800m 52.8-38.3-24.8-12.3(強め)
栗東・CW・良(池添謙)
6F 81.7-65.9-51.3-36.9-11.7(馬なり)
47スウィープフィート武 豊牝355.09.75栗東・坂路・不良(助手)
800m 54.3-39.2-24.9-12.1(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.7-38.1-24.3-12.0(馬なり)
48コラソンビート横山 武史牝355.010.76栗東・CW・不良(助手)
6F 79.8-65.9-52.5-37.5-11.7(馬なり)
栗東・CW・良(助手)
6F 79.2-63.9-50.6-36.7-11.6(馬なり)
59アスコリピチェーノ北村 宏司牝355.04.51栗東・CW・不良(北村宏)
6F 82.2-67.3-52.9-37.8-11.2(稍一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 80.6-65.8-51.5-36.8-11.6(馬なり)
510セキトバイースト藤岡 佑介牝355.032.49栗東・CW・不良(藤岡佑)
7F 97.0-66.1-52.0-37.4-11.7(末一杯)
栗東・CW・良(藤岡佑)
4F 52.6-37.6-11.2(馬なり)
611ライトバック坂井 瑠星牝355.018.57栗東・CW・不良(助手)
6F 80.6-66.6-52.3-36.8-11.7(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 84.4-69.4-54.3-38.7-11.9(馬なり)
612ステレンボッシュJ.モレイラ牝355.06.63栗東・CW・不良(国分優)
7F 98.9-68.0-53.6-38.5-12.1(馬なり)
栗東・CW・良(助手)
6F 82.7-67.5-52.0-37.1-11.7(馬なり)
713テウメッサ岩田 望来牝355.041.713栗東・CW・不良(岩田望)
6F 83.9-67.8-52.5-37.0-11.3(馬なり)
栗東・CW・良(岩田望)
6F 86.8-70.5-54.2-38.3-11.8(馬なり)
714ショウナンマヌエラ岩田 康誠牝355.0100.918栗東・坂路・不良(岩田康)
800m 54.1-39.3-25.7-12.8(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 56.7-40.7-25.9-12.5(末強め)
715エトヴプレ藤岡 康太牝355.041.112栗東・坂路・不良(助手)
800m 52.9-38.9-25.3-12.8(馬なり)
栗東・CW・良(藤岡康)
6F 82.6-65.7-51.6-36.6-11.8(強め)
816セシリエプラージュM.デムーロ牝355.036.310栗東・坂路・稍重(助手)
800m 53.5-38.3-24.7-12.5(馬なり)
栗東・坂路・良(田中健)
800m 51.4-36.9-24.2-12.1(馬なり)
817マスクオールウィン津村 明秀牝355.047.614美浦・ウッド・稍重(津村)
6F 82.1-66.8-52.4-37.5-11.6(馬なり)
美浦・ウッド・良(津村)
6F 85.1-68.9-53.6-38.5-11.5(馬なり)
818チェルヴィニアB.ムルザバエフ牝355.09.34栗東・CW・不良(助手)
7F 98.2-67.2-52.5-37.6-11.9(馬なり)
栗東・CW・良(助手)
6F 85.4-69.1-53.4-38.2-11.6(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回1回1回17回5.0%10.0%15.0%
先行馬7回5回5回58回9.3%16.0%22.7%
差し馬5回9回11回139回3.0%8.5%15.2%
追い込み馬7回5回3回83回7.1%12.2%15.3%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠0回1回3回35回0.0%2.6%10.3%
2枠2回0回3回34回5.1%5.1%12.8%
3枠1回2回1回36回2.5%7.5%10.0%
4枠4回4回0回31回10.3%20.5%20.5%
5枠6回1回5回28回15.0%17.5%30.0%
6枠0回2回3回35回0.0%5.0%12.5%
7枠4回4回4回48回6.7%13.3%20.0%
8枠3回6回1回50回5.0%15.0%16.7%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト37回35回32回210回11.8%22.9%33.1%
ロードカナロア22回24回24回200回8.1%17.0%25.9%
エピファネイア18回18回16回132回9.8%19.6%28.3%
ハーツクライ18回10回16回131回10.3%16.0%25.1%
ルーラーシップ16回13回11回111回10.6%19.2%26.5%
キズナ15回15回11回123回9.1%18.3%25.0%
モーリス14回10回18回99回9.9%17.0%29.8%
キングカメハメハ14回10回4回59回16.1%27.6%32.2%
ダイワメジャー13回19回10回101回9.1%22.4%29.4%
ドゥラメンテ12回4回3回89回11.1%14.8%17.6%

桜花賞2024予想 - 過去10年のデータ傾向

希望通りに決まる豪華決戦はまずないのが、クラシック第一冠目の鉄則

昨年は川田コネクションによる1番人気勝利の継続を意味する、9年ぶりに断然支持の馬が勝つ桜花賞となった。

単勝2.5倍より売れていた、単勝への投票総数が約4割を超えていたと思われる断然支持の桜最有力候補は、この間に、4頭が登場するも、連絡みは、アーモンドアイに無敗継続を阻止されたラッキーライラックという黄金カードが実現した2018年のみ。

他に好走した1番人気馬は、ルメール絡みが2頭、桜花賞4勝の武豊騎乗・レシステンシアの1回と、そもそも、人気が集まりすぎるのはよくない競馬。

ただ、ルメール騎手も川田騎手も、1番人気を飛ばしたことがある。

普段なら、高松宮記念以降は雨が降らない・G1当日の影響は最小限といった傾向だが、2週間のスパンで大まかな予報をみていると、その辺りが今年は怪しい。

1月の後半からは雨に影響されたという競馬がかなり多い、とりわけ、その影響をもろに受ける芝の重賞というのは、この辺りの機微に些細な要素も大きなマイナスのベクトルを秘める3歳牝馬同士の争いなら、尚のこと、要注意の部分。

20世紀最後の20年は、3年に一度ペースで雨の影響を受ける桜花賞が恒常化していたが、2020年辺りまでは、まずそうした渋馬場の競馬にならなかったものの、その重馬場の年が2、1番人気の順で、かつ、3着スマイルカナも古馬に伍して戦うタフなマイラーに育ったから、順当な結果。

力勝負には変わりないからこそ、どういう馬場状態でも、底力のあるメンバーの抽出に傾注するべきであろう。

もっと早くに気付くべきだった、2歳女王の傾向

昨年は休み明け勝利、一昨年は伸びきれず4着、その前は連対が続き、川田騎手のダノンファンタジーはグランアレグリアとの新馬戦以来の対戦で力の差を見せつけられるような返り討ちに遭って、撃沈。

ラッキーライラックとソウルスターリングらは強い相手に敗れるも、馬券内に残ったが、メジャーエンブレムは消えた。

故障回避のショウナンアデラはカウントできないが、その前のレッドリヴェールは今風のローテで2着。

消えたといっても、掲示板には載ってくる。

そもそも、外回りが出来てから、ブエナビスタとアパパネは勝っているし、トールポピーとローブティサージュは違う場面で結果を出したミスマッチのタイプで、ジョワドヴィーヴルは過剰人気だっただけのこと。

全ての例外であるウオッカは、相手がダイワスカーレットなら言い訳できるのだけども、次走はダービー圧勝。

関係のない場所に赴いた結果が、適性の通りであったというケースは多いし、メジャーエンブレムのように、距離延長で縁のないタイプであるなら、NHKマイルCでの即巻き返しは既定路線。

至極シンプルな論評でまとめるなら、ジュベナイルフィリーズをレコードタイムで制したアスコリピチェーノを消す理由はない、という点に集約される、断然有利というか、軸馬に最適の傾向は見逃せないが、勝てるという保証までは誰もできないので、上手に相手を絞り込むべきなのだろうとは思う。

昨年3着のペリファーニアから学ぶ、戦いの流儀というやつ

近10年で関東馬は3勝だが、1番人気に推された数もほとんど同じ4回。

対戦構図というか、ランキングをつける目的で行われるクラシックの初戦であるから、それと比例しない1番人気だと全敗の傾向は、今年有力馬多数の美浦所属の大物に伍して、ようやく2月過ぎから登場した関西の有力勢と合わせ、妙な具合に、少数精鋭の関西、物量の関東という謎めいた歴史に反する傾向から、いい意味でフラットな関係にある。

ここに有利不利はないだろう。

一方、3戦以下のキャリアであったという馬も近年は多く、ここ5年だけで3勝、その前のアーモンドアイもここが4戦目。

昨年は、それと同じくキャリア3戦馬のワンツーだったし、デアリングタクトと同じで、日本の制度上はこれ位以上の更新は不可能と思われる2戦のみ走っただけのペリファーニアが3着。

勝ち馬がワールドクラスだっただけに、その存在が与える影響は凄まじかったのは事実だが、似たようなキャリアで、ボンドガールとチェルヴィニアを送り込む関東の有力厩舎は、余裕をもって調整であったはずだ。

しかし、その辺りは少し押せ押せでも、クイーンズウォークなどと同じキャリア=チェルヴィニアもそっくりな戦績 であっても、ローテーションは関係しそうに思う。

3戦以内のキャリアしかない馬で、ジュベナイルフィリーズを経ていない馬の連対は、トライアル権利獲りの王道を進んだペリファーニアのような例が枚挙にいとまがない一方、それを無視したアーモンドアイやデアリングタクトらは、一応、年明けの京都で1走している。

西に来たことのない例のゴージャスな新馬戦を使った組では、意外にも、3着であったキャリアホースの仲間に入るコラソンビートの方が有利な側面もあることは付け加えたい。

ノンキャリアホースに関しては、人気の順の力関係であろうが、ここで反映されるとは限らないということだけは記しておきたい。

大丈夫かどうか、歴史上はほぼ確約済といった立場にある無敗馬

無敗馬は強いが、デアリングタクトは例外とした。

一方、ソダシの様に4戦も経ている馬だと、もうどこかで負けているケースがほとんど。

うまくレースを運べなかったことで一つ星を落としていたリバティアイランドは、ジャパンCまで快進撃を続けていった。

ここまで3、4戦の馬を中心に、縛りをつけて、好走できたかどうかを確認したところ、2015年の凄まじいドスロー<岩田康誠のレッツゴードンキが5F通過62.5秒という奇怪なペースで楽逃げをして、当然の4馬身差圧勝>によって、クイーンズリング、キャットコイン、ルージュバックらがまとめてこけた、異様な桜花賞を除けば、というよりも、それ以降は全て好走。

レッドリヴェールも休み明けで好走だったから、女王・アスコリピチェーノの好走の確率は、不戦敗を除けば、ほぼ間違いなしという傾向。

時代のトレンドに合わせて、しかし、ダイワメジャーやキズナがキレる時代に入った今、雨馬場だと多分に心配な状況であるが、ローテーションに不備のある休み明け<アーモンドアイや牡馬のイクイノックスは、意図した余裕ローテで好走を続けた>でもあるボンドガール、チェルヴィニアらに関し、無敗でも苦しいのに<無敗馬でも負けの数の方が圧倒的に多いのは事実>、それでも大丈夫なのかと問われた時…。

経験も乏しいお嬢様を、スターズオンアースのようにタフなマッチアップを経験させることで大物に育てた事実に基づき、一頭別格の可能性がある黄金世代であるものの、軸にすべきは、主戦が戻ってきたアスコリピチェーノで堅いという見解でまとまった。

桜花賞2024予想 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

ここまではマイル戦での戦いとなる少女たちの序列は、ジュベナイルフィリーズ開催後に確定した印象もある

アスコリピチェーノの血統

ダイワメジャー産駒はこれまでに、桜花賞は1勝のみ・2017年のレーヌミノル であるが、メジャーエンブレムとレシステンシアが大きく支持を集めた桜花賞の方が目立っているといった傾向。

単純に、仕上がりの早い快速型が多いというか、そういう配合の組み立てであるという影響もあるのだろうから、道悪でガッツを出したレーヌミノルが、女帝クラスに育つリスグラシューやディアドラ、2歳女王のソウルスターリングらを一気に負かしたというインパクトは、メジャーエンブレムがジュエラーとシンハライトの激闘を演出する凡走、走るには走ったが、デアリングタクトを覚醒させてしまったレシステンシアと、才能を引き立てるスパイスというような位置づけに落ち着くと、かえって、レースの水準を上げる効果をもたらす。

他に来たのが、トライアル2着のシゲルピンクダイヤと、ジュベナイルフィリーズ出走馬トライアル不発で人気ガタ落ちのプリンセスジャックと、妙に偏りがあるものの、メジャーエンブレムのような先行押し切りタイプでもなければ、レシステンシアほど長期で活躍するタイプには思えない欧州型早熟系配合だけに、秋まで強いという保証はできないということで、歴代好走馬と似ている面は大いにある。

ノーザンダンサーが濃いのは仕方ない時代であるが、それでも4×5・4は重くない。

ただし、デインヒルが入ることと、母系にはシャーペンアップとレイズアネイティヴが入ることで、ナタルマなりその父のネイティヴダンサーが偏っているので、サンデーらしくないダイワメジャーでも、上級の芝向きミスプロ系のような瞬発力があるのだろう。

オークスでこれを活かすのは至難の業だが、滅多なことで、強い桜花賞は東京でも崩れないのだから、厳しい休み明けローテでも、実は、ディープインパクトよりもダイワメジャーがフィットしていた<どちらかというと北米ベースの活力漲るスピード血統>リッスンのファミリー…、ということをここで証明した時、歴史に残る名牝として皆に記憶される一頭となるはずだ。

大げさなことを言うと、アスコリピチェーノという馬のキャリアの積み上げ方は、ここまでのレース数が同じでも、まるで別物のようで、1400M戦デビューから1600のワンターン戦で連勝という形、またここまで春になってからは使われていないという点も含めて、新馬戦の内容を踏まえた時、様々な展開が予測されるハイレベル決戦において、有利な条件を最もそろえたエース級であることは、既に証明されているような気もしていた。

一瞬、クイーンCのクイーンズウォークに惹かれる部分もあったが、チェルヴィニアらが競ったアルテミスSほどではないにせよ、前後半の1秒ほどの後傾が起きた瞬発力勝負。

本番で想定される高水準のバランスラップをジュベナイルフィリーズの時点で経験した強み、

「46.4-46.2」

に伸びしろを感じ、追ってきたコラソンビート、ステレンボッシュはともに、東京で相応の結果を残していた馬だったことを踏まえると、女王・アスコリピチェーノと未対戦のチェルヴィニア、ボンドガールらとの力関係は、現状、すでに同格ではないだろうか。

それでも何かしらの決着の方法や事情、そうした条件への対応力の差が出て、着順は生じるのが競馬であるのだが、だったら、一頓挫というよりも、大勝負を回避せざるを得なかった才能よりも、実績を順調に積み上げた組の方が有利と考え、冒頭の評価となったわけだ。

桜花賞2024予想 - レース展開と最終予想

もちろん、このレースの楽しみは実に多様でもある。

コラソンビートという基準馬にも等しいキャリアホース相手に、裏路線組ながら、同じように数を使われて密かにスケールアップしていたエトヴプレ<今最も侮れない男・藤岡佑介が騎乗>がどんな展望でこのレースに挑むのか。

コラソンビートも速い馬であったはずだが、マイルの桜花賞を展望する上で、トライアルから型を崩すことはできない。

そうした意識を予期したわけではないにしても、スプリンターらしい本質を全開にしたエトヴプレの行きっぷりに加え、これを制するのに、では横山武史騎手はもっと出すのか、かなり引いて出るのか…。

場合によっても、これらが中心の桜花賞であってもおかしくないレベルの結果となったフィリーズレビューの上位組は、少し侮れない。

藤岡佑介騎手がそうなのだから、父より先に桜花賞を勝っておきたい武史騎手<ここ3年の騎乗馬は勝ち負け可能なレベルも、ナミュールがまだ未完成で振るわなかった>が父父・子制覇を目指すということでも少し注目。

今更、この組を誰も注目しないから、かえって、穴党は拾っておきたいという妙味を秘める。

このコラソンビートを新馬戦で相手にしなかったボンドガール、チェルヴィニアらは、本来は阪神ジュベナイルフィリーズでの再戦を目指し、各々、東京の主要重賞を使い分けてきたきらいもあるが、1800を使うことになったチェルヴィニアの方が、いくらか大人になるのが早かったという東京の内容から、ここ新馬と逆転があって不思議ないが、ボンドガールはアクシデントの類で無念の回避だったのに対し、チェルヴィニアはハービンジャー産駒らしく、未完成の中で少し背伸びしたレースを2歳の内に複数経験してしまったことで、休まざるを得なかった面が、ステーブルメイトで現役中に顕彰馬選出内定だったイクイノックスのクラシック前とよく似ているので、ルメール騎乗とて、少し心配は多い。

ハービンジャーにもこのシンコウラブリイ一族にクラシックはあまり縁がないことは、つとに知られる事実であるが、可能性を秘める、レガレイラを超えていたとして不思議もなかったはずのチェルヴィニアの評価は、ここではかなり割れることだろう。

また、ハービンジャーの産駒はクラシックの中でも最も華やかな状況で行われるオークス、ダービーに勝ち馬はおろか、2017年のモズカッチャンを2着に送り込むので精いっぱいといった状況。

その年は、タフさではリスグラシューにも劣らぬディアドラも混じっていたから、桜花賞でもあまり振るわないこの産駒が、どこまでやれるかというのは、非常に気になるところなのだが、ちょっとここまではいい流れではない。

本命にするべき対象から外れた時、クイーンズウォークがハービンジャー産駒のプレサージュリフト<木村哲也厩舎>に見えなくもなかったことで、道は決まった感もある。

今更褒めても仕方がない無敗の女王に対し、その無敗であることがかえって、悪い影響を及ぼす傾向だけが少しだけ不安なのであって、北村宏司&アスコリピチェーノに不安はない。

ダイワメジャーばりのしつこい追撃をいなしきった内容は、ステレンボッシュに一瞬交わされかけながらも、ルメールの一撃にまで至らないほど、

馬には余力が感じられた。

距離適性の差もあっただろうが、ステレンボッシュも同じ休み明けならば、こことの勝負も、実は自在で有効な手をいくつか持ち合わせる女王が有利。

連の軸のような扱いに拘ったのも、負けそうな感じになる事が多い条件だからこそ。

同じような理由で、ジュベナイルフィリーズと人気が入れ替わったソダシは、同じ僅差でも、着順は据え置くレコード勝ちだった。

これが粘れば、自然と底力勝負になり、伏兵接近の可能性や確率の面では大きく低下することが予測される。

強い2歳女王が見せ場を作る桜花賞に、今年もなるだろうが、さて、いつも遅咲きになるように設定している阪神競馬場の桜は、果たして、どのくらい花開いているだろうか。