2020年朝日杯フューチュリティステークス 予想

朝日杯フューチュリティステークスの予想と最終追い切り後の登録馬診断をしていきます。
優先出走権を手に入れた軸となる有力馬や消去すべき牝馬、そして狙い目の穴馬を分析!
 
歴代の優勝馬に共通する傾向や外厩情報などもシミュレーションしながら予想オッズをチェックしつつ、勝ち馬のサインを見逃さないように過去配当を超える払い戻しが想定される激走馬をピックアップしていきましょう。
 
レース名第72回 朝日杯フューチュリティステークス(gi)
グレード重賞(G1)
日程2020年12月20日(日)
発走時刻15時40分
開催場所阪神競馬場
距離芝1600m
コース外回り
賞金7000万円
レコード1:33.0
 

朝日杯フューチュリティステークス2020の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)

 
枠順出走予定馬騎手斤量(負担重量) 馬体重(前走)
1カイザーノヴァ池添 謙一55462
1グレナディアガーズ川田 将雅55456
2ショックアクション戸崎 圭太55490
2ビゾンテノブファロ山田 敬士55478
3ドゥラモンド武 豊55468
3ブルースピリット藤岡 佑介55490
4ステラヴェローチェ横山 典弘55502
4レッドベルオーブ福永 祐一55468
5アスコルターレ北村 友一55444
5テーオーダヴィンチ浜中 俊55492
6ジュンブルースカイ岩田 康誠55428
6バスラットレオン坂井 瑠星55482
7ホウオウアマゾン松山 弘平55498
7モントライゼC.ルメール55496
8スーパーホープM.デムーロ55510
8ロードマックス岩田 望来55444
 

朝日杯フューチュリティステークス予想 - 過去10年のデータベースと傾向

 
 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
G2勝ち馬<G3勝ちでも統一>2回3回2回8回13%33%47%
G3勝ち馬2回0回2回20回8%8%17%
 
今や、若駒は追い込まないで使っていく方針が一般的。
 
G2で派手に勝つより、昨年のサリオスのように余裕ローテで、根幹距離重賞を力で制するようなキャリアアップの方が、今後の展望でも伸びしろを残すことに繋がる。
 
見た目は安定しているG2勝ちの馬より、1勝クラスの特別戦を勝ってきた馬などを選別した方が、よっぽど理に適っているのだ。
 
また、別の傾向として阪神に変更されてから中距離ベースの馬が活躍しているのも事実。
 
簡単に話をまとめると、クラシック血統で左回りのマイル戦を強い勝ち方で、なおかつ、今後は1800M以上のクラシックへ向けたレースに向かえるような距離適性の幅を持っている馬が、かなり有利になった。
 
マイルまでの距離実績を、タフなハイペースの凌ぎ合いで、力強く時計を短縮して勝ちに出る…、という中山時代の雰囲気は一切ない上に、期待通りにクラシックに繋がりそうな雰囲気を醸し出せている。
 
無論、前よりずっと、リオンディーズのような中距離適性で勝負できるフレッシュグループに有利なスケール感で迫る伏兵の存在を、無下にすることができなくなっている。
 
 
 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1勝/1600以下未経験<過去6年分>1回1回0回4回17%33%33%
 
 
この数字。阪神開催分に絞ったから少ないのではなく、マイル経験をしていないと括ったから、こうなった面もある一方、新馬戦を勝っている馬は有利と出ている。
 
中山時代でも、こういうキャリアの積み重ね方は不利ではないとされてきたし、本質はマイル以下に向いている馬でも、1800未満未経験の馬は多く好走してきた。
 
連に絡んだ2頭は、新馬を勝っている。ここにチャレンジできるスペースがあるとできる。
 
 

かつて時代を制した名馬たちの孫世代が活躍する時代に移り、様々思い入れが交錯する一戦となる!

 
今回は色々と、感傷的になってもいいのかなと思うレースだ。
 
シンボリクリスエス、スイープトウショウらが相次いで天国に行ったと知らされただけでなく、ようやくというか、あのエビショウさんが念願の調教師試験をパスしたという話も伝わってきた。
 
今年の朝日杯は、牡馬のチャンピオンを決するレースにしては、様々な系統が混在しているから、競馬トピックスに左右されるまでもなく、色んな思惑が入り混じるのは当然であろう。
 
*新種牡馬

  • ドゥラメンテ<3頭>
 
  • モーリス<1頭>
 
 
#サドラーズウェルズーガリレオ系
 
  • フランケル
 
  • グレンイーグルス
 
 
☆ディープインパクト系
 
  • 直仔<3頭>
 
  • 孫世代<キズナ 2頭>
 
 
!その他のサンデーサイレンス系
 
  • ダイワメジャー<2頭>
 
 
  • ミスタープロスペクター系
 
〔キングカメハメハ系/直仔 1頭  孫世代(リオンディーズ 1頭+ドゥラメンテ 3頭)〕
 
<プリサイスエンド>
 
 
あとは、バゴ<ブラッシンググルーム系>、インヴィンシブルスピリット<グリーンデザート系>、マジェスティックウォリアー<シアトルスルー系>という構成。
 
☆ディープインパクトの孫にあたるキズナの産駒が、重賞未連対の1勝馬で抽選の対象になっていたから、重複するような登録をしたバスラットレオンのような、実際はそこまで本気の狙いでなかった馬もいたりもしたが、当のバスラットレオンはというと、好スタートという武器を中距離戦で持て余しているような連敗のないようにも思えるから、目先を変えることに価値があるように感じる。
直仔の代は、当然の実績を引っ提げて、堂々の参戦となる。
 
 
・キングカメハメハ系だって、直仔もガンガン走っているが、最近、G1で大きく期待されていたのはロードカナロアのツートップの方。
いいことも悪いことも、色々と背負わされるのは、キングカメハメハの血を受けるが故の宿命に他ならない。
ドゥラメンテは血統面でロードカナロアの上を行っているのだから、それ以上の期待がかかる。
 
 
 
 

朝日杯FS予想 - 荒れるレース展開を想定

 
左回りの注目戦は、新潟では外国産馬でフランケルと同じガリレオを父に持つグレンイーグルスの仔・ショックアクション、酷い馬場であり得ないところから追い込んで10月の東京開幕週を完勝のステラヴェローチェは、何の因果か、またしても須貝厩舎から登場の才能で、凱旋門賞勝ち馬のバゴを父に持っている。
 
21世紀に入るかその直前辺りから競馬を見ている人は、記者であれば、恐らくは30代からとなるから、知っているとなれば、皆が多感な時期にその直系の種牡馬<当時の名競走馬>のことを熱く語りだす。
 
そうなるとみんなが好きなことを言い始めて、TTG<テンポイント、トウショウボーイ、グリーングラス>、シンボリルドルフとミスターシービーの現役時代もカバーする、各紙の重鎮たちがまだ青いなと呟くが、21世紀になって20年目がもう終ろうとしている。
 
立派な競馬ジャーナリストになり、名指名の末、大魚を得た記者も多いだろうが、そういう嗅覚の働きが経験に基づくもととなっていたとすると、もうベテランの域である。
 
まるで朝日杯の予想の関係ない話だが、あの馬のおじいさんは、母方に入ったこの馬は…、などと話し出す予想の数が頻発するような気がする。
まるで縁がないようで、バゴもグレンイーグルスも、全く関係のない西洋のタイトルホルダーにあらず。
 
日本に競走馬として登場後、種牡馬入りして活躍馬が今また増えているバゴは、著名な存在であって当然として、では、グレンイーグルスが最後になぜBCクラシックなど使ったのかというと、それは祖母の産駒にあのジャイアンツコーズウェイがいたからだ。
 
結果的にどちらも北米圏のトップホースとのダート決戦では敗れたが、どういうわけだか、グレンイーグルス最初の明白なステークスウイナー第一号は、日本で走ることになったショックアクションだった。
 
フランケルもいきなり日本で活躍馬を出したが、全く合わないサドラーズウェルズ系…、という印象はもう古いのかもしれない。
 
 
考え方は色々あっていいはずだ。
 
そんな勝手な理屈をこしらえて、あえて、この距離で狙いたいのがバスラットレオン。
 
完全にドツボにハマりつつあるが、前走の結果で気になる点を、主に二つあったその両方を一気に、好結果へと昇華させる武器に変えられたならば、きっと、この混戦模様の一戦も勝ち切れるのかもしれないなと思った。
 
個性派があまりにも多い一戦。
 
今まで忘れかけていた、京都2歳S組の優秀さを再び取り戻してもらいたい。
 
 
京都とは名ばかりの阪神で行われた前走の2歳Sは、何の問題もない先行ポジションの位置取りだったが、ペースに対する反応が今一つだっただけではなく、+20kgのイメージに合致するような作りで、季節の影響と休み明けの死角、どうしても若馬だから追い込んでしまっては元も子もないという時期だからこそ、しっかりと仕上げる段階には入れなかった可能性を感じさせた。
 
筆者は、初めての直線の急坂も問題ありとしたのだが、それは必ずしも、的を射た見解ではないような気もしていた。
 
矢作調教師はこの馬の才能は認めながらも、確実に勝てそうなところを常に選んでいるという感じでもない。
 
むしろ、レースを使うことによって得られる経験値によって、自ら成長を遂げていけるように心身の鍛錬をアシストしているようにも窺えたりする。
師も決して、若い競馬人ではない。
 
連闘も積極策としてではなく、案外、やることが少ないから馬に負担がないとするのが、理に適った戦略とするような人。
 
言わば、大昔に2度連闘でG1を使わせたシンコウラブリイで、最後の最後にドロドロ馬場のマイルチャンピオンシップを制した藤沢和雄調教師のようでもある。
 
大昔ついでに、中山時代の朝日杯は、時として、長くその前哨戦に使われてきた京王杯、デイリー杯両G2に加え、まだ重賞になるなんて誰も思っていなかった京都2歳Sからも、歴史的名馬が連続して勝利して2歳王者になったことがある。
 
1頭はナリタブライアン。
 
チュウワウィザードに感謝する大久保龍志調教師のご尊父である正陽調教師の育てた、史上最強クラスの三冠馬である。
 
以降もアドマイヤドン<この馬の母ベガ、アドマイヤムーンを育てた松田博資厩舎>、エイシンチャンプ<オグリキャップ、メイショウサムソンの瀬戸口勉厩舎>らが今世紀に入ってから制している。
 
そもそも、そんなところから負けた馬が出てきても、消耗激しく、また中山のハイペースで一変なんてまずあり得なかったわけだが、ローテ上の不利はもうない同じ関西圏の中2週で、すでに様々な展開を中距離で経験するバスラットレオンにマイナス要素とならない。
 
半ば迷いながらの参戦は、意外とうまくいくことが多く、3歳秋までの限定戦などはよくそういう馬が快走してきた歴史がある。
 
出来ることならば、ホウオウアマゾンやカイザーノヴァに期待の師だろうが、使いながら様子を見ている感じがするのは、このバスラットレオン。
 
何しろ、ある意味でノープランの面があるのかもしれないのだ。
 
基本線は当然のことながら、昨年のコントレイルが歩んだローテを理想とした、その変化版の適用となるわけだが、一貫していないというよりは、本当の才能がどの程度なのか、実はまだよくわからないのではないだろうか。
 
新馬戦では超後傾ラップを突き抜けた逃げ切りだったが、あまりにもスタートがいいこの馬を、現状で、加減のある中距離戦での好位抜け出しに持ち込むのは、まだ若いからという理由で坂井騎手をディスるのも気の毒なほど、難しい作業なのではないか。
 
才能はあるのだろうが、ここが本来あるべき場所だったとして、まだそれが早かったのではないのか。
 
考え方は色々あっていい。
 
しかし、この馬だけは今後を見据えたステップに、積極的な変更を踏まえた参戦となっている可能性がある。
 
出のいい馬が多いほど、札幌の厳しい経験が活きる。
 
前走時それは全く意味をなさなかったが、道悪経験で一日の長があるショックアクション、ドゥラモンド、ステラヴェローチェと同じくらい、あの新馬戦と一変の展開をがむしゃらに粘り込んだという経験が、タフなマイル戦で還元されるのではないかと思う。
 

朝日杯FS予想 - 出走予定馬の血統分析

 
父がまるで毛色が違うせいで、ちょっと同じものには捉えづらい面はあるが、
 
〔バスラットレオン〕
キズナ<サンデーサイレンス・SS系>×サドラーズウェルズ<ガリレオ>系×グリーンデザート<ダンチヒ>系
<メジャーエンブレム>
ダイワメジャー<SS系>×サドラーズウェルズ系×(レインボウクエスト)×ポリッシュプレセデント<ダンチヒ系>
 
<レシステンシア>
ダイワメジャー<SS系>×デインヒル<ダンチヒ>系×サドラーズウェルズ系
 
<ダノンプレミアム>
ディープインパクト<SS系>×(ロベルト系)×デインヒル<ダンチヒ系>
 
<サリオス>
ハーツクライ<SS系>×(ニジンスキー系)×デインヒル<ダンチヒ>系
 
 
ハーツクライは母母父だが、ディープインパクトもダイワメジャーも母父はノーザンダンサー系で、ここで重複する同系の別の流れをくむダンチヒ系やサドラーズウェルズ系とのコネクションが、早熟性を増させる効果があるのだろう。
 
どの馬も素晴らしいパフォーマンスで、2歳タイトルを完勝している。
 
こういう血のコネクションでいえば、
 
  • アスコルターレ
 
  • カイザーノヴァ
 
  • ショックアクション
 
  • ブルースピリット
 
  • ロードマックス
 
といった面々が、似たような方向性を持っているわけだが、一番近いのは、
 
〔ロードマックス〕
ディープインパクト<SS系>×(シーキングザゴールド系)×グリーンデザート<ダンチヒ>系×サドラーズウェルズ
 
とはいえ、母父の系統がドバイミレニアムだと少々重厚さで見劣るかもしれない。
 
重すぎて、ギアがなかなかスムーズに上がらないので、スピード型だけが残るという構図に対し、変に合理的な配合であると、重みを加えた効果が薄まってしまう。
 
ただ、これでも十分に候補になる。
 
問題は父がキズナであるということ。
 
マルターズディオサが重賞を2つ制しているが、本番向きの性質はこれまで示していない。
 
同じく重賞2勝のビアンフェも、窮屈な戦略を迫られるG2以上の格より、伸び伸び走れるG3の方が向いている。
 
ただ、G3連敗のキズナはそんなに活躍しない可能性もありながら、この産駒には珍しく、中距離重賞で人気になったことがある馬。
 
中型馬なので、今までまるで重厚な配合の性質をパフォーマンスで示していないが、ピタリと条件が噛み合ったとき、とてつもない底力を発揮して不思議ないことは、今までキズナらしくない点と歴代の2歳王者との血統面の共通項から、十分に推察できる。
 
キズナ自身は重賞連敗後、立て直された毎日杯から、一気に3連勝でダービーを制した。
 
同期のエピファネイアは、弥生賞まで先着するものの、以降は2戦とも完敗。
 
地道に重賞勝ち馬を出すキズナに対し、一発大きな花火を上げるエピファネイアとデアリングタクトの関係性は、そのG1でのパフォーマンスの派手さからも、いくらでも読み切れた展開とも言える。
 
互いに頑張っているが、数で勝負するキズナには、高水準という名の壁を乗り越える義務が生じている。