大阪杯2017 予想

15頭の登録に対し、日経賞と重複登録していた皐月賞馬・ディーマジェスティがそちらに回っただけで、14頭が出走することとなった。

61回目の大阪杯は、ついにGⅠレースとして行われることになる。

焦点は、キタサンブラックは明らかに叩き台としてここを選んできた節があるということ。

さりとて、長距離戦がベストという馬ではない。

ジャパンCの逃げ切りは、その技量が改めて素晴らしいとされた武豊騎手のペース判断も勝因ではあるが、それが彼にとっては全く難しい競馬のやり方ではないと知っているからこその先行策だから、結局楽勝であった。

マカヒキ、サトノクラウンが真っ向勝負できる相手ではない。

見立ては色々あるかもしれないが、2400MのGⅠタイトルしか持っていない馬が、2000MのGⅡに挑むのであれば、いか様にも戦えるだろうとは想像できる。

それとわずかに適性はズレるが、2000Mとのコネクションは大分異なる2200MのGⅠ好走馬は、GⅡ時代はかなり幅を利かせていて、エリ女優勝馬がダービー馬を完封するという異様な光景も、つい最近目撃したばかりだ。

ダービー馬であれば…。

近年は、メイショウサムソン、ディープスカイ、オルフェーヴル、キズナが大きな期待を集め、それなりには結果を残している。

これがGⅠになったらどうなのか。

最後の10年間で、ダービー馬を4頭出した阪神のラジオNIKKEI杯は、キズナもそうであったが、その時点で断然人気を集めてはいなかった。

1番人気は距離適性で支持を集め、そうでない馬はスケール感を買われ、厳密には、断トツ人気にならないで好走すると、皐月賞以降の戦いで有利、という傾向が出ていた。

ゴールの一つに設定された阪神2000M。

コネクションを読み解いていけば、阪神で強いから勝てるというものでもなく、他コースとのコネクションにおいて、距離設定に対する一様の傾向が出ているのだろうことは、容易に想像がつく。

きっと、他のレースで適性を見せた馬にとっては、ここは戦いにくい舞台なのではないだろうか。

2000Mのチャンピオンも、現状、その距離における王者の候補もちょっと見当たらない。

門外漢の実績上位馬に戦いを挑めるのは、きっとスピード型である。

その点、断然に優位性のある巨漢・マルターズアポジーは、大いにチャンスありのように思う。

◎マルターズアポジー

○キタサンブラック

▲ヤマカツエース

有馬記念を前にして、筆者は一連の参考レースを見返して、ミッキークイーンというジョーカーを本命にした。

結果は大健闘のようで、あまり振るわなかったという感想を持った。

一番は、人気馬が妥当に走ったことであり、その次に、マルターズアポジーは単騎逃げなのに、猛ペースでなくても楽に先行できたことが、自在型の上位人気馬には走りやすい条件をアシストしてしまったからだ。

が、そこでスイッチが入ったのか、続く小倉大賞典で、猛ペース必至のレース展望通りになったにもかかわらず、46.2-57.6-69.3を自ら先導しながら、ついに後続に影をも踏ませぬ押し切り勝ちをしてしまったのだ。

有馬記念では、相手が穏やかな競馬を心掛けたから楽に逃げられたが、その時のレース内容に、多少の無理をかけてでも、自分の形に拘ることが、何より大事なのだと馬自身も、また武士沢騎手もはっきりと認識したことで、今まで以上にスピード型としての成長を見せるような、極めて破壊的な逃げを体現することができるようになった。

このレースでキタサンブラックより上手に競馬できる馬はいない。

無論、GⅠこそそれを疑うべきなのだろうが、その根拠はない。

小倉で好走したもう一頭のロードヴァンドールは、その気になれば行けるけど、マルターズアポジーに鈴をつけに行くくらいしか、今のところでは出来ないはず。

自分でレースを作ることに、逃げ馬で自信を持ったライバルを目標に動くとき、武騎手は丁寧に追いかけていくはずだ。

速いほど残る。遅くはない、という流れこそ彼らの流れになる。

差し馬には辛いレースになりそうだ。今なら総合力でもGⅠ馬に引けとならないヤマカツエースは、少し難しいところのあるGⅠ馬よりは安心して狙える存在だろう。

以下はペースが狂って面白い存在から、

☆サトノクラウン

△マカヒキ、アンビシャス、ステファノス、モンドインテロ