桜花賞2020 予想
例えば、
エルフィンS歴代勝ちタイム上位順と勝ち馬の桜花賞成績というフィルターをかける。
ああ、今年は除いて。
1.1:33.7 07ウオッカ→②<①ダイワスカーレット>
2.1:34.4 11マルセリーナ→①<②ホエールキャプチャ>
3.1:34.8 サンヴィクトワール→故障回避
14年のショウナンパンドラが2着して以降、なかなかチャンスが巡ってこないこの組だが、その前はずっと、クラシックトライアル好走馬よりも高確率で、本番の勝者を探り出す明確なヒントをファンに与えてくれていた。
今年は、1:33.6というレースレコードを叩き出した、祖母デアリングハート<自身は6着>のデアリングタクトがインパクト絶大の直線ぶち抜きで圧勝。
父は菊花賞圧勝のエピファネイアで、その母がオークス快勝のシーザリオ。
そのまた父が、ダービー圧勝のスペシャルウィーク。
デアリングタクトの母父はマイルC・ダービー連続レコード勝ちの新世紀版トキノミノルと化したキングカメハメハ。
デアリングハートの父は中期の傑作に前記スペシャルウィークを送り込んだサンデーサイレンスである。
彼もまたクラシックで活躍したアメリカのスターホースだった。
例えば、
2歳女王のトータルの桜花賞成績を改めて振り返ってみると、
【44113】<回避等 5>
連勝
92ニシノフラワー<②アドラーブル>
01テイエムオーシャン<②ムーンライトタンゴ>
<改修後>
09ブエナビスタ<②レッドディザイア>
10アパパネ<②オウケンサクラ>
2着
97メジロドーベル<①キョウエイマーチ>
<改修後>
07ウオッカ<①ダイワスカーレット>
14レッドリヴェール<①ハープスター>
18ラッキーライラック<①アーモンドアイ>
3着
17ソウルスターリング<①レーヌミノル②リスグラシュー>
今年のレシステンシアのように、レコード勝ちした馬は、最初の3歳牝馬S優勝のニシノフラワーを含めて、
メジロドーベル
テイエムオーシャン<タイ>
ウオッカ<参考記録>
フィルターの目を少し粗くして、メジャーエンブレム<桜④>の1:34.5よりタイムが速かった年のJF出走馬の優勝例を加えると、
08レジネッタ⑥→①
13アユサン⑦→①
15レッツゴードンキ②→①
17レーヌミノル③→①
例外もある。
ただ、三冠馬のアパパネはJFよりも直前の赤松賞での1:34.5の方が速かった異例の存在。
昨年のグランアレグリアは朝日杯でJF勝ちのダノンファンタジーと微差の走破タイム。
全てのデータをひっくり返したようなところがあるブエナビスタでさえ、アパパネのように、本番より未勝利戦の方が速く走れていた馬で、新馬戦では後の皐月賞・菊花賞馬、ダービー2着馬を差し置いて、断然の支持を集めたような血統馬とすれば、クラシックだから、これは納得であろうと思える。
理論上、この2頭を両方消す買い目をメインとすることはおろか、歴代の名牝たちの系譜を振り返るだけで、とてつもない才能が一昨年以上のスケール感を持って登場したと考えるのが筋なのだから、根幹距離の1600Mで、両雄という表現は彼女たちには当たらないので、至高のライバルとの邂逅が、そのまま継続していく物語の最初の舞台となり得る根拠は、いくらでも存在すると断言できる。
さて、では特殊過ぎる傑出した時計を持っている者同士の対決なのだが、もはや血統は重要ではない2歳女王に対し、エルフィンS組は血統的な視点での明確な根拠が求められる。
ウオッカもマルセリーナも、ちゃんと血統表を見れば、対抗馬に負けないだけの配合の必然性が見えてくるし、キョウエイマーチやレッドディザイアもクラシックで成功例のある配合から登場したエルフィンS快勝の刺客。
ただ、時計のある者同士が並ぶことは少ない。
もしそこにヒントがあるとすれば、トライアル負けの2歳女王が共に時計を持っていることと、エルフィンSもJFも快時計で制したウオッカは桜花賞は勝てなかったなど、余計なことをしていない2歳女王の持ち時計の優秀さは、ここでは金科玉条の如き不動の指標となり得る絶対値となるわけで、レースの破綻でも起きない限り、レシステンシアの巻き返し勝利は濃厚であろう。
まあ、そうなったとて全く振るわないとは思えないデアリングタクトは、まずは、逃げ宣言のスマイルカナやレシステンシアらが作るGⅠ的展開に順応する必要がある。
ならばと、ここは重賞未勝利も、末脚に魅力を感じる持ち時計十分のクラヴァシュドールとマジックキャッスルらは、ハイペースの経験も買って、これらを彼女より上に評価しておく。
未完のデアリングタクトよりも、今後の戦い方には本命馬と共に、制約がつくというのも加味して。