2020年ジャパンカップ【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着アーモンドアイ(2.2倍)2着コントレイル(2.8倍)3着デアリングタクト(3.7倍)史上最多9勝目で有終の美!
レース名 | 第40回 ジャパンカップ(JC) |
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日程 | 2020年11月29日(日曜) |
優勝馬 | アーモンドアイ |
優勝騎手 | C.ルメール |
勝ちタイム | 2:23.0 |
馬場 | 良 |
3連単配当 | 1,340円 |
ジャパンカップ2020 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
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1 | 2 | アーモンドアイ | 2:23.0 | - |
2 | 6 | コントレイル | 2:23.2 | 1 1/4 |
3 | 5 | デアリングタクト | 2:23.2 | クビ |
4 | 1 | カレンブーケドール | 2:23.2 | ハナ |
5 | 15 | グローリーヴェイズ | 2:23.3 | クビ |
単勝 | 2 | 220円 |
複勝 | 2 | 110円 |
複勝 | 6 | 110円 |
複勝 | 5 | 120円 |
枠連 | 2-4 | 350円 |
ワイド | 2-6 | 170円 |
ワイド | 2-5 | 190円 |
ワイド | 5-6 | 220円 |
馬連 | 2-6 | 330円 |
馬単 | 2-6 | 610円 |
3連複 | 2-5-6 | 300円 |
3連単 | 2-6-5 | 1,340円 |
ジャパンカップ2020 - レース後コメント(騎手/厩舎)
「アーモンドアイとのコンビでもう一度GIを勝ててもちろん嬉しいですが、引退レースで勝って(牧場に)無事に帰すことができたのが一番嬉しいです。
今日もレースはエンジョイできました。でも今日は特別でした。今日はいつものアーモンドアイでした。レース前はとても自信がありました。アーモンドアイはプロフェッショナルでした。
天皇賞(秋)はGIの記録がかかっていましたし涙が流れましたが、今日はサヨナラパーティーみたいな感じでした。素晴らしい脚を使いました。日本で一番強い馬です!」
※C.ルメール騎手のコメント(アーモンドアイ)
「俺の中では一番だと思っている。それを証明するためにチャレンジする機会がなかったけどね」
※国枝調教師のコメント
ジャパンカップ2020 - レース結果動画(YouTube)
※実況レース映像
ジャパンカップ2020 - 回顧
アーモンドアイは一番いい位置につけて、驚異の逃げを見せたキセキに対し
内に入るリスクをとったルメール騎手は、正しい動き出しのタイミングで、後輩三冠馬をリードした。
三冠制覇後にもそれぞれにドラマがあったが、アーモンドアイの経験値は余裕を持って戦うことでこそという理想形の体現にあったが、最後にそのルールを破った。
しかし、結局は正しいローテと正しい使われ方の結果が、ジャパンCの本当の魅力を引き戻したことになる。
有馬記念で中1年空けて勝利する馬は過去何度か登場したが、ジャパンCを2勝した馬も一頭しかいなければ、2度制した馬も同じジェンティルドンナしかない。
GⅠ9勝にフロックがないことを示し、常にトップであり続け、最後の最後に普通の馬のローテで、普通の競馬をして、誰よりもブレない心で他を圧倒して見せた。
仕方ないことだが、三冠を目指した3歳馬よりも、遥かに強力な武器を経験値の中で自分のものとしたアーモンドアイは、どうしたって、いつまでも伝説の馬であるわけだ。
仕方がないのだろう。アーモンドアイに無敗の三冠馬が敗れることになったのは。
それぞれに課題はあったが、強烈なハイペースの経験は、時計の勝負への対応力と共に、コーナー6つの有馬記念の激闘の敗戦もまた、糧になったりする。
普通のレースではないことでも、これは不変。
強い馬ほど、負けた後に強くなる。
3歳馬の2頭にも、未来はあるが、これは負けというよりは、特殊トレーニングの一貫とすべきで、負けはついても、普通の負けとは違うはずだ。
ただ、敗因がはっきりあるコントレイルについては、普通の面があると同時に、普通の馬に見えるのに、普通ではないところが出せる魅力がこれからも期待できるということだろう。
誰も届かない無敗の三冠達成直後の勝利は、洋の東西問わず、ニジンスキーもシアトルスルーも、シンボリルドルフもディープインパクトも誰もなしえないことだった。
おまけに、あのエルコンドルパサーが完勝した時の人気馬だったスペシャルウィークは、菊花賞でセイウンスカイにガンガン逃げられて、走らされた2着で、結局は、スペシャルウィークもコントレイル同様に右に左にふらついた末のJC3着、セイウンスカイも有馬に人気に応えられなかった。
無謀な挑戦を承知で、歴史を塗り替えられなかったとして、コントレイルが誇れるのは、負けたのがまだ格上だったアーモンドアイであった、ということだろうか。
ちなみに、アーモンドアイが休み明けの秋の天皇賞を制し、返す刀でジャパンCも制した最初の馬。
牝馬が強い時代だから、こういう構図は有り得ても、牡馬の正規の三冠馬として、ふらついてでも前を目指して走ったのだから、十分だろうか。
最後は止まるところまで、歴代の名馬、それも傑出した実績の三冠馬たちと同じ。
他の馬と同じにされるのは、いささかコントレイルのプライドからするとけしからん話だったが、きっと、歴史上最強のJC2着馬である。
普通の競馬がアーモンドアイ以上に出来そうな気配に見えたデアリングタクトは、何の問題もない3着。
例年は、あのグローリーヴェイズとの叩き合いで、1着ゴールのシーンとなるわけだ。
異常なのは、ルール無用のアーモンドアイと絶対勝てないローテで最低限の最高着順を拾ったコントレイルであり、自分の中にある確かな底力が、一般的な名馬レベルを上回っていることだけは、完璧に証明されたのである。
惜しむらくは、同期には負けたくなかったが、きっと、普通の年ならコントレイルに強奪されるJCになっていた。
互いに負けたから、それはなくなったが、アーモンドアイに背中を見ながら、速く走ることへの執着を見せた時、コントレイル超えの瞬間を期待させる、あのわずかなクビの差となったのは事実。
この距離で、このスピード勝負で、ハイペースになった時、コントレイルよりアドヴァンテージがあることを示したのかもしれない。
勝負はこれからだろう。
さすがに有馬には出られないから、ドバイかその後に、その続きをアレという感じでやり合ってもらいたい。
さて、今年のJCは伏兵の頑張りがすさまじかった。
グローリーヴェイズは、何かを見切ったような川田騎手の判断で、コントレイルの前に出て、道中で好位につけた。
おかしなハイペースだから、我慢するしかないが、本来のラビット軍団とは、スケール感が違うこの馬は、香港の12F戦で独走の昨年秋をも思い出したかのように、死に物狂いで粘り込むも、相手があまりにも強烈だった。
型通りに力を出したカレンブーケドールも、オークスくらいの時計では走っている。
気づけば、その下にはワールドプレミアや一昨年の5着で上がり最速男のミッキースワロー、逃げたキセキが続き、マカヒキも何だかんだで、そこに食らいついて力は出した。
前半1000M通過が57.9秒となったわけだが、ホークスターのハナを奪ってイブンベイがいったあの2:22.2の時よりは、更に0.6秒も速い。
昔の馬は、そんなペースを経験しても、自分の持ち味の中でしか勝負できないが、ダービーもオークスも、その時計に1秒以内で決まるような年がほとんど。
2:20.6の時代に代わって、同じようなラップが刻まれたとして、対応できる範囲内の競馬になったのだろう。
そのせいで、G1馬もオークスレコード時の2着馬も走っている。
オグリキャップもホーリックスも、クラシックレースに対する意欲が持てたところで、全く縁のない立場にあったから、古馬になってから、自分の働き場所を見つけたような馬だったが、今回の三冠馬は、3歳の段階でそれを経験できる。
普通ではないレースの時、普通のレースの見解を求めても意味はないが、明らかにローテ上厳しさがあったとするしかない結果に終わったコントレイルに対してのみ救済的見地はあっても、勝ったのはアーモンドアイ、何度やってもアーモンドアイは、ずっと神話として残り続ける。
このルールに則るならば、三冠への固執をやめるべきとすべきだが、幸運にも、スピード勝負で三冠制覇後のJCを戦えたアーモンドアイには、もっと激しい今年のJCへ向けた準備が整っていたことになる。
ずっと伝説として語り続けられるこのジャパンCは、ファンが勝ち取った特権であり、ホースマンたちの自信の表れでもあったが、古馬若干有利の日本競馬で、凱旋門賞のような偏った結果もまたあり得ないのだと、一ファンとして反省すべきものの得られた、誰にとっても有意義なジャパンCだった。
昨年がかなり凡戦だっただけに、今後も発展するとは言い切れないレースながら、捨てたもんじゃないなと、日本競馬の面白さを体感できた喜びを、今度は後輩三冠馬に与えてもらえたら、こんなにうれしいご褒美はない。