札幌記念2021【予想】|過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り
札幌記念の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | サマー2000シリーズ 第57回 札幌記念(GⅡ) |
グレード | 重賞(G2) |
日程 | 2021年8月22日(日曜) |
発走時間 | 15時45分 |
開催場所 | 札幌競馬場 |
距離 | 芝2000m |
コース | 右回り |
賞金 | 7000万円 |
レコードタイム | 1:58.6 |
札幌記念予想2021 - 過去10年のデータ傾向
来そうで来ていない3歳馬を狙うよりは、古馬のタイトルホルダーを買いたい
同日の北九州記念と共に注目の一戦。
3歳馬で勝ったのは、ここ10年では2014年の凱旋門賞壮行レースで登場の桜花賞馬・ハープスターのみ。
好走したのは、あとは翌々年に天皇賞を制するレインボーラインが、もがくモーリスに迫った3着があるくらい。
その前の10年で3勝している影響もあってのことだが、実は、ジャングルポケットもロゴタイプも負けているのだから、必ずしも信用できるわけではない。
ましてや、オークスのようなタフさを問われるレースで負けていたソダシは、普通は苦しい。
良馬場での結果だから、言い訳もしがたい。
ただし、札幌2歳Sを経ているので<それもレコード勝ち>、その点は、ダービーを制したジャングルポケットこそ振るわなかったが、サクラプレジデントやアドマイヤムーンなど、ダービー着外組の巻き返しは現に好走例があるわけで、それほど気にはならない面はある。
ただソダシという馬は、スピード決着への適性を第一とするクロフネの快速型のイメージが先行するため、新潟でキレにキレたハープスターが、よもやの捲りでゴールドシップを従えて押し切ったような例からも、牝馬は52という武器が活かせる強みをフルに味方につけておきたい。
競馬が上手なので、きっと、人気は少なくとも2番人気以内。
九分九厘、洋芝適性なども加味されて人気は最上位だろう。
人気馬のみが好走するこの札幌記念での3歳馬の傾向からは、最初の手はずは整ったというところだろうか。
良馬場のオークスでの結果が、ここではしっかりと問われる点のみ、今回の死角となる。
G1は使っていた方がいいが、その年勝っている馬はそんなに信用できない古馬の傾向
春にG1を使っていた馬は5頭いて、うち一頭は3歳のハープスターだから、残りが古馬。
ただ、昨年が象徴的で、5歳牝馬のタイトルホルダー同士が競った一戦は、前年にG1を勝った方が直線で突き抜け、2着が古馬になってからはG1好走止まりの6歳馬で、その次が大阪杯を前々走に勝っていた1番人気馬。
それこそ、2011年に宝塚記念を勝ったアーネストリーは、前2010年にこのレースを優勝している。
エアグルーヴは一応連覇したわけだが、1997年の4歳時にここを制した後、バブルガムフェローとの名勝負の末に、秋の天皇賞を勝ち取った。
あくまでもG1を勝った後に出てくるようなレースではないということが、このスーパーG2の特性なのであろう。
2016年はモーリスが力を出し切れず、翌春の香港でタイトルを得る同僚のネオリアリズムに完敗だったが、その後はモーリスがラスト2戦を、圧倒的なパフォーマンスで乗り切った。
G1をその年勝った者同士の争いだった2014年は、宝塚記念連覇のゴールドシップの方が敗れた。
今年のメンバーに関し、例年のその様な構図に当てはめると、この点で、ソダシとラヴズオンリーユーは些か不利である。
ユーキャンスマイルやここの2年の連対馬であるハービンジャーコンビに、例年は来ない七夕賞勝ち馬は、安田記念5着のトーラスジェミニ。
牝馬の時代にあって、伏兵の牡馬の選択の方が案外重要なのかもしれない。
単に人気がない方というよりは、同じくらいの勝機を持つ馬であるなら、人気の面で幾らかうまみのある方を選択すべきなのだろう。
目黒記念組と函館記念組が作ってきた、不可思議な展開の面白味を今年は買えるか否か
主な波乱の構図は、勝ち馬がどうこうも含め、明らかに格下評価を受けた馬が当然絡んでくることになるわけだが、同一線上に見られないことも多い函館記念組は、やはり、同じ洋芝のレースでもあるから、高確率で好走馬を出している。
前出のネオリアリズムがまさにそれで、他にも、重馬場の逃げ切りを決めたトウケイヘイローに、真逆の差し差し決着でサクラアンプルールと今でも説明するのが難しいナリタハリケーンがまとめてやってきた大凡戦の2017年もそうで、1番人気の動きが明らかに悪かったという時は、レースレベルの低下と共に、その適性の面が強く出たことにより、普段の中央場所をフィールドとした格上の面々がまとめて不発に終わるといった構図になってくる。
同じように、中央場所では特殊なポジションを成す2500重賞もまた、変な絡み方をする怪しげなコネクションを持っている。
目黒記念直行組では、8頭しかいない出走馬の中で、2頭が絡み、いずれもが窮屈なところから抜け出してきて、前年有馬記念勝ちのブラストワンピースが勝ち切り、穴連続好走の十八番のイン強襲を、外に出すしかなくなって決めきれずに2着までだったヒットザターゲットは、洋芝実績では買えた馬。
最初の2勝は、3歳夏の函館でのものだった。
ウインキートスが今年唯一の目黒記念からの直行馬だが、札幌の2600Mの特別を昨年制した実績は、目黒記念での圧勝にも絡む適性の面がある一方で、2000M以下のレースでも崩れてこなかったような馬であるから、大きな不利のあった日経賞以外で掲示板を外したことのないステイヤータイプに映す彼女ながら、クラシック戦線を戦ってきた3歳馬や、春の古馬の王道路線を使ってきた面々とも本質面で大差ないように見える。
唯一足らない中距離戦での戦い方における経験値なのだが、ここ3勝は全て、強烈なスローからの上がり勝負を制してきたというもの。
むしろ、もっとパンチの利いた流れになることもある中距離重賞の方が、よっぽど適性があるとも思える。
ブラストワンピースも前年は、強烈な追い込みで新潟記念を制している。ヒットザターゲットは所謂「大賞典」レースのハンターで、阪神大賞典以外は勝った。
G1に縁があるとは今のところ思えないが、そういう個性派に育ちそうなウインキートスは、ここで本質をこの条件に求めた時、今後の展望が一気に開けるはずだ。
札幌記念予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
-ゴールドシップもイクスキューズもデビュー2連勝で、初特別勝ちは、いずれもこの札幌の出世レースだった-
父のゴールドシップが例の「ステイゴールド×メジロマックイーン」のノーザンダンサークロス持ちという黄金セットの中で、そのスターぶりをあらゆる形で体現したことで、オルフェーヴルとは違う個性を見せつけたわけだが、その配合的特性は、よりこのウインキートスの代で洗練された印象を受ける。
まず、マイバブーの血が父母にそれぞれ一つずつ入っているという点。
トウルビヨンの血が3つ入り、マイバブー直仔のマイリージャンが3×5とクロスするトウカイテイオーは、異系の持つ得体の知れない凄味だけでなく、サンデーサイレンス系が自身の引退後に一時代を築いていくことを予期するかのように、好調期には圧倒的な反応の良さで差を寄せ付けない瞬発力を持っていた。
それを引き出す要素は、何も同系の種牡馬とのクロスによるものではないはずだが、半分終わりかけたメジロマックイーンのマイバブー系は、サンデーサイレンス系種牡馬のステイゴールドが持つノーザンダンサーやプリンスリーギフトといった名血をクロスさせて、オルフェーヴルの「ノーザンテースト4×3」による爆発的な才能の発揮が悲願の凱旋門賞勝利に一歩近づいた<4歳時は勝っていたとすべき内容>その根拠となったものとは対を成す、「オーソドックスなクロス」によるメジロマックイーン化の成功がゴールドシップの大成の根拠であり、インブリードとなっていることが重要だと言えないわけではない。
現に、オルフェーヴルの代表産駒であるラッキーライラックは、ノーザンダンサーやミスタープロスペクターに偏りのある父や母父の構成が、早熟性も引き出しながら、5歳になって再成長をするという離れ業をやってのけている。
ウインキートスの魅力は、母イクスキューズが極めてアウトサイダー型の配合でありながら、ボールドルーラー系の早熟性を活かしつつ、桜花賞に至るまでに7戦を消化し、その後に、夏のクイーンSまでの間で3戦をクリアし、G1以外全て3着以内の堅実さを発揮した安定感を引き継いだ点。
その根拠はまさに、他の血を干渉しない関係性を構築し、レイズアネイティヴ・バックパサー・ブランドフォード・マイバブー・サンインロー…、という仲がいいようには思えないバラついた母系の構成に対し、いかにものボストンハーバーらしい快活さを全面にではなく、戦略的に優位に運ぶための武器とした点。
抑えてほどよく直線で反応し、勝ち切れない…<牝馬同士のライバルが強力だったの年ではあるが>、という繰り返しは、戦績のほとんどに着外がない娘の特徴と瓜二つ。
ただ、重賞を勝ち切れた娘には、ノーザンダンサーが父の代で5×5とクロスしたことで、母イクスキューズに5代目に入るそれが薄く継続性を持って、バランスを司るポジションとして活用されている面があり、それが武器になったのだろう。
速い馬にはなれないゴールドシップの仔たちではあるが、そうした快速系の魅力を秘める母系との相性は案外いい可能性を示したのが、このウインキートスなのかもしれない。
札幌記念予想2021 - レース展開と最終予想
ウインキートスの半兄に、ウインイクシードという似たような堅実派のオープン馬がいる。
路線も丸被りだろうから、厩舎が違うので、いずれ対戦があるかもしれない。
それがG1であれば言うことなしだが、晩年は大一番でさえもムラがあった父ゴールドシップとは対照的なようで、G1はもっと頑張ってほしいなあ…、という感じで牝馬限定G1の5着2回が最高だったイクスキューズともよく似て、勝ち切れないところがよく似ていたりする。
相手がきつくてもそれなりには踏ん張るが、それほどまで迫力のある走りで肉薄という形は滅多にない。
その代わり、ずっと走れるという武器がある。
若い頃のイクスキューズもゴールドシップも元気があった。
イクスキューズの初G1出走時のキャリアが4戦というのは、2006年のジュベナイル出走馬の中では特別多くはなかったが、桜花賞時は7戦。
オープン馬に2戦目勝利をした時点でなったくらいだから、異例の多さだった。
ゴールドシップも決して少なくなく、2歳時ですでに4戦。その後にゆったりローテが増えたが、勝ち負けはともかく、凱旋門賞参戦後のプロセスに一戦多く加えたことで、6歳時は散々負け続けた春の天皇賞を強引ながら、勝ち切っている。
使って良くなるタイプなのだ。
前走の目黒記念で、母譲りの自在性と安定感で首尾よく好位につけられたことが勝因であったウインキートスは、その時がキャリア16戦目。
必ず、途中で一回は現級で負けるという繰り返しがあるから、昨夏以降、ほぼ全て連対の記録でありながらも、そこからもう9戦も消化している。
昭和の時代に、シンザンなどは4歳シーズンを戦い終えるまでに19戦を使われたわけだが、前の東京オリンピックの年に三冠を達成したような馬であり、そういう時代のこと。
当時は斬新な少なさでもあったが、もっとスピード型のテスコボーイ<父プリンスリーギフトのクロスがゴールドシップでは掛かっている>の産駒が活躍しだすと、もっとスマートにコンパクトなキャリアの進め方になり、シンザン引退から丸10年して登場のトウショウボーイなどは4戦少なく、似たような戦績で競走生活を全うしている。
ワンシーズンにして、1戦少ない計算になる。
5歳シーズンを走り切って、トウショウボーイと同じ消化数で勝ち星も一つ差だが、主要タイトルは3倍多く勝ったのがアーモンドアイ女史だ。
時代に反抗したのようなイクスキューズのらしいところが、その所有者であったあの岡田繫幸氏の生き様と重なる。
愛する競馬を基軸とする人生を全うするためのダービー獲りの夢は現世では敵わなかったが、オークスではゴールドシップの産駒でユーバーレーベンが素晴らしい末脚を見せつけて快勝した。
もう終ってしまってもおかしくないキャリアの多さで、約束の現級ワンストップの15戦目の日経賞は、今でこそ絶好調である松山騎手のやや丁寧さを欠く騎乗により大きな不利を受ける結果に終わったが、幸運はあっという間に、オークス翌週の目黒記念の好機へと転じたわけだ。
岡田氏の信念がまだまだ生きている現状、牝馬の時代に見事に逆らったようなタイトなキャリアを武器に、もっと輝けてもいいはずの中距離戦で大仕事して不思議はない。
ソダシもラヴズオンリーユーも、傑出した時計でクラシックウイナーに、それも無敗でなって見せたような馬。
最初からその夢を奪われたようなところのある、対照的な存在でもあるウインキートスは、意外と戦いづらい相手のように思う。
相手には一応ソダシをとったが、ちょっと海外帰りの馬が死角だらけという傾向に沿ったラヴズオンリーユー軽視の読みの影響もある。
ならば、函館記念2年連続3着ながらも、意外にも札幌は初めてというバイオスパークは面白い。
前走は昨年の3着ほどの価値はないが、斤量は前年比2kg増。
その父オルフェーヴルはステイゴールドの産駒であり、ゴールドシップとの共通項があまりにも多い兄弟分。
昨年はハマらなかったが、ゴールドシップも札幌重賞はいずれも2着。
ただし、派手さでは二枚落ちの娘、三冠とは縁のなかったバイオスパークらは、ラッキーライラックなどともちょっと違うだろう。
むしろ、その点あたりが狙い目でもある。
夏競馬の影響か、最近ちょっと在来牝系が元気というのも味方につけたいところ。
シンザンの出走ローテに大いに影響を及ぼしたコダマと同じフロリースカップの末裔に当たるのが、何を隠そうこのバイオスパークである。
まあ、同じ小岩井牝系のアストニシメントを牝祖に持つマイネルウィルトスでもいいのだが…。
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