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マーメイドステークス2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 14分

 

マーメイドステークス2024の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第29回 マーメイドステークス
グレード重賞(G3)
日程2024年6月16日(日曜)
発走時間15時35分
開催場所京都競馬場
距離芝2000m
コース右回り
賞金3800万円
レコードタイム1:56.8

マーメイドステークス予想2024 - 過去10年のデータ傾向

一時期と比べると、怪しすぎる馬ばかりの組み合わせではなくなった影響は出ている

近年は、後述する内容を参照していただく斤量面の恩恵が一切ない55以上の馬が必ず上位争いに加わっているほか、1番人気馬だけは、最近はちゃんと走っている感じで、怪しい人気でも、しっかり走ってくる印象。

ほとんど七夕賞のような扱いのレースで、異様な波乱も定期的に発生する函館記念のような気配を、ハンディキャップ競走になった2006年以降、幾度となく感じしてきたものの、負けているとはいえ、昨年のホウオウエミーズ、その前も、クラヴェルやマリアエレーナ、考えてみれば、イクイノックスの母になるシャトーブランシュに呑み込まれた1番人気はエリザベス女王杯と宝塚記念を勝つマリアライトだったから、2006年以来の大波乱だった京都開催ながら、こうした点での期待は高まる。

要するに、買えないことのない上位人気馬だとか重斤量馬というのは、シャドウディーヴァやセンテリュオ、スカーレットカラーなどが、この後、もう少し格上のレースで結果を出しているくらいだから、買わないのも少し違う。

ミッキーゴージャス、コスタボニータなどの重賞勝ち馬に、準オープン勝ちのエーデルブルーメは、ここでピントがずれていても、後々に出番がありそうだから、マリアライトの様になってもらうべく、相手に拾うのは筋悪の狙いとはならないはずである。

どの道軽ハンデの馬は絡むレースであるから、重い馬は買っても買わなくてもどちらでもいい

56は古馬がG1に挑む時、牝馬の定量に設定される重い数字であり、ここにその斤量を背負わされている以上、場違いであると言われているようなところもあるわけだが、本来は、実績がもっとあるならば、更に背負わされたっておかしくない。

そこまで無理をして使うようなレースではないから、条件戦上がりならば、55を超えることはあり得ないにしても、重賞をひとつ勝っただけで今は56をハンディキャップとして、他より多く背負うべきとなって、これに耐えないといけないから、G1直後ではこういう扱いを受けた時点で、回避濃厚。

今年はヴィクトリアマイル組はおらず、代わりに大阪杯組が登場の予定=ミッキーゴージャス。

54は絶対ないが、前走の56を超えることもないと思ったが、半分余計に重しが加わったので、少し悩ましい。

考えようによっては、いつもワイドは1000円超えが当たり前なのだから、来るかどうか保証のないこの手のオッズ的に妙味のない馬を押さえることに力を注ぐこともないのだが、3連勝式のいずれかの券種を押さえるときは、そうもいかない。

端から、ワイドは穴馬軸の高配当狙いの保険、軸を絞れるなら、着固定の人気馬軸流しで元が確実に取れるレースだから、頭狙いができない人気馬がいるなら、もう穴に振って、重い馬を無視しても大丈夫な買い方をする方が得策だろう。

シャドウディーヴァもビッシュも、ここに絶好調の状態で出てきた巧者ではないのだから…

特殊なレース参戦の手法ながら、シャドウディーヴァはレースを使う目的を果たす中での参戦で、いつものように上々のちょい負けをしたこともある一方で、昨年はこのローテを宝塚記念参戦という形で連続好走のスルーセブンシーズの好例もあって、ならば、ここは確実に勝ち負けだったはずでは…、と言えるような結果だから、好走例が5着止まりのビッシュの評価も難しいので、確実に大丈夫とは言えないが、いずれも、ずっといつも勝ち負けを繰り返すほど万能ではなかったという点で、スルーセブンシーズ=2022年は2番人気10着のような例に、引っ張られてはいけないが気になることだらけのラヴェルだけに…。

いずれも主要レースの出走経験があるので、その実績を斤量で上増しされることはあっても、厳しいほどの加算はなされない。

ずっと着外で、オークスと京都記念だけ、勝ち馬からは離されながらも掲示板に載ったという程度のラヴェルは、56ではなく、標準的オープンクラスの扱いである54でチャレンジできるのは幸運。

京都記念も中山牝馬Sも同じだが、相手関係は少しは楽になっている。

また、G1で好勝負出来るように作っていく過程で、前出の負けている組の方が出世しやすい傾向から、一旦は脱落の格好となったものの、ラヴェルのような馬の復活は完調ではなくとも可能であり、では、こうした勝ちに出ないローテも、悪手のプレップ扱いのように、フレッシュな状態でだけは使えるという強みはないわけではないが、走らない時はとことんダメなタイプではあるから…。

何だか歯切れは悪いが、近年ほど、変な決着にはならずに、過去の実績で来たウインマイティーのようなタイプが多く連対し、オープンを使っている馬の方が、4歳降級がないシステム的な事情から、安定してレベルが担保されたものとなっている影響もあるのだろうが、条件上がりでは簡単ではなくなっている傾向。

エプソムCもそんな感じで、何だかんだで、重賞好走実績のある馬だけが上位を占めていた。

様々な妙味を見比べていると、ラヴェルが一番おいしいポジションにいる気がする。

マーメイドステークス予想2024 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

みんなが思っているよりも、このファミリーの秘める底力は侮れないことを再び証明してほしい一頭

ラヴェルの血統

3代母は不良馬場の桜花賞をぶっ千切ったキョウエイマーチ。

母も3歳春までかなり路線を沸かせる馬だったが、その半妹は、唯一のG1タイトルがブリーダーズCディスタフ・デルマー開催 というマルシュロレーヌであり、活力が衰えるどころか、100年近い在来系の歴史を持つシュリリーのファミリーは、未だに機を見ては、その勢いを取り戻すパワーを抑え切れずいるから恐れ入る。

シュリリーを母母に持つクインナルビーは、有馬記念誕生前夜の時代、往年の秋の天皇賞を制している。

秋の目標など、まだ判然としないところで、天皇賞だけはしっかりと行われた戦後10年未満の時代の記録とはいえ、分散することのない一流馬が、勝ち抜き制度はあったものの、確実に集まる時代に牝馬で勝っている価値は大きい。

オグリキャップやこのキョウエイマーチの数少ない後継<イッチョ前の種牡馬は出せず、牝馬はラヴェルの母母のヴィートマルシェだけ残し、この世を去っている>が、ドラマチックなストーリーを紡ぎ出したのも、この偉大なる名牝がいてのこと。

フレンチデピュティにダイワメジャーをつけても、パワー満点になったわけではなく、妙に小さくまとまった馬ばかり出す系統にあって、半姉のナミュールも未だに小さいが、立派にエース級のマイラーに育ったことは、マイルチャンピオンシップに縁のあるファミリーでもあり、重要なポイントを継承し続けている一方、秋華賞で2着だったキョウエイマーチが、ひ孫の代で阪神開催ながら同じレースで同じ着順となったナミュールを出したことは大きな意味を持つ。

マイラーと思われたオグリキャップは、根幹距離の中距離G1で2着が最高だったが、マイルG1はしっかり2戦とも勝利した上で、有馬記念を2勝している。

大胆な決め手で、リバティアイランドを負かしたラヴェルには、グランプリを苦手にしながら、最後の最後に勝ったキタサンブラックの血を受けて、密やかなコーナー4つの重賞への適性が受け継がれているはずである。

マーメイドステークス予想2024 - レース展開と最終予想

みんなお忘れかと思うが、彼女の父、すなわち、ラヴェルの父であるキタサンブラックは京都で4戦4勝だった。

外回りの長距離カテゴリーだけながら、全て展開も違ったし、戦法も意外とバラバラ。

相手関係が毎度変わるのが競馬であることは百も承知で、1戦のみも秋華賞完敗の一点だけで、評価下げは安易に過ぎると、益体もない顕彰馬に絡んだブラッドストーリーの一節を、少々ひけらかしておく。

ラヴェルは2連勝した序盤こそ、イケイケドンドンだったが、以降、阪神ジュベナイルフィリーズで立ち遅れ惨敗の11着<リバティアイランドはしっかりと走り切ったことで以降の躍進に繋げていった>を皮切りに、休み明けとはいえ、同じくらい見せ場なしだった桜花賞も同じ着順であり、オークスこそ正攻法で頑張ったが、前々走の京都記念でいい感じに走ったかと思えば、中山で無残に散って再び惨敗。

ただ、妙な具合に外枠を引くことが多い、走ったレースのほとんどが内枠であったというコントレイルと真逆の傾向が、ただでさえややこしい印象があるサンデーサイレンスの3×3を抱える牝馬を苦しめてきた面は否めない。

それを考えると、ガッツリではないにしてもハミを噛んでいる感じだった京都記念は、折り合うことはなかったはずなのに、外々、それも極端な外差し傾向が出る2月京都のいつものやつが見られた中でも、十分な健闘と見て取れる。

前走に関しては、テン乗りの横山武史騎手が、その辺りを踏まえた騎乗をして、危ないバランスのまま、ギリギリの折り合いをつけた中で、早仕掛けのグループに対し、馬群の中へと進まざるを得なくなったことで、詰まったのも敗因の一つ。

惜しい敗戦とまでは言えなかったが、これは彼女の形ではないから、坂の上がって置かれた時点で諦めたのは馬には悪いことではなかったはずだ。

仕切り直しの今回、リバティアイランドを差し切り、それに適距離ではないにもかかわらず、前に行って勝負に出た4着と粘った時の鞍上、厩舎の主戦でもある坂井瑠星騎手が騎乗する。

難しい馬であることは百も承知で、赤っ恥のジュベナイルフィリーズや思惑よりも遅すぎたことが裏目だった秋華賞のようなことは、自力で解決しなければならないハンデG3において、言い訳にならないのもかえっていい。

今回前に行って、それでもダメなら、距離もダート参戦も、色々なチェンジをしなければならないだろう。

現に、おばのマルシュロレーヌは芝で頭打ちになったことでダート路線へと転じ、JBCは負けたのに、BCを勝ったという異次元の活躍をみせた、同じ矢作厩舎のヒロインである。

芝で立ち直る根拠までは示せないまでも、リバティアイランドだけにマークを集中させることで、自分の良さを消してしまうような立場ではなくなった今、斤量面の恩恵は受けられないものの、京都記念くらい踏ん張れたのなら…。

おまじない代わりの、父の威光に恩恵を与るような前振りをしたのは、そんな背景があったからでもある。

3分の2に出走馬が絞り込まれる登録時点の、例年通りにカオスの様相を呈した想定メンバーから推理できた唯一の点が、前走逃げ勝ったアリスヴェリテと4勝したので出走の意思さえあれば走れるベリーヴィーナスが両方いた時と、ローカル巧者であるタケトンボが逃げられなくもない<2勝しかしていないので除外だろうが>ことで、一体どうなるのかという解に、除外もあるアリスヴェリテは永島まなみ騎手を配し、行く気満々であろうという読みが成り立つということ。

そもそも、この馬はあのアルテミスSで逃げて3着に入った、ラヴェルと同期のクラシック候補。

ルーキーに難しい注文をつけることはないから、中竹厩舎の所属でキャリアスタートの柴田裕一郎騎手を乗せて、小倉で派手に逃げ切ったのが2勝目という馬が出てくる環境を、ラヴェルは活かしきりたい。

あの時とは違う逃げになるかもしれないが…。

新聞を熟読することが、父英光師が騎手現役の時代から習慣化されている瑠星騎手なら、これのいるいないが展開に与える影響を踏まえ、ここ2戦騎乗した2者のアプローチから、最適解を導き出してくれるはずだ。

強いというほどの相手ではないが、ミッキーゴージャスもエーデルブルーメも時計があるというだけでなく、小倉の消耗戦での実績からも、高速ベースの荒れ馬場で雨の要素も加わりそうな日曜日に、道悪実績もあるので、様々な事情から人気を集めそうな状況にあって、53以下で出られるわけではないラヴェルは、妙味に欠けることで気楽に立ち回れるスタンスを十二分に活かしたいところ。

さすがに、ミッキーゴージャスよりは機動力のある中型では少し目方の少ない牝馬だけに、実績に乏しい道悪も、本質的なポテンシャルでこなして不思議ない。

きれいな馬場を好むことは百も承知で、ストライドが大きい馬でも、時計の限界があるのなら…、という理屈で、それなりに降ってほしいと願う側にこのラヴェルを加えておきたい。

無論、パンパン馬場でも言い訳できる立場ではない。




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