阪神ジュベナイルフィリーズ2019 予想
今年もやたらと忙しい師走の日曜日がやってくる。
欧州圏におけるビッグレースのスタート時刻が早まっている中、この香港国際競走も、日本で言うところの薄暮競馬の最終レースの発走時刻に適応するような繰り上げが成され、何かしらの配慮のようなものを感じさせる。
JCの件を比較対象にすべきとは思わないが、素晴らしい施設を誇るJRAの調教施設をうまく活用した検疫の方策を探るくらいの企業努力は、最低限、パートⅠ国としてのもてなしとしてはやるべきと、少なくとも確信を持った出来事に思う。
さて、面白いクラシックシーズンが始まりつつある。
希望に満ち溢れた2歳馬が多数存在する2020クラシック世代だが、リアアメリアとウーマンズハートの好走如何に関係なく、ここを経ることによる一つのステータスのようなものが生まれるような一戦になるだろう。
とはいえ、豪快過ぎる左回りコースでの勝ちっぷりや凄まじい決め手が魅力のサンデー系ばかりが目立つのは面白くない。
やや狙いを定めて、好時計決着のファンタジーSこそ不発も、意外と距離延長に魅力のヤマカツマーメイドを推してみたい。
ロードカナロア×ヤマカツマリリンだから、半兄のエースとは、一応は3/4同血の相似形となるわけだが、括り方としては母父替わりのそれと、父が祖父の代に位置するのと差では、明らかなイメージの違いとなるから、その際発生するインブリードに、ヒズマジェスティのクロスは加わったという以上の違いがある。
しかし、そこは母が全くの共通兄妹の関係。
武豊騎手で初勝利の際は、既に札幌1500を経験し、新馬戦とは見違えるような行きっぷりで、その良さを完璧に出したらハイペースの先行になって、抑えつけたものの、力で押し切る競馬になった。
次が京都の1400のりんどう賞で、そこに主戦として迎え入れるべき池添騎手<調教師の子息>が、兄のように器用な脚を使えるかを確かめ、少頭数ながら、厳しい位置取りからの抜け出しで競り合いを制した。
勝負根性は兄と同レベルだろう。
そこで次のファンタジーSでは、流れに乗せてみてどこまで粘れるかとオーソドックスに好位抜け出しを狙ったのだが、案外の消耗戦に加え、前のレシステンシアのスピードとその持続力の素晴らしさに屈し、時計勝負で完敗の4着。
しかし、ここがポイントで、兄も1400重賞で好走後のNZT差し切り後の、2000M路線での活躍がある。
父がロードカナロアにチェンジとなれば、普通は1400での可能性の模索が理想だが、どうもそうではない。
父の母方、母父グラスワンダーの母方にそれぞれ入った先述のヒズマジェスティのクロスが生じるということに加え、キングマンボの中にその全兄であるグロースターク、また、ヤマカツマリリンの母イクセプトフォーワンダがその直系にヴァイスリージェント、母系にその全兄ヴァイスリーガルが入り、全兄弟の3×4のクロスを有しているなど、相対的な意味におけるクロスの強さを使わずして、バランスでその効果を強める底上げの交配が成されているので、リボー系のクロスが兄より強く施されている分の効果もより期待できる。
兄がスピードを凝縮して、ややタフな中距離戦で小脚を使う馬に育ったように、妹は距離適性は少し短縮気味でも、タイプ的には直線の急坂までに脚を溜めて、そこから爆発的に抜け出すという持ち味を、大舞台で今度は発揮する可能性を秘める。
完成がキングカメハメハよりは前倒しになるロードカナロアでもあるし、強烈な決め手が持ち味のライバルに対し、対極の決め手はいい武器になりそうだ。
エレナアヴァンティは前走こそ暴走気味だったが、新潟では上手にスローの逃げを見せた。
平均ペースは有力馬に有利となりやすいが、そうは2戦2勝馬が勝てないレース。
マイルだけの経験だと、桜花賞でもそうだが、意外と粗忽なところを見せるケースも多い。
ラッキーライラックは2番人気で勝っている。今年は果たして。
一度、ランキングをばらすには理想のメンバー構成。面白いレースになれば、当たり外れはここでは重要ではない。
1600経験にのみも苦しい東京遠征とレコード決着を経験したクラヴァシュドールを、有力馬では最上位に取りたい。
◎ヤマカツマーメイド
○クラヴァシュドール
▲レシステンシア
注リアアメリア
△ウーマンズハート、クリスティ、マルターズディオサ、ロータスランド