今年も忘れな草組が熱い

桜花賞当日、９Ｒに組まれることの多い阪神芝２０００Ｍの３歳牝馬限定リステッド競走・忘れな草賞が今年も行われ、重馬場悪化直前のタフな馬場を、馬込みを一瞬にして突き抜けたＭ．デムーロ騎手騎乗の４番人気ウインマイティーが坂上から抜け出し、外から追い詰めた人気勢を抑えて快勝した。

勝ちタイムは稍重で２：０３．６。

人気のリリーピュアハートとそれに続く評価だったイズジョーノキセキらは、馬格の面などで見劣るだけでなく、最後は道悪の皐月賞を制した父ゴールドシップ譲りの能力が、勝負を分けたところがある。

昨年もこのレースを制し、そのままオークスも強烈な追い込みでレコードウインを決めたデムーロ騎手の勝負勘も冴えていた。

こういう馬場の厳しい面が本番に向けた経験値として加わる場合と、単純に時計が速かった時と同じで、そこで大きく消耗してしまうタイプもいたりと、３歳の牝馬の事なので、昨年のラヴズオンリーユーとこの時点で同等の評価を下すことはできないものの、ウインマイティーは一応、桜花賞にも重複登録をしていたような馬。

これまでもデビュー直後から強敵と当たっている馬が、父のイメージの通りに少しずつ距離を延ばして連勝となると、期待も膨らむ。

どことなく、ラヴズオンリーユーというよりその２着となったカレンブーケドールの方が似ているような気もするが、いずれにせよ、衝撃的な穴馬をポツポツと送り込む五十嵐厩舎の刺客と考えただけでも、穴党はワクワクしてくるはず。

母系を辿れば、シルクプリマドンナやヘヴンリーロマンスなどの名牝も登場するクラシックディスタンス向きの特性が持ち味。

混戦になればなるほど匂う。