関屋記念2021【予想】|過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

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関屋記念2021【予想】|過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 14分

 

関屋記念の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

 

レース名サマーマイルシリーズ
第56回 関屋記念(GⅢ)
グレード重賞(G3)
日程2021年8月15日(日曜)
発走時間15時45分
開催場所新潟競馬場
距離芝1600m
コース左回り
賞金3900万円
レコードタイム1:31.5

 

関屋記念予想2021 - 過去10年のデータ傾向

 

 

軸は中京記念組の振るわなかった面々から選定したいところだが…

実は、誰も気づいていないのかもしれないが、毎年のように荒れ馬場になっている中京記念を使っていた組が、ずっと連対している。

例外は、2013年にレッドスパーダが7歳になって久々の重賞制覇を果たした時に、ジャスタウェイとレオアクティブらここでは上位支持を集めた実力者を一気に負かしてガチガチの結果に終わったという一例のみ。

9年分、中京記念の条件変更によるマイルシリーズ発足のデータがあるところで、初年度も2着馬を出しているくらいだから、関西馬が強いと同時に、安定の中京記念組という構図がはっきりとできている。

 

今年は拡大解釈が必要だから、昨年好走のアンドラステか前走小倉で結果を出せなかったロータスランドを両方押さえるだとか、安定の選択はできない。

勝てるのはロータスランドだろうし、安定感はアンドラステ。

高速馬場だと互角くらいの血統構成。

 

重い血統でも一向にかまわないマイルの重賞において、反応の良さが勝負になってくる。

アンドラステは競馬が上手になってきたが、本格化というより、本質の適性がマイルでは短いのではないかという中京記念の内容に思う。

軸はロータスランドが相応しく、ワンターン実績も上々。

力で好走のアンドラステ推しなら筋は通るが、頭狙いだと辛い。

そもそも、中京記念惨敗馬ばかり来る傾向だから、勝ち切った馬は3頭だけ、ワンツーはなしという部分はしっかりと留意しておきたい。

 

前走東京G1組から狙うには、テーマが求められる

勝ち馬2頭、2着馬は1頭いる。

 

・勝ち馬

 

2012年 ドナウブルー <安田記念10着→ >

 

2018年 プリモシーン <NHKマイルC5着→ >

 

 

・2着馬

 

2014年 ダノンシャーク <安田記念4着→ >

 

来そうで来ないのがヴィクトリアマイルから直行の組で、3歳馬<NHKマイルC>より少ないマジックタイムの3着が1度あったのみ。

今年も決着タイムが速くて、2頭いるが、クリスティもプールヴィルも1分32秒台で強気になれない一方、出し切った感のある好走馬は、昨年のトロワゼトワルのようにガス抜き<中京記念17着を挟んで>を経ているから、どちらも3着以内ではなかったことを味方に、やはり勝ち切れなかったものの好走。

 

速い馬が東京で結果を出して、再び同格の高速決着になる新潟でお釣りを残しているようなことはない。

ヴィクトリアマイル2着後、ドナウブルーは無理をして安田記念を使って、平坦馬場の適性をここで証明した。

約10年を経ているから、もうそのローテは時計のレベルからしてできない。

 

ダノンシャークも不良馬場の安田記念を使われ、ここでは勝ち切れなかった。

当時はまだ同格だったクラレントにうまくやられた結果も、好走馬から狙うべきではないという傾向は踏まえるべき。

速いソングラインは51を味方につけるか、快時計決着の反動をもろに受けるのか、何とも言えない状況。

ならば、戦う体制を万全に整えられなかったカラテ<安田記念13着>の方が狙い目か。

 

条件戦勝ち上がりの縛りは、超優良重賞の関屋記念ではフェアに扱いたい部分

東京や中京の準オープンであれば、かなりの高確率で好走する馬を出せるという機能的な面がある一方、他の競馬場での記録、前走で阪神や福島などの準オープン勝ちを決めた馬が出てきたこと自体が少ない。

本当は、勢いがあれば問題ないのかもしれない。

マイルの特別戦を連勝していた馬がどれだけいたかという、関屋記念の記録はすぐには出せないが、右回り時代でも条件戦上がりの馬がいきなりオープン馬を圧倒するような歴史もある。

 

近年の記録はヤングマンパワーという、重賞を勝っていたにもかかわらず、4歳夏に降級して、しっかり勝ち上がってからの連勝の記録が主なものとして挙がるのみだが、中京記念がまだ2000Mだった2011年には、阪神のストークSを勝って2着に入ったエアラフォンの好走例がある。

自分から勝ちに行くという姿勢が重要で、春の重賞をいっぱい使ってきたグループは、どうしても伸びしろを失ってしまう。

 

今年唯一該当のグランデマーレは、元はデビュー2連勝で、コントレイルとホープフルSで当たっていたら、少なくとも神戸新聞杯のような結果に終わらなかっただろうという馬。

候補として十分だが、古馬戦で3戦のみのキャリアでオープンはその1戦のみでは、スケール感だけで買うしかない。

信じるか否か。

考えようによっては、珍しい休み明けローテでの成否にこそ、この馬の可能性が反映されるのではないとかと見立てることもできる。

 

関屋記念予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

 

−走る馬だからこそ、スピード違反で捕まったような快レコードの2戦目に、彼の全てが詰め込まれている−

 

 

グランデマーレの血統

 

 

ロードカナロアの優秀なところは、ほぼ同時代に、ドバイターフを足慣らしで制したアーモンドアイが現役のうちに、ゴールデンシャヒーンで猛然と追い込んで2着というレッドルゼルを出した点。

自身はスーパースプリンターだったが、キングカメハメハ×ストームキャットなのだから、長距離戦は早い段階では適応しきれないにしても、少なくともスピードレースにおいて、トラックの特異性でもない限りは、芝もダートも差異なく、自慢の馬力を継承した産駒たちがよく駆ける。

 

ロードカナロア×ネオユニヴァースのグランデマーレの配合からは、代表馬はあのアイビスサマーダッシュ勝ちのジョーカナチャンであり、グランデマーレと同等レベルのパフォーマンスというと、2200Mで全3勝のニューポートがいる。

すでに、出世するパターンがその配合の通りに場合分けされ、どうなるかはキングマンボ系らしく、バラつきがある。

 

キングマンボにハイペリオン系が母母父に入ったジョーカナチャンは、ネオユニヴァース的な狂気をスプリント能力の特化に活用した格好で、大いに新潟で輝いた。

この馬は他ではダートしか勝っていない。

 

芝で1800→ 2000→ 1600×2で4勝、成功パターンのベスト条件は後ろ倒しのキングマンボの系統の特性からも、父が晩年完成されて万能になりつつ、スプリントでもっと強くなるようなことはないにしても、古馬になって、ましてや成長期を走らずに済んだグランデマーレは、夏から秋までゆったりローテを繰り返すことで5歳夏に完成形を示したロードカナロアのように、もっと才能を伸ばせる可能性を秘める。

 

母母父クロフネは、ソダシとスリープレスナイトとカレンチャンを別個に出したスピード型種牡馬で、むしろ、競走馬時代よりずっとパフォーマンスのブレが補正された印象もある。

何でもこなせるわけがない競走馬にとって、得意ゾーンでの強さというのは重要。

可能性の拡大に絶対能力の指標は、若い馬ならば、それはクラシックディスタンスとなるが、完成後はそれぞれの持ち場へと展開される。

距離をこなせるものとする考えは日本的すぎて、その得意ゾーンの同距離をいくつも使うのが主要国の理想とする番組作りが、わが国では不完全であるので、中長距離は一緒でもいいが、短い距離は数少ないG1を春と秋に全力で戦うのみしか、一流馬には選択肢がない。

 

ただ、高速過ぎる芝であるとすると、それは合理的に無理をしなくていいともできる。

クロフネとロードカナロアは時代を超え、スプリントベースのハイレベルマッチに適した高速競馬を得意とする。

バランスのサンデーサイレンス<母父がその直仔のネオユニヴァース>であるから、マイルは当然得意であろう。

万能なのはネオユニヴァースも同じだから、ダートもそれぞれ守備範囲とするとき、芝のマイル重賞で本格化の試金石とする考えは、極めて合理性に富んだ判断である。

 

関屋記念予想2021 - レース展開と最終予想

 

 

グランデマーレは活躍するはずと思われた、世代の才能上位と目された期待馬だった。

2戦目の中山・葉牡丹賞<1勝クラス・芝2000M>は、関東遠征初経験で、ミドルラップとは言い難い1000M通過59.7というクラシックトライアルでも滅多に出ないハイラップを自ら進んで番手追走から、直線は一気の抜け出しで1:58.9で勝ち切っている。

 

この世代。その時点までは才能の宝庫とされ、勝ち馬は皆エース級に育つと思われていた。

何しろ、2週前の東京スポーツ杯でコントレイルが、1:44.5という、毎日王冠でも優秀とされるタイムで独走している。

この時点で、対抗することは難しいと思ったライバル陣営はかなりいたとされる。

唯一、それに対抗しようと試みたサリオスは、「東京で1:32.7→ 阪神の朝日杯で1:33.0」という高速マイル踏破の金字塔を打ち立て、続く皐月賞でコントレイルやサトノフラッグが人気になった際も、最も強いのは彼だという評論家も多くいた。

現状、虚しき元2歳王者があられもない姿で晒し続ける完全不調期に突入中だが、いくら速い馬でも、毎度休み明けが通用するデュランダルやアーモンドアイのようなキレ者は少ない。

鈍重ではないが、完成はさすがにあり得ない2歳期に激走の反動はあるし、クラシックも頑張りすぎたが、普通のローテを組んだ時、いきなり変わり身を見せる可能性はある。

 

グランデマーレは、そうしたあり得ないことをしてきた馬たちとは、あまり当たってこなかった。

一応、期待していたからこそ神戸新聞杯を休養明けの初戦に選択したわけだが、たまたまやる気のあるメンバーと、誰よりもやる気のない<競り勝とうという闘争心がそもそもない>コントレイルを取り巻くようなタフな環境で、やや場違いなもう一頭の無敗馬という感じで、きっと走りにくかっただろう。

続く自己条件の東京でも競馬にならなかった。

調子の問題ではなく、勝負を挑む過程というかその段取りに、やや型通りに<G1等のスケジュールに合わせすぎたという意>レース選択をしてしまったがためのことで、こういう失敗は勝負の世界では日常茶飯事。

 

一息入れて、年明けからは今度は今まで得意ではなかった相手のリズムに合わせた競馬を、初のマイル戦でこなして連勝のだから、全く問題はなかったということになる。

そもそも、クラシックには縁のなかった才能であったというだけのこと。

今、精一杯走ることで、自分のプライドを取り戻すグランデマーレを見て、ファンや関係者は多少なりとも嬉しくなったりするものだが、オリンピアンやメダリストになったトップアスリートたちにも、不思議な力があって、それに呼応して何だか内なる感情を心地よく引き出してくれた。

 

コントレイルやサリオスは少々自己顕示欲のようなものが乏しいので、頑張るとか力を込めるとかそういうことは苦手な類であったはずだが、ここで完全なる自信を勝ち取ったグランデマーレが登場することで、ライバルとなり得る他の陣営の考えに変化が出る。

あの時はああだったが、それがどうなったのか<進化したのか大きく後退したのか>、ということには結構敏感なトレーナーは多く、キャロットファームの所有馬なのだから、その他数多存在するこの路線におけるタレントの進路選択にも影響を及ぼすことになる。

 

今は完全に、ソングラインに興味が集中してしまっているわけだが、激戦のマイルG1のあと、半端な休養でややスプリント志向も強めの母系の作りからも、よもやの大敗からやっぱり強いと思えるような直線の抜け出しまで、全方位の可能性を秘める姫君の今回のパフォーマンスに悩むくらいなら、こうした確かな進展を着実に見せてきた古馬に、一票を投じてみたいと思うのである。




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