きさらぎ賞2022の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

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きさらぎ賞2022の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 18分

 

きさらぎ賞の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

 

レース名第62回きさらぎ賞
グレード重賞(G3)
日程2022年2月6日(日)
発走時間15時35分
開催場所中京競馬場
距離芝2,000m
コース左回り
賞金4,000万円
レコードタイム1:58.3

 

きさらぎ賞予想2022 - 過去10年のデータ傾向

 

ホープフルS組は昨年ごっそり来ただけなのだが、今年は他の好相性のレースから有力馬が少ない

 

昨年の2、3着馬は、かなりレースレベルは低かった割に、タイトルホルダーやヨーホーレイクなど後にやってくれるタレントを送り出しつつ、勝ち馬となったダノンザキッドという当時の世代最強馬もようやく秋には立ち直ったことで面目を保ったというホープフルSの組。

 

3着に入ったランドオブリバティは、まるでディープインパクトの産駒には思えないほど派手に逸走してしまった前走から、調子を戻す目的で、まともに走れるように戻せるか確認するためのレースに終始したから、結果人気を裏切る3着でも、押して出せない<単調な逃げで精神的に参ってしまったようなホープフルSという診断でもあるから>中で、回ってきただけで重賞3着はむしろ立派。

 

ヨーホーレイクは2着でも、激しいというほどタフになることまではなかったホープフルSではスキルアップに限界があり、クラシック参戦の賞金加算だけ成功の結果も、実力は先月の中京でようやく証明された格好。

その手の馬がきさらぎ賞の中位以内の着順だった面々に、大いに共通するキャラなので、ラーゴムに勝てなかったと言って、ダービーは苦しいのは見えていたが、才能がどの程度かの見える化効果は一定して高水準。

余程強い馬がいない限り、負けている場合ではないし、賞金加算が必要な馬が負けている時点でほぼアウト。

 

今年のホープフルS組は、1勝馬ばかりで、重賞連対のアスクワイルドモアも賞金加算が必要。

ラーゴムほどのタフネスが見当たらない今年は、強い馬か適性が素晴らしい馬のどちらかが勝つ。

オープンキャリアの形成の仕方からして、G1組が有利。朝日杯組がいたら、きっとイチコロだったろう。

 

1番人気馬の好走率は高いが、断然人気馬がサトノダイヤモンドが勝って以降5連敗中

 

ヤバい馬ばかり人気になっていたわけではないが、その無敗2勝馬のサトノダイヤモンド以降の人気馬は、

 

 

  • 2017年 サトノアーサー<重馬場、阪神での2戦のみ> /馬場適性上位のアメリカズカップに敗れ2着
  • 2018年 ダノンマジェスティ<前年皐月賞優勝・アルアインの全弟> /結果的に重賞級の器ではなくブービー敗退
  • 2019年 ヴァンドギャルド<ホープフルSは不利等で6着、東スポ杯3着> /タフなローテと雨降りの影響で馬券外
  • 2020年 アルジャンナ<前走コントレイル独走の東スポ杯2着> /陣営共々自信を失っており、失意の3着
  • 2021年 ランドオブリバティ<前記参照> /理想的にスタートで出なかったから、3着で精一杯

 

ヤバい奴はランドオブリバティだけだが、結果的に支持の集まり方と、かつての有力馬のモデルケースに引っ張られるような実績のある馬、血統馬というカテゴライズでファンの多くががっくりするような結果が続いている。

むしろ、前走内容だけがダメだったから、派手だったことで過剰支持の面々より、真っ当な能力評価がされていたからこそ、3着に入ったともできるランドオブリバティが実力上位だったことになる。

その他が怪しかった。疲れていない方がいい。

トレンドに乗せて、余力があっても力不足では仕方ないから、オープンキャリアの人気だけは今年も引き続き評価できる。

 

 

中京2000・変則開催と京都1800・通常開催の差は、やはり距離の設定の違いとして出ている

 

こうやまき賞からはダノンチェイサーや後に長い距離で大成するグローリーヴェイズ。

シクラメン賞からは勝ち馬こそ出せていないが、格下良血馬のポルトドートウィユ、レプランシュや前述のサトノアーサーなどが立て続けに2着に入った。

 

しかし、こうした1800適性のようなものが中京の2000で問われることはないだろう。

阪神より急な坂があって、決して短くもない直線があるから、コーナー4つの阪神2000よりはタフ。

京都は直線は平坦で、きさらぎ賞は1800重賞だから、そもそもカテゴリーそのものが違う。

 

本番の中山・皐月賞はコーナー4つで、坂は2度上る。

スローに展開するホープフルS<無論、各厩舎が期待する馬たちの将来を慮って>とは異なり、距離相応以上のタフな馬場質<雨が降ること、その影響が残ることが近年多い>であるとか、ハイペースになる年もある皐月賞へ向けた前哨戦として、このレースは適性を測るに十分な基準を満たすともできるが、中9週は今や、決して余裕ローテではない時代に入り、ここでの結果は、やはり皐月賞辺りで正確に反映されるならば、もうサトノダイヤモンドやスペシャルウィーク、ナリタトップロードクラスでないと難しいことは間違いない。

 

連を外せば、ダービーこそ本番である、とまでは言えないが、縁あって左回りのレース。

1F延長の距離設定変更に加え、そうした回りの問題や中京の特殊なコース設定から、次のレース向きの直接的な効果や判断基準のようなものを求めることよりは、才能の一端を、絶対的に勝ちタイムが速くならない連続開催の影響なども踏まえ、中長距離適性にシフトして求めた時にどうなるのだろうと見るとすれば、昨年はあまりそういうことに適した馬は多くなく、今年は多そうな予感もしないではない。

ディープ直仔が未登録ということでも、重厚な血統背景を持つ馬の真の適性を測るのに適した変則開催が、今年も行われることになる。

 

きさらぎ賞予想2022 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

 

ハーツクライ、横山典弘、寺田オーナートリオの日高産馬・マイスタイルと酷似する軌跡を描くマテンロウレオ。

 

マテンロウレオの血統

 

父ハーツクライは、その産駒で代表クラスにあたるリスグラシュー、ジャスタウェイ、スワーヴリチャードらを除かずとも、サリオス、ワンアンドオンリー、ウインバリアシオンといったダービー2着馬たちは2歳時から重賞戦線に登場し、3歳春までにいずれかの重賞を制している。

 

例外はあくまでも重賞未勝利でオークスウイナーになったヌーヴォレコルトと、京都2歳S重賞昇格初年度に3着後、4歳春に阪神大賞典で重賞勝ち馬になった翌年にジャパンC制覇のシュヴァルグランとなるが、言わずもがな、重賞を勝てなかったけど、健闘はしている。

穴馬としてオークスを制したわけでも何でもないヌーヴォレコルトは、チューリップ賞2着、桜花賞3着。

 

そういう背景もあって、ハーツクライの完成度はディープインパクトのそれとはまるで違うとまでは言えないのだ。

むしろ、クラシックシーズンに空白のある馬は多い、という逆説的なイメージを植え付けるための論法に過ぎない。

 

マテンロウレオは一族にビリーヴがいる。

ビリーヴはフラワーCにも、後の正規の適距離であるファルコンS<当時6月開催>にも出走したが、どちらもいい勝負はできなかった。

実は、そのビリーヴの母の姉・伯母にあたるLady's Secret<1982年USA産・通算45戦25勝>も、デビューは早かったが、後のビリーヴがそうであるように、東海岸の短距離戦に絞ってガンガン使っていくと連戦連勝。

 

セクレタリアト産駒というのもあって、本来使いたかった中距離戦へ転ずる北米流の成功パターンにハメ込み、創成期のブリーダーズC競走・ディスタフのアケダクト9F戦に挑んだ3歳時は、クラシック未参戦の死角もあったりして完敗も、翌年のサンタアニタ10F戦では完勝。

まさに適距離で爆発的な才能の発揮を見せるビリーヴの成功の形は、ずっと昔、昭和のアメリカで実践されていたことになる。

 

ハーツクライのサンデーサイレンス系らしさ・クラシック適性の体現にも魅力がある一方、その良さがもっと引き出される晩生の継承者の側面も合わせ持つマテンロウレオには、早期の大成は無理でも、その可能性を示す必要に駆られる面がある。

ハーツクライ自身、明けデビューから2戦目のこのレースを使い、マイネルブルックの3着。

そこで2着に終わったブラックタイドが、ハーツクライのようなローテで成功のキタサンブラックを送り出したのだから、結果はある程度必要。

幾らでも化ける可能性はあるが、晩成傾向の配合とて、スケール感はことクラシック前なら、格相応に見せておくべきとも言える。

 

 

新馬戦はお試しの競馬であった。

阪神2000の最内枠発走で、父ハーツクライの成長の過程を自ら騎乗し、しっかりと理解する横山典弘騎手であるから、まずはどの程度のセンスがあるか、2戦目以降にパートナーに求めたいスキルを敢えて追求するように形にハメ込んでいった節がある。

あっけらかんとたまたまであると言いそうな名手だが、抱える引き出しの数では、歴代の名騎手たちとも同等以上の武器まで隠し持つほど、頭の中には知見が貯蔵がされている。

 

物は試しとやってみても失敗することは多いが、ストレスの掛かりそうな3、4コーナーのスパートのタイミングで、ベテランらしい鮮やかな溜めを好アシストしたから、かなりタイトな直線内ラチ沿いの攻防でも、素晴らしく反応良く、かつスムーズな加速にも成功し、苦しい馬込みから抜け出す競馬でも、外を回ってきた普通の差し競馬の面々よりずっと楽に勝ち切れた。

 

自信を深めた陣営は、ノリ騎手の庭でもある中山内回りで行われるホープフルSへと歩を進めた。

キャリアのある騎手ほど、新馬戦とは違う戦法に出るもの。

ましてや、普通に戦って勝負になるような相手関係ではない「デビュー2戦目でG1」というタイトなローテーションだからこそ、今度はハーツクライ産駒末脚に賭けたような中団後ろ目のオーソドックスな直線勝負の形を、皆のほぼ読み通りに敢行。

しかし、前のグループというか勝ったキラーアビリティの強さばかりが目立ったことで、その他大勢の組扱いになってしまう。

 

ただし、このキャリアの馬にとってどういう位置づけであった可能性があるかとするなら、新馬戦から同距離を使われ、2:02.8→2:01.1<レースレコードを更新した最終組>という発展性では、東京や新潟、パンパンなら秋は高速馬場の京都ではなく、阪神で記録したまずまずの勝ちタイムを大いに更新し、またホープフルSで素晴らしい決め手を発揮して自己ベスト更新に成功だから、一つも評価は下がらないどころか、今後に夢膨らませるようなと結果であった。

 

全く違うレースで結果を出すことは、案外、若い頃は後躯の成長に課題があることで序盤は置かれてしまう一般的なハーツクライ産駒の特性からすると、ちょっと珍しい。

新馬戦などもたついて不思議ない展開だったが、苦しいところから抜け出しあとに外から追い上げる普通の差す形に、馬自身が少し面食らったところはあったかもしれないが、勝ち馬の次にレースで目立っていたのは外から急襲したマテンロウレオである。

 

何をできるかは分かったが、当面はどう戦っていくかについては、色々と思案の必要なところもある。

今回は中山のレースとは違い、有力馬も逃げ勝った記録があるくらいで、伏兵で格上がり初戦の黄菊賞でホープフルS好走のジャスティンパレスと大差なく2着のメイショウゲキリンの積極参戦&戦法でもない限り、まず速い展開などあり得ない。

昨年以上のスローになる。

 

昨年は61秒台の展開で、これは1か月後の弥生賞<ディープインパクト記念>でも散々見てきた平均ラップに等しく、本番では足らなかった上位グループは、ここから平均ラップを持続して60秒で上がるので精一杯。

基準馬に等しいメイショウゲキリンはこの点でのアドヴァンテージはなく、持ち時計は2:03.4に止まる

今年は2分0秒台の持ち時計の馬が、初オープンのセルケト、レヴァンジルら伏兵だけでなく、人気必至・川田騎手騎乗のダンテスヴューにも、同中京での2:00.9の快記録がある。

 

きさらぎ賞予想2022 - レース展開と最終予想

 

重賞でそれも2歳チャンピオン戦に定着のホープフルSで、それに及ばないということなら、マテンロウレオには死角にもなってしまうが、競馬はロジックが肝。

そのマテンロウレオが走破した際のタイムを2:01.1で測るのではなく、上がり3F・35.6秒と道中の中団ポジションから推理する自身の前後半ラップは、ほぼ平均ラップともできる60.5秒前後。

 

勝ったキラーアビリティが好位抜け出しで、平均ラップ丸々キープのちょっとだけ後傾ラップに作り変えた上がり35.8秒での2:00.6。

小倉2000の未勝利戦で独走した際の1:59.5も、自分の先行勢の作った快時計の出やすいバランスラップを引き継いでの快記録で、中央場所のラップではまず登場しえない終い10.8秒で、2分の壁を難なく突破した。

 

かつて、菊花賞<セイウンスカイ>でも京成杯オータムH<日本レコードをこのレースだけで3度更新の快記録を作る>でも、国宝級のミラクルラップを生むアーティストとして、競馬ファンのみならず、同業者や記者らからも尊敬を集める<本人は至って馬の気持ちに合わせて…、の定型文を判で押したかのように毎度コメント内に組み込んでくる>名手に、マテンロウレオのような都合よく乗れる馬は最も手が合うだろう。

展開に合わせて、そのレースの好位をとる。

今まで参戦することすらなかったシンザン記念に、50を過ぎてから乗ることになったら、鮮やかな好位追走からのイン抜け出し。

 

前走の型になど、まるで囚われない横山典弘という騎手は、決まって、正しい形に拘りなり、しっかりと誘導するように乗る時には、馬の具合の良し悪しを見切った好アシストをするもの。

行く気になったシンザン記念のマテンロウオリオンは、かつて同じ昆厩舎でクラシックを目指し、ラストチャンスにノリ騎手騎乗の弥生賞で逃げ粘った<2017年の当レースを勝ったのはカデナで、いずれもまだ現役>マイスタイルのように思えた。

折角の機会で、無駄にいつも差す形、理想の型を押し付けることはない。

しかし、自在性を秘めるマテンロウレオは、いつでも中団の好ポジションを取れる。

 

本来、追い込む展開はそれほど好まない<非常手段かドロップアウトかのいずれか>騎手だから、前にいれば、九分九厘好勝負。

昨年フィーリングがうまくマッチしなかったことで重賞を勝てなかったこのベテランは、コロナ禍であえて、調教馬への騎乗機会を求めて西下の奇策を見事結果に変え、完全アウェーの中京でも、本来は最も腕の良さが引き出せる中山でも重賞を勝った。

難しい馬に乗る機会ばかりが増えている横山騎手は、こと、武史騎手にチャンスがあると大人しくなることも多かったが、日曜日の活躍で<【3・0・1・3】で、3番人気内の3頭は全て馬券内>確信を持った。

今は、馬の考えに各々しっかりと対応して、自分からのリクエストにもしっかりと折り合いをつけながらも受け入れてもらえている状態。

 

馬乗りの天才が大きなレースを勝ち続けると、大体はそのいい流れは止まらないものだ。

自分で逃げ差し自在の馬の作り変えたマイスタイルが、シルクロードSは大人しい競馬。

その近親であるこのマテンロウレオには、その型が最もしっくりくる。

どれだけ理想に近いポジションにつけられるか、今は自分が考えない方が好結果がついてくる。

そういうシルクロードSでの騎乗結果のように筆者は思う。

勝手に勘繰り過ぎているだけなのかもしれないが。




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