阪神ジュベナイルフィリーズ2014 予想
登録メンバーが発表された時点から、気になる1勝馬が結構いるなと思っていたが、抽選突破組を含め、重賞連対実績のある獲得賞金上位馬と京都の新馬を勝った期待馬など合わせて8頭の出走と相成った。
今秋のGⅠに共通する傾向である、1番人気の不振と今年重賞未勝利だった馬の快走の連続を冷静に判断すれば、力を残している能力上位馬には、重賞激走歴のある馬より明らかに余力が残っていることは誰にでも想像がつく。
単純にそれが続いただけと考えれば、至極当然の結果とも言える。
何せ、日本の芝競馬は異常に時計が速い。消耗は少ないに越したことはない。
2歳重賞あるいは12月に行われる3種のマイルGⅠというのは、決まって坂なり、初コースなり、休み明けなり某かの不確定要素が、少なからず結果に影響する。実力が見えない中でのGⅠだから、人気とその馬の持つ底力が全く反映されないこともよくある。
それでも、2歳重賞の中で近年最も条件が一変し、かつどこよりも早くが2歳戦の改革の影響を受け、この条件でもう過去8回も行われている阪神JFというのは、ちょうどサンデー直仔世代がデビューしなくなった年に生まれ変わったせいもあるのか、強い牝馬が続々出現し、うち5頭も1勝馬が制しているのである。
可能性のある馬にもっとチャンスを。朝日杯の阪神移設はその合理的な発想を具現化した形だ。
長らく阪神と中山で同日開催されていた2歳チャンピオン戦は、今年からクラシックに直結させるためのステップレースの一環のとして、その完成形が本格施行されることになる。果たして。
ならば、このレースを制した1勝馬の内3頭までもが、翌春のクラシックを少なくとも一つ制している傾向からも、GⅠの一連の流れを読んでいけば、ロカを軽視するのは筋違いであろう。
どう評価するかは十人十色だろうが、でも実例に基づいてこの馬を推す場合、かなりの大きなハードルがあることは認識せねばなるまい。
「前走芝1800の未勝利・新馬勝ちの馬は頭はなし」
過去20年で見ても、連対数そのものが少ない上に、勝った馬は皆無という有様。
ジョワドヴィーヴルやブエナビスタも、前走は京都のマイル戦だった。無論、内回りコースでのもの。ウオッカやトールポピーは黄菊賞という1800の1勝クラスを使っていた。
かつてはスプリント重賞を勝って、そこから休み明けで挑んだビワハイジが制している。ロカのようなタイプは優勝候補とは縁遠い存在なのだ。
ただ、これ以降で小回りコースを嫌う傾向を示した2歳女王は数多存在する。
ウオッカ、ブエナビスタなんかはその代表格。マイルが得意だから広い馬場での競馬を多く使われていったこともあるが、中山・阪神の内回りでは負けてばかりだった。
叔父が桜花賞4年連続で優勝馬を送り出しているディープインパクト。ハービンジャー×ダンスインザダークの配合で、ムラが出ることはあっても、この条件をロカが苦手ということは少し考えづらい。
ハービンジャー産駒の初重賞勝ちは、いかにも未来が明るく見えるこのようなレースでなければ、どうにも合点がいきかねる。
トーセンバジルが葉牡丹賞で人気に応えた。平坦で軽めの競馬が合う印象を本来の重厚なイメージに戻すためには、ここは是非とも乗り越えたいハードルであろう。軽く飛び越えてもらいたい。