大阪杯2020 展望

最強馬を見つけるレースになっているわけではないが、スワーヴリチャードがあの道悪のJCで根性を見せたことが、大きな転機になったことは間違いない。

これまで3回行われ、ここを勝つ前にもGⅠで複数回の好走歴があり、以降も活躍するこ�とが証明された大阪杯は、今や、そもそも見向きもされない時期が長かった宝塚記念の名誉回復とこの大阪杯との兼ね合いにおいて、完全なる棲み分けが図られたことになる。

最初で最後のタイトルとなる馬が多い宝塚記念に対し、アルアインは復活の意味があまりにも大きいここでの勝利を経て、5歳いっぱいで有馬引退の引導をいい意味で渡されたと言える。

ワグネリアンやエポカドーロには、もう無様な競馬はできないというプレッシャーがかかっていると同時に、実は、容易に海外に赴けない人間側の不手際が招いた負荷が、遠征決断の足かせになる可能性が出てきているから、アーモンドアイはともかく、グローリーヴェイズやダノンプレミアム、調子が上がってくればフィエールマンにも参戦の可能性が残っている。

如何せん、国内のGⅠだから、GⅠ馬はまず除外対象にならない。

ブラストワンピースは昨年のことがあるから、素直にオーストラリアか香港に行くと思うが、同じようなことはウインブライトだとかラッキーライラックにも当てはまるわけで、なかなか想定は難しい。

本当に直前も直前にメンバーが見えるという、昨年の有馬的展望が現状の推理の限界点である。

あれは結局、サートゥルナーリアが猛ペースになったことで掛からなかったことが、レースのイメージにマイナスの要素を生まず、当時の4歳トップツーが自力勝負に持ち込んで、TT的直線を迎えようとしたところで、足をすくわれたのであった。

どうにか道が開けるという意味で、ワグネリアンが復活する舞台にもなり得るわけだが、ヴェロックスの失速でますます4歳勢は怪しく、サートゥルナーリアの独走しすぎない金鯱賞という結果だけは信用できるとして、あとは2000重賞勝ち馬の厳選が肝の一戦となりそうだ。

それに出走前向きのダノンキングリーなどの1800巧者をどう混ぜ込むか。