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共同通信杯2025【予想】|過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 18分

 

共同通信杯2025の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第59回共同通信杯(GⅢ)
グレード重賞(G3)
日程2025年2月16日(日)
発走時間15時45分
開催場所東京競馬場
距離芝1,800m
コース左回り
賞金4,100万円
レコードタイム1:44.1

共同通信杯予想2025 - 過去10年のデータ傾向

1番人気が強いレースでは決してない、ベテラン騎手要注意重賞

今年はオジサン二人が比較的人気になる<川田、ルメール両巨匠は京都記念で鎬を削る>組み合わせので、敢えて、競馬界の歴史そのものであるレジェンドの隠れ黒歴史に触れておきたい。
出世レースと謳われながら、恐ろしいことに、雪で順延になった2014年に後の皐月賞馬・イスラボニータが、高い支持への返答をしっかりと結果で示して見せた一戦以降、その時の鞍上蛯名正義騎手<現調教師>とは、極めて濃密な時間を過ごし、ライバルとして競馬学校にいるときから意識し合ってきた両レジェンドが、ふたりで計4度、ここで1番人気に推されたのだが、それらも含め、過去10回全て、1番人気は全敗。
まるで夏のローカル重賞である。
またその極めつけとして挙げられる要素がこれ。
横山典弘、武豊両騎手が乗っていない1番人気馬は2、3着には来る、というもの。
昨年2着のジャンタルマンタルは、結果的には距離適性を含め、ジャスティンミラノに完敗であったが、川田騎手は力をしっかりと出来相応に引き出している。
が、途轍もないほど乗り難しいとされたメイケイペガスターで制したのみの横山騎手と、実は、アドマイヤムーンとブレイクランアウトで勝っただけという意外過ぎる記録の武騎手らは、クラシックレースには縁があることは間違いない、ダービー3勝、6勝の大家でありながら、ザ・クラシック前哨戦の共同通信杯組で、ダービーを勝ったことは一度もない。
だから、2016、21年に裏切ったノリ騎手と、2018、20年に大不発のユタカ騎手と、人気で勝てないのも不思議ではない。
ただ、これだけの騎手に共同通信杯で乗せたい馬なのだから、クラシック級であることは間違いない。
しかし、前述の結果からも、3歳のタイトルに縁のあった馬でここに乗っていなかったということでも、今年は人気になりそうで、少し微妙なラインのリトルジャイアンツ<横山典弘>、ネブラディスク<武豊>という、重賞非参戦組ということで、むしろ、過剰な支持は少し考えづらいから、逆手に取ってみるのも面白いように感じている。
40年くらいこの世界にいて、こういう取りこぼしをすることはむしろ珍しい。
今年はオジサンの方が狙い目に思った。
相応のジャッジであるなら、上手に目標設定をして、期待に応えてきたからこそ、凄まじい実績を築き上げられたのだから。

関東馬も関西馬も、地元デビューの方がいいという、新星期待枠

昨年のジャスティンミラノは、予期せぬ事故でこの世を去った藤岡康太騎手の予感がドンピシャ的中する格好で、ここも、快時計決着となった皐月賞も何らく突破したわけだが、この馬が、よくあるようで大変に珍しい、東京デビューの関西馬による連勝であった。
無敗の2勝馬・エフフォーリアに続いた関西馬の新馬勝ちコンビは、ヴィクティファルスも後のダービー馬・シャフリヤールにしても、前走は阪神か京都のレースであった。
ダノンベルーガが期待以上の走りで、ジオグリフを置き去りにした時も、関東馬の東京連勝。
関東馬だと、ダービー2勝の名伯楽・堀宣行調教師しか成功していない型であり、ディーマジェスティが中山のホープフルSを取り消し明けに、東京の未勝利戦以来の実戦で強い勝ち方をしたのが、かなり珍しい傾向。
そういう馬たちは、まず間違いなく、その後のG1で何かしらの仕事をする。
関西馬だと、この形に慣れているというか、新馬からダービーを意識して、東京を使うというダノンデサイル<この馬の場合は、馬自身の課題克服が目的とされるが、未解決の部分が今もあるというのだから恐ろしい>と同じパターンはよくみられるものの、賞金加算のために東上を選択する関西馬は、初戦で変ないじくり方をすると失敗しやすい。
関西勢ではネブラディスク、関東馬なら、オープン経験馬が多いので、左回りでデビュー2連勝のマスカレードボール<この手の関東馬は、どこかで北海道か中山を使うので、案外少ない>などが有力で、そこから何か目ぼしいところに流すのが正攻法であろう。

天才は秋の本格派選定の新馬戦にも残っている

課題を残しながらスケール感で勝負してくるサトノカルナバルやレッドキングリー、すでに3騎手が乗って一度も崩れていない人気必至のカラマティアノス<戸崎騎手はこのレースでお手馬が確定することも多いので必見>など、色々なキャラが混ざっていくところに、正攻法であるべき道を進むマスカレードボールやショウナンマクベスのような、評価落ちでこそ面白い主軸級がいるのに、伍して人気になりそうな、名手2人が乗り込む美浦でやけに稽古の動きが良かったキャリア5戦のリトルジャイアンツに、正反対の1戦のみながら、リスグラシュー弟というパワーワードで無理に押し切って来そうな関西馬のネブラディスクなど、見どころは沢山。
堀厩舎が少し大人しく、関西勢もきさらぎ賞に一定数の有力が駒を送り込んだことで、関西馬の参戦は限定的。
ネブラディスクは福永厩舎最初のクラシックというわけではないものの、自分の目で選んだ馬を走らせるというプロセスで、真の意味でのリスタートを大改装で超リッチな内装でも話題の環境も一変した2025年から、見事に切ったことをアピールする意味でも、ここは重要。
自身はシャフリヤールや引退直前のこのレースで託されたタスティエーラなど、ダービーを勝つ馬に、最重要レースをダービートレーナーから依頼されて騎乗した、幸せなラストを迎えた騎手生活をいい意味で受け継ぐように、モノの見事にドウデュースを蘇らせたレジェンドに、元は手駒の有力なタレントであったリスグラシューの弟を託した。
そうした才能の見極めに、騎手としての確かな慧眼まで織り込ませて、共同通信杯で試しに使われたリアルスティールが、ここ数年のトレンドであるキャリア1戦の馬の参戦と好結果のリズムを生んだが、これがのちにコントレイルを預かって、ほとんど見ているだけだったと言われる矢作調教師の、大きな功績の一つ。
2着に敗れたドゥラメンテの堀調教師は、以降、このローテで幾度も成功をしたが、失敗の一頭だったタスティエーラで、結果的にダービー2勝目を挙げる。
そういうローテを組めるのは、当然のことながら、かつてが黄金カードも多かった秋の主要場における新馬の勝ち馬だけ。
相手関係でも、また、その時のパフォーマンスだけでなく、スケールの大きさをいい意味で変化、即ち、成長という変わり身で示してこそ、ようやく、クロワデュノール陣営に多少は意識をさせることのできる存在になれるわけで、課題が少なければ、若くても頼れる騎手になりかけている岩田望来騎手に継続の依頼を早い段階でしていたのかもしれないが、やはり、成長はゆっくりということなのだろうネブラディスク。
そうした経験に長けたベテランが、全く違うキャリア、また正反対の関わり方で、オープン実績や有益なキャリアを誇るライバルに挑む。
勝てれば、かなり今後も有力となるが、きさらぎ賞はクロワデュノール1京を印象付けるに十分なサトノシャイニング独走Vであった。
様々な観点で、別のところから存在感を示してこそ、本当に怖い武豊なのであるから、それを実現してもらおうではないか。
あっさり負けるなら、異様な成長のプロセスを辿る、武豊が晩年の主戦を務めたトーセンラーの仔・リトルジャイアンツと、東スポ杯でクロワデュノールと同等評価だったレッドキングリーなど、本物に育って不思議ない関東馬。
ミスタークラシック、ダービーマイスターの腕の見せ所である。
この男に衰える時間を与えない勝利を期待されてきた名馬たちに、常に感謝を伝える武豊に、終焉の時はいつまでも訪れない。

共同通信杯予想2025 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

騎手、調教師両者にとって、とても縁の深いドゥラメンテ産駒で忘れ物の回収を目指す

ネブラディスクの血統

2015年に断然人気を裏切り、このレースで2敗目となる2着に終わったドゥラメンテが敗れたのが、矢作厩舎の福永騎手鞍上・リアルスティールであった。
時は流れ、ドゥラメンテはすでに天に召されたわけだが、リアルスティール共々、キタサンブラックなども加えて、せっせと、ネクストジェネレーションのモンスター開発に余念がないことは、実に、結構な話だ。
この因縁は実に根が深い。
何しろ、本番でいいところなしの対ドゥラメンテであったのに、昨年は矢作厩舎のミスタージーティーで、今年は開業2年目の福永厩舎からこのネブラディスクで、ドゥラメンテが生んだクラシック候補を擁して挑戦するのだから、実に面白い。
矢作厩舎の真の意味での成功を約束づけたリスグラシューの総決算がゴージャスすぎた結果を背景に、彼女とあまり縁のなかった福永調教師が、幼子を丁寧にあやしながら、戦い続けられる女戦士に作り上げた武豊騎手を、ドゥラメンテの母とその母の主戦であったことも踏まえ、リスグラシューの弟で共同通信杯へということは、つまりは課題山積の本質が透けて見える。
ダンシングブレーヴに敗れた以外は、ほぼ完璧な記録を残したベーリングの直仔・アメリカンポスト・母父は、その兄弟たる同産駒の極端なマイル戦での成功に倣うように、主なタイトルはマイルで偏り、若き日のリスグラシューもマイルの2、3歳重賞、東京新聞杯、阪神牝馬S、ヴィクトリアマイルなどは確実に走ったが、秋からは変化していった。
早い段階での変わり目は難しいにしても、線の細さは、ちょうど今頃の姉とそっくりなネブラディスクとて、新馬が2000Mで、それも快勝だったということは、相手関係抜きにしても、将来有望。
直系はキングマンボのラインで、その父はミスタープロスペクター。
母父のラインにはフランスの英雄・シーバードの名が潜む。
人呼んで、ネイティヴダンサー隔世遺伝の法則。
ちょうど孫の代で爆発的な結果を残すという軌跡は、ベーリングが2歳の時に生まれたオグリキャップにも見られた。
交互に走る走らないということ以上に、インパクトある記録を競走能力か種牡馬としての資質のいずれかで示すとするならば、この実質的な同系配合のマッチングは強烈であって不思議ない。
競馬人のサラブレッド家系の頂にいる両者が、気高き優駿に育って不思議ない好素材をどう活かすか、刮目するよりほかない一戦だ。

共同通信杯予想2025- レース展開と最終予想

ジャパンC当日の東京には、必ず、世界レベルのトップジョッキーが集まり、間違いなく、芝のマイル以上の距離で行われる新馬戦が組まれる。
昨年であれば、矢作厩舎のジュタ<次戦のホープフルSは4着、すでにリステッド戦勝利>、その前が、ムーア騎手と独走で断然支持に応えた堀厩舎のタスティエーラ。
後者に関しては言わずもがな、ディープインパクト記念から主要競走を全て連対したダービー馬なのだから、ケチのつけようがない。
一時期、早い仕上げを求めるように、夏の主要場<昔は専ら、ローカル短距離が相場の施行条件だった>でデビューする期待馬が多く出ていたが、結局、ダービーや菊花賞を目指す馬というのは、タスティエーラタイプがかなり増えてきた。
数を使わない代わりに、ローテに余裕を持たせるための早期発進は、もはやトレンドではない。
今年からコントレイル、直に、イクイノックスやドウデュースらの良血カップリングの期待馬がターフを賑わせることになるのだろうが、また、その成長曲線が判然とした時、この最適解の模索がリスタートするのであろう。
ちなみに、過去10年のダービー馬に関し、2015年のドゥラメンテを筆頭に、夏季デビューの馬はまだ早期デビュー、7月の中京開催が残っていた影響もあって、ワグネリアンがそれに該当するくらいで、8月小倉の新馬勝ちだったロジャーバローズ、ドウデュースらは、デビュー戦から3連続連対以上を記録している。
早期引退でも、完全に飛んだのは中山のスプリングSだけだったロジャーバローズは、他の5戦全て2着以内。
しかし、タスティエーラを含め、昨年のダノンデサイルなども含め、残り7頭の秋デビューダービー覇者は、決まって、どこかで連外しの凡走を挟んでいる。
シャフリヤールとて、共同通信杯だけは連外し。
主要競走の頂点付近にある皐月賞だけ3着のドウデュースは、ダービーで巻き返せなかった時点で、早熟のレッテルを張られていたのだろう。
妙案をこの頃から編み出していた武豊騎手に感謝してもし足りない。
菊花賞だけ本気を出さざるを得なくなったコントレイルや完全連対で戴冠のドゥラメンテ、マカヒキなどの成功例は、絶対的なレース経験数も激減していった、近35年の平成以降でも稀有な記録。
将来性を見極め、無敗の三冠馬の背を知るコンビ、それもパートナーは親仔という関係性だったディープインパクト・武豊→コントレイル・福永祐一、この両者が生み出す有意義な時間は、良血馬に課せられた使命を的確に勝利するのに、最適なカップリングであると踏み、1戦1勝でも、ネブラディスクは有力と考え、本命に推した。
期待値込みは重々承知。
JCの裏、京阪杯が行われる日の京都デビューは、2場開催の週といっても、真裏の開催だったが、ダービージョッキーの大ベテラン二者を含め、鞍上も一定以上の実績を持つ名手揃いで、その中で、まだ中央のタイトルにまだほんの数週手が届いていなかった岩田望来騎手を乗せて、淡々と流れた展開を、4コーナーの外進出の手応えの違いで、タオ圧倒したレース内容そのものは、人馬ともに有意義な結果であった。
ただし、一足飛びどころでは到底クラシックタイトルには手が届かないどころか、コントレイルやドウデュース、イクイノックス級と思われるクロワデュノールとの対戦が控えるこの世代に求められる、挑戦者としての資質は、例年以上に高いレベルでなければ、まず相手にもされないという状況。
期待値というよりも、より楽しいクラシックに思いを馳せ…。
もはや、神に願うばかりという状況を、きさらぎ賞のサトノシャイニングが示した<あの独走馬のもっと前にいるのが当面のターゲット>目算値から、新規参入組に頑張ってもらうしかない。
経験値を重ねた伯楽たちも、本当はそう思っているだろう。
コントレイルやイクイノックスの東京スポーツ杯を見て、天を仰いだ調教師は数知れず…、であったことは言うまでもない。
そのパフォーマンスが本当のレベルではなかったとされる、この世代の東スポツートップ組が、次走は人気通りに快走である。
同じ東京で結果を出した者のみが、この春の主役候補になるだろう。
キレるという意味が若干違う印象もあるリトルジャイアンツは、距離延長歓迎の一頭ではないはずだから、意外とここでは外してはいけないタレントの筆頭格。
昨年以上に東京新聞杯で走った印象のマテンロウスカイは、今後のローテも含め、ダノンデサイルとの兼ね合いで春のG1で力の入れ具合に差が出てくる横山典弘騎手にとっても、何だか、例年以上に仕上がりが進んでいる感じもあって、東京の新馬でやりたい放題の大暴れ。
1週余計なペナルティに加え、雪男<和田竜二騎手の故障明けのレースも流れて、仲間にそう揶揄されたらしい>出現で、一日遅れの東京での再発進も、レースひとつ乗っただけで、元通りであったという武豊騎手もそうだが、恐ろしいほどに冴えているレジェンドたちは、ドウデュース弟に翻弄されながら、月曜、本来は土曜日の復帰戦で乗る予定だったそのエンダードラゴンのパワーを考えると、ひとつ叩いて万全の態勢だったからこその楽勝への導きともとれて、ある意味では、悲運の天才・ヤマニンウルス除外を除き、もう勝ち運に満ち満ちている状況だから、一つ後輩にここは優勢という支持を加えたい。
もう遅すぎる馬に乗っては持ち味は活かせないが、走る気のある馬との折り合いで、新たな可能性を馬に対してだけでなく、自分自身の引き出しとしても利用できるどん欲な50代は、地方競馬出身の数名も含めて、まだまだ存在感を示していくことだろう。
そのうち、同じ岩田でもパパの方が目立つ季節がやってくる。



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