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弥生賞ディープインパクト記念2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 17分

 

弥生賞ディープインパクト記念の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第61回弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)
グレード重賞(G2)
日程2024年3月3日(日)
発走時間15時45分
開催場所中山競馬場
距離芝2,000m
コース右回り
賞金5400万円
レコード1:57.8

弥生賞ディープインパクト記念予想2024 - 過去10年のデータ傾向

人気になる以上は、好走しないことにはあとはない

消えたのは、サトノクラウンが勝った年<ドゥラメンテとキタサンブラックの2015年、皐月賞1番人気がこの馬>のシャイニングレイ<故障が癒えた後年、CBC賞を制する拗らせよう>、重馬場のメイショウテンゲン快勝の年のニシノデイジー<ホープフルS3着で、2歳重賞2勝>だけ。

定期的に、主に暮れに活躍したJRA賞受賞級の大物が飛ぶのは、路線の方向性の違いや調整の関係もあるから、どうしてもやむを得ない部分があるのも事実だが、長期的な傾向分析をしたところで、この長く親しまれてきた皐月賞というかクラシック全体のトライアルである弥生賞・ディープインパクト記念は、パンチ不足が理由でこんなところでこけているようでは、もうおしまいという例がほとんど。

 

2020年に連続年の重馬場開催で、辛うじて2着死守のワーケアが、見事にその後にまともに走らない凡庸な競走馬に成り下がってしまったくらいで、他の例を挙げるなら、トゥザワールド、カデナ、ダノンプレミアムらが、いくらか早熟傾向ではあったものの、その後は巻き返すなどあって、古馬G1でも好走をしている。

負けても、リオンディーズは相手関係がタフだったので、距離延長では良さが出なかったが、ドウデュースもその前の年のダノンザキッドも、ライバルとなるようなその年のクラシックウイナーに負けてしまっただけで、問題は最小限に止まる。

実力通りに走ったトップナイフも、ダービーを勝つタスティエーラのキレ負け。

しかし、ホームにも似た札幌記念で好走しているから、故障さえ癒えれば、主戦の2950勝目くらいの勝ち馬になっているのかもしれない。

シンエンペラーでもトロヴァトーレでも何でもいいが、来てもらわないと、みんなが残念な気持ちになってしまう。

おらが町のスターは、競走馬のとしての格に関係なくしている印象

関東馬が4連勝中。

10年で4度2着がある。

隆盛を誇った関西馬の時代ではなくなった。

 

関東馬4連勝の前は、関西馬が4連勝だった。

矢作厩舎のシンエンペラー、音無厩舎の年明け2戦目になるサンライズジパングなど、ここで流れを食い止める刺客はいるが、その他は全て関東の美浦所属のクラシック候補なのだから、穴は完全に関東馬であるだけでなく、軸に相応しいのも、オッズ的な妙味が今年の関西馬にはあまり感じられないので、どういう支持であろうとも、狙うべきは関東馬だろう。

 

堀厩舎からは、ここ10年で2勝、それもサトノクラウンとタスティエーラの親仔制覇の勢いに肖って参上するダノンエアズロック。

エフフォーリアの鹿戸厩舎からは、かなりの人気になる厩舎の柱になってもらいたいトロヴァトーレ。

いずれも2戦負けなしの重賞初挑戦組で、秋以来の実戦。

 

ロジユニヴァースで無敗制覇の経験のある萩原厩舎からは、ファビュラススターなる新興勢力が登場し、アドミラルシップやレッドテリオスなども、こうした重要な場面で開眼しそうな穴候補。

中山でやるからこそ、関東馬有利の図は、アメリカジョッキークラブCや中山記念を他の倍以上勝っている横山典弘現象が、恒常的に今後は繰り広げられることになるのかもしれない。

大物も消え去った才能も両方いるノンキャリアのスター候補たち

今年は少し多めに、関東馬でかつ名馬を送り出した厩舎から、3頭もこの2戦無敗の候補が登場。

頭を抱えるほどに、取捨に困るほど、うれしい選択肢が続々と予想の俎上に充実ラインナップの格好で掲げられている。

 

中山経験をしていれば、少し長いと思われたシュネルマイスター<タイトルホルダーがいなければ、ダノンザキッドと一騎打ちだったはずだが…>でもこなせたのだから、この点でダノンエアズロックの1800重賞行きの勧めを唱えると同時に、皐月賞狙いなら、スプリングSの方が色々な意味で効果的なキャリア向上のステップにもなる傾向もあって…。

スプリングSも勝っている堀調教師に、小回りなら、阪神の若葉Sでもいいのではと、誰か忠言するのもいいくらいに、ここでは不利。

 

右回り未経験の無敗馬は苦しいが、ワンターンオンリーのダノンプレミアムでも勝ったくらいで、東京で下手にキレイに外から差し切るようなことはせず、ライアン式の英才教育に応えて、苦しいインからの立ち回りを経験したサトノクラウンを除けば、まずこのテンションで<本番にお釣りを残さない仕上げなどするはずもない名伯楽という意味>、テン乗り確定の状況では、よほどの才能がない限りは…。

 

中山で鮮やかに2勝目を挙げた意地でもカタカナを軸にしたくないファンに薦めたいファビュラススター・そろそろ来そうな横山武史、中山での戦いの中で、ダービー以降まで展望しているような感じのあるトロヴァトーレ・ルメールが、シンエンペラー・川田将雅に挑む構図となり、ノリちゃんにもっと勝ち星で差をつけておきたいとどこかで本気に思ってるユタカのサンライズジパングなども、色々とうるさい存在。

サウジCでのワクワク感が継続されたような、ファンが思い描いた通りの面白いトライアル競走になる。

弥生賞ディープインパクト記念予想2024 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

騎手・ルメールを奮い立たせた2度の敗戦が糧となり、三度目の正直で獲ったダービー、そのウイナーが美しい血統表の後継を出した

トロヴァトーレの血統

2017年の東京優駿・ダービーを制したレイデオロの初年度産駒。

その母母であるレディブロンドは、ほぼ3か月くらいの実戦の時間だが、最後はスプリンターSで掲示板に載った。

言わずと知れた、ブラックタイド・ディープインパクト兄弟の姉である。

 

母のシャルマントは、秋華賞を制しただけでなく、長期の欧州遠征を敢行し、ナッソーSも勝ってしまったタフネスフィリー・ディアドラの半妹。

輸入繁殖ソニンクとその母でアイリッシュ1000ギニー他マイルG1制覇多数のソニックレディのラインは、横山典弘のロジユニヴァース<不良馬場の東京優駿独走勝ち>と安田記念連覇の偉業を成したマイラーの血統の継承者・ソングラインを日本で出しているとだけで、ほぼ説明の必要がない名血。

 

ソニックレディの一つ下に16戦12勝の完全無欠のマイル女王・ミエスクがいて、2度対戦したが、いずれも先着を許したのだが、その仔のキングマンボが直系という因縁。

アーモンドアイのファミリーとして認識されるセックスアピールも父と母の中で薄く重なり合い、ソニックレディとミエスクは同じヌレイエフの産駒で、これがちょうど5×5を作る関係。

深い理解など不要であるほどに、まだ地味な印象であるこのレイデオロ産駒は、確実な発展に必要となる血統が有り余るほどに配合されている。

それが邪魔をしていないから、実に美しい背景を作るのであろう。

強い、というか、いかにも強そうなここまでの2戦の内容は、この血の成せる業であると断言ができる。

 

中山2000Mで2戦したのみで、休み明けでかつオープン初挑戦。

しかし、見方によっては、その存在にワクワク感しか覚えないというファンも多いだろう。

何しろ、とんでもない血統のオープン馬、牡馬のエース級が登場する、久々にゴージャスなトライアルになる。

 

ドウデュースはアスクビクターモアに敗れ、ダノンザキッドは二度も負かしたはずタイトルホルダーや新星のシュネルマイスターに敗れると、3歳春に立ち直れなかったが、ドウデュースは天下の千両役者が、虎視眈々とダービー獲りの段取りを周到に行った、意図せずとも有意義な初黒星としたように、トライアルの活用の仕方は古い時代から、あまり変容を見せない面もある。

五冠馬シンザンのように、平場のオープンを本番前に挟むというのは、クラシック参戦時まではやっていなかったから、今も当然適当な策とできないが、本番まで中5週、武豊的解釈では、ダービーまではその5週後のレースを挟み、また5週あるというスケジュールの中で、何をすべきかを合理的に選択をすることで、ダービーを勝てる形をこの中で見つける作業に時間を割く。

弥生賞ディープインパクト記念予想2024 - レース展開と最終予想

武豊騎手ならば、アドマイヤベガで敗れ、前3年では優勝も、スペシャルウィークだけがこの旧弥生賞とダービーの両制覇。

ロジユニヴァースの横山典弘騎手も、柴田政人騎手のウイニングチケットも、皐月賞で大恥をかくトライアルウイナーとなってしまったが、ダービーで劇的戴冠を決める。

近代史=グレード制導入の1984年以降で、春の王道3タテという大興行を成功させたのは、無敗三冠のシンボリルドルフとディープインパクトのみである。

代表産駒で似たような性質もあったとされるトウカイテイオー、コントレイルらは、王道ではなく、前者は若葉S・中山時代、後者も暮れのホープフルSから、それぞれ道悪の皐月賞を快勝。

まず、このラインから今後も春三冠的王道ジャックの手法は、成功することはないだろう。

ホープフルSの出世レースへの成長も大きく関わる。

 

さて、シンエンペラーはタイトなローテ=意外とコントレイルとも似ていなくはない教育を兼ねた内面に抱える死角を見える化する王道の手法をとったのに対し、ダノンエアズロックは東京で2連勝で秋以来、中山だけの経験でダービーは少し心配なトロヴァトーレは、王道ではないが、中山への不安を消して、それぞれは無敗継続か牡馬の暫定王者選出とも兼ね備えた、重要な一戦を迎える。

 

しかし、ホープフルSと葉牡丹賞<1勝クラスの出世レース>のラップの差を見て、確信した。

これはレベルが違うと言えるのではないのか、と。

 

ホープフルSでは、

<35.4→47.9→60.0の前半ラップから、12.2→12.1→12.4→12.0→11.5と展開し>

決着タイムはレースレコードの2:00.2。

勝ったレガレイラの上がりは35.0秒で最速だったのに対し、タイム差0.1秒見劣るのみのシンエンペラーは、ほぼ先行押し切りの展開で、35.7秒で乗り切ったが、最後にソラを遣ったとされる。

 

一方、馬場差歴然とはいえ、有馬記念の週までとは大きな差が生まれていなかった中山開催の初日に行われた葉牡丹賞は、

<36.2→48.9→61.7とスローに近い展開から、12.2→12.1→11.7→11.3→11.4と高速の上がりの勝負となり>

こちらは2:00.4だった。

普段なら、馬場差が大きくなるため、かなりの年で葉牡丹賞の方が速くなるが、格などを踏まえると、普通の解釈ではホープフル断然有利説も唱えられるが、普段よりはずっと馬場質が良かった上に、タイトな展開だったのに対し、こちらは普段通りの競馬であったのに、33.9秒で上がったトロヴァトーレは、一旦は相手なりに走る新馬でも対戦したマイネルフランツに進路を奪われかけたのだが、根性というよりも、加速性能の差であっという間に坂の辺りで突き放し、そこだけで上がりがコンマ3秒とつけた部分が、レース中最速に等しい最終区間で記録されたものとできるから、34秒弱の高速上がり以上のインパクトがある。

 

前にいても、後ろにいても…。

シンエンペラーにとって、相手の不発を願うばかりの死角が生じてしまった。

まず、狙い討ちされて、互いに通常の状態であったならば、他との反応の差を求められる最も重要なクラシック戦略上のファクターが問われるこの一戦に関し、超高速と言っても、本番より速くなる理由がないスロー当たり前のトライアルで、苦い敗戦が続く可能性と、トロヴァトーレの連勝継続が見えている。

 

明けの中山で、1:59.8で駆けたファビュラススターも、ほとんどホープフルSと同じレース展開で、道中の圧のかけ合い方というか、中盤が気持ち少しだけ速く流れた分、レガレイラに近い決め手を発揮<同じ上がり35秒>して、タイムは超えたのだが、シンエンペラーの敵が多いという見方が自然だろう。

同格が多いなら、新馬戦も好タイムで上がりも葉牡丹賞と同じながら、その勝ちタイムを1.2秒更新したというのは、2歳時に暮れの中山2戦で2:01.0、2:01.3と駆けた父レイデオロとも、すでに同格以上とできるトロヴァトーレの好走可能性は、もはや、否定することが難しいレベル。

 

父は道悪苦手の顔があったが、その辺り、大型でストライドも大きかったレイデオロの母父であるシンボリクリスエスから受け継いだものがあって、何となく、そのシンボリクリスエス的な部分をトロヴァトーレの怪物性の証左として、活用できなくもないという雰囲気で父よりもよく似ている部分はあるものの、エンパイアメーカー×スペシャルウィークという母の構成は、明らかに、春特有の雨馬場への対応力を強化する材料。中山記念レベルの馬場なら、問題ないはずだ。

 

レガレイラでの皐月賞参戦が濃厚であるルメール騎手は、サトノクラウンと皐月賞以降タッグを組み、ダービーでも引き続きドゥラメンテの驚異的な才能を肌で感じるJRA騎手初年度を経て、大本命級のサトノダイヤモンドを翌年駆ったが、弥生賞勝ちの鞍上であったマカヒキに、限定騎乗が決まっていた川田騎手の気合いに屈し、初戴冠を辛くも逃した。

日本でのクラシック初制覇は、秋=菊花賞になったわけだが、翌年はソウルスターリングとレイデオロでオークスとダービー一気獲り。

日本の競馬のリズムと深層的な構造の理解を経て、学ぶ男・クリストフは、天下を獲るのであった。

 

ダービーならば、再騎乗の可能性があるこの才能を、木村調教師との関係の深さでレガレイラを自然な選択の過程で選んだことと、一応、同じサンデーレーシングの所有であるということで、皐月賞に至る残り少ない時間の中でも様々な展開が予測され、いずれもルメールさんに勝ってもらって…、という青写真通りに進むかは、このレースの結果如何となる。

立場上、下手にこの馬で勝負したいなどと言えるようなアーモンドアイやイクイノックスに似た存在ではまだないトロヴァトーレの現時点でのポジションは、ルメール確保とまではいかないが、相手がユウガだから…、と思わせた時、クリストフの目つきが変わるようなレースが、トライアルから展開されるようだと、ファンにとって、トライアル軽視が甚だしいここ5年ほどのクラシック戦線の趨勢に抗するかのように、この上ない幸せな時間が訪れることになる。

今が頑張り時と馬が感じ取った時、名馬ほど、勝手にスケールアップして見せるものだが、そんな人間が思った以上の成長を見せる才能が今年も現れてくれるか、楽しみの実に多い一戦である。




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