スプリングステークス2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

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スプリングステークス2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

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スプリングステークスの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

 

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第72回 フジテレビ賞スプリングステークス
グレードG2
日程2023年3月19日(日)
発走時間15時45分
開催場所中山競馬場
距離芝1,800m
コース右回り
賞金5,400万円
レコードタイム1:44.9

 

スプリングステークス予想2023 - 過去10年のデータ傾向

中山1勝クラス組は、決まって人気薄から

何と言っても、近年突如として現れたガロアクリーク、アサマノイタズラら、水仙賞<1勝クラス・中山2200M/ダービーを展望する関東馬にとって重要な中山開幕週の名物戦>で負けていたのに、乱戦のこの一戦で人気勢を差し置いて、すばらしい連対の結果を残したのだから、まずは勝ち馬であるハウゼは無視できない。

人気になりすぎることはないにしても、さすがに毎年、前走負けていた条件戦組をいつも押さえる意味は、本質的にはないのだろう。
人気になった馬の不発による恩恵は大いにあった。

ということは、2017年のウインブライト・アウトライアーズコンビが、サトノアレスらのそれっぽい候補を一刀両断とした結果に、ここは肖りたいところか。
他には、パクスオトマニカなどもいて、新潟内回りの2000と中山1800で勝っている馬ということが、何とも癖の強い、いかにもの候補といった雰囲気。
昨年もウォーフロントの血を受けたビーアストニッシドが勝ち切り、今年も同父のトップナイフが本番にも参戦することは既定路線。
雨馬場はお互い合いそうで、予報が大きく好転しない限りは、昨年のような行った行ったの展開も予測され、有利であろう。

 

G1を使っていても、一つ使っていた方がいい馬向けで、昔ながらのトライアルとも言える

朝日杯組は定期的に来るが、もう、ナリタブライアン<共同通信杯も勝ってからの参戦>やその前のミホノブルボン、異様にタフな成長曲線をみせたロゴタイプなどを除くと、近年では目立った好走に記録は見られず、人気のステルヴィオやファンタジストらは、ほとんど騎手の正確なアシストあっての好走のようにも思え、中3週で皐月賞の形に拘ったホープフルS組の方が、本質的には狙い目。

ただ、血統的に完成度がまだ不完全と言える京成杯も経ているシーウィザードやセブンマジシャンら、古典の年明け2戦目がトライアルの形で挑んだ主流路線組しかいないから、朝日杯から同レースを経ているグラニットも含め、正常に近いローテを組んだオールパルフェにように、名馬たちがそうであったように、すでに重賞を勝っていた馬の方が、信頼感は出てくる。
連外しとはいえ、2歳王者であるダノンプラチナ、サトノアレスは内容はどうあれ、掲示板を外したわけではない。
前向きに皐月賞参戦とは思えないが、速いタイプというよりも構図に展開を作っていけるこのレースはキタサンブラックの2着であったリアルスティールの産駒・オールパルフェのみ、崩れづらいというスタンスをキープして、叩きたいグループは権利獲り争いで精一杯と考えて、中山条件戦組の相手にはこの馬を推しておく。

 

1番人気は2、3着で拾っていきたいから、穴馬軸で問題なし

どんな実績であっても、言うなれば、未勝利勝ちの内容が派手だったボーデンから、G1連対の面々まで、本質の適性とは別に、好走まではできるという1番人気馬の傾向が出ている。
消えたのは、4着のサトノアレス、妙な気配を漂わせて、本来は余計な一戦にも思えたこのレースでジエンドとなった昨年のアサヒくらいしからいないのが現状。

誰が人気かまでは読み切れないが、G1出走組の2頭に加え、2頭いる無敗馬らが、綺麗に東西でそれぞれ1頭ずつ。
馬場が怪しいとなると、たまたま関西馬にその実績があることで、少々支持は多めに集まりそう。
一方、比較的好走決着に対応している、ある意味で関東馬の非根幹距離向きのような気配もないわけではないホウオウビスケッツらも、雰囲気では見劣っていない。
負けることの多い1番人気馬は、朝日杯連対馬しか勝ち切っていないから、今年も人気勢の着づけが基本線。
単勝5〜30倍の中穴枠を押さえるのは、馬場状態も怪しいことも多いこのレースの開催週の傾向からも、無理なくの姿勢で、あくまで大胆な軸馬選定の方に肩入れすべきであろう。

スプリングステークス予想2023 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

じれったい空気が漂う牡馬戦線だが、このレースが終わっても、なお展望できない可能性は大いにある

パクスオトマニカの血統

父は皐月賞勝ち、有馬記念も制したが、凱旋門賞に挑戦後、翌春はオールウェザーのドバイワールドCを制した名馬。
その直前、有馬記念制覇の勢いを駆って、中山1800の大レース・中山記念を独走している。

パクスオトマニカの半姉には、阪神開催の菊花賞で3着に入ったディヴァインラヴがおり、近親にはG3勝ちのあるヒーズインラブ、サンデーウィザード兄弟が母ディープラヴのすぐ下にいるものの、何か、サンデーウィザードの父ネオユニヴァースと密接に関わるこの系統の子孫であるということが、あまり重要ではないほどに、強烈なサンデーサイレンスのクロスを有する点は、どうしても血統解説では無視できないポイント。

直系3代と母父系でも同位置に、世界トップクラスのスーパーサイアーであったサンデーサイレンスが入り込み、その父であるヘイローも父の代で3×4だから、仔の代でも4・5×4で、強烈ではないものの、その前の代にサンデークロスがある分、効果は強め。
前向きさの根源は、母系の北米血統、とりわけ速い馬の方が効率的に仕事をしてくれるヒムヤー系の血も影響してのことであろうが、キレるサンデーと本質ではバッティングする。

スピードの血を確保しようとしたところで、件の強めのヘイロー系クロスが重複しているのに、古馬になってキングジョージなどを制したステイヤー系のバステッドが薄くクロスするのは、むしろ、芝向き系統のサンデーらしさを強調する効果を秘めるから、人気馬ではない割に戦績が悪くないのは、使ったレースと彼の距離適性などがフィットしている証。
ちなみに、父父はこのレースの覇者で、父をなぞるようにここと皐月賞を連勝したアンライバルドはその代表産駒の一頭。
ダービーは横山典弘騎手のロジユニヴァースというクラシックシーズンであった。
ハマるととことんということも言えるのが、ネオユニヴァースなのである。

スプリングステークス予想2023 - レース展開と最終予想

やけにセンスのいい競馬をするタイプに思えるパクスオトマニカは、ここ2戦、静かに大舞台での再びの活躍へ向け雌伏の時を迎えた横山武史騎手を背に、攻めの先行に出ている。
何しろ、最初は逃げ馬より速いという感じで出ていくから、中距離戦でどの馬も特別戦となれば、2月に入るまでは大概が単調になる事を恐れて、単騎の先行は伏兵の役目とするのが普通でも、このスタートからリズムのいい走りができることを武器にしようと、結果的なところから始まった未勝利勝ちの逃げ<押し出された先行も楽勝だった菱田騎手騎乗の初勝利の一戦>から、次戦の激しい葉牡丹賞、スタートで実質終わった前走の若竹賞と、戦いながら見えてきた本質が、この重要トライアル、とりわけ皐月賞に繋がるスプリングSに向いた性質が見えて取れたので、いつも人気にならない馬のこと。
狙わない手はないとなった。

はっきりと見えた、本番の皐月賞、何なら初オープンも多いホープフルS参戦も展望したい中山2000の葉牡丹賞の内容から、前走は必然の押し切り勝ち。
パクスオトマニカは新潟2000といっても、一般競走でのみ施行される内回りのレースを勝った小回り巧者。
皐月賞も展望し、行く末にマイル路線も視野に入れることも多い、隠れダート巧者もまま登場する<ダートの9Fは北米圏でも重要レースが多く、あのマルシュロレーヌはタイトなデルマーで大熱戦となったディスタフを、パンサラッサも同じ距離のサウジCを逃げ切っているから、日本調教馬にとっても大切な条件の一つ>、振れ幅の多いこのトライアルならではの多様なメンバー構成において、この馬は明らかに巧者の印象を受ける。

何しろ、新馬戦がこの中山の2000で、うまく立ち回られた少し前の横山武史&ネビュルーズの完璧な立ち回りに屈したが、こちらに菅原騎手が乗って、攻めのスパートで負かしに行った結果離されたことは、逃げたくはない新馬戦としては仕方のないこと。
その後に2勝だから、菅原騎手とすると惜しい星を落としたというか、チャンスを逃したことになるが、結果を求められる立場になった、若手扱いはもうない菅原明良が身勝手な競馬をして言い訳はない。

スロー見え見えで、スタートが相変わらずいい彼だから、関西の菱田騎手でも、新潟では楽に先行して、直線はどんどん後続を突き放した。
勝てる形を昇級初戦で、且つ、人気がないなら自由に、多頭数戦で新たな形まで見極めたかった場面で、タイトルホルダーでもその後のエフフォーリアでも積極策をとれる武史騎手の依頼は、何ら間違いではない。

ところが少し行ったとはいえ、自身のラップが60.0−60.0だったのに、いかにも危うい単調の先行型に見せた葉牡丹賞のパクスオトマニカからは、ミッキーカプチーノがいわば異様なまでに、若き日のトウカイテイオーを思い起こしたベテラン記者やファンたちをくぎ付けにしてしまった華麗な2連勝目の裏で、姉とは違う、ベースにあるものを大切にするような先行、何なら2番手の策が合っているという確信を、陣営に与えた瞬間でもある。
例年ならば、もっと接戦だったはず。

この経験があるから、前走はまた1800でもあり、少頭数の逃げ切りで然したる強調材料を加えてわけでもないから、乗り替わりにもなって人気にはならないが、あまり今後も縁はないだろう菱田騎手が、自身の引き出しの何か一つでも彼のためにできることを見つけられたら、楽勝が見えていたレース。

今回はアスクビクターモアの行く気をギリギリ抑え込むことに成功したディープインパクト記念から2週後、再出発の瞬間が遠のくゲートの自滅で、今も何だか塞ぎこんでいる雰囲気のアサヒと共に、物悲しい雨上がりの中山としてしまった田辺裕信騎手が乗り込む。
狙いは読んで字のごとくという感じで、制御の一点。
上手に走れる馬こそ、その辺の塩梅を探ることが難しく、10年くらいの馬乗りと20年前後続けている同業とでは、明らかに引き出しの差が違うことに懸けたい。

コパノリッキーであり、安田記念で驚きの逃げ切りを決めたロゴタイプも田辺裕信。
難しいアスクビクターモアも自分の馬にして、菊花賞で皆を怯ませる破壊的スパートで後続勢が仕掛けた常道の決め手比べを封じた。
どちらかと、差し脚に自信のあるロードクエストやこのレースで好走後長く沈んでいたのに、気づけば小倉で豪脚を披露したアウトライアーズのようなタイプより、強気というか意表を突いた先行により、その馬乗りの巧みな記述がより発揮される、今では名手となった。

外国人騎手も結構乗ってくるレースで、デムーロ兄弟も勝っている。
ただ、松岡正海や石川裕紀人、北村宏司の名が勝利騎手に載るのがこのレース。
その前は決まって、蛯名正義と横山典弘だったのだから、中山1800のイメージ通りという感じか。
関西のベテランも岩田父と池添謙一。
いかにもこうした特殊なコースで腕を見せる名手。

他にも候補はたくさんいるが、横山兄弟の無敗馬よりは、素直ではない、もとい、器用貧乏にならないためのうまい先行の策に一案を提供してくれそうなこの鞍上なら、面白いことになりそうに余計な期待までしてしまう。
トライアルから、ましてや混戦の世代の重賞競走で、意味もなく、筋のいい予想をする必要もない。
意外な感じで、中山でも強かったソールオリエンスが中心視されそうな皐月賞を前に<彼に敗れた面々が多めに参戦>、ファントムシーフやきさらぎ賞組に対し、面白い武器を持つ伏兵の台頭を望みたいところだ。
恐らく、結局平均ペースかもう少し遅い展開。
まさに、裏をかかれたのが昨年の前残りのトライアルであった。




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