フローラステークス2022の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り
フローラステークスの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | 第56回サンケイスポーツ賞 フローラステークス(オークストライアル)(GⅡ) |
グレード | 重賞(G2) |
日程 | 2022年4月24日(日) |
発走時間 | 15時45分 |
開催場所 | 東京競馬場 |
距離 | 芝2000m |
コース | 左周り |
賞金 | 5,200万円 |
レコードタイム | 1:56.1 |
フローラステークス予想2022 - 過去10年のデータ傾向
要注意である1番人気馬の狙い方、近6年で5度も馬券外という傾向は真摯に受け止めたい
一昨年のスカイグルーヴ<5着>、その前の年のセラピア<14着>だけでなく、その他も大概が惨敗の傾向からは逃れられない。
だからと言って、今年は断然人気の馬がいないだろうし、転厩初戦のラスール<キャリア3戦すべて1番人気>だとか、これまでの印象で人気になりそうな要素を持つルージュのどちらかが最上位支持でも、当日の気配で人気入れ替わりまで想定しないといけないので、あまり価値ある想定の分析ではないのかもしれない。
ただし、追い込み一手のサトノワルキューレが快時計で勝ち切ったことで、これはオークスにおける上位入線馬の平均的な脚質のパターンに符合するため、人気で推すならこうしたタイプか。
同日阪神メインの出馬表想定から、ルメール継続騎乗が濃厚であるラスールが、シンザン記念のハマらなかった内容を踏まえた前走の結果もあるから、勝ち気のキタサンブラックとして支持を集めたとき、昨年のクールキャットのような競馬を想定した上手な立ち回りでは、人気に応えられない可能性ありということで、ちょっと頭の片隅にくらいは入れておきたいところだろう。
近年になく、フルゲート割れの出走頭数であるから、マイルでの経験しかない馬への期待が、冷静な判断により低評価とつながった際は、むしろ買いやすいだろうがそこまでとなると望み薄だろう。
重賞を使っていた方がいいのは確かということに最近気づいた筆者
ちょうど半分が重賞経験馬で、残りがオープンさえ未経験の出走馬という組み合わせ。
それらががっぷり四つという傾向は、完全に上り馬優勢の見地に立ってしまいがちだが、勝ち馬が半分こになっているだけで、上位入線の確率はわずかに重賞経験馬が優勢。
キャリアを形成する段階で最も重要である出たいレースに出るために必要な賞金の加算度合いが肝とはなっていないことの方が、実は大切なのであろうと考える。
ここでさえ、ろくに走り切れなかった昨年3着のユーバーレーベンはガタガタの秋華賞こそまるで走らなかったが、以降の国際G1では見せ場くらいは作れるオークス馬となった。
G1好走結果がまるであてにならないことは、オープン馬が実質的にいない、間もなく2勝クラス入りの3頭しかいない1勝馬メインのフローラSでは、至極当然の傾向を作るとできる上に、直前まで桜花賞のマイル戦線での争いがメインだったとすれば、皐月賞から連闘の馬やホープフルS好走の牝馬などまずおらず、スカイグルーヴの道悪京成杯における連対実績がまるで通用しなかったことからも、一桁着順で不適条件の重賞を走り切っていればとりあえず大丈夫という見解は成り立つ。
ほぼ確実に1勝馬が馬券に絡み、そのキャリアに重賞の経験がないとすれば、かなりの減点材料。
2勝馬なら、重賞の実績は問わないとすれば、大体絞り込むための条件は揃う。
人気になりそうな3頭を除いた1勝馬からは、人気になって不思議ないG1へ2度出走のパーソナルハイの過剰人気以外、人気になりすぎる要素を備えた存在はいないので、前走着順よりはイメージのいい勝ち鞍や相手関係で理想的なハイレベル戦を好走の結果などを重視したい。
関東馬は人気馬以外狙いづらそうな実績しかないので、3連単などを買うつもりがないなら、関東遠征済みのキタサンシュガー、フラワーC出走で共通のパーソナルハイも一応、候補に挙がってくる。
馬券に絡む率はともかく、穴馬の宝庫である前走フラワーC組は、やはりいつもお付き合いするしかないというような関係性
昨年はフラワーC3着のユーバーレーベンが連続好走。
勝ちタイムが平均より上でフラワーC5着のクールキャットが勝ち切ったレースとなり、まさにフラワーC様様であった。
いずれもがルメール、デムーロ騎乗で1番人気ではなかった。
買いたい馬にたまたまいい騎手が乗っていたというパターンが、近年の穴の傾向であり、前走勝ちの馬が一昨年まで6連勝で10年ほどそれらが連対していたという流れが止まっただけでなく、その人気にならない前走勝ち馬が今年は極端に少なく、また買えそうな条件をほぼ満たしていない<やや極端な戦法や路線外距離での前走勝ち例ばかり>ので、昨年まとめて来た前走フラワーC様が今年も少し怖い。
1分48秒台中盤より決着時計が速ければ、好走組もそのまま買える流れになるが基本は49秒台前半。
ここに挑むことやオークスのことを考えると、桜花賞狙いの馬はかなり少ないフラワーCになるので、序盤流れることはかなり稀で時計が速くなる必然性が存在しない。
たいがい、ここで馬券内に走るのがその展開に乗れなかった昨年に代表される後方グループであり、流れに乗るも、ローで差された広い馬場向きの先行型。
上がりから何もが上位勢に見劣ったが、唯一の直行組であるキタサンシュガーは約2か月ぶりの年明け2戦目であり初の関東輸送。
どことなく上の兄姉や年上の甥であるユングヴィの実績から左回りが合いそうな雰囲気もあり、じっとできる武器が今回は大いに活かせそうな気配はちょっとする。
まともなG1戦線に戻った皐月賞の結果から、続きを天皇賞に期待するまでの合間、この3歳の牝馬たちには、距離適性だけではない輝く何かを求めた投票をしていきたい。
フローラステークス予想2022 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
皐月賞の結果に一安心だったのも束の間、オークスは大変な混戦になりそうな予感もすでにしているトライアルレースの組み合わせ。
キタサンシュガーの血統
父は顕彰馬のキタサンブラック。
皐月賞は自身が3着で最初の大物となった初年度産駒のイクイノックスは、休み明けと大外枠の不利がありながらも、備える才能のかなり部分を出しつつ普段とは違う抜け出しでも2着に入った。
2000Mへの適性は、母の血統背景により、大体の方向性が見えてくる。
イクイノックスは、母がマーメイドSで後のG12勝馬であるマリアライトを一刀両断にしたシャトーブランシュであり、ローズSでも2着に入った癖のある中距離型。
一方、このキタサンシュガーの母であるリップスポイズンというのは、ドイツの1000ギニーという英愛仏のそれとは格そのものが下の怪しげなグループレースウイナーでありながら、その父Mamoolが早くから長距離戦線で活躍のステイヤーであるとしたときどことなくキタサンブラックとそっくりな性質が見えてくる。
3歳春の牝馬としてはタフな東京の中長距離戦に向かう上で、重要な性質を秘めるキタサンシュガーながら狙うならトライアルという雰囲気もある。
すぐ上の姉にデビュー2連勝のサルビアがいて、上の兄には新潟2歳S2着のアンブロークン、長姉の産駒に京王杯2歳S3着のユングヴィ。
いずれも、2歳戦から能力全開の傾向であり、年明けデビューで父とよく似るキタサンシュガーは、父超えである2戦目での重賞制覇には失敗ながら筋の通った早熟傾向の血筋は味方につけられる条件にある。
ノーザンダンサー系が偏って4代続けて配された組み合わせからは、ジェンティルドンナとその近親であるロジャーバローズ、マカヒキにミッキークイーンだとか、次点評価以下の支持を覆したディープインパクト産駒たちが東京2400の大一番で世代の頂点に立った近年傾向からも、ノーザンダンサー自体が5代内に1本・母父父父父に入るだけの構成なので、母がその同系配合の成功例が多いことと、ディープインパクトの圧倒的才能を豊かな馬格と耐久性を与えることで転換させて見せたその全兄・ブラックタイドのキタサンブラックに与えた特殊な継承の経緯なども踏まえ、好相性の可能性を感じさせる。
自身の大型化はプリンスリーギフト系の筋線維の太さを体現したのみという感じで、初年度ということもあって、初年度の活躍馬の多くは中型にとどまるから、いかにもサンデーサイレンス系の性質をありのまま示した、後継の一歩を踏み出しているので、ジオグリフのドレフォンと同じくらい注目すべき種牡馬であろう。
新馬戦のインパクトに対し、まだまだナイーブなところがあるのだろう、いかにも年明けデビュー馬らしい駐立への注文がつくようなゲート内での態勢の悪さもあって、前走が2戦目であったフラワーCは、勝ったスタニングローズがイン追走からの好位抜け出しであったことを述懐するまでもなく、そうした悪い兆候の見られた時点で、勝負ありだった。
一応、悪いスタートから位置取り最悪の、いわばマティリアル<1987年スプリングS優勝馬。伝説のレースとして語られ、皐月賞でも1番人気に推された>や、後年にフラワーC勝ち馬になったマイネヌーヴェル<2003年当レース優勝。直系孫がオークス馬・ユーバーレーベン>らのように、ほとんど負け試合から大逆転にしか可能性はなかったので、まだ2戦目で関東遠征も初めて、そのあとのレースへの展望まで考えたとき、継続騎乗だった坂井騎手は、今度は引っかかりそうになった<自分が結局はいけないのだが、責めても仕方がない>1角手前の格好で、もう形作りをするか否かは相手の出方次第であった。
消耗は少ないと思われるので、中4週で再び遠征。
関東馬であるなら、それは案外過酷となるが、新馬戦も東京、中山を選択する主要な厩舎勢が珍しくない関西所属のキタサンシュガーは、父と同じ清水久詞調教師が管理することで、それと同じく、左回りワンターンでのデビューとなった。
父は引退間近の5歳シーズンに、生涯最高馬体重である542㎏で、それも宝塚記念→天皇賞→ジャパンCと3走続けて同体重で出走の大型馬。
デビュー時から510もの目方を誇り、初めて馬体重増となった皐月賞がその体重になったとき、ドゥラメンテのマッハの強襲に屈し、リアルスティール共々、敗者の側に回る羽目になった。
以降は、全て510㎏を大きく上回る体重で、G1を7つも制するのであった。
牝馬ということもあり、キタサンシュガーは全盛期の父と約100㎏ほど小さい、この時期の牝馬なら平均的な馬格に出たわけだが、先日皐月賞で走った初敗戦<父とは全く違う臨戦過程ながら奇しくも父と同じく皐月賞で初黒星を喫した>のイクイノックスが474㎏デビューから8㎏増の東京スポーツ杯を経て、また10㎏増やした皐月賞で492㎏としていた。
ダービー以降でようやく真の意味でのスケールアップがスタートするキタサンブラックは、当然のことながら晩成型の性質を示した名馬であったがデビュー時期やキャラクターこそ違えどイクイノックスやキタサンシュガーのようなタイプこそが、その後継に相応しい存在である可能性も否定できない。
筆者はひそかに、ダービーで期待したいと思いを馳せる2戦2勝のブラックブロッサムや3戦2勝で完全連対のジャスティンスカイといった最初から大きい馬は、父のようにゆっくりビルドアップさせる戦略が相応しく、そういう馬に適したノウハウを持ったG1優勝厩舎の実績なども踏まえると、グループとして、かなりキタサンブラック産駒の傾向や特長というものを、ある程度掴んでいる可能性を感じ取った。
キタサンシュガーの当然ライバルとして登場の同父ラスールも、秋デビューではあるものの、目方だけならイクイノックスのデビュー戦と全く同じ体重。
ただ、そこから大きく増やした2戦ではない。
転厩初戦でもあり、このあたりの不安であるとか、血統のイメージより短い距離に向くシングスピール肌の配合から、ラスールには近年過剰人気馬に合った距離適性の壁が存在するのは確かだろう。
キタサンシュガーにしても、インザウイングスから連なるサドラーズウェルズ系に属するマムールが母父なのだから、大きなことは言えないかもしれないが、その辺りは新馬戦の勝ちっぷりに可能性を求めたいところ。
フローラステークス予想2022 - レース展開と最終予想
完全にわさわさしたようなスタートで、正しく立ち遅れた序盤から、当然のスローペースであるから中京独特の小回り的要素も兼ね備えたタイトなコーナーワークを求められつつ、実質、400M余りの直線に厳しい急坂もある特殊な構造を味方につけ、最初はあきらめかけていた坂井騎手が坂のあたりで仕掛けた後の、まさに圏外からの大逆転は、恐ろしいまでの破壊力があった。
大いにキレ馬の性質であるがある程度は折り込んで前につけて掛かったことで、皐月賞の坂上では内にモタれて最後は止まりかけていたイクイノックス同様、中距離の決め手比べに一日の長がある、キタサンブラックとは違う魅力を持つ伏兵であるのかもしれないと、ちょっと感じてしまうキタサンシュガー。
突如として内面的に不安定化したアサヒのような大出遅れでは困るが、自厩舎のホウオウアマゾンが阪神で出番があることで坂井騎手に代わり、大野騎手へのスイッチは悪い手ではない。
ついこの間のダービー卿チャレンジTで、タイムトゥヘヴンの危うい性質を逆手に取り、2度目のタッグで完全なるキストゥヘヴン<キレるマイラータイプ・桜花賞馬>型への移行の成功例を作る快勝を決めている。
キレ馬との相性は良く、2020年に強い馬の2着で存在感を示した「札幌記念のペルシアンナイト」、「秋華賞のマジックキャッスル」というのは初騎乗での一発回答。
無論、勝てないことは絶対的な評価に繋がらないが、各陣営からすれば、G1馬のノームコア、デアリングタクト相手によくやったという高評価を得た、狙った通りの結果を残したことも記憶に新しい。
初G1制覇のスノードラゴンも、思い出のサウンドトゥルーも強烈な追い込み型。
父との違いをすでに感じ取った陣営は、最高の代打を用意したと考え、そのプラスアルファも含めて、2着が多い傾向(笑)が気になるから、馬連の軸が妥当なところだろうか。
今年の構図なら普段はハマらないトライアル組の好走馬でも十分に本番での激走まで期待できる。
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