秋華賞2019 予想

ウィクトーリアに期待していたものとしては、同じような素質を秘める同じ美浦育ちのコントラチェックのスピード能力は、やはり侮れない。

土曜に京都の競馬が開催されたとすれば、日曜は晴れてもその尾を引く可能性は大いにあるが、万一、既定路線のようなところがある順延ないし中止が決定し、日曜朝から晴れた場合、あまり荒れ馬場になっていない状態でのレースとなる可能性も、それなりの確率で想定される。

スピード自慢のコントラチェックに、色々あってなかなか乗り込めなかったルメール騎手が再度騎乗。

あの藤沢厩舎のタワーオブロンドンやその前のサートゥルナーリアにおけるパーフェクトなアシストに加え、凱旋門賞のフィエールマンだって、わざと札幌記念で抑えた理由がはっきりわかる逃げないで好位からの理想の形をとれた。

今、最高のコンディションにあるルメールを無視することはできない。

追いかける馬は多いか。

カレンもパッシングも先行型。

何なら逃げようという伏兵もいそうな気もしないではないから、楽ではないだろう。

ただ、オークスを除いて、まず立ち遅れるようなところはないし、そのオークスも内枠のジョディーの武藤騎手が完璧にその瞬間を狙った集中力に見劣っただけ。

テン乗りのレーン騎手としては、不適の条件でほぼできることはやりきったところもある。

だからこそ、プレッシャーをかけさせない手は自分で強気に押す作戦のみと言える。

ただ、テン乗りの丸山騎手でも最高のリズムで完璧な逃げ切りを、似た作りのフラワーCで決めている。

その時が、36.6-48.7-60.5から46.9秒で上がっての圧勝。

その前のマイルで46.1-47.7という激しい流れでこれも圧勝。

ルメール騎手が今後の彼女の作戦について考えた理想形と、次にどんな形でレースに挑むかまで想定したその一戦を機に、完全なるスピード優先の逃げ馬に変身。

コーナーは4つの方が良さそうで、そこでペースを落とさず行けるのが強み。

昨年完璧な逃げで押し切ろうと狙った川田騎手を、今年は差し切らせずの逃げ切りを決める可能性は大いにある。

リッチダンサーの兄弟は、男馬がほとんど騸馬であるからよくわかるような、クレイジーな性質の持ち主ばかり。

ただ、逃げ馬としての成功を果たそうとしているのと同時に、クラシック戦線にしっかりと乗っているのは、危ないところがありながら、妹に先んじて春のクラシックで活躍したゼンノロブロイの代表産駒であるバウンスシャッセくらいなもの。

牝馬の方が、コントロールがしやすいのか。パワーの出し方に自在性があるとか、色々見立てはできるのだろうが、ダイイシスとクリスという兄弟によって、サンデー系らしからぬパワーをもたらされたネオユニヴァースという存在が異質なように、ダイイシス-ホーリング<英10F路線で大活躍>のラインを母父に持つリッチダンサーという繁殖牝馬は、サンデー系を求めているようだ。

フジキセキの仔で、ロードカナロアとの初仔がちょっと注目されそうなフロアクラフトも、スイートピーSは2着止まりも4勝している。

最高の形を求めて、理想のローテと極端に速くならない京都の馬場は、道悪苦手が多い一族の中でも、特に適性面でアドヴァンテージを持っているのがコントラチェック。

初GⅠの中身は悲観するようなものではなく、2度目で本領発揮と行きたい。

ステーブルメイトのシェーングランツも休み明けだが、もたつくようなところがある性質が、小回りのハードな展開でハマる何かを秘めている気がする。

そういう追い込みの脚を東京で魅せたこの馬も侮れない。