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フィリーズレビュー2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 16分

 

フィリーズレビューの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第58回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)
グレード重賞(G2)
日程2024年3月10日(日)
発走時間15時35分
開催場所阪神競馬場
距離芝1,400m
コース右回り
賞金5200万円
レコード1:19.2

フィリーズレビュー2024 - 過去10年のデータ傾向

人気になること自体が、大きなリスクを伴うのであって、これは先週と同じだったりもするトライアルの掟

近年で来たのは、最近だと、ナムラクレアやレーヌミノル、似たようなキャラで桜花賞好走のアットザシーサイドに加え、古馬になってエリザベス女王杯や有馬記念で好走するよくわからないマンハッタンカフェとなった無敗制覇のクイーンズリングなどもいるので、決して、少なくはないが、あとはまず掲示板争いでさえも縁がない。

昨年のブトンドールやそのちょっと前のオパールムーンなど、ファンタジーS好走の内容で買われる馬は要注意。

今年ならば、カルチャーデイとドナペティが怖いが、後者はその前に洋芝のすずらん賞勝ちの実績があるから、穴好走とは少し違うので、これは問題なしと見る。

人気になるのは、G2勝ちがある牝馬という、G1勝ちに匹敵するレア出走馬のコラソンビート。

ジュベナイル勝ちの馬がこのレースに出てきたのは、チューリップ賞偏重のトレンドもあってか、牝馬限定戦になって以降は一度もなしで、昔は1400重賞が京成杯・京王杯2歳Sか、旧デイリー杯しかなかったことは今と大差ないが、ファンタジーSウイナーもほとんど出てこないのに、東京のG2であると、ウメノファイバーが20世紀最終盤に勝って以降、コラソンビートがその次というくらい牝馬に縁がないので、売れすぎも困るが、普通は出てくれば…、のはずである。

ジュベナイル好走よりも、本来はここで価値がある実績とも言える。

ジュベナイルフィリーズ組の基本線は、暮れに大駆けしていないこと

近年で、最も阪神ジュベナイルフィリーズ・JFで健闘していた馬の好走例は、勝ち馬と0.4秒差入線のヨカヨカ。

似たようなものと言えるナムラクレアなど、いずれも前々走も勝てていないが、ファンタジーS好走馬だった。

実は、その他のほとんど、ヨカヨカを負かしたシゲルピンクルビーがそうであるように、後ろの方で入線していた、前々走条件戦の組がかなり走る。

穴にもなるし、年明けもいっぱいオープン競走があるから、その結果に引っ張られる人気の構成が、穴党垂涎の波乱を起こす呼び水にもなっていたりもする。

普段なら、ファンタジーS組は買わない方がいいとなるが、明らかに格上の、京王杯2歳S勝ちのコラソンビートがいるから、人気にはなりすぎないファンタジーS出走馬は、JF組ばかり。

ファンタジー大敗で春菜賞・1勝特別 も3着であるキャンシーエンゼルを買えないわけではない小倉実績が、この相手関係で、消えるのである。

実力通りに走ったコラソンビートを買うなら、ファンタジーSで好走ないし、人気になったグループを押さえないといけないから、レース水準が主要レース組不在でも上がるのであるなら、もっと穴狙いをしないと割に合わなくなるので、素直に買うなら、今年は実績で買うべき。

JF組以外の重賞出走馬が怪しいので、1400での適性で買える馬を押さえたい。

G1組はコラソンビート以外、みんな勝ち負けに加わっていないので、一連のレース結果を総合的に見て、みんな押さえるのがいいが、カルチャーデイが勝つなら、きっと、コラソンビートは凡走だろうから、手広くとはいかない。

実は誰も知らない、G2格以上勝ちの実績を持つ馬の、本質的な適性をザックリ考察

G1馬が出てくるわけもなく、デイリー杯1400の時代の勝ち馬で、90年代の出走馬はない。

京王杯勝ちは関東馬がほとんどだったから、これもまず参考にならないし、チューリップ賞が重賞昇格後は、クイーンCかそちらかの二択がステップの基本戦で、マイルに照準を合わせたい桜花賞を勝ちたい組ほど、この距離を使う陣営は減る。

今年はチューリップ賞が混戦だったとはいえ、適性を買って、関東馬のコラソンビートはこちらに回ってきたが、G2というより、アネモネSが昔は阪神の1400だった頃のように、妙なメンバー構成になる事がほとんであるから、メジロラモーヌやキョウエイマーチといったリファールの怪物牝馬が躍動する年以外、これさえも大昔の名牝物語の引き合いになってしまうのであって、大体強い馬は出てこない。

逆手に取れば、1400以下に適性のある馬が出てくれば、桜花賞も好走できる上に確実な権利獲りもできる。

その必要がないという余裕が、もっと、楽に走れる条件を作り、ペースアップ必至の内回りで、早い仕掛けをする必要もないという状況は、今回は少し溜めて、距離に目途を立てるなら、ミルコの様に動かす大胆な動きはあっても、このメンバーなら楽だろう。

関東馬は10年以上前に連勝していたが、アイムユアーズはマイルG1の谷間でここを勝って、両大レースも好走。

ファンタジーSも勝っていた大物であり、この辺りの隔たりは本番が今はもうないのだから、東優勢の牝馬戦線の中で、関東馬重賞制覇は既定路線の様に思う。

フィリーズレビュー予想2024 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

今更ながら、岡田繫幸氏の情念が、クラシック戦線に影響を及ぼすことを知らしめたあの弥生賞を経て、今週は素直に…

コラソンビートの血統

父はダービー・東京優駿2着のスワーヴリチャード、母父は2011年クラシック三冠のオルフェーヴル、母母父のロージズインメイは、米クラシックに縁はなかったものの、BCクラシック、ドンH<現ペガサスワールドC>連続2着を経て、ドバイワールドCを4歳で制した大物。

いずれもヘイローを直系3代父に持つという、明らかに意図した、もっと直接的に表現するなら、サンデーサイレンスを日本に連れて来た吉田ファミリーにリスペクトを兼ねた当てつけのような策を練った、確信を持って積み上げてきた構成とも言える。

ただ、快速のヘイルトゥリーズン系を体現するヘイローの子孫だから、重ねれば重ねるほど、コラソンビートのようなサクラバクシンオーの血でも入っているかのような、1400以下に適性のある馬が出てしまう。

かつて、身のこなしが厳寒期でも柔らかいとされるテスコボーイの直系の血に、日本競馬の頂点<ダービー制覇>を狙うに相応しい馬を作る上での重要なポイントとして、アイリッシュダービー馬のザグレブの相手に、テスコボーイ直仔のスーパースターであったトウショウボーイとキタノカチドキの間に、トライバルチーフを経た同プリンスリーギフト系のビッグディザイヤーを入れ込んだ繁殖牝馬を選択し、皐月賞で人気になって好走するコスモバルクを送り込んだ岡田氏だが、奇しくもその際は、社台ファーム産のダイワメジャーにねじ伏せられ、狙いのダービーで失速した時は、ノーザンファーム産の持ち込み馬・キングカメハメハの独壇場を目の当たりにし、無念のクラシックとした。

いずれも、種牡馬として大いに活躍した馬に敗れたのだから、少しだけピントはズレていたことになる。

命がけで社台グループに喧嘩を吹っ掛けに行ったその20年前のクラシックでは、コスモだマイネルだ、岡田繫幸ブランドの血統が2月くらいまで大活躍し、その頂点にコスモバルクと2歳王者だったコスモサンビームがいた。

大昔になった1997年のランニングゲイル<武豊騎手、そのすぐ後にルーキーの現調教師・幸四郎騎手のオースミタイクーンで騎手初勝利を挙げる>の捲りを、きっと知らないデムーロ騎手が再現して見せたが、あの時と同じ様な馬場状態であった今年の弥生賞・ディープインパクト記念に倣うなら、このウインマリリン<母の年の離れた妹>が出た一族に、夢をかける岡田氏の情熱の一部分が、適正距離の重賞で結果を反映したとて、誰もその事実を曲解するはずもあるまい。

正しいスピードの足し方をする時、ノーザンダンサーやミスプロとの兼ね合いが大事になるが、そのバランスがとてもとれていて、ミスプロクロスが表面化しない6×5の妙は、このトライアルなら突破の根拠になる。

底力でどこまでやれるか。勝って、本番での健闘を祈るのみである。

フィリーズレビュー予想2024 - レース展開と最終予想

例の凄まじいメンバーが揃ったボンドガールの新馬戦の3着馬であり、ここの5着馬だったオーキッドロマンスとの再戦を、東京1400で、今や単独峰と化す京王杯2歳Sで行うと、オーキッドロマンスを大いに成長して、さすが内田博幸というグッドレースへと持ち込むも、鞍上を苦笑いさせるほど、このコラソンビートの底力が一枚上という内容で、逆転を許さず。

ただ、どう考えても前進気勢が強い馬だから、1600挑戦には入念な準備が必要。

前受けをする試走には、毎度ハイペースで乱戦傾向のフィリーズレビューはまるで適さないが、結果的に、スウィープフィート<同父スワーヴリチャードの初年度産駒でライバル>が勝ったトライアルも結構な流れであって、粘ったセキトバイーストがやけに強かったというだけで、使わなくて正解であったように思う。

身の丈に合ったというよりも、幸運を兼ね備えたこの東の関脇級に、今回も勝機が訪れている。

このレースのスローはほとんどないし、もしそうなれば、好位にまで上げてしまえばいい。

どの道、完全な仕上げでのレースにはならないから、試走を兼ねる一戦。

万が一の負けは、差された時の方が先に繋がる。

それでもコラソンビートが負けそうな雰囲気はあまりない。

スワーヴリチャード×オルフェーヴルであるから、多少の渋馬場は問題ないとできる上に、

新馬戦 1:35.2<3着>

未勝利 1:34.6<1着>

ジュベナイルフィリーズ 1:32.8<3着>

マイルの基本能力が求められた場面で、着順のレベルというより、時計の絶対的なハイレベルの証明ができる数的根拠を持ち合わせるだけに止まらず、

ダリア賞 1:21.2

京王杯2歳S 1:20.6

という、当該距離での圧倒的な勝利実績がある。

思われるより渋残りでも皆が苦しむ分有利だが、この結果に逆らえるほどの才能がいるとすれば、我々が知らない、主に関西で密かに才能を買いさせようとする伏兵に限られるだろう。

渋残りで歴代2位の勝ちタイムだったチューリップ賞に、それと全く同じ1:33.1で決着のクイーンC。

チェルヴィニアやボンドガール、女王アスコリピチェーノらを相手にする時、この程度の実績がないのでは、まるで話にならないほど、強力なラインナップが整う今シーズン。

これに皐月賞好走が日に日に現実味を帯びてきたレガレイラ嬢も、どこかで加わってくる。

自分の持ち場を作りつつあるコラソンビートは、ここで大敗などしてしまっては、早熟だの貧弱だの、無茶苦茶な格下げの対象となるから、連対だけは死守せねばならない。

そんな感じで、シンエンペラーが頑張っていた姿をみて、コラソンビートには、スウィープフィートの快走以上に感銘受けていてもらわないと少し困る。

母と同じく、マイネの冠名を授からず、オリジナルの呼称を得たこのコラソンビートは、オークスを制した似たビッグレッドブランド=岡田繫幸氏が手掛けた生産グループを背景に持つユーバーレーベンと同じく、本物になれる資質を秘める。

速い馬とはいえ、社台系のエース血統相手に、弟である岡田牧雄氏は少し挑戦的な社台血統の組み合わせからデアリングタクトという超大物を手にするきっかけを得て、コラソンビートのおばにあたるウインマリリン惜敗のオークスにされてしまったが、翌年は、社台のソダシやアパパネの娘をねじ伏せるオークスだった。

爆速二冠馬・カブラヤオー産駒のグランパズドリーム・サラ系と社台最後の命題であるダービー制覇を託されたダイナガリバーとの激闘から、もう少しで40年である。

すぐ後に、社台スタリオンステーションに、凱旋門賞馬のトニービンと、米クラシック二冠のサンデーサイレンスが加わり、時勢は完全なる独占の流れへと一変。

流れを掴み損ねた岡田繫幸氏は、事あるごとに、サンデーサイレンスについて恨み言を述べておられた。

無論、圧倒的な犠牲の時間を費やした末の執念であることを、同じく生産者ファミリー出身の知見から、敬意を込めて、年の近い吉田照哉氏や勝己氏との関係の深さから、愚痴の一つや二つ、何にも問題ないはだろうという感じで、真っすぐな男らしい言葉が、競馬関係のマスコミによく拾われていた。

サンデーサイレンスのクロスだけでなく、その父のヘイローを持つロージズインメイを買ってきて、サンデーサイレンス系と組み合わせる。

ユーバーレーベンはゴールドシップとロージズインメイの配合で、同じヘイルトゥリーズン系のブライアンズタイムともっと前で同系統に括られるザビールも取り込んだ、決め手で負けることの内容に念押しを重ねたターントゥの偏重配合が、ようやく実を結んだ結果でもあったが、このコラソンビートはヘイロー系連続配合の上に、サンデーサイレンスの3×4だから、ほぼ岡田繫幸の遺言レベルである。

氏が亡くなられて、もう3年ばかりだろうか。

コラソンビートにはこの相馬の達人が遺した、執念深きクラシックへの情熱が120%以上の濃度で注ぎ込まれ、また挑戦者として桜花賞へと挑む流れが出来つつある。

先週のディープ記念もコスモの馬だった。

このキュランダはヘイローの同系配合にザビールという、南半球ミックスの配合。

全てのマイネルトレンドを混ぜ合わされたコラソンビートが敗れる図は、少し考えづらい上に、大舞台で戦える素材を次々と手に入れた加藤士津八調教師<父和宏元騎手がダービーを勝った前1985年に生まれる・重馬場快走のシリウスシンボリ>が、更に注目されるはずの一戦。

負けたくない人に、たまに肩入れをしてくれる神様こそ、我々は信ずるべき存在であろうと思うことは、夢見がちな少女のそれとは違うように感じる。

期待に応えるべき存在ではあるが、馬が頑張ろうとそうでなかったとしても、結果は同じだろうくらいの腹づもりでないと、この後、もっと大きな戦いを前にして、お釣りがなくなってしまうから、この勘所は皆留意しつつ、楽に重賞を勝つ術を、まだ若い人馬とも身に着けてもらいたい。

若くても達者な武史騎手は、その辺りのことで痛い目に何度も遭っているから、全くこの点で心配はいらない。




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