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ユニコーンステークス2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 13分

 

ユニコーンステークスの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第28回 ユニコーンステークス
グレードG3
日程2023年6月18日(日)
発走時間15時45分
開催場所東京競馬場
距離ダート1,600m
コース左回り
賞金3,700万円
レコードタイム1:33.5

 

ユニコーンステークス予想2023 - 過去10年のデータ傾向

1番人気が急に飛ぶようになった

過去にこのレースの着度数表の中で、最も顕著な例として挙げた上位3番人気以内の馬の圧倒的な強さを記した後、つまりはここ2年に関し、昨年のリメイクは仕方ないとして、ラペルーズという一応候補になるだろう青竜S組のヒヤシンスS勝ち馬が消えたことで、単純な図式が崩壊、連続して7番人気が制し、伏兵が軒並み台頭の大波乱が続いた。

2020年はヒヤシンスS勝ちのカフェファラオであり、その前が後にかしわ記念を制するワイドファラオ、前走初負けの2歳王者のルヴァンスレーヴがまたその前で…。
大物の登場がなくなったとするより他ない。
否、いくらか地方勢に押されるようになった交流G1の構図も、この辺りから頻度が増していった。

本物のダート馬ならば、大井で強い馬よりも、カフェファラオやルヴァンスレーヴなどのように、東京マイルで決定的な力を若いうちに示し、後々、渋さが出てきたとすれば、経験値で深いダートの地方で結果を出せばいいのだが、そうした馬さえも出てこなくなったということ。
ペリエールは洋行帰り。全日本2歳優駿はハイレベルだったが、オマツリオトコは距離がどうか。
レーンのいない堀厩舎のワールズコライドはどうなる…。怖い馬ばかりであるが、消える根拠まで示せない。

何はともあれ、ゴールドアリュールを買うかどうかから始まるレース

ザックリ言うと、勝つか消えるか。
昨年のペイシャエス、王者に育つゴールドドリームやサンライズノヴァに加え、快速決着の古馬戦に出走歴のあったレッドエルヴィスも同じ。
ペイシャエスはエスポワールシチー産駒だから、父父がゴールドアリュール。

連続年の波乱でも、ここに何かしらのヒントがあるなら、そこを軸に捉えればいい。
爆速女王になりかけているニシノカシミヤが候補に挙がるが、これまでのパターンにはない母父であり、消える方に賭ける年になって不思議ない。
コパノパサディナやカレンアルカンタラ辺りは大穴で面白いが、ハイペース必至で、化け物を見つけたら信じる方向でいいが、筆者にはそう見えていない。

園田・兵庫チャンピオンシップの前走内容は基本的にノーカウント

ベストウォーリアとゴールドドリームが勝っているが、前走2着馬の共通項はありながら、勝ち馬から大きく離された完敗。
勝ったのが前者はコパノリッキー、後者もケイティブレイブ。
相手の適性が上回り、距離適性で順当に巻き返してきた、東京実績のある人気馬であった。

東京では勝っているが、目下砂の暴走王から真の王者になりかけているミトノオーさんから15馬身以上突き放されてしまったサンライズジークは、どういう評価に落ち着くか、今のところ読み切ることが難解な立場。
東京の結果最優先のレースであるから、前走で勝って目立つよりも、サンライズノヴァのように京都で軽く躓いてから、堂々の巻き返しの図の方が、しっくりくるという面はある。

昔よりも春の東京の1勝クラス組は、全体の育成過程の前倒し傾向<クラシック出走馬の多くは夏デビュー>の影響で、必ずしも、結果が実力と反映しないことが多いから、2月開催までの東京で結果の出ている組が当面の狙い目。
一昨年の大波乱の立役者であるスマッシャーや、最近芝で甦ったサヴァなども夏のデビュー。
キャリアがいささか多すぎるサンライズジークではあるが、ムラにもほどがあり、超穴血統の背景を武器に、自分の庭と思われる東京で激走してきて不思議ない。
ラフエイジアンに関しては、彼との直接対決は力負けであったことで、予測される高速馬場で勝負付けは済んだとして、サンライズがいないならという時だけ押さえたい。

ユニコーンステークス予想2023 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

今後生まれ変わることになるユニコーンSが、中央のダートダービーとして生き残れるか、大いに見もの

サンライズジークの血統

母プロヴィナージュは、秋華賞の3着馬。
ところが、芝で初勝利を挙げるのは、その一年後の福島、それも旧1000万特別であった。
ダートで2勝、川崎の関東オークスで好敵手であるユキチャンに完敗も、共倒れのシリウスSから一転、人気者の彼女と一緒に秋華賞へ中1週で挑み、より人気薄、16番人気のプロヴィナージュは、勝ったこれも超伏兵のブラックエンブレムに置かれることもなく、強気スパートでの3着。
人気にならないのは当然、ラジオNIKKEI賞では、それよりはいくらか軽いメンバーだったはずだが、初芝とはいえ、9着に終わっていた。

一応、5歳になって本格化し、旧朝日チャレンジCや京都大賞典など、明らかに格上の牡馬がいるレースで好走をして見せたが、以降は燃え尽きるように、結果を残せずに引退。
このサンライズジークは、その5番仔。

上にはルーラーシップ産駒で3勝、大井で4勝のメンターモードという掴みどころのない男馬がいて、つい先日の名古屋でも走っている。
似たような感じの怪しげな性質を秘めるこのエピファネイア産駒も、母同様、はみ出し者になりつつあるが、父とも母とも違い、東京のダート1600で良績があるという点で、本格派への道のりを進もうとしているその過程に今ある。
エピファネイア産駒はダートではからっきしということも多いが、5歳のエフフォーリアと同期のジャスティンカフェが素晴らしいエプソムCを見せてくれた翌週。
モーリスから早くも乗り換えのロベルトチェンジを選択の筆者は、今度はジャスパーバローズ・モーリスの仔 にやられてしまうのだろうか。
このサンライズジークは、今はダートで好走を続け、未来に芝への希望を残すための高速走破を目指したい。

鮮やかな東京1600での2勝の内容に対し、右回りは芝もダートも大敗という、園田の結果を振り返るまでもなく、明らかに選り好みの傾向で顕著な面が見られるこのサンライズジーク。
東京では奇しくも、1000M通過がいずれも58.3秒で、いずれも平場の目立たないレースであったにもかかわらず、少なくとも同期のレースなど比べても、濃密な展開を経験し、未勝利戦では1:36.6・稍重、1勝クラスであると1:35.5・重を、逃げ切りと好位抜け出しでの快勝を決めている。

恐らく、それだけのキャリアであれば人気にもなるが、前走の兵庫チャンピオンシップは、独走は当たり前となってきたミトノオーに対し、良馬場で2.8秒の大差も大差をつけられた惨敗。
芝2戦は直線での動きが鈍く、オープンファイアやエエヤンが豪快な競馬をしている裏で、密かに内の方で伸びあぐねていた。

 

ユニコーンステークス予想2023 - レース展開と最終予想

他のダート戦は、お試しに近い2戦目の初ダート戦が中京で好位抜け出しの2着。
結果、早仕掛けのガス欠だったが、タフな同一開催2戦目で、ペースも速かったから、エピファネイア産駒への期待もあっての正攻法に、一定の理解はできる。
ただ、園田とは違い、雨で渋った馬場、それも外枠からのレースで敗れた、最初に2勝目をかけた小倉のレース内容は不可解。
一転、差しの手に出たのは藤岡佑介騎手らしいとも言えなくはないが、明らかに先手主張の巧者の候補のような面々が多数出ていたレースで、東京正攻法の勝利から一息、大幅体重増で動きも悪く、結局、早めに好位に押し上げた時に馬込みに入ったことで、直線で呆気なく一本調子なリズムで走る気が失せていたような面もあった。

直後の東京での変わり身、体重は減ったが、今度は初勝利の時と違って、デムーロ騎手は外枠からじっくり仕掛け、ただ件のハイペースには合わせて、ライバルとの追い比べに持ち込み、最後は経験の差で突き放した。
シンボリクリスエスもその仔で父が2度とも敗れたジャパンCを独走のエピファネイアも、その産駒は、あまり砂巧者とならない傾向は知られるが、どの道、道悪巧者にはなる。

ダート向きだったとはいえ、シンボリクリスエス産駒で珍しくダート専門になっていったサクセスブロッケンは、ジャパンダートダービーも4歳時のフェブラリーSも高速のレースを力で制している。
唯一、4歳暮れに枯れかかった時期に制した東京大賞典のみ、良馬場で制した唯一の重賞競走となったが、虫の知らせとでもすべきか、以降はついに往時の輝きと取り戻せず、代わりに誘導馬として脚光を浴びることとなった。

エフフォーリアもデアリングタクトとも、最初のタイトルは急坂が直線に構える道悪のクラシック第一冠。
いずれも無敗での勝利。神が味方していたのは、最後の3歳タイトルが高速の不良馬場という難解な一戦を有無を言わさぬ道悪適性で独走した父エピファネイアと同じであった。

良馬場回復は想定内の予報ながら、例年通り、しっかりと梅雨時の降雨量を一定レベルで担保されたこの週末。
大波乱連発でも、昨年の良馬場でも1:35.2と高速決着。
その昔のアグネスデジタル全盛期の頃にフェブラリーSを制したタイムとそっくりで、同様に芝ダート双方で結果の出ていたヴァーミリアンやモズアスコットらが、この同じ舞台で良馬場であっても高速の決着タイムに持ち込んだ際のタイムもそのくらいのタイム。

ペイシャエスにも期待であるが、その前の重馬場を1:34.4でスマッシャーが制した後、わずかにそれに遅れたサヴァは、今年芝で勝ち星を挙げた。
まだ若い3歳馬。
適性を超越してくる可能性は大いにあり、こうして、往年の名馬と同じくらいのタイムでオープンなり立ての若駒が駆けられるのなら、十分に、そんなサヴァのような変わり身が見られて不思議ない。
サヴァはスカーレットブーケの一族でアイルハヴアナザーの産駒でダート専門だったが、桜花賞3着・ダイワルージュの孫でもある。

エピファネイアだからダートがダメと言えない一方、芝で全く勝負にならないわけではないことを、早くから、この路線では恒常的に高速になる東京マイルのレースで、すでに高速競馬の適性を示すサンライズジークは、不思議な経緯を辿った母プロヴィナージュと似たように、古馬になって大変身を期待できる大器でもある。
矢作調教師は色々な策を講じる寝業師の顔を覗かせたりもするが、6歳になってフランケル産駒のモズアスコットをダートに下した<その背景はもっと複雑なのだが、明確な成功の根拠はあった>くらいで、まずは結果の出る舞台で賞金を加算し、いずれは…。
5歳になってから、オーストラリアの芝中距離G1で勝つための準備としては、このダートの出世レースであるユニコーンSはうってつけ。

タイキシャトル、アグネスデジタル、ワイドファラオ、筆者の期待ほどは走らなかったが安田記念2年連続参戦のミスターフェブラリーS・カフェファラオらが歴代の大物勝ち馬に名を残してきた。
今後の位置づけはどうなるか不明、新潟か中山戻りかも不透明の東京ダービートライアルに生まれ変わるこのユニコーンSは、大きな歴史の転換点で、どのような最初のピリオドを迎えるのだろうか。
近年の波乱傾向に乗っかりつつ、本質、兼用馬歓迎のユニコーンSとして最初の最終回になることを期待する。




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