朝日杯フューチュリティステークス2014 予想
先週は、滅多なことでは追いかけるべきではない新馬1戦のみの期待馬をみんなで応援して、ものの見事にスタートからがっくりという競馬になってしまったが、今週は1勝馬でかつ本賞金加算ができていない馬は出てこれなかった。
そこで前走の時計と内容で期待が高まるのが、今週も注目される前走東京組。2頭とも1600を勝ってきた。
秋の開幕週初日に行われたいちょうSの勝ち馬クラリティスカイは、この阪神で行われた1800Mの未勝利戦を圧倒的なパフォーマンスで制して、返す刀で東京遠征初戦もレコード勝ちで、一気に世代のトップホースに名乗り出た。
ハードローテと休息を繰り返し、今回は休みを挟んでの参戦。また遠征で減らした体が、仕上げた分なのか無理使いの反動なのかが判明する競馬になる。
もう一頭が、ショウナンアデラとも共通点の多いベゴニア賞を勝ったダノンプラチナ。
34秒台前半の時計で快勝し、1番人気に応えた上に鞍上、調教師ともこの条件に縁のあるコンビというのも大きな後押し材料だろう。
課題は先週の勝ち馬と似たようなものだが、血統面でこちらの方が少しアメリカ指向が強すぎる牝系である点が玉に瑕か。
どちらも有力馬。人気も当然集まるはず。三冠馬の下や札幌チャンピオンといったチャンピオン候補もいるが、上記の2頭がコケたから即台頭というほど、この競馬は単純ではない。
その証しが、2歳世代1番人気の重賞勝ち馬がこれまで皆無という事実。
ファンの見立ては、多様であって然るべき一戦である。
新コンビがどういう化学反応を起こすか未知数だが、誰も気にしないだろう存在になるなら、武豊の馬は怖い。
彼はスプリンターではないと思って、アクティブミノルを中心に狙いたい。
鞍上は、最近何故だが2歳GⅠで距離がもたないだろう馬ばかりを駆っている印象があるが、ちょうどこの時期に走れそうな馬が夏の活躍馬ばかりだったというだけのこと。
アクティブの母方には、アグネスタキオン、キングマンボ、ラーイなど、中距離型のチャンピオン級を送りこんできた大種牡馬が居並ぶ。単調であろうとも、距離は問題ではないはずだ。
父はスプリンターを多く出すタイプではあるが、サングラスのような芝の中距離で大穴をあける曲者も出ている。
前走は、勝ったセカンドテーブルにハナを叩かれ、内枠だったせいかリズムを作れず、勝ち馬から4馬身ほど離された6着。完敗だった。
が、連闘後の休み明けで、初の本格的な遠征競馬ではこれも致し方ない。クラリティのようにはうまくいかなかったが、こちらも初勝利時は、大レコードに0.5差で前後半のラップを34.9ずつ秒でまとめる逃げ切りを決めている。
こういう馬は、先行するのがスタイルにはなるが、粘り強く折り合わせればバテない末脚を武器に加えることは可能だ。差し馬人気なら一番匂う存在。ペース次第で自在に立ち回るのが、武豊の真骨頂。狙う価値はある。
阪神外回り1600の重賞はスプリント重賞馬には鬼門。後にスプリンターSを制したような馬でも勝てていないことを考えると、大分割引が必要ではあるが、今夏ローブティサージュが北の1200重賞で連続好走した。
彼女も中距離血統の短距離型に成長した。即ち、アクティブミノルにも同じことが起こり得るのだ。
消耗の少ない重賞馬が、誰よりも有利に立ち回れるのが若駒の重賞レースである。