チャンピオンズカップ 予想

根岸ステークスを予想!

歴史の浅いレースで、中京開催になったのもつい最近のこと。
ただ、時代の要請によって作られたダートのビッグタイトルである前身のジャパンCダートは、決して、異様なスタミナ偏重の競馬ではなく、
勝ち馬の産駒からスプリントチャンピオンが誕生することもあるくらいで、今でも、高水準のレースであるということは間違いありません。
中京移設直後は、どこよりもタフなダートコースに変更されたので、地方の重たい砂質に適した競馬になった時期もありましたが、今は、むしろ東京よりも速い時計<あくまで換算値>が出るような年もあるので、重要度は年々高まっています。

歴代のチャンピオンズCの勝ち馬をピックアップ!

-東京2100M-
・クロフネ 2001年
・ヴァーミリアン 2007年

-阪神1800M-
・トランセンド 2010・11年連覇

-東京/阪神で1勝ずつ-
・カネヒキリ 2005年・東京/2008年・阪神

-中京1800M-
・ホッコータルマエ 2014年
・クリソライト 2019年

チャンピオンズカップの特徴

強烈な上り坂に長い直線の組み合わせなので、東京よりもタフであるからこそ、かつてのJCダートの流れを汲む一戦であって、スピード優先の馬はその時点で除外されてしまい、強い先行型以外は、差し追い込みタイプに有利なレースと言えます。
一時期よりは、終いのラップが落ちないので、バランスよく好位から差せる若い馬にも有利になりましたが、あくまでもローカルの競馬場なので、馬場質は開催年度の傾向をまず掴むことが重要でしょう。

チャンピオンズカップの歴代優勝馬

開催年1着馬馬齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬
馬齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬
馬齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
<2010年>
トランセンド
牡4
57
藤田伸二
1みやこS①
ワイルドラッシュ
グロリアスノア
牡4
57
小林慎一郎
8武蔵野S①
プリサイスエンド
アドマイヤスバル
牡7
57
小牧太
11JBCクラシック③
アドマイヤボス
2011年
トランセンド
牡4
57
藤田伸二
1JBCクラシック②
ワイルドラッシュ
ワンダーアキュート
牡5
57
和田竜二
5みやこS④
カリズマティック
エスポワールシチー
牡6
57
佐藤哲三
2みやこS<1>
ゴールドアリュール
2012年
二ホンピロアワーズ
牡5
57
酒井学
6みやこS②
ホワイトマズル
ワンダーアキュート
牡6
57
和田竜二
3JBCクラシック①
カリズマティック
ホッコータルマエ
牡3
56
幸英明
9みやこS③
キングカメハメハ
2013年<ここまで阪神1800>
ベルシャザール
牡5
57
C.ルメール
3武蔵野S①
キングカメハメハ
ワンダーアキュート
牡7
57
武豊
6JBCクラシック【2】
カリズマティック
ホッコータルマエ
牡4
55
幸英明
1JBCクラシック【1】
キングカメハメハ
2014年<これ以降中京1800>
ホッコータルマエ
牡5
57
幸英明
2JBCクラシック「4」
キングカメハメハ
ナムラビクター
牡5
57
小牧太
8みやこS③
ゼンノロブロイ
ローマンレジェンド
牡6
57
岩田康誠
3エルムS【1】
スペシャルウィーク
2015年
サンビスタ
牝6
55
M.デムーロ
12JBCレディスクラシック【2】
スペシャルウィーク
ノンコノユメ
牡3
56
C.ルメール
3武蔵野S<1>
トワイニング
サウンドトゥルー
騸5
57
大野拓弥
5JBCクラシック【2】
フレンチデピュティ
2016年
サウンドトゥルー
騸6
57
大野拓弥
6JBCクラシック「3」
フレンチデピュティ
アウォーディー
牡6
57
武豊
1JBCクラシック「1」
ジャングルポケット
アスカノロマン
牡5
57
太宰啓介
10みやこS⑭
アグネスデジタル
2017年
ゴールドドリーム
牡4
57
R.ムーア
8マイルCS南部杯<5>
ゴールドアリュール
テイエムジンソク
牡5
57
古川吉洋
1みやこS①
クロフネ
コパノリッキー
牡7
57
田辺裕信
9JBCスプリント「2」
ゴールドアリュール
2018年
ルヴァンスレーヴ
牡3
56M.デムーロ
1マイルCS南部杯①
シンボリクリスエス
ウェスタールンド
騸6
57
藤岡佑介
8武蔵野S<7>
ネオユニヴァース
サンライズソア
牡4
57
J.モレイラ
3JBCクラシック③
シンボリクリスエス
2019年
クリソライト
牡3
56川田将雅
2日本TV盃<1>
ゴールドアリュール
ゴールドドリーム
牡6
57
C.ルメール
1マイルCS南部杯③
ゴールドアリュール
インティ
牡5
57
武豊
3みやこS⑮
ケイムホーム
2020年チュウワウィザード
牡5
57
戸崎圭太
4
JBCクラシック<3>
キングカメハメハ
ゴールドドリーム
牡7
57
和田竜二
3
マイルCS南部杯<6>
ゴールドアリュール
インティ
牡6
57
武豊
10
マイルCS<9>
ケイムホーム
2021年テーオーケインズ
牡4
57
松山弘平
1
JBCクラシック④
シニスターミニスター
チュウワウィザード
牡6
57
戸崎圭太
3
JBCクラシック③
キングカメハメハ
アナザートゥルース
騸7
57
坂井瑠星
14
みやこS③
アイルハヴアナザー
2022年ジュンライトボルト牡557石川裕紀人3シリウスS①・中京キングカメハメハクラウンプライド牡356福永祐一4JBCクラシック② リーチザクラウンハピ牡357横山典弘6みやこS④・阪神キズナ
2023年レモンポップ牡558坂井 瑠星1MCS南部杯①Lemon Drop Kidウィルソンテソーロ牡458原 優介12JBCクラシ⑤キタサンブラックドゥラエレーデ牡357B.ムルザバエフ9セントライト⑧ドゥラメンテ
2024年レモンポップ牡658坂井 瑠星1マイルチャンピオンシップ①Lemon Drop Kidウィルソンテソーロ牡558川田 将雅2JBCクラシック①キタサンブラックドゥラエレーデ牡458R.ムーア9みやこS⑪ドゥラメンテ

チャンピオンズカップの過去10年データベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気3回3回0回4回306060
前走JBC諸競走で大井1回1回1回13回61319
前走JBC諸競走で盛岡1回1回0回7回112222
前走JBC諸競走でその他左回り1回1回0回4回173333
前走JBC諸競走でその他右回り1回1回1回8回91827
前走JBC諸競走でレディスクラシック1回0回0回4回202020
前走マイルチャンピオンシップ南部杯で1~3着2回1回0回3回335050
前走マイルチャンピオンシップ南部杯で4着以下1回1回1回4回142943
前走みやこSで連対馬0回1回10回099
前走みやこSで3着以下0回1回4回19回0421
前走武蔵野SでダートG1級競走連対実績あり0回1回0回9回01010
前走武蔵野Sでその他0回1回0回16回066
前走その他JRA重賞でシリウスS1回0回0回7回131313
前走その他JRA重賞エルムS0回0回1回1回0050

ひとまず、JBCクラシックの勝ち馬は疑ったほうが無難とのデータが出ていますね。

毎年地方の競馬場をローテーションで輪番開催しているJBC競走の質の問題ではなく、九分九厘JRA所属馬同士のフルゲートの争いになる中央タイトル戦で、単純な競走実績ほど、アテにならないという傾向ははっきり出てします。
そもそも、連勝した馬はJCダート時代からほとんどいないので、この馬は強いという信念がない限り、切っても問題はないでしょう。

2連勝とかもう一つくらい勝ち続けている馬は、レースラップが安定しているダート戦線ではどこにでもいるので、全く実績も信用なりませんが、芝でも特別視される4連勝以上の馬は、確実にオープン馬であるからこそ、絶対的な存在と言えます。
着外の1頭も、GⅠ実績もないのに人気が偏った割に4着と健闘し、次の東京大賞典<大井2000M>で快勝したローマンレジェンドですから、いちいち切るより、それを押さえて買い目を増やさないようにした方が賢明ではないでしょうか。

チャンピオンズカップの攻略ポイント

ダートレースは古豪の巣窟のようで、フェブラリーSでもそうですが、極端に優秀な実績を長きにわたって積み重ねたGⅠ5勝以上の6歳以上の馬など、まず勝てません。
それなら、まだ青くても勢いに勝る、GⅠ初制覇や2勝目を懸けて登場の若造の方が信用できるくらいで、そういう馬の勢いが本物であれば、中央のGⅢ経由でも足りますが、
そうは甘くないので、地方で一度雑巾がけをしたくらいで、俊敏さを活かした戦いに持ち込めれば、古豪は置いていかれます。
そういう基本形を踏まえ、地方と中央の適性の修正を加えれば、人気に惑わされることはないでしょう。

チャンピオンズカップ2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

チャンピオンズカップ2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第25回チャンピオンズカップ(G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年12月1日(日)
発走時間15時30分
開催場所中京競馬場
距離ダート1,800m
コース左回り
賞金1億2000万円
レコードタイム1:47.6

チャンピオンズカップ2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

チャンピオンズカップ2024の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11クラウンプライド横山武史牡55819.08栗東・CW・良(小崎綾)
6F 76.4-62.8-50.1-36.8-12.0(一杯)
栗東・ポリ・良(助手)
5F 69.9-53.3-38.5-11.1(馬なり)
12レモンポップ坂井瑠星牡6 583.11美浦・ウッド・重(坂井瑠)
7F 96.0-64.7-50.1-36.8-11.5(直強め)
-
23ハギノアレグリアス岩田望来牡75614.05栗東・坂路・良(岩田望)
800m 52.2-37.7-24.6-12.5(一杯)
栗東・坂路・重(岩田望)
800m 55.4-40.4-25.9-12.7(馬なり)
24ペプチドナイル藤岡佑介牡65813.24栗東・CW・良(藤岡佑)
6F 85.4-69.3-53.4-38.7-12.0(馬なり)
栗東・坂路・重(藤岡佑)
800m 56.2-40.0-24.7-11.9(馬なり)
35ペイシャエス横山和生牡55827.89美浦・ウッド・重(横山和)
5F 69.9-54.3-39.3-12.1(馬なり)
美浦・ウッド・重(横山和)
5F 67.3-51.3-36.8-11.5(馬なり)
36ドゥラエレーデR.ムーア牡45834.611栗東・坂路・良(助手)
800m 55.4-40.2-26.2-12.6(馬なり)
栗東・坂路・重(助手)
800m 56.2-39.8-24.7-12.2(馬なり)
47セラフィックコールC.デムーロ牡45818.87栗東・CW・良(助手)
6F 80.8-65.3-50.7-36.0-11.4(直強め)
栗東・CW・重(C.デムーロ)
800m 84.1-68.4-53.3-37.3-11.3(馬なり)
48ウィルソンテソーロ川田将雅牡5585.42美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 66.5-52.0-38.2-12.3(馬なり)
美浦・坂路・重(助手)
800m 54.8-39.5-25.7-12.4(馬なり)
59テーオードレフォン三浦皇成牡55834.010--
510アーテルアストレア菱田裕二牡55656.916栗東・CW・良(菱田裕)
6F 84.4-68.4-53.3-38.2-12.0(強め)
-
611ミトノオー松山弘平牡45851.713美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 84.4-70.2-54.8-39.1-11.9(馬なり)
美浦・ウッド・重(木幡巧)
6F 82.8-66.8-51.7-36.8-11.6(強め)
612サンライズジパング武豊牡3586.13栗東・坂路・良(助手)
800m 55.6-40.9-26.7-13.2(馬なり)
栗東・坂路・重(武豊)
800m 51.4-37.6-24.4-12.1(強め)
713ミックファイアC.ルメール 牡45852.6 14-大井・良(矢野)
5F 65.4-52.0-38.2-12.8(馬なり)
714スレイマン斎藤新牡6 5841.712栗東・CW・良(西村淳)
6F 83.7-68.4-53.3-37.8-11.8(強め)
栗東・坂路・重(斎藤新)
800m 54.7-39.2-24.7-12.2(馬なり)
815グロリアムンディ北村宏司牡6 5855.815栗東・CW・良(荻野琢)
7F 98.9-67.0-52.7-37.9-11.9(一杯)
栗東・坂路・重(助手)
800m 52.8-38.2-24.9-12.5(一杯)
816ガイアフォース長岡禎仁牡55814.76栗東・坂路・良(長岡禎)
800m 49.8-36.9-23.8-12.0(一杯)
栗東・坂路・重(長岡禎)
800m 51.6-37.3-24.0-12.0(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬4回0回3回17回16.7%16.7%29.2%
先行馬5回6回9回52回6.9%15.3%27.8%
差し馬6回8回5回93回7.8%14.8%19.1%
追い込み馬2回6回3回92回1.9%7.8%10.7%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠1回2回3回30回2.8%8.3%16.7%
2枠3回2回3回32回7.5%12.5%20.0%
3枠4回1回6回29回10.0%12.5%27.5%
4枠2回4回0回34回5.0%15.0%15.0%
5枠4回3回3回30回10.0%17.5%25.0%
6枠2回4回3回31回5.0%15.0%22.5%
7枠2回4回1回32回5.1%15.4%17.9%
8枠2回0回1回36回5.1%5.1%7.7%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
キズナ26回18回19回125回13.8%23.4%33.5%
ルーラーシップ15回11回15回150回7.9%13.6%21.5%
シニスターミニスター14回14回9回94回10.7%21.4%28.2%
マジェスティックウォリアー14回11回14回115回9.1%16.2%25.3%
ハーツクライ13回13回14回98回9.4%18.8%29.0%
キングカメハメハ13回9回9回76回12.1%20.6%29.0%
ドレフォン13回7回14回73回12.1%18.7%31.8%
ホッコータルマエ13回6回9回101回10.1%14.7%21.7%
ディープインパクト12回8回10回71回11.9%19.8%29.7%
ロードカナロア11回8回10回91回9.2%15.8%24.2%

チャンピオンズカップ2024 - 過去10年のデータ傾向

本物=JBCクラシックウイナーではないことを証明しつつ、それでも地方でタイトルを得た馬が強い

中京移設後、現名称のレースとなって行われるようになって以降、ちょうど10個のパターンが提示されて、よくわかる傾向が、この1番人気に推された馬の成否。
クリソベリルは南部杯<=マイルチャンピオンシップ―>を勝った3歳時に連勝を決め、翌年、大井でJBCを制した時は、堂々の4着不発。 そもそもが、ゴールドアリュール、JBC3連覇のアドマイヤドンらが、力勝負必至の旧条件で敗れていたのだから、もう少し、様々な可能性を秘める馬にもチャンスがある1800戦に変更の後、これが好転する理由は全くないのだ。 適性と同時に、身体的なストレスに対するアプローチの限界が、近年では、クリソベリルの例で明らかになったばかりで、上がり目を出すことと、そもそも、JBC休み明け参戦馬がかなり多い状況で、反動はより出やすいという事情と合わせ、今後、フォーエバーヤング級でもない限り、このローテでの連勝は望み薄である。
ちなみに、1番人気で好走した6頭の内、JBCクラシックウイナーは1頭のみ、唯一、前身のJCダートで連勝を決めている武豊騎手が騎乗した当時ダート無敗のアウォーディーだけ、みやこS勝ち馬とマイルでタイトルを持つ馬<フェブラリーS、かしわ記念、南部杯のいずれか、大体はこの中の組み合わせで複数>がほぼ全てで、唯一、金沢のJBCをなかったことにしてもらったテーオーケインズだけが、近年の帝王賞勝ち馬として珍しく、圧倒的な能力差で制したという例があるくらい。
ただし、人気に関係なく、地方のA級タイトルを持っていない馬の制覇の記録は、3番人気以下に限られる傾向、即ち、2、3番人気のG1馬が人気勢として最も信頼がおける存在であるからこそ、JBCの走りすぎにだけ気を付ければ…。 レモンポップがいる影響で、過剰な人気にならないウィルソンテソーロは買いなのかもしれない。

好走率がかなり確実性の面で信頼できる割合である前走盛岡組は、強い馬から押さえるべき

マイルチャンピオンシップ南部杯、通りのいい表現で南部杯の組だけでなく、JBCだとしても、連続好走や両方で人気になってこちらで巻き返すというパターンは、この中京移設後は、1800短縮の阪神時代以上に、明確に、適性の面で大きな影響を及ぼす。 何しろ、マイルに関しては、日本競馬でG1格の競走を行うダートグレード競走、JRAG1のいずれも、全日本2歳優駿から南関東と非関西圏の左回りコースに限定されているから、本場北米圏の巧者同様、そもそもの走り方が一貫しているために、かなり中長距離組より有利な状況。
だから、盛岡でやりあったレモンポップとペプチドナイルなどは、フェブラリーSウイナーの中でもパンチの効いている本物と言えるチャンピオンだけに、マイルでは崩れる雰囲気がない。 同時に、距離延長に今年の覇者はいくらか分があるから、出来や適性で、総合的な意味での完敗だったペプチドナイルが底力負けする継続性に、必然的な根拠はない。 散々な言われようでも、堂々逃げ切りのレモンポップの評価が最終戦で落ちる理由はないが、かなり無様だったサウジCを踏まえて、その後の8F以下での変わり身には、一定のボーダーがあることは理解しておきたい。 ミックファイアはその次でいいだろう。 ただ、引退レースの彼の動きが思わしくなければ…、こちらは根拠を何か求めていきたい。

意外なほど、ちょっとアテにはしづらいJBC組でどうして押さえておくべきターゲットを絞るなら

怪しい馬という感じがしなかった断然人気馬が、ここから数頭消えてきた歴史から見ても、どれかは買わないことには始まらないが、本家のブリーダーズC=BCへの参戦馬が急激に増えている状況、そうなるとここも間に合わないし、もうサウジC狙いの陣営もいるくらいだから、盛り上がり云々以前に、あくまでもサブトラックであるという現実を、真っ向から理解するための今シーズンとしたい。 かつてのドバイ・ナドアルシバ競馬場は、ダービーが行われるチャーチルダウンズ競馬場を模して、北米仕様のダートがメインの外側、芝がタイトに走らされる内側のサブという位置づけで、十数年行われた。
意外にも、その逆の日本型は、芝メインの欧州圏、英連邦に組み込まれた南半球の一部も含め、主要場ほど見られないという、独特の形態。 しっかりと本質を理解した中で、本場に挑んだダートの挑戦者を蔑ろにする論調、国内戦の空洞化の話は芝路線に限定すべきと、敢えて、場違いでも言明しておく。
かなり一時期よりも怪しいJBC組で、今年は佐賀だというったことで、普段以上にタフな争いが展開されたものの、着差を考えると、人気が上がるわけでもない勝ち馬のウィルソンテソーロに分がありそう。 高齢馬があまり適応しきれない中央のビッグレースであることと、メイショウハリオの本領発揮は大井でこそというキャラ設定からも、昨年2着でも人気落ちならば、極端な相手強化ではなく、メンバー一変の状況における、本流組のエースという立ち位置で、レモンポップも推すなら、この馬も買わないといけないだろう。

別路線組で面白いのは大井のジャパンダートクラシック組であるに決まっているが、敢えて…

前走芝という馬は、東京で始まったJCダートの時代から、変則中山開催<もう22年も前になってしまった>でマンハッタンカフェのお供でロンシャンに行って一つ使われ、その帰国初戦だったイーグルカフェ<言わずと知れたフランキー騎乗>が勝ち切ったというのと、昨年のドゥラエレーデ<奇遇にもこれも外国人騎手のムルザバエフ>の3着という記録があるだけ。 一応、いずれもG1ウイナーだから、格上というか、総合的なスピード能力がこの中では上位だったという芝のタイトルホルダーであった。
ちなみで前者はダート未勝利もデビュー2戦は血統面を買われてダート、古馬になって武蔵野S2着があった。<クロフネと一緒にNHKマイルCウイナーのワンツー> 後者は初勝利が札幌ダート、2勝目は芝のホープフルSでいずれも僅差。 この一点で、今年はサンライズジパングが推せる。 当然、これを一度は置き去りにして不思議なかったラムジェットも、明らかに騎手人気でハイペースにも程があったオキザリス賞でチカッパなどに置かれてしまった以外、あとは全勝の記録からも、案外、左回りでこそ…、これは今後のお楽しみとなった。
ただ、ダート未勝利なのにフェブラリーS連対のガイアフォースは、どうしたって人気にならないキャリアと鞍上の知名度から、熱心な長岡推しを除き<とはいえ、栗東移籍以降は明らかに別人、ルメール騎手の活動拠点から類推するに、今の力関係からもこの逆のパターンが出てきて不思議はない>、わざわざここで買いに走るファンは多くないだろうが、同じ杉山厩舎のケイティブレイブ・奇跡の復活劇にもっと貢献した、刺激的な成功のパターンがある。 イーグルカフェでも好走はなかったフェブラリーS<=中山1800変則開催年は好走>では、芝からの転戦の馬はたまに好走するが、実は、2021年のエアスピネルとこのガイアフォースだけが、過去で唯一に等しいダート未勝利の連対馬。
イーグルカフェになるためにマイル適性も必要だったという点で、意外にも、マイルのタイトルに縁のある所まで来ているエアスピネルとも共通しているというだけでなく、彼ら以上にスピード勝負で距離をこなし、昨年秋の天皇賞は掲示板内の好走。 安田記念好走も連続しているから、ある程度の適性を示しているこのダークホースは、人馬とも意外性が最もフィットする可能性があるこの舞台で、爆発的な能力発揮の可能性がある。 へこたれない人馬に応援票が入る可能性もあるが、あくまでもレモンポップへの期待が最大限に集まる一戦。 伏兵でこその狙いに合うタイプを選ぶなら、この馬であるように感じる。 東京のマイルでは少しキレ味が芝でもダートでも問われるため、少し長くても持続力が活かせるこの条件は合うはずだ。

チャンピオンズカップ2024- 出走予定馬の血統/成績/タイム

そろそろ勝てそうな雰囲気が出てきた、不思議な血統の万能パワー型による初戴冠に期待

ガイアフォースの血統

母方にフレンチデピュティとカロが入ったキタサンブラック産駒ということでは、G1格のグループレースをついに制したウィルソンテソーロと同じということになるが、おかしな話というか、北米産の母を持つウィルソンテソーロの方にはサンデーサイレンスが当然、母の血に含まれないことで、これが差となって現れている。 ウィルソンテソーロの方は、芝3戦とも不発から、ダート替わりで連戦連勝、前走佐賀でのJBC制覇で8勝としたが、フェブラリーS2着の箔を持つガイアフォースの方は、芝でのみ3勝の記録。
それでいて、距離不適で相当なスタミナ勝負となった菊花賞8着が戦績の底になっているように、どこでも何とかしてしまう器用さがある。 良くも悪くも、キタサンブラックらしさを両者は受け継いでいる。
底知れない可能性を秘めたスピード型としての大成を期待されながらも、速さという武器に対し、柔軟さのサンデーサイレンスが強く3×4と掛かる配合に対し、プリンスリーギフトやグレイソヴリンという芝向きのスピード型を取り合わせた配合では、意外なほど、スピード能力の引き出し方に、万能とは対になる器用貧乏の中途半端さが付きまとうことがあり、これがある種の障壁を生んできたが、前々走でいよいよG1を2着好走の実績作り成功の結果で、何かに気付いている可能性は大いにある。
キタサンブラック産駒の重賞制覇の記録は、実に珍妙であり、複数回勝っている馬は未だ、イクイノックスとソールオリエンスの2頭に限られ、地方交流競走で勝ち進んできたウィルソンテソーロは結局、Jpn1競走を制覇した。 その他にサトノカルナバルの函館2歳S制覇もあれば、その他のほとんどはトライアルやG1前哨戦ばかり。 即ち、非根幹距離的要素も父とは違って、かなり多分に含んでいるプラスアルファの面として抱える。 母父クロフネも母母父ダンスインザダークも優秀な武豊コネクションのスターホースだったわけだが、牝馬に活躍馬が偏るだとか、ストライクゾーンが狭い種牡馬成績になっている。 やけに間口が広い種牡馬キタサンブラックとは相性がいいが、そちらに引っ張られるのだとすれば、半端な距離でかつ、得意の左回りという条件でこそ狙い目…、という筋書きでも悪手ではないだろう。

チャンピオンズカップ2024 - レース展開と最終予想

このガイアフォースという馬。 ズブいのではなくして、単に、他の馬の苦しい展開で、前に行って踏ん張り切る能力に長けているだけなのだ。
だから、昨年の秋の天皇賞も、先行勢で唯一、イクイノックスの猛威に最も晒されながら、結果、掲示板内に残っている。 後の3頭は全て、ある種、まともな勝負を避けたか実現できなかった組ばかり。 ドウデュースは正攻法という策を緊急代打の戸崎騎手が取らずを得なかったから、まだ締まっていなかったのだろうが、その下の着順。 よもや、アドマイヤハダルにも負けるとは思わなかっただろうが、みんながイクイノックスの驚異的な才能の前にバラバラにされたのに、本当の意味で生き残ったのはこの馬だったのだろう。 おかげで、次走のチャレンジCは人気にこそなったが、間隔が詰まったこと、秋3戦目だったことで目立った動きを見せられずに敗れた。
見方によっては、こういうレースもするタイプという印象であるが、ベラジオオペラが勝ったこのレース、かなりのスローというか、端から直線勝負を目論む陣営ばかりで、見所十分のゴールシーンでありながら、印象に残らないレースだった。
ところがである。 ドンフランキーが本気で先行したフェブラリーSは、マークがやけにきつくなったというか、どうにも怪しいメンバーで掴みづらいつ組み合わせで、みんなの意志がバラバラだったせいか、極めて濃密な消耗戦に展開。 ところが、こんな流れであっても、いつも通りに前の動きを悠々見て、最後は外へ出して追い上げてくる、ガイアフォースそのままのレースであった。 いつもより着順は上で…。 いや、これが初ダート。 それもスプリント戦に参戦したことのある馬以外、それこそ、こんな流れでは適距離を走った時のドンフランキー以外、前ではどうにも残れないというところを、勝ったペプチドナイルは悠々の抜け出しなのだから、ここでは格の差と経験値の有無に加え、速い競馬そのものへの適性の違いも感じさせた。
ペプチドナイルにはミエスクに絡むヌレイエフの濃くはないクロスにミスプロの3×4も掛かっているが、ガイアフォースの場合、芝向きのキタサンブラックとダンスインザダークの前後にクロフネとノーザンテーストが入り、本質は芝向きのはずなのだが、万能のノーザンテーストがクロフネの頑強な粘り強いスピードを強調するから、サンデーの3×4があまり機能していない分、クロフネの感じが強く出ているようで、ジリでキレないけど止まらない大型馬らしい型が、迫力で押し切るペプチドナイルに敵わなかったという感じでに仕上がった。
もとは、ダートの2100でもルメール騎手と共に制した馬が、芝のスピードレースで結果をコンスタントに残している馬を負かすというのは、いかにもサンド競馬。 本来の序列は、恐らくは総合力でガイアフォースの方が上なのだろうが、安田記念でも崩れない割に、武器が曖昧な気もした一戦ともなった。 厩舎に奇跡を呼び込んで来る長岡騎手を継続して起用の安田記念は休み明けでも崩れていない。 実力は備わったが、適鞍探しが重要な時期になってきた。
ドウデュースに競り負けた新馬戦から、強い馬と散々対戦してきたが、とはいえ、後のセントレジャーホースで星となったアスクビクターモアを倒したセントライト記念が最後の勝利なのに、地味に内面強化という印象は、スローでは味が出ないのに、渋馬場で結果を出した安田記念というところで、その点のパワーが馬場適性を凌駕し、本格的にダートのスピード競走にも適応してきそうな雰囲気を醸し出してきている。
安田記念は休み明けの分、鈍い反応であったが、ロマンチックウォリアーに最も近いところで勝負を挑んでいた。 これも差し馬に交わされただけ。 実は、隠れたダートのチャンピオン級である可能性がある。 如何せん、自分の知っている範囲内とはいえ、ダートで破格である半マイル45.6秒にもびくともせず、通常運転だったような馬。 レモンポップは激しい先行を繰り出す暴走するタイプではなく、坂井騎手に合った、緻密な策が可能な正攻法のタイプ。
ミトノオーが端を叩けるかどうかだけで、あとは、レモンポップを見て動きたいタイプばかり。 休み明けでも気力充実、その辺りの不安点に気合いを注入できる鞍上を配し、意外なほど、ノーマークに近い立場で自由に振る舞えれば、強気の真っ向勝負で相手を制することは可能。 本気のペプチドナイルも、少しマイル仕様になってきたところもあって、無理な仕掛けを今回はしない可能性があり、秋の天皇賞のようなレースを持って、レモンポップを受ける形も唯一取れる可能性を持った有力馬を考えた時、南部杯の再現を狙った勝ち気の先行型がやりあうようなことにもなれば、真っ先に、この粘り強さが活かされるはず。
どういうわけだか、父がそうであったように、コントレイルも確かそうだったが、何だか内枠ばかり引いているガイアフォースのキャラは、外枠で能力全開の可能性もあり、前に行けるはずの一頭であるからこそ、ダートキャリアの死角を類まれなライバル物語の中で消化した、ダートグループにはないタイプの激しい経験をここで活かしきれる可能性がある。 消耗戦であることに加え、JRAのダートタイトルが少ないこともあって、まず、一度はG1で好走したことのある巧者のみにチャンスを与えてきた歴史に、極めて希少な、ダート2戦目での初勝利がG1という快記録を期待させる長岡禎仁というジョーカー採用による、再びの奇跡がついに成就する瞬間を目撃したい。 勝てる時はこんなもの…。 ソウルラッシュが散々はじき返されてきた分厚い壁が、あっさり破壊されると同時に、圧倒的な経験値の違いで他を相手にしなかったレースを見たばかり。 似たキャラであるガイアフォースにだって、今回は絶好のチャンスである気がする。
フォーエバーヤングには敵わないが、この世代のダート馬は特にタフ。 古馬云々以前に、相手を問わない強さを持つだけでなく、路面状況に柔軟というよりは、自分が走る気がある時は崩れないサンライズジパングなど、鞍上の技量からして、能力発揮ならずを下手に期待する方が危険。 オーサムリザルトとの果敢な挑戦が、AI判定による不適格評価で除外の憂き目に遭ったのは秋の天皇賞の翌週。 その裏で日本で走ったのが、鮫島克駿騎手を背にしたサンライズジパング。 みやこSは言うまでもなく完勝だった。
燃える秋はドウデュースで完全燃焼のプランだろうが、この馬でも熱い物語が静かに紡がれている。 ラムジェットもいたらもっと面白かったが、まだ若いのだから、何も心配はない。 ここは大人しくしてもらいたいところだが、順当にレモンポップであったところで、彼らが悶絶するシーンは想像できない。 レモンポップはフォーエバーヤング級では流石にないからである。

チャンピオンズカップ 過去の予想と結果