ブルードメアサイヤー 種牡馬史上最強ランキング【母父】

ブルードメアサイヤー(Brood Mare Sire)とは、BMSと言い、母父(おもちち、あもししといった読み方)とも呼ばれています。
つまり人間で言えば母方の祖父の血ということですね。

ちなみに「ブルードメア」とは繁殖牝馬のこと。
「サイアー」は種牡馬(父馬)のことを言いますのでそれを組み合わせた単語というわけですね。

日本競馬界ではノーザンテーストやメジロマックイーン、マルゼンスキーなどが有名です。

ニックス一覧などを見てもお分かりだと思いますが人間でも隔世遺伝などと言った言葉がありますように、競走馬の実力は父や母の血統だけではなく、このブルードメアサイアー(母父)の影響力がとても強く残ります。

JRAとしても公式に歴代のリーディングブルードメアサイヤーといったデータが出ていますし、世界でも様々なランキング発表がありますのでこちらの記事ではそれらを見ながら産駒達の解説を行っていきたいと思います。

リーディングブルードメアサイヤーランキング

順位馬名出走頭数勝馬頭数
1キングカメハメハ29965
2ディープインパクト26457
3シンボリクリスエス19651
4クロフネ23150
5サンデーサイレンス26148
6アグネスタキオン25554
7スペシャルウィーク17133
8フレンチデピュティ18838
9フジキセキ20136
10マンハッタンカフェ14331
11ブライアンズタイム14627
12ハーツクライ8821
13ダンスインザダーク17927
14サクラバクシンオー12526
15Storm Cat5912
16キングヘイロー6714
17アグネスデジタル7719
18ワイルドラッシュ5020
19ロージズインメイ3813
20ボストンハーバー3110
21ゼンノロブロイ11319
22タニノギムレット7316
23ネオユニヴァース14019
24タイキシャトル12112
25Essence of Dubai32
26ダイワメジャー9016
27Kingmambo5413
28Tapit195
29ゴールドアリュール7316
30ジャングルポケット8014
31Galileo4112
32Unbridled's Song349
33Fusaichi Pegasus348
34Giant's Causeway4511
35ロックオブジブラルタル377
36Acatenango41
37ハードスパン94
38マイネルラヴ439
39Dansili204
40Danehill Dancer224
41ウォーエンブレム2810
42エンパイアメーカー4711
43Soldier Hollow11
44アドマイヤベガ333
45トニービン395
46ファルブラヴ538
47アフリート5910
48キャプテンスティーヴ217
49Motivator83
50スキャターザゴールド53

母父力<ブルードメアサイヤーの統計

昔は色々、選り好みというか、自分を活かすのは父、母父どちらがいいかがはっきりとしていたが、サンデーサイレンスがそのブレを完全オートメーション化で封じ込み、日本競馬の実権を握った。

2006年から恐らく今年も来年も、母父トップはサンデーサイレンスである。07年との2年間は、直仔、母父<BMS>ダブルで首位。 更に、母父だからなのか、地方単独でもBMSランキングは06年からトップを維持。2002年の7位が最高という直仔の記録は、とんでもない破壊力で瓦解され、その血を浸潤させていったのである。

これはどうやっても逆転不可能。 不世出の大種牡馬登場は、アメリカ競馬界の大損出という顛末も意味するが、その血は世界へ還元されつつある。

その昔は、ノーザンテースト、マルゼンスキー、トウショウボーイと並び称され、母父としても優秀だった御三家種牡馬がいた。 90年代の新御三家も本質に相違なし。

トニービンとブライアンズタイムの位置付けが、血統的な理由もあって逆転して、13年にロードカナロアとキズナがガンガン勝っていたので、ストームキャットが陣地を広げつつあるが、昨年は昨年で、ついに数で勝負できるBTが逆転で、TBは母母父時代へと代重ねを経る歴史的シーンを迎えた。

注目点は他にもある。 12、13年はノーザンダンサー系やTBの産駒を父にした母父SSが活躍。 14年のキングカメハメハは、ディープに次ぐ活躍した優秀さの証明で最多の4勝を記録。 シンボリクリスエスとTB産駒が3:2の割合は、どうも不変らしい。

ハービンジャーの最初の重賞制覇も演出して、彼自身の底力が素晴らしいのかはこれからわかるが、反対に、今年は前述の上級馬とSS肌の馬がここまで0勝。 また、意外と血統の割に人気薄で激走するのが、キングカメハメハやシンボリクリスエスといったリーディング級サイヤー。 数が多いから、そもそも人気を裏切って得意条件で巻き返す特性もあるし、当たり前の結果と言えるけど、タフな条件で、常に気にかけておきたい。

昔からそうだったが、トニービンは絶対数が少なくて、ブライアンズタイムとは3:2の出走数だが、獲得特賞金では総じて僅差。これは不変だから、質の差は推して知るべし。芝もダートも母父だと差はつかない。 それと、母父エーピーインディ、ストームキャットのアーニングインデックスの高さは秀逸。

全ての出走馬の獲得賞金に対する、1頭の種牡馬の産駒あたりの比率を1を基準にしたおなじみの判断材料だが、絶対数が多い内国産の繁殖牝馬より、ほぼ間違いなく輸入されている量が少ないので、3年間1超えの両者は、直仔のそれより遥かに信頼度が高い。 数は多くない上、重賞で穴をあけることが多いから頼もしい。

大雑把な括りになりやすいBMS別の分類は、直仔では過剰人気になりがちな視点の迂回経路になる。 それと欧州型が減った点も、実は見逃せない要素に思う。そのことが、昔とは馬の本質が大きく変化している可能性を示している。 時計勝負に強い今の日本馬の力の源泉は、やはり速い遺伝子の多さに他ならない。

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