新潟2歳ステークス 2020 結果【回顧＆レース後コメント】｜騎手は想定通り戸崎圭太！

新潟2歳Sのレース結果とレース後コメント

またしても戸崎圭太。

その鞍上は置いておくとしてもパドックから馬格が他の内国産馬と違うのもあったが
3歳からチャンピオン競走で活躍の宿命を課されるサドラーズウェルズ系のガリレオ直系の血筋の馬らしく
奇しくも昨年と同じロイヤルブルーの勝負服が踊る最後の直線となった。

行く気を見せたというほどではないが59秒台のまともな展開で、
外の方の馬に選択肢が多いことを理解した戸崎騎手は
道中、機を見るに敏で内に入れてロードクエストの再現を狙った田辺騎手のブルーシンフォニーも興味深いレースをしたが
それにこずるい競馬をされて直線では一時前に出られてしまっても
直線勝負ではほとんど勝ったショックアクションの独壇場。

戸崎騎手のレース後コメントでもショックアクションのことは
「福永騎手から乗りやすいと聞いており、もっともっと良くなっていくと思う」
とコメントしている。

完成度の高いキャリア2戦の馬の強みか…
柔軟さをもって仕掛ける余裕が鞍上にもあったことで思いの外、最後は弾けた。

終いの3Fは35.1秒であり、先週あたりはもう少しタフだった馬場の質は
9R、五頭連峰特別において記録された45.9-48.0によって
展開相応の上がり時計になりトータルの時計そのものが平準化される、いつもの新潟に戻りかけていた。

ショックアクションは勝ち馬の条件を全て満たしていたか

勝ちタイムにして0.7秒ほど劣る新潟2歳Sは
例年ならば、もっと高速の上がりを求められるわけだがそれほどではない。

しかし、
イメージではもっとタフな感じであったにも拘らず、
メンバー中最も総合力と完成度で群を抜いて上位であると示したショックアクションは
道悪で勝ち上がってきた上位人気馬同士の争いで、圧倒的なスピード示したことになる。

トータルの時計では例年通りくらいになっていた。

1:34.6はハープスターやヴゼットジョリーらと同格で
昨年のウーマンズハートよりは馬場差を考えると、単純に4馬身差程度の力の差を時計で示した形。

2歳戦における時計という概念は
ぶっちぎりなのに誰よりも楽をしていたという感じの
マルゼンスキー、グラスワンダー、昨年のコントレイルなどの超例外は除いて、
平均点レベルの時計の中で優劣を競うことが望ましいとされる。

時計があまり速くなかったからハープスターは桜花賞を制し、凱旋門賞にも行けたわけだ。

ほぼ同タイムのショックアクションの未来は、
他馬の完成度合いとはまた別次元で自力で切り開いたという自信を胸に、今後展望できる権利を得たと言える。

新潟2歳Sのレース展開

左回り実績が重要という近年の傾向が出たような直線の攻防は
先に動くべき場面で動けたブルーシンフォニーの2着で決着したわけだが
パドックでミストと距離を置くように人工の霧を気にしながら歩く姿が妙に目についたが
前に壁という課題を新馬戦で克服した点で、他の9頭には力の差を示した格好。

しかしまあ、乱戦で台頭というほどのタフさはまだないから
そうそう勝ち馬に並ぶことは難しい。

本当に器用だったのは、流れに乗っても直線で待って仕掛けられたショックアクションの方である。

大いに期待のフラーズダルムは正直言って暑すぎることも折り込んで
体の緩さまではなかったが無理に仕上げる作業を断念したような作りだった。

大いに結構。

そもそも、決め手で勝負の馬ではないからうまく立ち回っていたとしても
ショックアクションの餌食になっていただろう。

プラス体重が問題なのではなく、
まだ追い込むようなプロセスまで踏めないのだから新馬戦楽勝の馬ほどその辺りは慎重になる。

そこまで考えて、まずは順序に従って今度は差す形を試した。

新潟2歳ステークスの結果まとめ

結果的にそうなった面はあるが
何だかんだで完全に圏外のようなところから上がり2番手で3着だから、
ポテンシャルは新馬戦で示したそれと同レベルのパフォーマンスだろう。

今すぐ世代のトップレベルとガッツリやるのは無理だろうが
春の頃にはすごいパワフルさを武器にする本格派に育っている可能性はある。

その点で、2着ではなかったのか痛いか。

いや、そんなこと小さな話だと言えるくらい大きく育ってくれれば
陣営の目論見通りと後からは言える。

珍しく男馬同士の決着。

しかし、牝馬が全く上位にいない年ほど…、という傾向はプラスに考えたい。

面白い結果であり、
彼らの未来をずっと追いかける意味を我々に与えてくれたことは
本来の出世レースとしての新潟2歳Sらしさが回復した気もする。