2017年有馬記念 予想
◎キタサンブラック
○シュヴァルグラン
▲サトノクラウン
注スワーヴリチャード
△シャケトラ、ミッキークイーン、ヤマカツエース、ルージュバック
自分で予想の組み立てを考え、この結論を出した時に妙な違和感覚えつつ、それと同時に気恥ずかしさに襲われ、思わず有馬記念なのに…、と呟いてしまった。
笑えて来る、という意味である。
どう買っても許される超特殊レースでありながら、ミーハーもいいところの素人予想に至った理由は、意外と理詰めで説明がつく。
筆者、この度最初で最後のキタサン本命推しなのだが、嫌い続けてきた理由とGⅠだけで少なくとも6敗した理由を徹底的に突き詰めてみた。
稀代のイレギュラー血統馬のこれまでを振り返ってみる。
データは色々と揃った。主に、前走と中9週以上を休み明けとし、
・キタサンブラック
叩き2戦目<新馬後も含む>
【5010】
叩き3戦目< 〃 >
【1121】
GⅠ
【6142】
これに当てはまるGⅠ戦では、
2戦目
【4010】
3戦目
【0121】
休み明けのGⅠ
【2000】
5歳秋になって、この傾向が一変することはほぼあり得ない。
同時に、彼は凄まじい記録を持っている。
マイル未経験の5歳以上のクラシックホースとしては初の年間GⅠ3勝。<2勝馬もいない>
5歳以上の馬による、史上初の春秋天皇賞制覇。
<タマモクロス、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、メイショウサムソンは4歳時に達成>
春の天皇賞レコード走の年に、他のGⅠ制覇を果たしたイナリワン<5歳>、ディープインパクト<4歳>らは、有馬記念を共に制している。<当該年GⅠ3、4勝>
どう解釈すればいいのだろうか。
GⅠ制覇にフロックがあったとして、その名誉は永久に不変である。
新GⅠ・大阪杯を含めずとも春秋天皇賞制覇のキタサンブラックが、昨年以上と言わなくても、5歳秋を迎えながら、まるで衰退しない基本能力は驚異的なままである。
菊花賞馬、それも大して速いタイムではなかったのに、5歳になってベストタイムを3つの距離で更新しているのだ。
筆者はずっと、この馬は小回り向きではないと思っていた。
先行脚質だが、後傾ラップ型なのでつつかれるのは良くないのだ。
ただし、1角等最初のコーナーまでの距離が取れる宝塚記念が、全く思うようにいかなかった半面、有馬記念は天賦の才である初手の巧みさで、勝ち馬とほんのわずかに劣っただけの通過順で2戦こなしている。
大阪杯がそうであったように、みんなが最初から元気に走れる距離でテンのスピードで劣ったところで、4角過ぎではいつも指定位置だ。
そのポジショニング。大阪杯、秋の天皇賞と勝った時に、かなりスタートがよくなかった。
フレッシュな時は活気があるタイプだけに、百戦錬磨の鞍上がしっかりコントロールできれば簡単にリカバリー可能なので、結果は安心だったが、勝っていない有馬でこれはまずい。
ただ、3歳時の有馬出走時の展開予想と似た組み合わせで、今回は序盤からグイグイタイプの実績上位馬はいない。
疲れていれば、それはカレンミロティックにも劣る可能性は否めないが、昨年春の力関係にはもうない。
そういう不安材料の少ない本命馬に、他の15頭はかなり翻弄されるはずだ。
無論、若手にも勢いが感じられる状況で、徹底マークが功を奏する逆転の図は描けなくはない一方、妙に多いハーツクライにキレるディープはいない今回、結局は知っている顔しか対抗することができない可能性がある。
今までにないタイプの名馬には、今までよくあった感動のラストランより、案外普通の力上位を示す万人納得の結果が似合う。
叩き3戦目の怪は、2戦目の激走の影響もある。
胸のすくような勝ち方ばかりで、得意の内枠ばかり。
前走は完敗も、持ち時計は1秒半更新している。
今回は得意の白帽で周りも速い馬はいない。無様に散る展開は想定せずに済みそうだ。