チャンピオンズカップ2015 予想
来る来ないの尺度で単純化して香港のガンピット参戦を喜ばしく思う一方、何が来ても、この特殊なサンド寄りの非ダートのジャパニーズダートに適応できる馬は、今まで、特殊な条件が重なったフリートストリートダンサー以外、まるでお呼びではない結果となっているわけだから、まずダートのレースであるという認識そのものを、オファーをかける側がなくしていかない限り、微妙と言わざるを得ないマイナーチェンジの積み重ねは、日本馬のためにもならないということは記しておきたい。
相手もタダで来日しているわけではない。
勝って元を取れるかと言えば、それはイエスではあるが、芝で得られる、それこそ、インディジェナスやフェアリーキングプローンが一気に名を上げた時の様な、達成感込みの財産は、日本のダート競馬ではまず得られないだろう。
特殊すぎる。
さて、そんな井の中の蛙による争いは、しかし、日本馬の今後にとって、大いなる展望を期待するに足る争いとなることだろう。
一点、速さを競うことにおけるダート競馬本来の価値に対し、3歳馬ノンコノユメまでもが、初の古馬戦、58の酷斤、休み明けの過酷な条件となった武蔵野Sにおいて、1:34.7という確かな数値で、皆を納得させる結果を出すことに成功している上、裏路線組の中央前哨戦のもう一方のみやこSでは、タイレコードで上がり馬のロワジャルダンが勝っている。
昨年の好走馬は揃って顔を出し、その時の1番人気馬・コパノリッキーは、2000Mを2分そこそこで走れる能力を証明した後の不完全燃焼な結果であることを実証するように、今年主要GⅠを2勝している。
おまけに、JBCスプリントチャンピオンのコーリンベリーまでもが参戦。
先行型であるから、当然前に行くわけで、彼女が逃げなかったとしても、その流れは近走のGⅠ競走に伝播するスローペース症候群とは一線を画す展開が予想され、力勝負は必至。
速い馬でなくてもならない。
その成長の一端を、今春ドバイでのリベンジマッチで5着好走という形で示したのが、昨年優勝のホッコータルマエだ。
世界前哨戦の意味合いはある程度までは示せるようになった、日本のダートGⅠ。
展開上、地方で勝ち分ける昨年の有力候補2頭が、今年も絶対視できる立場にないことは、ある意味で、日本競馬の隆盛を世界基準で立証するための戦いであることを暗示しているようにも感じる。
褒めてるんだか、けなしてるんだか。
フェブラリーSは最上級のGⅠであっても、ドバイワールドC好走のためには、余力残しでの快勝が条件になる。
それとは違う、このチャンピオンズC。
芝とは異なり、GⅠシーズンが年をまたぐダート路線において、ここは秋の天皇賞の様な力勝負が期待される。
余力勝負で�はない一戦の趣。
血統面で言えば、かつての東京2100Mでは狙いにくいノンコノユメには、少なからず条件の変化は味方につけられるだろう。
出遅れが当たり前の馬が、不良馬場の大井で、中盤以降追っ付け通しで押し上げていって、通常は楽勝の態勢にあっただろうクロスクリーガーを、最後は2馬身半突き放したのだ。
時計は平凡でも、軽い湿り方ではなく泥田馬場での2分5秒台。経験が上乗せされた分の成長は、秋の前哨戦で十二分に示された。
世界を展望できる一戦。
鞍上ルメールの固定と4戦4勝という信頼感。
展開利を含め、3歳牡馬定量56の不利は、ハンデ重賞に挑むわけではないのだから、ローテの不安を主とする反動のみが気になるだけの段階。
前走はハードワークでも、前に相手がいると燃える馬には、必然の結果。
調子の良さの証と見たい。
同型で同じ関東在住の片棒・サウンドトゥルーの充実も脅威。
大方の見立て通りの流れで、ノンコのポカでもあろうものなら…。大野騎手には、昨年の不完全燃焼に期するところもあるはずだ。
この白枠2頭に、コパノリッキーとカメハメハ軍団をバランスよく絡め、前走くらい走れば十分ここでは足りるローマン、クリノらみやこS組も押さえる。