2020年チャンピオンズカップ【予想】|外枠は有利枠となるか?過去10年のデータ/最終追い切り/登録馬分析

チャンピオンズカップ予想に必須となってくる過去データと最終追い切りの評価をまとめていきます。
これまでの成績や抽選によって選ばれた登録馬の中から歴代の優勝馬と比較してみてダートで激走が想定される鉄板軸馬や消去すべき馬、そして狙い目の穴馬をシミュレーションしてみました。


予想オッズや外厩情報を見ながら勝ち馬のサインを見逃さず、過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。それでは早速、チャンピオンズCの予想をご覧ください。


レース名第21回 チャンピオンズカップ (gi) ジャパン・オータムインターナショナル
グレード重賞(G1)
日程2020年12月6日(日)
発走時間15時30分出走
開催場所中京競馬場
距離ダート 1800m
コース左回り
賞金1億円
レコード1:48.5

チャンピオンズカップ2020の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)


枠順出走予定馬騎手斤量(負担重量) 馬体重(前走)調教タイム脚色
1タイムフライヤー藤岡 佑介57.0kg476kg83.9-66.7-51.5-37.5-12.1強め
1ゴールドドリーム和田 竜二57.0kg530kg51.7-37.7-24.5-12.1強め
2メイショウワザシ高倉 稜57.0kg536kg53.2-37.7-24.4-12.2一杯
2エアアルマス松山 弘平57.0kg498kg53.5-38.7-24.8-11.9馬也
3クリンチャー三浦 皇成57.0kg490kg52.2-38.6-25.1-12.7馬也
3エアスピネル福永 祐一57.0kg494kg53.2-39.0-25.4-12.5一杯
4カフェファラオC.ルメール56.0kg510kg68.7-52.8-38-8.12.7馬也
4サンライズノヴァ松若 風馬57.0kg530kg54.6-39.6-25.4-12.5馬也
5アルクトス田辺 裕信57.0kg542kg51.1-37.0-24.5-12.4馬也
5アナザートゥルースM.デムーロ57.0kg493kg66.8-52.1-38.7-12-1仕掛
6チュウワウィザード戸崎 圭太57.0kg483kg52.4-38.0-24.8-12.4馬也
6モズアスコット横山 武史57.0kg490kg55.2-40.3-26.4-13.2馬也
7インティ武 豊57.0kg511kg81.9-66.4-51.8-38.1-12.1強め
7ヨシオ亀田 温心57.0kg486kg--
8クリソベリル川田 将雅57.0kg542kg54.0-39.4-25.2-12.5仕掛
8サトノティターン藤岡 康太57.0kg584kg68.4-52.7-39.2-13.1強め

チャンピオンズカップ2020の過去10年データ

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
4~9着馬1回0回0回22回4%4%4%
10着以下0回0回1回6回0%0%14%

言っても、中央のダートタイトル戦なので、共通項がないわけではない一方で、もはや、フェブラリーSだけ別物扱いの昨今。


前年の記録と大きく異なるインティのような馬の扱いは難しいようで、極めて単純な傾向がある。


フェブラリーS着外で唯一勝っているのはサンビスタ、3着に入ったことがある馬となると、これがまた2年連続1番人気を裏切ったコパノリッキー。


もはや、説明不要のその路線におけるスターホース。


ここで戻ってくれば、インティもまだまだスターに戻れるかもしれない。


この手の逆襲に期待したいのは、今年だと、サンライズノヴァもいるのだが、前走以上のパフォーマンスを期待するのは厳しいか。


 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
3歳のG1未勝利馬0回0回1回12回0%0%8%


唯一馬券になったのは、阪神時代に重賞1勝の身で挑んだホッコータルマエのみ。


翌年は断然人気、翌々年に中京に移って現在の名称に変わった最初のレースを制した馬。


中央唯一のビッグタイトルで、その伏線を作ったということになると、日本向きの系統に思えない2頭に無理をしてもらっても、嬉しくなるような展開は望めないともいえる。


 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
JBCクラシック勝ち馬0回2回1回5回0%25%38%


一応、全く馬券にならないわけではないので、1番人気で4歳馬と括ったら、ホッコータルマエとコパノリッキーがヒット。
で、これがまたクリソベリルとよく似ていて、帝王賞でも好走して、道悪のJBCクラシックで快走していた。


滅多なことで暮れのG1競走は渋馬場にならないが、ホッコータルマエもコパノリッキーも、中心馬としての競馬はしたものの、足を掬われた格好。


海外遠征の経験というファクターで、どう扱うががポイントとなるから、国内の実績にだけ目を奪われない方がいいだろう。


チャンピオンズカップ2020 - 傾向と対策

1800mのレースであれば、いつものインティに戻れるかもしれない。

逃げ馬のようでそうでない馬もいれば、逃げたいと常に願っている徹底先行型も多く存在する。


武豊騎手が、若い頃から英才教育を施したような馬ならば、そういうタイプにはならない。


行く一手にもならず、また、そうでないと絶対ダメな馬にもならない。

しかし、逃げなければならないという型に、スムーズに誘うことはとても上手な騎手だから、キタサンブラックでなくても、サイレンススズカやスマートファルコンといった強烈な先行力を駆使するタイプも、数多く勝利へと導いてきた。


問題は、今のインティがどのキャラなのかということ。

戦略がはっきりしていて、かつ、初の長距離輸送に加えて、大きな舞台にもなった昨年のフェブラリーSでは、スター・武豊のオーラによる露払いによって、

35.8−48.0−60.2→1:35.6


という、インティのための理想のラップをアシストして、人気に応えた。


普通の騎手ではまずこういう逃げは不可能であって、例えば、横山典弘騎手であればもっと速さを引き出すだろうし、福永、田辺ら先行粘りを成功させていた騎手でも、もっと大人しい逃げで、返って良さを出せなかった可能性もあった。


まさに、武豊だから成せる業なのである。

それはまあいいとして、ちゃんとユタカ騎手に乗ってもらいたいインティとすると、2年連続、シンザン的スイッチで本番だけ主戦騎手が乗るという形が、案外合っているのでは、と思った面が、映像の回顧から窺い知れた。


昨年の前哨戦はみやこS。


武騎手が乗れなかった影響は大きく、川田騎手が代役を受けたものの、外枠から出が甘い斤量59の馬で、かつ真ん中から内に徹底先行型がいた事も悪条件で、普通に押して出したら引っ掛かった。


力持ちのインティだから、いかに超合金ボディの川田将雅とて、コントロールはできない。


ダート馬に合うタイプの騎手に、この馬は合わなかったのだ。


チャンピオンズカップ2020 - レース展開を予想

一転、武騎手で挑んだ昨年のチャンピオンズCは、内枠からゆったりと前に出て、単騎先行。

36.6−48.7−60.8→1:48.7

<自身は3着。上位2頭/クリソライト・ゴールドドリームとは0.2秒差>


自分の中で出来得る限りのパフォーマンスを繰り出したインティと武豊だから、人気通り3番手の支持の馬としての役目を果たしたことになる。


ただし、以降は昨年とは全く違って、また迷っている感じ。


自分の型を見失ったように、得意の1800でも馬場が渋った平安Sは、古馬だからアリという感じの3着も、捲る形での限界を示した。


フェブラリーSだって、周りが速過ぎて、ほとんどついていけず。


スタートの具合が今一つでも、どうしたって半マイル46秒中盤の流れは、彼のスタイルには向かない。

で、前走が盛岡の南部杯<マイルチャンピオンシップ南部杯>だったわけだが、モズアスコットに終始強烈な圧を受け、初めての戸崎騎手だから、どうしたって引く手はないので、1000M通過はこれまでの経験値を遥かに超えた57秒台前半の推定値であり、不安を抱える古馬がぶっつけの大レースで、この形に耐えられるはずがない。


度外視をするのが筋で、逃げ馬が見せ場を作るような展開ではなかった。


チャンピオンズカップ2020 - コース適正と脚質

逃げたいと思いながらも、悶々とレースを重ねるうちに、危ない気性の一面がより大きく前に出てしまったキセキに対し、武豊騎手は、初めて手綱を握った春の天皇賞で、途中からの単騎先行を選択した。


結果的に、それは仕方なしに…、という流れにはなっていたが、そこを踏まえた上で、次は出が極端に悪かったわけでもないのに、ゆったりを構えて、皆が動き出すよりも早く先行勢を呑み込みにかかり、その次戦の京都大賞典での好走にも繋げる2着を、自ら勝ち取った。

いい結果は勝利とは限らないわけで、すでにタイトルのある馬にとって、次に欲しい何かしらのG1タイトルに対する欲望のようなものは、常に抱きつつも、最も謙虚に構えた時に幸運が訪れるようなことはよくある。


おかげで、2年前の自分をかすかに思い出したジャパンCでは、男らしさを取り戻して見せた。


厳しいレースが続き、自慢のパワフルボディで持続力勝負に持ち込めないでいるインティとて、例外ではない。


自分の型はある程度決まっているけれども、相手に不足がある場面で復活など、きっとあり得ないのだろうと、昨年の中身の濃い3着から感じ取った。

どうしてもこういう条件の競馬で見せ場を作りたいと、他の騎手なら気が逸ることもあるし、横山騎手のように、そういう時こそ馬のリズムに合わせるという考えもあっていい訳だが、自分のリズムに最も合っているのは、きっと左回りの大きな回りのコースであろう。


序盤が速くならないのは、芝スタートのフェブラリーSとの違いというより、最後の坂の影響が大きい。


阪神の上り坂と比肩するレベルで、今や、高速のダートと化している中京は、インティの誇るスピードの持続力勝負に対するハイレベルの適性も最も引き出してくれている。

昨年のこのレースも、ダート重賞の逃げ馬としては奇跡の数字に近い35.9秒だった。


これよりも差し脚で上だったクリソベリルとゴールドドリームに負けるのは仕方ないが、かれこれ2年近く勝っていないインティだって、何かしらの適性を感じさせる東海Sを制した昨年の上がり35.9秒という、奇しくも同値の記録があったりする。


昨年の東海Sの3F~5Fのラップは、

36.9−49.2−61.5→1:49.8
<逃げ切り>


ここから見える武豊騎手の巧みさは、ラップごとに緩やかな負荷を、相手に合わせてというより、G1的なフォーマットに互換を施しているということ。


普通、派手さを足していこうという見た目のインパクトも足されるパフォーマンスで、大概は失敗するものだが、そうはしない武豊だから、自分の出来る範囲の理想形の中で、最も合理的なボトムアップを図ったわけだ。

3F −0.3秒

4F −0.5秒

5F −0.7秒

9F −1.1秒<走破タイム>


こんなに美しいラップは、二度と再現できないようで、 【2016年・ジャパンC】

74.2−71.6→2:25.8
<前半−後半=2.6秒>

【2017年・有馬記念】
74.7−(6.6)−72.3→2:33.6
<前半−後半=2.4秒>


言わずと知れた、あのキタサンブラックで逃げ切った大レースの記録。
ちなみに、連覇した春の天皇賞の場合、

・2016年
88.3−87.0→3:15.3 <1.3秒差>

・2017年
87.0−85.5→3:12.5 <1.5秒差>


自ら平均ラップを作った4歳時と、大逃げの伏兵の逃げを受けた2番手追走からの抜け出し。


しかし、競馬の仕方もラップの踏み方も違うのに、中身に大きな差は現れていない。


これがキタサンブラックの型なのである。

チャンピオンズカップ2020 - 登録馬の血統と最終予想

戸崎騎手が前走で、いやいや逃げさせた理由は、他の馬を怖がるというカブラヤオー的性質を伝えられていたからに他ならない。


武豊騎手同様、積極性を出しても派手な逃げは好まない流儀がある以上、不自然に映る追いかけられて自滅…、何ていうネズミにビビるドラえもんみたいな展開に、この手の逃げ馬は囚われる必要はない。


むしろ、得意条件に最も近いと思えた京都のみやこSで、酷い負け方をした後に、前記の理想形をほぼ完璧に体現したコンビ。


苦しい逃げは望まないが、ダート馬らしい強力な持続力で、全く人気がなくなるだろうインティの逆襲を期待するのだ。

昨年の1月に徹底研究した馬なのだが、5代血統表の中にミスタープロスペクターの3×4が掛かっているだけに見えるのだとしたら、作者<この配合を考えた生産者>の意図を全く理解できていないことになる。

父のケイムホームは、ネイティヴダンサーの4×5を有して誕生した快速型で、12戦9勝のG12勝馬ながら、肝心のブリーダーズCジュベナイルでは7着<勝ち馬ヨハネスブルグ>、以降も、ケンタッキーダービー6着<勝ち馬ウォーエンブレム>、ブリーダーズCクラシック10着<勝ち馬ヴォルポニ/2着メダグリアドーロ>と、あまりにもド派手なスターホースに、アウェイでコテンパンにやっつけられた馬。

他の代表産駒も、タガノトネールやサウンドリアーナなど、本番直前でやたらと強かったスピードホースで、インティだけがその呪縛から解き放たれたことになる。


インティの母系には、カララフェエラというA級競走馬がいて、この代表産駒が無敗の二冠確実とされたバルバロのアクシデントで代わって台頭のプリークネスS勝ち馬・バーナルディーニ。

ここからが主題となるわけだが、その分岐点である5代母ノーザンフェイブルから、4代母にあたるハイアティにネイティヴダンサーの3×4が掛けられてから、

3代母 ハレアカラ<4×4・5>

祖母 フォレスキティ<6×5・(5・6)>

母 キティ<5・6×7・(6・6・7)>

これに父 ケイムホーム<4×5>が入るという、22戦1敗馬のネイティヴダンサーに対する執拗で策略がよく見える配合を4代続けて施されている馬なのだ。

ノーザンダンサーの血が蔓延る世界の血統表の中で、それを排するわけではなく、取り込みつつも、ノーザンダンサーの祖父であるネイティヴダンサーのクロスに継続性を与えるインブリードの狙いは、下げて勝負する馬を作らないという確かな、徹底ダート先行型への執着だから、器用さを求めても無駄。


同時に、自分の型通りならばどこまででも粘り込める破壊力も備えていて、そのタイミングを待っている現状で、父も2戦2勝の9F戦に戻って、本領発揮の可能性を大いに秘める。

インティ自身、


全戦績 【7・1・2・5】

1800M 【5・0・2・2】

酷いレースが最近増えている中でも、その回数が増えていないので、全体に悪影響を及ぼすところまで至っていない戦績からも、中庸な適性しかない前後の根幹距離戦よりも、ずっと適性を感じさせるものがある。