フェブラリーステークス2016 展望

今年も最注目馬はコパノリッキーだ。

三連覇という偉業は、以前にGⅠ昇格後、連続連対すら厳しいというレース史が刻まれてきた中で、唯一無二の絶対神になれた者にしか課せられない異質な重圧がかかること以上に、今回は、恐らく出て来ないだろう宿命のライバル・ホッコータルマエと、きっと絶対出てくる新・制覇者サウンドトゥルーにいいようにやられてしまった過去2戦の結果からも、沽券に関わる問題というと大げさだが、自分のフィールドであると証明した舞台で、あとはホッコータルマエの仕上がり次第の馬というレッテルを完全に払拭すべき時が来た。

三連覇。

JBCクラシックの例にあるように、自身の加齢に対する問題は、レースの特性上のアドヴァンテージではあるが、条件変化において他の追撃を凌ぎ切るという手段をもって、他に策はない。

故に、沽券に関わる問題なのだ。上半期の古馬GⅠは、決まって年齢との戦いとなる。

このダート界の特別枠の競馬は、自分が間違ってました、と謝罪をしたところで、門前払いを食らうのがオチ。

「速いという武器」

それは芝、ダートを問わぬ、万事に対応するする最大の武器となる。

ただし、自分との戦いであるからして、自滅も伴う。

年明けのレースを使わなかったのは、2年前に衝撃的なGⅠ馬封じを決めたあの時と同じ。

でも、同じということがいいことなのか、もうそれは誰にも分らない。

気のいいタイプのこと。

昨年の出遅れからの巻き返しは、東海Sが完璧だったことの反動があっての冷や汗たらたらの連覇であったとすれば、初めての平穏な正月は、合理的判断とも言える。

ホッコータルマエが川崎記念三連覇の偉業を成し遂げ、恐らく、それと同格以上の能力であるサウンドトゥルーは、相手の庭でかなり肉薄した。

一方、東海Sはやや低調、根岸Sは道悪濃厚で、降雪で延期になった年の勝ち馬だけどうにかなるという相性の悪さは、1400巧者の上がり馬軍団には足かせとなりそう。

ノンコノユメが得意の東京マイルで、休み明けでもスッと反応できれば、かなり面白い競馬となるだろう。