2020年秋華賞 予想

2020年10月18日(日)11R:秋華賞2020の最終予想です。
高いボーダーラインを乗り越えて抽選を突破した出走予定馬が揃いました。

過去配当を見ても荒れる傾向があるので激走が期待される大穴狙いの三連単を狙っている方も多いのではないでしょうか?

こちらでは予想オッズを見ながら穴予想はもちろん、鉄板馬や回避すべき馬についてもまとめてみました。
いくつかの参考レースを見ながら展開を予想していきたいと思います。

レース名:第25回 秋華賞
グレード:重賞(G1)
日程:2020年10月18日
発走時間:15時40分出走
開催場所:京都競馬場
距離/コース:2000メートル 芝・右回り
賞金:1億円

秋華賞2020 - 出走予定馬の馬体診断と騎手データ

枠順出走予定馬騎手斤量馬体重
1ミヤマザクラ福永 祐一55468
1リアアメリア川田 将雅55488
2ホウオウピースフル池添 謙一

55488
2マルターズディオサ田辺 裕信55446
3ウインマイティー和田 竜二55470
3ダンツエリーゼ太宰 啓介55520
4ソフトフルート藤岡 康太55470
4ムジカ秋山 真一郎55440
5クラヴァシュドールM.デムーロ55458
5サンクテュエールC.ルメール55458
6フィオリキアリ北村 友一55440
6マジックキャッスル大野 拓弥55422
7オーマイダーリン幸 英明55466
7デアリングタクト松山 弘平55466
7ミスニューヨーク長岡 禎仁55460
8アブレイズ藤井 勘一郎55496
8ウインマリリン横山 武史55452
8パラスアテナ坂井 瑠星55452

消去法ならばスタミナは外せない要素

 1着2着3着4着以下
桜花賞馬3回0回0回4回
オークス馬5回1回0回1回

→これは一目瞭然。

桜花賞馬は秋華賞を勝つ時は、オークスも勝っているという法則ができてしまっているから、もはや、桜花賞が特異なレースになりつつある。

1着2着3着4着以下
1回2回2回4回

→実は、紫苑Sの勝ち馬もディアドラの1勝のみで、そもそも勝つ必要はなし。

トライアル回避のアーモンドアイだけでなく、テイエムオーシャンやカワカミプリンセス、クロノジェネシスの成功は、無駄を排除しただけとすると、その方が極めて合理的とも思える。

完成前に東京で激走したデニムアンドルビー、アエロリット、ダノンファンタジーは、その後の活躍に関わらず、勢いは止まる。

ビッシュも無理やりローテでオークス好走で、紫苑Sで賞金加算後の関西初遠征で見せ場なし。

いずれも、どこかで道悪で消耗しているか、本番が道悪だったから、勝ち運にも見放された。

三冠の根拠は、名牝との血のコネクション。

この物語は、恐らく1969年に始まったのだろう。

共にヘイルトゥリーズンを父に持つ、ロベルトとヘイローが生まれたのがこの年だからだ。

2003年にこの血を両方持つ「ヘイルトゥリーズンの3×3」というゴツいクロスのかかったスティルインラブが、奇しくも今年初年度産駒がデビューしたドゥラメンテの母であるアドマイヤグルーヴを三度降して、三冠を達成している。

お陰で、全て2番人気での戴冠。異例も異例。

今にして思えば、それは必然であったということにもなるわけだが。

2020年もまた特別で異様な年になった。

内枠有利の真意と距離適性

客がいない、雨で重馬場の桜花賞、有力馬はダービーフィリー・ウオッカを上回る快時計を持つ組み合わせ、となったハイレベル世代。

若葉Sを勝って桜花賞に挑むというぶったまげた策が、期待通りにハマった末に桜花賞登場のアドマイヤグルーヴは、武豊騎手のお手馬だった。

今年の桜でも人気馬に乗ることになった御大が、どうにも敵わないライバルを作ってしまった構図がよく似ている。

【ロベルト】/1972年ダービー<英>優勝
【ヘイロー】/米の芝とダートで活躍したGⅠ勝ち馬、従兄弟は大種牡馬・ノーザンダンサー

父がヘイルトゥリーズンの同系配合、その4×5が施されたエピファネイアもまた、武豊騎手が乗ってダービー出走権を得たシンボリクリスエスと彼に悲願のダービージョッキーの称号を与えたスペシャルウィークというだけでも、日本ではプレミア感が爆発しているこの新種牡馬が最初に送り出した名馬と後々語られるデアリングタクトは、祖母同士もまた同期の馬だった。

父母 【シーザリオ】 桜花賞2着/優駿牝馬・アメリカンオークス優勝
母母 【デアリングハート】 桜花賞3着/NHKマイルC2着

ここまでは、ずっとサラブレッドの配合を研究していく中で、誰でも見つけられる要素なのだろう。

ところが、デアリングタクトという馬が稀有なところは、配合時では3代目という位置になる祖父母の両親の代で、最も若い1995年産のスペシャルウィークから後の世代は全て、実は日本で血統登録された競走馬として中央競馬のレースに参戦した上で、繁殖馬としてそれぞれ組み合わさった配合なのだ。

無論、父・母/父父・父母/母父・母母の6者は、日本調教馬なのである。

日本国内における近代競馬についても、相応の熟成期間というものはあったわけだが、父父が惜しくもUSA産馬であるとしても、こういうパターンで3歳の頂点を極めた歴史的名馬は、少なくとも、芝路線に関しては一切いない。

驚くことに、それは菊花賞を制したメジロマックイーンも例外にはならない。三代に及ぶ天皇賞制覇の歴史はあるが、

祖父 メジロアサマ/その母 スイート<USA産>
父 メジロティターン/その母 シェリル<フランス産>

ちなみに、

母父 リマンド<GB産>

これでダメならば、サンデーサイレンス系がいかに平等に頒布されて繁栄しようとも、母父もサンデーサイレンス直仔以降の代でなければ不成立なのだから、そう単純には叶わない。

ところで、ロベルト系とヘイロー系の組み合わせでクロスが生じ<ヘイルトゥリーズン>、第二主流を位置を確保しているキングカメハメハ率いるキングマンボ系も入った馬がそれだけクラシックを勝ってきたかも、ちょっと調べてみた。

気になったというより、次に何をつけるのか迷うだろうという配合だからだ。

・メイショウマンボ 2010年生まれ
優駿牝馬/秋華賞/エリザベス女王杯<全て3歳時に制覇>

メイショウマンボは自身が同系配合で、父母父がキングマンボだった。

ミスタープロスペクター系が母系にも入るから、より強烈な近親交配による成功例となるが、整理された様々な系統の分析に見合った組み合わせだからこその成功で、こういうことは決まって、牝馬でないと当たりは出ない。
先達ての凱旋門賞で好機を逃し、ついに引退となった伝説の名牝・エネイブルは、実はもっと強烈な配合で、サドラーズウェルズが父父父×母父でクロスする3×2である。

3歳でJC圧勝のアーモンドアイにはヌレイエフの5×3があり、ジェンティルドンナはリファールのクロスとその父ノーザンダンサーの継続クロスが掛かっている。

似たように3歳で凱旋門賞制覇のトレヴはノーザンダンサーの同系配合、デインドリームも同じで、2008年に輝いたザルカヴァにはそういうものはない。

同時期に活躍のウオッカ、ダイワスカーレットもザルカヴァに同じく。

時代は近親交配の最先端を追求し、突き進み続ける地獄の黙示録状態であるからして、パンドラの箱を開けてしまったエネイブルやアーモンドアイは、無理やり長く走っている理由として、配合相手の問題も第一に挙がる要因となっている。

直仔の代で活躍が難しいのは、恐らくは、デアリングタクトも同じ。

コントレイルの洗練された走りは、そのクリーンに色分けされた血統表の静かさと確かな牝系の底力を受けてのものだとすると、好対照の両者とも言える。

何もここまで予想をしていないが、普通ではない条件を産まれた時から課されたサラブレッドの中のサラブレッドであった過去の名牝たちは、若さを活かしてという場面での不発がまずない。

人気に関係なく、その底力を発揮する。

これからもそうとは言い難いが、狙った通りに作られた配合のデアリングタクトは、サンデーサイレンスの強烈な個性を最大限に引き出され、父系の特性そのものを変質させている。

勝馬の傾向と最終予想

牝馬の反応の良さがあって気のいい牝馬は、休み明けの秋華賞でいつも快走の歴史があるから、強気でなくとも、勝手に位置を取れそうなデアリングタクトのマックスビューティ級の抜け出しは想定内。

スローもあり得る中で、メイショウマンボと似ているようなそうでもない配合のウインマリリンが、横山武史騎手で思い切った手に出ても面白い。

モズアスコットの狂気を呼び戻した盛岡のナイスファイトも、偶然ではないだろう。

オークスのレースの質はそこまでではないとされるが、オークスで色々な表情を見せた面々は、両トライアルでもまた違った形で底力を発揮し、結局、勢力図そのものの変化はないように思えた。

レイパパレとクラヴェルが除外となれば、後は、オークスの組み合わせをどの程度まで再現できるかとなる。

三冠はない説を推しても、失敗は実は、マックスビューティ、ベガ、ブエナビスタだけという、牡馬にはない顕著な傾向が出ている。

2000Mが最終戦になり、行き先を変えたブエナビスタしか負けていない以上、馬券上ではなく、理論上で未達成を説くのは無理筋だろう。

血の構成に濃さを感じさせる馬ほど、それが牝馬ならば、成功した暁にはいくらでもオプションがセットされるという歴史に素直に従いたい。

故に、相手はオークス上位組に絞った。