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エプソムカップ2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 14分

 

エプソムカップ2024の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第41回 エプソムカップ
グレードG3
日程2024年6月9日 (日)
発走時間15時45分
開催場所東京競馬場
距離芝1,800m
コース左回り
賞金4,300万円
レコードタイム1:44.1

エプソムカップ予想2024 - 過去10年のデータ傾向

皐月賞のように、やってみないと分からないという馬が人気になると、大概負けるレース

半分来て、もう半分は微妙に負けるという感じで、2勝するも連対は3頭というのは、帯に短し襷に長しの典型。

どうせなら、その下の人気がいいと思っても、上位人気では1番人気が一番高確率で来る傾向もまた厄介。

大きな波乱はないが、必ず1頭くらい、買いづらい馬が絡んでくるのがエプソムC創設時からの特性ともなっている。

真ん中より下の評価の馬が2頭絡んだのは、不良馬場で極端な内有利前残りのバイアスが発生した2019年だけで、雨馬場の年もあれば、相当な外差し傾向もある割には、大きな波乱はやはり起きていないのも、昔と変わらない。

理解しがたい馬同士では決まらないので、主要な前哨戦に当たる都大路SやメイS組などは、堅調に買いたい枠にしっかりハマるが、凡走する人気馬も多いので、性格と前走支持との兼ね合いで、昨年のような惨敗から巻き返しのルージュエヴァイユタイプがたまに出てくることだけはしっかりと押さえたいところか。

アルナシームとシルトホルンは、グラスワンダー直系で非根幹距離に適性がありそう。

人気がない方がいいというのは、主要場開催の特殊な重賞の共通した性格であったりもする。

近年ほど買えるマイル重賞組より、本来は、上がり馬を狙いたいニューカマー歓迎のレース傾向

今年は少し人気になりそうなグループが見当たらないマイラーズCやダービー卿の組であるが、昨年は、ダービー卿チャレンジT2着で、前年に大きな支持を集めていたジャスティンカフェが人気に応えている。

5年で4頭馬券に絡んでいて、中穴が来る印象もあるから、むしろ、ジャスティンカフェのようなタイプが珍しい。

そうした意味では、逆張りが出来そうで、東京が合いそうなルージュリナージュや中山巧者の印象なのに東京の短いところで2勝してきたニシノスーベニアなどは、拾っておいて損はない。

というより、他は少し狙いをつけるのが困難な超伏兵ばかりだ。

そもそも、レーベンスティール以外は似たり寄ったり、昨年の上位3頭がいずれも秋以降活躍したのに対し、そこまでのスケール感を感じる馬が、オープンクラスを使っていたグループからは見つからないので、前よりもずっと4歳馬の実力不足型が妙に人気を背負いやすい降級撤廃の副作用が少し出てきた近年ほど、そのローテで4歳時は負けたジャスティンカフェの例に倣うと、天皇賞馬マイネルキッツの甥であるケレリウス以外は、ローテにも絡めて、少し買いづらいから、パラパラ流すしかない。

ヴェルトライゼンデは左回りだから使ってきたというだけで、58は問題なしでも、本来が叩き良化型の系統だけに…。

4歳しか来ない牝馬という謎傾向と考えるよりは、単純に、マーメイドSがこの後行われる影響と捉えるべきか

スピードのある牝馬が函館スプリントSか、この後のマイルシリーズに転ずるのに対し、中距離型である程度志の高いグループがこちらに回ってきて、そうではなく、エリザベス女王杯へ向けた挑戦を始めようという組がマーメイドSにわんさか出てくるという棲み分けの関係で、まず、牝馬が活躍する重賞ではないのだが、連対馬は全て、この後の牡馬混合重賞でしっかりと結果を出しているから、牝馬と言えども、大体の目星はつけて挑んでいると見たらフラットに見た方がいいとなってくる。

ただし、人気に応えて快勝だったルージュバックに、2着好走のサラキアも昨年のルージュエヴァイユも、みんな4歳。

やっかいなことに、直後に大出世を遂げたとできるサラキアは、5歳時の開眼後の大爆発直前に、ここで大負けしているから面倒である。

ルージュエヴァイユのように分かりやすく、揉まれなければちゃんと2着に来る<これも若干問題ありだが>、安定の傾向があるなら、実力をこの辺りからみせることができるようになった父ジャスタウェイのような成長曲線を逆算できるのだが、これはルージュリナージュが乗り越えねばらならない、よくわからない傾向の一つ。

さすがにマーメイドだろうと思われるグランスラムアスクがいなければ、紅一点は確定。

こうした関係で、除外はないと考えるが、父も母父のルーラーシップも完成期にはいつも後ろから突っ込んでくるのが特徴で、その辺りがよく似ているのは、再び手綱を握る元宗像厩舎所属の丸田騎手も知っているだろうし、何となく、勝負のイン追撃を勝因としたナランフレグともそっくりな気もするので、これで人気が渋り加減なら、ドカンと一発狙いたい。

エプソムカップ予想2024 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

ここも層が薄い4歳勢に、偉大なる祖父の幻影に翻弄される才能が加わったとて、5歳の伏兵に有利と見立てる

ルージュリナージュの血統

3代母のビーポジティブは、4歳時にこのレースに出てきて人気を裏切った後、ドバイワールドCでも大接戦のエリザベス女王杯でも快走した名牝のトゥザヴィクトリーの全妹。

ここに関わるクロスとして、サンデーサイレンスの4×5をこのルージュリナージュは有している。

一方、父スピルバーグはダービートライアルのプリンシパルSを制したものの、無理をしてダービーに出てしまったせいで、故障などもあり、4歳夏からの再始動で、このエプソムCのステップに使われるメイSを勝った後、毎日王冠好走後、秋の天皇賞でジェンティルドンナや若き日のイスラボニータを一気に捉える後方一気を決めてG1初制覇を果たした。

東京の芝中距離カテゴリーである1800、2000で全6勝という徹底した巧者でもあった。

このスピルバーグとトゥザヴィクトリー近親とで絡むサンデークロスは、同時発生のミスプロクロスよりも効果は遥かに大きく、また、スピルバーグの全兄でマイルチャンピオンシップを5歳時に制したトーセンラーが、幻のダービー好走馬・ザダルを休養明けで送り込み、堂々の完勝を決めたことでも、何となく、そうした血の絡みから、どうしても狙いたくなる特徴が見て取れる。

スピード型とは言い難いが、マイルでは短いという特徴がドンピシャでハマる距離巧者に適したレースだけに、昨年のルージュエヴァイユ超えにも期待がかかる。

エプソムカップ予想2024 - レース展開と最終予想

何とも言えない、独特の雰囲気のある馬だけに、ヴィクトリアマイルで期待したファンも少なからずいた気がするものの、その前走は少し展開が速かったところから、一切の緩みがない、中盤ラップ・33.8-45.4-56.8という、レコードが出ても不思議ではない流れになったことで、後方でも少し苦しかったという感じ。

出負けのナミュールと進んでいきそうもなかったモリアーナには、とんでもない仕事をしてきた偉人が乗っていたわけだが、ルージュリナージュはその後ろ。

無論、勝ち負けに加われるはずもなかったが、改めて見直してみても、これはロマンチックウォリアーといい勝負ではないかという感じのテンハッピーローズがやたらと強いなと感心しつつ、猛然と大外追撃で5着まで上がってきたルージュリナージュも目立っていた。

自分と同じくらい後ろの方にいた実績上位2頭は、上がりでコンマ数秒上回った分、ささやかながら、横山和生騎手が小さな争いを制したという隠れた勝負も見えてきた。

普通はここまで差してこられない。

前日の京王杯スプリングCでは、連覇を目指したレッドモンレーヴで、規格外の鬼脚を繰り出すも、内面充実の同期・ウインマーベルに差し返されてしまっていた。

昨年のこのレースの優勝騎手でもあるから、連覇も期待されたが、函館に先約のマテンロウオリオンがいるので、丸田恭介騎手へと再度変更された。

もともと、管理する宗像調教師は、この馬の鞍上にかなり気を遣っていたようなところがあり、愛弟子の丸田騎手は前々走が実戦初騎乗というくらいで、最初の勝利までは戸崎騎手で、その後は何とも珍しい福永元騎手で2勝を挙げるなど、考えて乗ってくれる騎手を、しっかりと押さえてきた印象がある。

無論、地方の深い砂をバシバシ鞭を入れて走らせるような戸崎騎手の先輩たちのようなタイプは、最初から不適格といった具合だ。

騎手を辞めることになる事までは決まっていなかった最後の夏と、もう間もなく、立場を変えることの決まっていた最後の1か月がスタートした時期と2回、実に乗り難しいルージュリナージュを普通の馬の様に駆っている姿は、まさに名手の手綱さばきそのものであったと、事あるごとに噴飯物のデビュー2連勝を決めた際の騎乗姿勢のあまりにも拙い姿と、頭の中で勝手に見比べて、やけにニヤニヤしてしまうようなことも、もう2年もすればなくなってしまうのは残念だが、この馬を引き継いだ和生騎手もなかなかユニークなアプローチをしていた。

テン乗りの田辺騎手は好きなように走ればいいという感じで、新潟のマイル戦で準オープンを駆けた時、序盤で少し動きが鈍いという雰囲気で、直線勝負に出ると、意外なほどにキレて2着。

この手の騎乗が同じくらい得意な和生騎手は、もっと出なかった東京のユートピアSで、待つだけ待って、坂の途中か上り切ったところから、大外一気を繰り出し、完全に逃げ切り濃厚に見えたラリュエル<これもハマるかどうか決め打ちの逃げをするステイフーリッシュの半妹で、マーメイドSでは気になる存在>を、余裕をもって差し切って見せた。

上がりそのものは33.1秒なので、どこでもダンスインザダークが現れる時代<1996年の菊花賞、苦しいインからのスパートで33.8秒の決め脚を繰り出してロイヤルタッチ、フサイチコンコルドらを差し切った・もちろん武豊騎乗>にあって、何も異様な印象を受けないものの、いつの時代も、簡単に行かない差し切りの芸当は、底力の証ともなってきたのも事実だろう。

直線で待ってスパートしたい馬に、中山参戦はほぼほぼ無理強いに近く、全くいいところもなく、中間に東京新聞杯でマスクトディーヴァらと一緒にちんたら走ったわけでもないのに、少し重賞仕様に作っていこうと和生騎手のプッシュが無駄足を使うエキサイトに繋がったという遠因が、ヴィクトリアマイル好走の理由と考えると、丸田騎手の選択肢はほぼ一つに固まる。

枠もあるが、出た時が厄介だな…、というくらいのもので、ロベルト同盟のシルトホルンが器用なタイプで、行きたい面と七夕賞も狙いたいという小倉・中京記念と大して変化のないマイルシリーズとの両睨みが見えるセルバーグの絶対的なスピード能力とが、妙なマッチングでスローを演出する可能性もあるものの、例年以上に怪しい実力者が悪目立ちしそうな一戦だけに、巧者にはかえって有利か。

1600のスピード勝負は自分から動かないといけないために、かなりリスキーな選択を求められる部分があるが、展開いらずのここなら、自分のタイミングで動いていける。

現に、東京では1600も1800も好走実績があるものの、勝っても負けても、展開に関係なく、持ち時計大幅更新はない。

時計を作るタイプではないだけに、高速決着は苦手であると同時に、このレース、妙なもので、かなりスピード化が進んだレース、競走能力に対して、レースレコードは2001年のアドマイヤカイザーの1:45.1、同タイムは3年前のザダルと、昨年のジャスティンカフェが大物マーベラスサンデー・96年/当時はレースレコード と大してタイム差なしということで、あまり代わり映えしない馬場質というか、レースレベルを堅持する特性があるのか、時計水準にここ30年ほどの変化がないことが、少し心強い傾向でもある。

ヴィクトリアマイルが途中参加に近いスパートで、走破タイムが1:32.2というなら、1:32.1→1:46.2で2016年両方好走のコース巧者・ルージュバックの再来となり得る。

ほとんど、テンハッピーローズタイプのキャラなので、消耗も少ないし、乗って勝ったことのある騎手の性質からして、ダメージを残してまで勝ちに出たことはないはず。

専門家を自称するにはまだ実績は足らないが、ここまで15戦しかしていないこの5歳牝馬に、まだ可能性はたくさん残されている気がする。

安田記念を終えた時点で、今季平地G1を11人の騎手で勝ち分けてきたように、様々なタイプの人馬にチャンスがあることを象徴しているかのようなレースに、今回もなるのではないかと期待する。

2つ年下の同期に弔い星を挙げる福島メイン制覇の翌日、丸田恭介は、あろうことか合同葬病欠の失態を演じている。

勝って、改めて自分の言葉をメディアに載せてもらいたいという願いも込めて。




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