毎日王冠2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

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毎日王冠2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 14分

 

毎日王冠2023の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第74回 毎日王冠(GⅡ)
グレード重賞(G2)
日程2023年10月8日(日)
発走時間15時45分
開催場所東京競馬場
距離芝1,800m
コース左回り
賞金6,700万円
レコードタイム1:44.1

毎日王冠2023 - 過去10年のデータ傾向

1番人気馬が苦しむほど、難しい競馬にならないというのが、展開不問の東京千八

一見すると、ジョーカーが混ざっているので要注意、というような話にもなってくるが、ここ8年では、オークス優勝以来の3歳馬・ソウルスターリングが、メンタルをやられかけた状態で参戦した2017年のみハズレが出ただけ、あとはヘンテコな結末なし。

軸不動というか、頭鉄板の傾向に乗るべきか否かの問題だ。

結論から言うと、ソングラインとシュネルマイスターが人気になり、前者は実質59、巧者は京都でないと少し怪しくなってきたワンターン専門馬…、ということで、いずれかが人気最上位であろうし、それを押して、エプソムC快勝の昨年2着馬・ジャスティンカフェ激推しの流れが固定化されても、G1未経験で57は少しタフ。

斤量設定の面で、その57を出世レースのエプソムCで克服ならば、人気になっても問題ないとなるわけだが、昨年のサリオスが56であったと考えた時、荒れる要素にもなり得る。

今年以降、古馬G1は、58であり56で走ることが決まっている。

段階を経て、大きなレースに使うというシステムを現状、有力牧場ほどとっていないのであるから、仕上がりに少し不安のありそうな安田記念好走組の人気が被った時、逃げ道はあるかもしれない…、くらいに軽く見た方がいい。

G1馬が近年ほど、大きく崩れていないことは頭の片隅入れておきたい。

安田記念がどういう結果であったとしても、というわけにいかないものの、微妙な変動はある

基本的に、今の毎日王冠は昔よりも更に高速化しているから、秋の天皇賞の前哨戦として機能していない。

単純に、反動が出てしまうから、好走馬ほど出番がなくなる。

第一、マイルチャンピオンシップのプレップになってしまっている状況であるにもかかわらず、中5週とベストに近いローテであるのに、連勝する馬は全くいない。

秋の天皇賞を挟み、連続好走を決める強者は、10数年に一度登場はするが、全盛期に限られる。

つまり、宝塚記念や大阪杯、春の香港などから、ここに再調整を図った上で、中長距離戦線に向かう予定の馬に出番はないのである。

だから、主軸は安田記念組となり、好走馬は順当に…。

人気になっていたソングライン、シュネルマイスターらが、最有力視されない組み合わせではないから、シュネルマイスターはこのレースのウイナーでもあり、いくらか斤量利がある分だけ、軸で狙いを立てるのはいいのだろう。

近年は、前走安田記念組で凡走からの巻き返しの例は、まずない。

しかし、シュネルマイスターはジャックドールとソダシに動く目標とされた先行のウインカーネリアンに、力の差を見せつけるような差をつけたわけでもなく、ソングラインには完敗。

京都で復活走をする前に中山でも走っていたので、3歳時のようにはいかない可能性がある。

人気になって妙味もないし、少し危ない面がある5歳馬同士だけに、自在にレースの主導権を握れる先行型のウインカーネリアンに重きを置くという、柔軟な姿勢でも、差し馬人気であるから悪い手とはならないか。

3歳馬で来るとしたら、ダービーが定石であるが、新トレンドが生まれるかどうか

深いようで浅い考察として、マイルを使っている組は、前走は絶対に重賞というのは、大体予測が立つ。

安田記念を除けば、その次は、3歳馬同士のNHKマイルCか、夏以降のマイルシリーズ戦のいずれか。

安田記念とマイルチャンピオンシップの間のレースという大局観は、3歳馬の新ローテに影響を及ぼし、11月のアルゼンチン共和国杯にダービーやそのトライアルから直行の馬が好走するなど、菊花賞路線からの転戦を図った馬は、まだ高速開催の2500重賞に目を向けることが多く、秋の天皇賞には、その後に有馬記念を展望するエース級がダービーから直行が新トレンド。

今年もいるかもしれないが、ダービーと皐月賞は同レベルのメンバーで、連対馬は2頭だけということで、レーベンスティールというトライアルホース・セントライト記念完勝 が、その前走ラジオNIKKEI賞だったことで、勝ち馬であるエルトンバローズは気になる。

そもそも、毎日杯好走でダービーを経て、新潟記念快勝のノッキングポイントもいたりするから、マイル戦線から参入というより力試しのエエヤンが、リズムよく東京で走ると、56という難しい斤量の設定ながら、ノーチャンスとも言えない。

で、マイル組は安田記念を除けば、あと来たのは、4歳時のジャスタウェイであるとか、癖の強いマイラーを頭打ち傾向と見切ってここで逃げた田辺騎手のサンレイレーザーだとか、3着では、昨年のダノンザキッドなど、いちいち面倒なところのある勝ち切れない馬たちばかり。

大化けするジャスタウェイになれそうなのは、エエヤンではなく、かつての出走馬・アンビシャスと同じローテのエルトンバローズだろうから、3歳時はダービー経由で2着のジャスタウェイは、その時勝ったのが、同じ3歳のカレンブラックヒルという無敗のマイルC優勝馬なので、エエヤンには少し荷が重い。

逆説的に、マイル戦線で今一つという馬の中に光るものがありそうなタイプだとか、前走と前々走の路線が少しずれる、サマーシリーズ非積極参戦組の取捨などから類推するに、速いデュガはさすがに買えないから、3歳で確かな結果を求められそうなローテの馬、そうしたスケール感ではない面々であると決めつけたなら、あとはもう、前走好走馬しか買えない…、といったところだろう。

堅実というか、元に戻りかけているアドマイヤハダルや新潟でノッキングポイントに敗れるも距離が合っていて不思議ないバラジなど、明らかに、根幹距離で足らないという感じの堅実派や目先を変えてきた組は、本流組を疑う以上、等分の買い目を選択しつつ、お試しの馬として色々買っていくのはいい。

変な話、前走1800のオープンを使ってきた馬がほとんどいないから安田記念組は来る、ダービー直行組の若手が来るという話なのだから、古馬オープンであったなら、根幹距離戦からの変わり身を、2着以下ではいろいろ試せるはずだ。

3歳はまだ、表玄関からとっこめるほどの迫力のある馬は、リバティアイランドくらいしか見当たらない。

 

毎日王冠2023 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

父父グラスワンダーは1999年の覇者であり、父スクリーンヒーローは秋のG1でとても強かったことを思えば…

ウインカーネリアンの血統

血統だけ見ていくと、父スクリーンヒーローとその母母ダイナアクトレスらが、ジャパンCの好走馬。

この直系の中でも、最強クラスに近いグラスワンダーは2歳時の4戦全てがワンサイドゲーム。3歳秋以降にグランプリ競走を含む非根幹距離重賞を5勝する、新たな才能開花の季節を過ごし、計9勝を挙げた。

一方で、そのグラスワンダーに続く朝日杯旧3歳S2着だったのが、1年後にスプリンターズSでタイキシャトルとシーキングザパールを一気に倒すことになるマイネルラヴが母父。

母のコスモクリスタルも徹底短距離型として、ローカル場の芝1200を4勝。

カドージェネルーなるハイペリオンの快速系を受け継ぐ、ジュライCなどを制したスプリンターが入り込むこのファミリーに、天下のキングジョージを制し、七冠テイエムオペラオー、クラシック二冠メイショウサムソンら、猛烈なサドラーズウェルズトレンドをこの不毛地帯に生み出したオペラハウスがいるとは、少しも思わないほど、重厚ながらも重賞では少し非力な印象の血統背景である点は否定しがたい。

故に、マイルで結果を残したような面もあるが、ダンチヒの血を受け、本質万能のグラスワンダーは、孫の代にモーリスを送り込むことで、その可能性を発展。

非根幹距離適性が若いうちに証明されたようで、古馬になってからは徹底してマイル戦線専念のウインカーネリアンは、本当は自在のグラスワンダーの良さを受け継ぐ、モーリスに近い性質を秘めるが、スピード能力に引っ張られていた面はあるものの、巧者が勝ってきた歴史が、マイルG1好走実績馬独占状態の近年の新たな傾向に、実は一番フィットする何かを持つサウスポーのように思える。

東京新聞杯の再現をされると、アエロリットの逃げのように、実はみんな手強い。

 

毎日王冠2023 - レース展開と最終予想

数的根拠を示し、ここは前述の内容を補強しておく。

前走の安田記念で先行し、8着に終わったウインカーネリアンの中盤ラップは、

34.2→46.0→57.6

というおとなしいもの。

自身の上がりは34.5秒だから、勝ったソングラインとはほぼ大差がつく計算なので、当然、実力のあるトップマイラーがひどい状態でないなら、まず逆転される。

しかし、タイム差にして0.7秒の遅れ。

シュネルマイスターが例によって、激しい東京型猛追の型を安定感込みで再現したから、好位差しが決まりかけたジャックドールや中身が限りなく一等級に近いマイラーと思われるガイアフォースなどは、がっつりといかれてしまったような逆転に泣いたものの、この組に対し、ウインカーネリアンは2馬身程度しか遅れていない。

6歳にして、ダートと言っても、北米のそれをいくらか再現した土のコースで、マイラーらしい資質示しつつ、終いは完全に止まってしまったゴドルフィンマイル以来の実戦。

その直前の東京新聞杯は、今や、使い込んだ7週目より、ずっと馬場質がいいとされる年がほとんどいう絶好の先行型有利の高速馬場を味方につけたとはいえ、

34.4→45.8→57.1

から、安田記念より同型のプレッシャーはむしろ厳しい中で、34.7秒で上がったから、1:31.8である。

筆者はこの内容を買って、カフェファラオというジョーカーと共に、安田インターナショナルこと初代理事長の偉業をたたえた同レースで、今年の対抗馬に推したのだが、意外なほど? ジャックドールがスマートで、きっちり、この超伏兵陣は直線半ばで失墜。

実は、昨年のレコード決着の際、これと似たラップが出現している。

34.5→46.2→57.9

レースはここから46.2秒で、高速決着したから、逃げたレッドベルオーブは総マークの影響もあったが、サリオスから2秒遅れた最下位入線。

しかし、このラップでマークを受けること当然の身で、いつもいつも前に行っているウインカーネリアンは、最近は展開・ラップ不問の非G1戦の内容で、多少の高速レースでは潰れない。

ソングラインもシュネルマイスターも、スパッと切れるほど軽いマイラーではない。

むしろ、前哨戦などは苦しむタイプで、レースを重ねるごとに、選り好みもはっきり出てきたようなところもある。

3歳馬も有力ではあるが、エルトンバローズがレーベンスティールより強いと思っている人がそう多くないだけでなく、エエヤンの東京への適性、中山よりも不安定な内容、位置取りであるなど、若いだけでなんとかなりそうな雰囲気まではないところに来て、サリオスでさえ54で走れた3歳時、前者は55、エエヤンはG2を勝っているから56と、このシュネルマイスターがこなせるレベルの斤量をこなせるかの課題が突き付けられた時、途端にマイラーでも自在のウインカーネリアンが57でもあり、一気に注目される存在となっている。

既述の血脈に加え、G1を戦う上で必要な何かを加えるべく、二代目師匠に当たる鹿戸雄一調教師の意に沿うだけではない形で、積極性を引き出したりしているうちに、全8勝が同じ三浦皇成騎手というのは、思われているより重要なポイントであり、また大きなファクターのように思う。

田辺騎手と積極策の中で挑んだクラシック2戦は、皐月賞の4着に、展開上の厳しさを考えても、前に離された中でも価値ある結果とできる面はあっても、勝ててはいない。

この皐月賞の前に1800での勝ち星がある。

初勝利も福島の同距離、三浦騎手に手が戻った3歳秋2戦目の中山もやはり、この1800という距離。

年が明け、1600を使われるようになってから、故障による休養を挟み、今までの間ずっと同じ距離ばかり使ってきたが、ワンターンが得意になったこの馬に、かつての中距離実績・いずれもコーナー4つでのものをあてはめても意味はないとできなくはないが、ここ6年続けて、G1はマイルでという勝ち馬が、安定して人気に応え、ソウルスターリングが消えた時も、リアルスティールに続いたのは安田記念で念願のタイトルを得たサトノアラジンであったとした時、展開上も、ラップ構成の安定感なども踏まえれば、グラスワンダーらしい非根幹距離での戴冠は、ほぼ既定路線にも思える。

元来、特殊な才能が問われることも多いのが、こうしたG1の前哨戦。

天皇賞というより、すっかりマイルCSのためのプレップになってしまったが、尚のこと、その傾向がウインカーネリアンに味方する気がする。




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