チャンピオンズカップ2024【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着レモンポップ(2.2倍)2着ウィルソンテソーロ(5.5倍)3着ドゥラエレーデ(42.6倍)

レース名第25回チャンピオンズカップ
日程2024年12月1日
優勝馬レモンポップ
優勝騎手坂井 瑠星
勝ちタイム1:50.1
馬場
3連単配当18,050円

チャンピオンズカップ2024 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
12レモンポップ1:50.1-
28ウィルソンテソーロ1:50.1ハナ
36ドゥラエレーデ1:50.41.1/2
43ハギノアレグリアス1:50.53/4
54ペプチドナイル1:50.5 ハナ
単勝2220円
複勝2140円
複勝8180円
複勝6560円
枠連1-4520円
ワイド2-8390円
ワイド2-61,520円
ワイド6-82,200円
馬連2-8840円
馬単2-81,190円
3連複2-6-87,410円
3連単2-8-618,050円

チャンピオンズカップ2024 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「本当にレモンポップに感謝したいです。自分はいつも通り乗っていただけで、最後まで頑張ってくれたのは馬の力だと思います。この馬に乗るときはいつもプレッシャーがあるので、いつもと同じでしたが、ラストランということで、勝って引退式が出来たら最高だと思っていました。最高の結果になりました。」

※優勝した坂井瑠星騎手のコメント(レモンポップ)

チャンピオンズカップ2024 - レース結果動画(YouTube)

チャンピオンズカップ2024 - 回顧

レモンポップの血統

その配合の馬が、24年後の中京でチャンピオンズC連覇。
重厚な系統とは違い、どんなに渋い血や重々しい欧州系の血を入れても、彼らが秘める本質的に快活なスピード能力をベースとした才能は、しっかりと後継者であるレモンポップなどに伝わる。 日本だけながら、ダート7Fでは、最初の2戦は2着で…、というジャイアンツコーズウェイっぽい血の流れを汲むキャリアを積み上げながら、結果、以降はどんな条件でも勝って、さきたま杯まで6連勝。 8FもG1級出走機会3戦全勝。 大井出身の坂井瑠星騎手に、これ以上のパートアーはいなかったということになる。 きっと、芝も走る馬を出すだろう。 そういう血統的特性もある。

出が悪いことがほとんどないレモンポップは、ミトノオーの松山騎手と、やり合いそうな序盤であったものの、 36.0→48.2→60.8秒 という、力の出し切りやすい形に収め切った。 前年より、中盤で抑えが利いて効いて、楽をしながら、同じラップで中盤を乗り切ったことになる。
それでいて、完全にいい頃の出来には戻り切ってはいなかったにしても、大人の体になって、いい意味で捉えたなら、洗練された部分のあったのだろう。 もう少し目方の大きかったペプチドナイルより、ちょっとだけ柔軟に色々な圧を交わすような、王者らしい受けて立つ態勢が体制が出来ていたようにも映った。 きっと、速さそのものでは、昨年の方が上だったはずだが、勝ちタイムそのものは、昨年の自分に2馬身以上の差をつけている、ベストタイム更新の結果。
自信満々に乗らなければ、それは失礼にあたるという振る舞いを、正々堂々とみせる、多少の困り事にはある程度まで対応できるようになった頼もしい坂井瑠星騎手だから、下手に動かずだとか、変に強気を出したりなどしなかった。 おかげで、競りかけていたミトノオーの方が自滅していった格好。 昨年よりは勲章が増えただけでなく、底力の向上も図られただろうウィルソンテソーロを川田騎手が完璧にエスコートする中、ライアン・ムーアで目覚めたドゥラエレーデが内からグイグイ伸びてくるなど見られた、全く昨年と同じ決着という、ある種のカオスも、そうした人馬の自信が生んだ結果なのだろう。
むしろ、昨年より頑張れる態勢にあったからこそ、今年もやってきたという後ろの2頭とさえ映った。 最初から、この結果に決まっていたかのような、究極の理想形・必勝の形を作ってしまったレモンポップのオーラが、他の才能発揮に、大いに影響を与えたことは事実だろう。
その証拠に、京都芝で恒常化する外差し競馬のそれとは真逆の、内有利のいつも通りの中京中距離ダートになった、8番枠の発走のウィルソンテソーロより内の馬だけで上位掲示板を独占であったのだ。 6着は武豊だからこそ、今のところはG1でも格好が付けられるようなところがある12番枠のサンライズジパング。 筆者推奨のガイアフォースは出来が悪いようには到底見えなかったが、これとの位置取り争いで見劣った結果、外に振り回される最悪の展開であった。
最初からいい形を作れないのでは、王者に及ばないのは仕方ない。 ある意味、今後にこの結果がオッズに影響した時の妙味が生まれるような展開であったともできる。 絶妙なレモンポップペース配分は、当然のごとく、多くの馬のリズムをおかしくさせていた。 本物のチャンピオンであるという証しだろう。 敢えて、口にすることもないが本当に素晴らしい。
そんな争いの中で、総合力がここ1年で一気にアップしたことを示したのが、5着で、昨年はここに出られるような立場ではなかったペプチドナイル。 大型化顕著のボリュームアップこそ、もう1年半以上はなかったものの、自己最高体重で臨んだ1番人気のエルムSで大惨敗を喫した馬が、幾度となく、厳しい状況に晒される過程で進化を遂げ、結構苦しい体勢でも、しっかりとG1馬らしい粘り腰を見せた。 本質的なスピード能力で、同じ馬齢のレモンポップとは、出発点からして違うことを思えば、総合力で抑え込んで見せたレモンポップに対し、正真正銘、タフ馬場のマイル戦の王者という佇まいにも映った。 揉まれ弱い部分を藤岡佑介騎手が、丁寧なエスコートで解きほぐすように、耐久力を身に着けたこの馬の本領は、今後より発揮される可能性を感じさせた。 大きい馬だけに、足元だけには気を付けてもらいたい。
一方で、昨年に引き続いて惨敗のセラフィックコールやクラウンプライドなども、内面そのものは強化されているはずだが、本質的なタフさに欠けるのであろう。 出来は随分とよかったはずだが、主役が先行型で、またそれが柔軟に展開をコントロールできるようなキャラして、まさにダート王者らしい振る舞いをするとなると、両者、まるで戦法が違うものの、もう少しレモンポップのようになっていきたいクラウンプライドだとは、反対に、同じように3歳でみやこSを制したサンライズジパングのように渋とく食い下がっていきたいセラフィックコールなどには、鞍上の固定なども前提条件とし、やはり、耐えるということを教え込む時間が必要に思う。 気持ちよく走る時だけ強い馬の馬場では、いつまで経っても、大きなタイトルは得られない。
一方で、クラウンプライドにはコリアC、多少無茶苦茶な形になっても2000Mを超えると崩れていないセラフィックコールなど、自分の持ち場はしっかりと持っている。 しかし、彼らに期待するものはそのレベルではないから、苦しいところから、しっかりと抜け出す瞬間を、自らの実力で掴み取るための、実践の中での鍛錬が必要だろう。 ドゥラエレーデも散々苦しんで、中京でまた走っている。 それと似たタイプ止まりでは困るが、言わずもがな、ドゥラエレーデにはG1のタイトルがある。
芝はもう無理だろうが、馬格でもレモンポップやペプチドナイルなどと遜色ないほど、立派な体躯を誇る才能の持ち主には、他が持たない点制に近いスピード能力が備わっている。 もう7歳になってしまったタニノギムレット一族で4着のハギノアレグリアスに期待できることは限られるが、まだ6歳になっていない両者には、十分な伸びしろがある。 レモンポップが万能に近いスピード型であったことで、ワンターンのサウジCのような形では、盛岡のあのマイル戦までが距離の限界だったものの、コーナーがあるとある程度こなせた。
1200のスピードでは足らないことをフェブラリーS後に示したドバイから、どんどん逞しくなっていったというようなことが、この両者には十分に予測されるからこそ、自分磨きをしていきたい。 一旦、路線は整理されるが、間違いなく、今度はヤマニンウルスやラムジェットが出てきた、あの世界制覇を望む男は大井にまた出てくるというから、むしろ、相手は強化されるとしていい。 頑張りが王者になることへの後押しになるなら、誰もが経験する、ペプチドナイルのような成長の軌跡に、大いにヒントが隠されているはずだ。 まだ始まったばかりである。