読売マイラーズカップ2021【予想】|過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り
目次
読売マイラーズカップの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | 第52回 読売マイラーズカップ(読売新聞社賞) |
グレード | 重賞(G2) |
日程 | 2021年4月25日(日曜) |
発走時間 | 15時35分 |
開催場所 | 阪神競馬場 |
距離 | 芝1600m |
コース | 右回り |
賞金 | 5900万円 |
レコードタイム | 1:31.1 |
読売マイラーズカップ予想2021 - 過去10年のデータ傾向
過信してはならない前走マイル重賞組
強烈な10の数字が輝いて見える3着完全固定の傾向は、ちょうど10年続く傾向だから、通常の阪神開催であった10年前までの記録まで含まれるとなる。
久々に阪神に帰ってきたマイラーズCだが、ここまで極端な傾向はなかった。
旧トリッキーコースのマイル時代でも、強い馬もよくわからない馬も勝ってきたが、それは今も変わらない。
ただ、この3着固定の安定傾向に隠れているのが、ヒモ荒れ頻発の傾向。
それはそうである。
マイル重賞を使っていた馬がそれなりに人気に推されるのが普通なのだから、前走がいつだろうと、全くと言っていいほど連に絡まないこの組は、当然、安田記念に長らく好走馬を送り込めなかった根拠を如実に示しているとも言える。
太目残りでかつ苛立っていて、全く集中力のなかった4歳参戦時4着に終わったインディチャンプは、次なる安田記念で本来の自分を取り戻し、外枠で発走のグループのガッシャンにも左右されず、見事に勝ち切って見せた。
ところが悠々の独走だった昨年だと、本番は完全不発の結果。
これがいい例で、4歳時の前走は東京新聞杯<マイル>、5歳の昨年はかなりの好成績となる中距離戦<後述>の中山記念<1800M>であったから、同じ前走成績でもここでの着順でもないにしても、マイルで走りすぎは禁物。
京王杯スプリングCを叩いた組でも、前走がマイルの時は、凡走するくらいだった方が本番はよく走っている。
信じ抜くことができる中距離オープン組の扱いは、今年に関しては、あまり重要視しない方がいいかもしれない
昨年のインディチャンプも、その前のダノンプレミアムも、長期故障明けを叩いて動き一変でレコード勝ちのワールドエースもそう。
一度はクラシックを目指し、またNHKマイルCにも参戦を目論んだ面々だが、重賞をそれほどせっせと使わず、大事に裏路線を進んだワールドエースだけはゴールドシップが勝った皐月賞で2着になっている。
今年はケイデンスコールがNHKマイルC2着の実績があり、その前の年の同2着馬であるギベオンも登場。
例年ならば、これらが重賞を今年勝っていて、かつ、今年の中距離重賞を<前者は中山記念、後者は金鯱賞>前走で好走と、ガチガチの傾向にも思えたのに、こういう時に限って、阪神に戻ってしまうという悲運。
最初に阪神外回りで行われた時の勝ち馬は、宝塚記念の前哨戦だった金鯱賞以来の実戦だったコンゴウリキシオーで、以降も中距離重賞組は活躍しているが、前述のインディチャンプが消えて、ほとんどただで勝ちをもらったダノンプレミアム以外は、まず2着止まり。
カンパニーも連勝したことはあるが、秋の天皇賞などを勝った年は、中山記念は連覇したものの、こちらはスーパーホーネットに敗れている。
中距離ベースという感じでハマるイメージの傾向であって、トップマイラーが重賞を勝っていたら、まずインディチャンプのように負けるのが普通。
ここでは直接絡まないが、前走阪急杯のモズアスコットもここも次も負けて、その後に安田記念で激戦を制している。
ここはマイル重賞組と違って、3着が多くないというか、いるわけがない(笑)という傾向。
変則開催となっているので拾うことにしたが、十分な名誉回復に成功の4歳馬にはチャンス十分であろう。
<1番人気が4回連絡みと考えるか、それとも複勝率7割と考えるか、混戦では大いに悩ましいところ>
誰が人気最上位に推されるか正直見えないが、重賞実績で見劣る4歳グループではないことは間違いない。
傾向以前に、重賞連続好走の出走馬が少ないマイラーズCだから、飛ぶ鳥を落とす勢いのエアロロノア<4歳馬>のような上がり馬には辛い傾向<前走条件戦の馬は全て馬券外>よりは、ケイデンスコールの方に少し引っ張られるかもしれない。
そうなると、堅い決着となる可能性もちょっと出てくる。
これが複勝率派の論拠とするには十分なデータとなる一方、連に必ず絡むわけではない好走する1番人気馬の扱いは、本当はどの距離に適性があるか不明のギベオン以上に何だかややこしく思えてくる。
煩わしいのは当然で、今年の重賞好走実績だけで買われる馬であるからに他ならない人気に推される根拠が、どういう見方で解釈されるかは、スタンスもあるが、その信頼の度合いによるところがあまりにも大きいから、どうしたって評価は割れる。
今更、ギベオンに関して、マイルC好走実績で人気になるわけではないのも同じこと。
連対率が圧倒的に低いわけではな一方で、エアロロノアやどういう根拠か不明でも1番人気まであり得るアルジャンナも、分析を加えていく中で人気なら即消しのキャラも、このメンバー構成であれば…、という雰囲気。
信用ならないのはどの馬も同じであり、今年はその人気が大いに損をさせる要素とした時、わずかにでも妙味が生じる2番人気以下で中穴程度までの馬を、丁寧に選り好みしない戦略は、中らずと雖も遠からずの曖昧な狙い方ながら、無難で安全であろうとも思う。
読売マイラーズカップ予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
元祖『コントレイル被害者』であるアルジャンナが終わったか否かは、この辺りで判然としてくるはずだが、ユーイチ騎乗とは少し皮肉である
何はともあれ、期待のディープインパクト産駒であったことは間違いないのだが、あの日をきっかけとして、希望を失ってしまったようなところがある。
ティズナウという特殊な系統から誕生した<Tiznow/マンノウォー−インテンショナリー系>、3歳時はチャーチルダウンズ<ケンタッキーダービーと同じ条件>、翌年はベルモントパーク<ベルモントSが行われる舞台>で、ジャイアンツコーズウェイやサキーといった欧州圏のトップスターを迎え撃った末のBCクラシック連覇で、その名を世界に知らしめた名馬の血は、コントレイルの母母父にも入り、3代目にティズナウでは共通も、母コンドコマンドがG1馬になれた根拠にもなっているシアトルスルーの5×3×5が、ディープインパクトをつけた時にはマイナス面となっているのだろうか、前走超スローで出走馬の半分以上が上がり32秒台でまとめた時に鋭い反応を見せたことがあるくらいで、特段の武器というものは持っていない。
スピード勝負で活路を見出したいアルジャンナは、先行力を補う血は豊富に取り込まれているものの、肝心の前進気勢は、ダービーで休み明けの影響と内枠が災いした残念過ぎる掛かり方でも分かるように、スイッチが入ったらややこしいとして、川田騎手などは無理に先行する位置取りをしてこなかった。
ただ単に、前記のティズナウやシアトルスルーらが秘める危険な側面が出ただけのことであり、これもディープインパクトの性質ではない。
ところが、凡走でも前走の仲良く32秒台の競馬で、大きなプラス体重だったが、その後似たような感じで復帰戦を迎えたコントレイルと同じで、まだその体にフィット感がないような負け方だった。
この辺りを血統分類で、何かしらのプラスの要素を見つけてみようとした時、ボールドルーラー系のオンパレードの中でひっそりと母系に入ったネヴァーベンド系大種牡馬・リヴァーマンの名が光って見える。
自身は名マイラーで、牝馬のトリプティク<G1を仏愛英で9勝>、デトロワ<凱旋門賞>を除けば、アイリッシュリヴァーやルションといった日本でもお馴染みのある種牡馬の現役時代は、マイル中心に活躍のトップホースという印象が強い。
で、アルジャンナの母母母父であるハーフアイヤーもタイトルこそG2までに止まるが、ロイヤルアスコットのセントジェームズパレスS<G1昇格の前年>を勝っている。
また、前記のデトロワはその息仔であるカーネギーも凱旋門賞を勝ったわけだが、これを母父に持つ名マイラーがあのモーリス。
ナスルーラ系はどこかで原点回帰するものだが、晩成型に出たとした時、この面が大きな後ろ盾になる可能性を秘めている。
持ち時計も大したことなく、ここぞの場面で強い馬にぐうの音も出ないほどに、完膚なきまでに打ち負かされてきた高馬・アルジャンナ<取引価格は税込みだと2億円に迫るほど>だが、劇的敗戦の東京スポーツ杯から、幾度となく浮上するきっかけを得ながらも、毎日杯などはとてもいいリズムで競馬していたのだが、勢いに勝るサトノインプレッサに捉えられてしまった。
この時も矢作厩舎の馬。
次にある意味強気で、また裏を返すと、背水の陣で勝負をかけたダービーもまた、矢作厩舎のコントレイルに既定路線の敗北を喫するのみであった。
全てをリセットせざるを得なかった秋から年末を経て、前走は年明けの洛陽Sだったが、何だか体を持て余すように、力を出し切れなかった雰囲気。
上がり勝負でも味が出ないので…、というディープインパクトの先入観に囚われなければ、もっとパワフルな勝負を、わざわざマイルを選択してそれをしていかないと意味もないとした時、今回、図らずも乗り替わりようになった鞍上の変更は、イメチェンにぴったりのシチュエーションだ。
前走の内容から、成長はしているのだろうと読み解けたが、動けるかどうかということと、古馬の争いなので適性もやはり重要。
適性はリヴァーマンの力を借りるとして、結果を求める場面で必要な最後のアシストが、当然騎手の力になってくる。
何の因果か、福永騎手に代わることになった。
東スポ杯では乗っていなかったが、肝心要のダービーでは当然乗っていたコントレイルの主戦騎手。
一応、別路線に転じてそれは関係ないのだが、池江厩舎との因縁は結構深いところまで、繋がりが強いからこそバチバチしたものがある。
その東スポ杯の結果を見て、最初に降参の恨み節を語ったとされるのは師であると言われている。
読売マイラーズカップ予想2021 - レース展開と最終予想
このコンビでは、ディープブリランテ<矢作厩舎>がダービーを制した年のクラシック戦線で、ワールドエースというワールドプレミアの全兄を立てて挑んだ戦いが有名なのだが、重賞2勝のこの馬の鞍上には福永騎手はいなかった。
何か他の馬に違う競馬場で乗っているとか、マイラーズCの時点ではもう乗り替わり。
まあ、アルジャンナと違って、彼の場合は5歳時の復活だったから仕方ないか。
ところが、不思議なもので、その復帰戦は東京と阪神で違うレースなのだが、どちらも古馬緒戦は5着。
また、オープン特別・リステッド競走らしく、スローのキレ負けだった。
ローテも似たようなもので、全く二匹目のドジョウを狙ったわけでもなく、今回はもう前走でマイル戦は使ったわけだが、ワールドエースは慎重に仕上げた中で作ったところで、次戦のマイラーズCは大幅体重増。
ところが、大レコード走で完勝だった。
古馬タイトルに縁がないディープインパクトの牡馬というのはよく知られた話だが、この馬の場合、ここで走りすぎて余力を失っただけのことで、まだ若いアルジャンナはクラシックで見せ場なしなのだから、もっと活力は殺がれていないだろう。
成長できそうな雰囲気だけは示したアルジャンナは、瀬戸際でありながらも、新たな一面を見せて何ら不思議はない。
最近の福永騎手は、特に重賞レースで活躍するでもなく、いい線行ってる止まりで、あのコントレイルの大阪杯での強気の仕掛けでやや疑問符もついたりしたのだが、1月の中京で大型のピクシーナイトを逃げさせたり、追い込み一手のシヴァージを中団からの仕掛けで初重賞制覇に導くなど、繊細な面のある大柄な牡馬に自在のアレンジを加え、新たな一面を引き出している。
コントレイルでミソをつけたユーイチに、全く意味のない助け舟などではないかという邪推は、全く以ってナンセンスな考察なのだが、久しくクラシックに縁のない池江厩舎にとっては、再起をかけたアルジャンナのような馬にはどうしても頑張ってもらわないといけないという願いのようなものがあるはずだ。
口惜しい思いをそれぞれが、別の場所で口にした時、最も早くコントレイルに白旗の池江調教師は、ダービーまでとそれ以降を分けて、近年は狙いをつけたローテを組むから、厳しいところで躓くと沈んだままのこともあるが、ワールドエースのような劇的シーンもあり得なくはない。
片や、逃げて不発のアーリントンC<やはり矢作厩舎のホウオウアマゾンが勝利>で福永騎手が駆ったピクシーナイトに対し、全く敗因を挙げるでもなく貶すでもなく、何より次に繋がるいい競馬とした私見の奥深さを匂わせ、まるで横山典弘騎手のようなよく頑張った評と似て、今までになく自然体である姿には、尊敬の念を抱く筆者である。
再び、池江&福永コンビで何かを起こそうとした時、ペルシアンナイトの大阪杯代打騎乗や後にカラテをターフに送り込んだトゥザグローリーを古馬になってから重賞勝利へ3度導いたコンビネーションなど、最初に結果を出していることが多い。
裏を返せば、そうでなければミスマッチ。
コントレイルというより、矢作厩舎が完全復調した状況で、今回も除外王という絶妙なキャラ・パンサラッサを送り込むライバルに、今度こそはギャフンと言わせてやりたい。
何故か、エアロロノアにもエアスピネルにも乗れないのは偶然なのか何なのか、先約優先の男・福永祐一を燃えさせる条件が整った今回、意外と、パンサラッサ以外は強気に行かない組み合わせが見えているから…。
昔から、もっと福永「洋一」的なアグレッシブさを見せてほしいと願っていた筆者は、最近のこの人の騎乗スタンスを興味深く拝見している。
意外にも、横山典弘より今に限れば、ずっと馬の方に合わせているだけという感じで、コントレイルはそれに合わせすぎたことも敗因だったのではないかと思っている。
アルジャンナの一発を狙う今回、様々なチャレンジをしやすい状況がよく整っている気がする。
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