2019年フェブラリーステークス予想

28年前にナリタハヤブサが1:34.9で快走したハンデGⅢ時代の記録を引っ張り出さないといけないほど、今年の14頭立てというのは少頭数の争い。

これは藤田菜七子とコパノキッキングにもチャンス大か?

否、みんな楽である。

地方の交流重賞や力関係がよりはっきりしているGⅠなどでは、実質的に5頭立てくらいの競馬になったりするから、よく判らない馬がうようよいる中央の2大タイトルは、それよりずっと荒れることが知られる。

芝ほどは、根本部分から破綻するような競馬になる確率は低いダート戦において、今年は例年以上に平穏に収まる確率が高いだろう。

とはいえ、6歳になった今、自在性が増す一方で、元より怪しかったスタートの甘さが解消された分だけ、スピードでフォローができなくなっているゴールドドリームは大丈夫なのか。

3歳馬に蹂躙された秋の2戦は、明らかに、春まで輝いていた頃のアグレッシブさが欠けている印象を受けた。

4歳馬はそれを負かしたオメガパフュームと前出のコパノキッキング。

共に有力であり、鞍上の実力に左右されるようなレベルの馬でもない部分はある。

ここ数戦で古馬に相手に繰り出した彼らの末脚は圧倒的であり、東京であれば、実力を発揮することでマイナス面含め、全てが結果に反映されるようなことになるだろう。

インティは何だかんだで、左回りは負けていない。

課題は芝スタート。スタートがびっくりするほど速い馬ではないから、騎手のフォローだけで何とかするのは難しい。

逃げるであろうサクセスエナジーの加速力に対する、馬自身の適応力が本質的に問われる。

と、あれこれ考えてみたわけだが…。

◎ユラノト

○インティ

▲コパノキッキング

☆ゴールドドリーム

注オメガパフューム

△サンライズソア、サンライズノヴァ、モーニン

重賞未勝利馬が苦しいことも、キングカメハメハ産駒が不振であることも、松田国英厩舎にとって因縁のレースであることも承知で、ユラノトから。

血統というのは不思議なもので、キングマンボの血はエルコンドルパサー産駒のヴァーミリアンが初マイルで勝っているから大丈夫なはずで、王者になっていたキングカメハメハ産駒ツートップが人気になった年に限って、あのコパノリッキーに力負けするようなことが起きる。

ユラノトはベルシャザールと血統背景は似ていて、母が東京の主要競走で好時計勝ちしているという共通点がある。

無論、フジキセキとサンデーサイレンスの牝馬だから、それは芝での実績となるわけだが、父は同じ。厩舎もだ。

松田国英調教師は、キングカメハメハの活躍期に前後して、クロフネとダイワスカーレットでここに挑もうとした経緯がある。

奇しくも、彼らは全て3、4歳時の激戦が影響して、ここには挑めていない。

ヴァーミリアンはキングマンボの傑作・エルコンドルパサーの産駒。母系はダイワスカーレットと極めて近い関係にあたる。

ああ、クロフネは昨年は人気を裏切ったが、ゴールドドリームはデピュティミニスターが母父のラインに入っていて、コパノキッキングはその直系。

キングカメハメハがダメなら、クロフネもきっとダメなのだろうが、直系未勝利のデピュティミニスターは母父で奇跡を起こす前のカネヒキリを送り出している。その父は、ユラノトの母父と同じフジキセキである。

それと逆配合のようなコパノキッキングが、ダメな理由もない。

キングカメハメハが来ない理由は簡単なはず。

ユラノトは前々走、1:21.5で1400Mを乗り切っているが、前出のGⅠ馬にそういう軽やかなスピードはなかった。

東京でも崩れていないし、きっと、窮屈な内枠からの抜け出しばかりが目立っていた彼が、外に出すと弾けるような、ダート転戦間もない頃のベルシャザールとそっくりな面を、下級戦ながら見せていたこともあり、思われているよりも、上位人気の組と差がない可能性がある。

インティもゴールドドリームも強いと思う。

ただ、諸々小さな死角が重なった時、勝てないまでも堅実で、実は、底力勝負を渇望していたユラノトの血のパワーが、ここで爆発するような気がする。

母母父のドクターデヴィアスは、GⅠ昇格2年目に快勝のグルメフロンティアと同じクラリオン系の種牡馬。

一見芝の方がいいようで、スピード勝負で頭打ちになった今、血統的な特性からもダートのチャンピオン戦に向いているのではないだろうか。

芝スタートに慣れているから、先行馬の目標を間違えなければ、好勝負になるだろう。

近年には珍しい、未勝利戦デビューの2頭に、今回は肩入れしたい。