チャンピオンズカップ2016 予想
嘆かわしい悲劇が立て続けに起こってからも、ただでさえ難しい軸馬の選定に、まだ迷い続けていた。
それでも日曜日の午後は、刻一刻と迫っている。
中京での2戦で、絶対数の多さもあるだろうが、必ず2頭の大井のタイトルホルダーが馬券に絡んできている傾向は見逃せない。
後に川崎記念3連覇を達成するホッコータルマエは、先月の川崎JBCでアウォーディーに引導を渡される格好で砂の世界から去っていった。
その川崎での競馬は、良馬場の時の方が走破時計が速いという珍現象を巻き起こしながら、全て2分10秒を超えるタフなレースを連対している。
当然大井のタイトルを持つ彼がここを勝った時の3着馬は、前々年の東京大賞典を勝っていたローマンレジェンドだ。
昨年の覇者・サンビスタも、中京では異常に人気がなくなっていたが、2度ともGⅠ馬の身で4着、1着。
これに続いたのが昨年ジャパンDDを勝っていたノンコノユメと、この後にホッコータルマエらを東京大賞典で打ち負かすサウンドトゥルーであった。
盛岡の快時計には対応できるダートの一流馬はなぜか多いが、時計が掛かるダートをこなせる馬は、強い馬ほど少なくなる。
中央競馬だと、決め手比べになりやすいせいもあるのだろうが、ホッコータルマエが力を出し切れた舞台である。
ほとんどのレースが、直線に急坂があったり、窮屈なコーナーワークを要する地方の中距離戦であるアウォーディーは、たとえ速い決着になっても、望外の快時計は発生しづらい<昨年の勝ち時計、1:50.4前後が推定タイム>条件を味方につけられるはず。
それでも、もしも死角があるとするならば、僅差の勝負ばかりの左回りという要素か。
中京の芝はタフだったこともあって、2勝2着3回と無類の好相性ぶりを見せていたが、あとは新潟内回りで1勝のみという記録。
父はその真逆だったから、?が浮かぶファンは多いだろうが、要するに上がりが速いと脆い可能性があり、キレ負けの危険性は否定できないのである。
速いモーニンが、タルマエに代わって今回の牽引役となるかは、何とも言えない。
日本TV盃の一騎打ちを、ほぼ予定通りのローテとそうでなかった相手とという見立てで立場の違いを明白にすると、出来れば出し抜けかアウォーディーマークの位置取りが望ましいだろう。
外枠でもある。
必然的に、昨年のような先行馬総崩れの可能性も出てきて、差し、追い込み勢の出番とありそうだ。
ずっと3着、ほとんど完敗の連続だが、良馬場、万一悪化しても稍重止まりの今週末の馬場状態は、昨年の3着馬・サウンドトゥルーにとっては歓迎だろう。
この秋パッとしない関東馬だが、アウォーディー以外ほとんどの陣営が鞍上のスイッチをしている中、ずっと大野騎手が騎乗している点も強みになる。
安定している追い込みの末脚は、いつの間にか名実とも仲間?になったノンコノユメとの比較では、昨秋のこのレースから3戦続けて先着を許していたものの、決して得意ではない重、不良<全敗>の川崎JBCでついに先着。
無論、休み明けとそうではないという面の差は大きいが、何より、438kgといういくら何でも減りすぎた馬体となったノンコノユメ自身の見切り発車の側面は否定できない。
が、たかが1か月。
ムーアが乗って一変というのでは、それまでの好成績とのコントラストが妙に小さすぎる気がする。
陣営は、もう少し安心してレースを見たいというのもあるのだろうが、早々はこの手の馬の性質は変化しない。
ずっと同じ騎手で、ずっとパターン化された競馬の連続であるサウンドトラックは、その点での上積みは期待できないが、初めての中京でキレにキレた時のように、何か決まった条件での一発は常に期待できる馬だと思う。
東京大賞典で素晴らしい競馬を見せたから、距離不問のように見えて、初勝利が東京1400だったように、ベースはマイルから1800のゾーンでの脚比べに向くタイプだ。
みんな前掛かりになれば、間違いなく出番到来である。
アウォーディーの上にもう一頭、世代レベルの高さを証明しつつある3歳馬のゴールドドリームの総合力の末脚も侮れないので、
◎サウンドトゥルー
○ゴールドドリーム
▲アウォーディー
☆モーニン
注ロワジャルダン
△アスカノロマン、ラニ、ノンコノユメ
本命と同じ6歳の中心馬・コパノリッキーは、鞍上変更が行き当たりばったりになりつつあることと、人気の縛りがなくなり戦績も安定しているものの、相対的には体重が減り始めたマイラー型の下降線の位置にある馬独特の、妙な高止まりの連続好走であり、前回の負けで上がり目は望み薄見なったような気もする。
乱戦ならキングマンボの入った馬ということでは、ロワジャルダンは押さえねばならない。