2018年有馬記念 予想
今年の参戦予定馬の取捨を決めるため、有馬記念史を探索していったのだが、そこで二つの気になるデータが出てきた。
その一つ。グレード制導入後のGⅠ以外無敗か無傷の馬の記録である。
'16①サトノダイヤモンド(牡3)4戦4勝<7戦5勝>
'06①ディープインパクト(牡4)5戦5勝<12戦10勝>
'05②ディープインパクト(牡3)4戦4勝<7戦全勝>
'02⑤ファインモーション(牝3)4戦4勝<6戦全勝>
'96⑩ファビラスラフィン(牝3)3戦3勝<6戦4勝>
'93①トウカイテイオー(牡5)5戦5勝<11戦8勝>
'92⑪トウカイテイオー(牡4) 〃 <10戦8勝>
'90①オグリキャップ(牡5) 中央入り後8戦8勝<19戦11勝>
'89⑤オグリキャップ(牡4) 〃 <14戦10勝>
'88①オグリキャップ(牡3)中央入り後6戦6勝<8戦6勝>
'85①シンボリルドルフ(牡4)6戦6勝<14戦12勝>
'84①シンボリルドルフ(牡3)5戦5勝<9戦8勝>
'18?ブラストワンピース(牡3)4戦4勝<6戦4勝>
ハイレベル世代と合致するという点で、83年にミスターシービーの後塵を拝したリードホーユーが優勝した例もある。
サウンズオブアースや若い頃のステイゴールドと似た存在。
GⅢしか勝っていないGⅠ未連対馬であるブラストワンピースでも、チャンスは十分だろう。
今年はミスプロ系が躍進を遂げた。ところが…。
ミスプロイン最先着馬
'17③シュヴァルグラン(母父マキャヴェリアン・直仔)
'16④ヤマカツエース(父キングカメハメハ・直系2代父)
'15④マリアライト(母父エルコンドルパサー・2代父)
'14②トゥザワールド(父キングカメハメハ)
'13⑧トゥザグローリー(父キングカメハメハ)
'12③ルーラーシップ(父キングカメハメハ)
'11②エイシンフラッシュ(父キングズベスト・直系2代父)
'10①ヴィクトワールピサ(母父マキャヴェリアン)
'09⑧イコピコ(母父ジェイドロバリー・直仔)
'08⑬エアジパング(父エルコンドルパサー)
詰まるところ、キングマンボ系のアイドル存在であるアメリカンボスより有馬で活躍したミスプロ系の馬はいないのだ。
直系
キングマンボ-キングカメハメハ
レイデオロ、ミッキーロケット、キセキ
おいおいおい。
サクラアンプルールや存在そのものが貴重であるフォーティナイナー系のリッジマンも、気にはなっていたのだが…。
母父でも、
キングマンボ-キングカメハメハ
ブラストワンピース、モズカッチャン
インという括りで言えば、
ミッキースワローなども含まれる。
そういえば、ネイティヴダンサー直系でその孫にあたるのが、あのオグリキャップだ。
タマモクロス<フォルティノ系>にもペイザバトラー<ブランドフォード系>にも、根幹距離GⅠでは歯が立たなかったが、ここでようやくGⅠ馬の仲間入りを果たす。
ただし、スイープトウショウ、エイシンフラッシュ、ラブリーデイといった面々に限られた参戦馬点在の史実に対し、まとめて有馬獲りに挑んでいく今年は、勝手が違う。
いずれその時代がやってくる。
サンデー産駒も、フジキセキが朝日杯を勝ってから7年かかってようやく制覇。
また、今年はディープの年ではない。
春に3勝、秋はここまで2勝。
2011年にリアルインパクトが、初めて挑戦した古馬タイトルである安田記念を制してからというもの、全世代の牡牝混合GⅠを6年連続で優勝してきたのだが、今年有馬記念を落とすと、その記録が途絶えてしまう。
ダービー馬も2歳女王も出したが、人気に応えたのはダノンファンタジーだけである。
◎ブラストワンピース
○レイデオロ
▲モズカッチャン
注マカヒキ
△オジュウチョウサン、クリンチャー、ミッキースワロー、ミッキーロケット
キセキのように、広い馬場で平均ペースを作れる馬には、このレースは向かない。
2歳戦からコーナー4つの競馬を経験していたダイワスカーレットと比べても、消耗度合いが明らかに違う。
また、その追手が突いたところで、今のレイデオロのスパート力に対抗できるとは思えない。
前にいようが後ろにいようが、自分の競馬をできない相手ではない。
ブラストワンピースはダービーでは、ワグネリアンとの対比でちぐはぐさを露呈し、スムーズだった菊花賞も、展開とマークの相手が微妙にイメージと狂いが生じ、直線で外に振られたのが敗因となったのは事実でも、何一つ、全能力を出せた場面は、ことGⅠではなかった。
ただ、グラスワンダーやシンボリクリスエスは、大きな体を上手に使って、秋には古馬戦も難なくこなしている。
彼らよりちょっと早く古馬と戦っている利点。
3歳戦でも案外、しっかり揉まれているという経験値が、ここでフル活用できるような気がする。