チャンピオンズカップ2021【予想】
目次
チャンピオンズカップの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!
下半期のJRAダート王決定戦!
歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。
レース名 | ジャパン・オータムインターナショナル 第22回 チャンピオンズカップ(GⅠ) |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2021年12月5日(日曜) |
発走時間 | 15時30分 |
開催場所 | 中京競馬場 |
距離 | ダート1800m |
コース | 左回り |
賞金 | 1億円 |
レコードタイム | 1:47.6 |
チャンピオンズカップ2021の予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)
チャンピオンズカップ2021の予想オッズと登録馬
枠順 | 馬番 | 出走予定馬 | 騎手 | 性齢 | 斤量 | 予想オッズ | 人気 | 1週前追い切り | 最終追い切り |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ソダシ | 吉田 隼人 | 牝3 | 54.0 | 4.4 | 2 | 栗東・坂路・良 800m 51.1-37.0-23.8-11.9(一杯) | 栗東・坂路・重 800m 51.8-37.7-24.1-11.8(末強め) |
1 | 2 | カジノフォンテン | M.デムーロ | 牡5 | 57.0 | 18.5 | 7 | 船橋・稍重 5F 64.5-50.8-38.3-12.4(馬なり) | 船橋・不良 6F 76.4-61.2-47.7-35.9-11.5(馬なり) |
2 | 3 | サンライズノヴァ | 松若 風馬 | 牡7 | 57.0 | 130.3 | 15 | 栗東・坂路・良 800m 51.4-37.7-24.7-12.4(一杯) | 栗東・坂路・重 800m 50.8-36.9-24.1-12.5(一杯) |
2 | 4 | インティ | 武 豊 | 牡7 | 57.0 | 25.7 | 9 | 栗東・CW・良 6F 84.3-67.9-52.5-38.0-12.1(稍一杯) | 栗東・坂路・重 800m 52.6-38.3-25.0-12.4(一杯) |
3 | 5 | エアスピネル | 藤岡 康太 | 牡8 | 57.0 | 34.6 | 10 | 栗東・坂路・良 800m 55.9-41.2-27.1-13.3(馬なり) | 栗東・坂路・重 800m 51.0-37.6-24.8-12.4(馬なり) |
3 | 6 | テーオーケインズ | 松山 弘平 | 牡4 | 57.0 | 3.6 | 3 | 栗東・CW・良 6F 81.4-65.9-51.2-37.6-11.6(直強め) | 栗東・坂路・重 800m 54.0-39.2-25.1-12.3(馬なり) |
4 | 7 | サンライズホープ | 幸 英明 | 牡4 | 57.0 | 16.3 | 6 | 栗東・CW・良 6F 82.0-66.3-51.9-38.8-12.8(一杯) | 栗東・坂路・重 800m 52.7-37.7-24.2-12.1(一杯) |
4 | 8 | スワーヴアラミス | 松田 大作 | 牡6 | 57.0 | 122.0 | 14 | 栗東・CW・良 6F 80.9-64.9-51.2-37.9-12.3(一杯) | 栗東・坂路・重 800m 54.1-39.1-25.3-12.6(末強め) |
5 | 9 | オーヴェルニュ | 福永 祐一 | 牡5 | 57.0 | 12.5 | 5 | 栗東・CW・良 6F 83.0-67.2-52.4-38.6-12.1(末強め) | 栗東・CW・重 6F 84.5-68.0-52.4-38.0-12.0(馬なり) |
5 | 10 | ケイティブレイブ | 内田 博幸 | 牡8 | 57.0 | 191.3 | 16 | 美浦・坂路・良 800m 54.6-39.1-25.2-12.5(末強め) | 美浦・坂路・重 800m 56.2-40.9-26.4-13.2(馬なり) |
6 | 11 | アナザートゥルース | 坂井 瑠星 | セ7 | 57.0 | 110.3 | 13 | 美浦・南W・稍重 6F 83.7-67.7-53.4-38.2-11.5(G前仕掛け) | 美浦・南W・重 5F 68.3-53.4-39.3-12.2(馬なり) |
6 | 12 | クリンチャー | 川田 将雅 | 牡7 | 57.0 | 23.6 | 8 | 栗東・CW・良 6F 84.9-68.8-53.8-39.4-12.6(一杯) | 栗東・坂路・重 800m (計測エラー)-39.4-25.4-12.6(馬なり) |
7 | 13 | チュウワウィザード | 戸崎 圭太 | 牡6 | 57.0 | 3.0 | 1 | 栗東・CW・良 6F 84.9-68.6-53.4-38.9-12.0(直一杯) | 栗東・坂路・重 800m 52.9-38.4-25.4-12.8(末強め) |
7 | 14 | ダノンファラオ | 横山 武史 | 牡4 | 57.0 | 89.5 | 12 | 栗東・CW・良 6F 79.6-64.7-51.3-38.1-12.4(一杯) | 栗東・坂路・重 800m 52.3-38.0-24.8-12.3(一杯) |
8 | 15 | メイショウハリオ | 浜中 俊 | 牡4 | 57.0 | 43.5 | 11 | 栗東・坂路・良 800m 56.6-41.2-27.2-13.7(馬なり) | 栗東・坂路・重 800m 53.2-38.5-25.0-12.3(一杯) |
8 | 16 | カフェファラオ | C.ルメール | 牡4 | 57.0 | 7.0 | 4 | 美浦・南W・良 6F 82.7-66.4-51.4-37.1-11.5(馬なり) | 美浦・南W・稍重 4F 56.1-40.4-12.1(馬なり) |
脚質 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
逃げ馬 | 3回 | 0回 | 3回 | 20回 | 11.5% | 11.5% | 23.1% |
先行馬 | 8回 | 6回 | 7回 | 48回 | 11.6% | 20.3% | 30.4% |
差し馬 | 7回 | 10回 | 7回 | 93回 | 6% | 14.5% | 20.5% |
追い込み馬 | 2回 | 4回 | 3回 | 94回 | 1.9% | 5.8% | 8.7% |
枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1回 | 2回 | 5回 | 29回 | 2.7% | 8.1% | 21.6% |
2枠 | 3回 | 3回 | 2回 | 32回 | 7.5% | 15% | 20% |
3枠 | 3回 | 2回 | 5回 | 30回 | 7.5% | 12.5% | 25% |
4枠 | 2回 | 4回 | 0回 | 34回 | 5.0% | 15% | 15% |
5枠 | 6回 | 2回 | 4回 | 28回 | 15% | 20% | 30% |
6枠 | 2回 | 4回 | 2回 | 32回 | 5% | 15% | 20% |
7枠 | 2回 | 3回 | 1回 | 33回 | 5.1% | 12.8% | 15.4% |
8枠 | 1回 | 0回 | 1回 | 37回 | 2.6% | 2.6% | 5.1% |
チャンピオンズカップ予想2021 - 過去10年のデータ傾向
似た者同士に感じる組み合わせの解法。最後はフェブラリーSでの好走実績がモノを言う。
前走はダートであるべきだが、フェブラリーS好走馬がここに至るまで悪戦苦闘するのは通例のこと
フェブラリーSで好走していた馬が、その年の秋のチャンピオンズCで再び馬券内に好走するのは、ごく自然な流れ。
一昨年は2、1着の2頭が、それより若い3歳のクリソベリルに先着を許すも、しっかりと底力を見せつけて、レコード決着のハイレベル戦をアシストした形。
今年も1、2、6着と左回り重賞に好走歴が集中する2頭が出走。
無理やり、前走で芝だった春の王者であるカフェファラオを消すこともない。
エルムSから直行で好走のローマンレジェンドのような休み明けで走ったという例もあったりするし、叩いてから参戦の古豪に肩入れすることもないだろう。
バランスよく買いたいが、エアスピネルもインティもこの辺りの距離が合いそうな感じだし、中京がピッタリの前走惨敗オーヴェルニュも悪くない。
インティが流石に7歳になったから、それを東海Sで圧倒したオーヴェルニュにだって、いくらでもチャンスがあるとなる。
フェブラリーSを勝った馬はかなりの確率で好走している。
インティもゴールドドリームも何度となく上位争いに加わり、地方の深いダート向きとは言えなかった若い頃のノンコノユメであるとかベルシャザールなどは、このあとフェブラリーSも好走している。
ホッコータルマエだとかコパノリッキー、クリソベリルなどはそうではない渋めのタイプだから、何度も連に絡むようなことはなかった。
フェブラリーSで好走したことのある馬がここで走る時、中央の重賞であるかどうかに限らず、前走でよく走っていたという印象はない。
前走好走のエアスピネル、サンライズノヴァらをあえて外して、その他の3頭で組み立てるという発想でもいい。
3歳馬の扱いにはいつも困るものだが、マイルG1勝ちの実績というのは、芝もダートも超越することがある
ソダシが絶対1番人気になるレースということはないだろうが、JBCクラシック勝ち馬が昨年のように飛ぶことは、その昔の東京・ジャパンCダートでもよく見られた光景なのだから、今更、気に留めることもない。
3着に来ない分、4着以下は他のダート重賞より多く、2着止まりもかなり多い。
そういう普通のローテではないし、クラシック勝ちのミューチャリーは東京大賞典に向かうことになったわけだから、オッズが割れていたJBC組は、スプリントが1400だったから両方来るのだろうが、人気面で譲ることは大いに考えられる。
人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 7回 | 6回 | 3回 | 4回 | 35% | 65% | 80% |
2番人気 | 2回 | 0回 | 1回 | 17回 | 10% | 10% | 15% |
3番人気 | 1回 | 4回 | 3回 | 12回 | 5% | 25% | 40% |
4番人気 | 3回 | 0回 | 1回 | 16回 | 15% | 15% | 20% |
5番人気 | 1回 | 2回 | 1回 | 16回 | 5% | 15% | 20% |
6~9番人気 | 4回 | 6回 | 6回 | 64回 | 5% | 12.5% | 20% |
10番人気以下 | 2回 | 2回 | 5回 | 126回 | 1.5% | 3% | 6.7% |
第一、ソダシ自身がダート馬であると自覚していて不思議ないほどに、体形そのものは芝をギリギリこなせそうな感じでも、完全に適性で砂馬場が合うという可能性は、掘り下げるまでもなく満ち溢れたものがある。
それを補完する材料は、決まって、芝で頭打ちになったということに限られるが、秋華賞出走馬が後にダート戦線に挑むことは想定内でも、札幌記念を制した年にチャンピオンズCに転戦とは、本来は前代未聞。
まあ、父は春にNHKマイルCを快勝後、ダービーなど芝の中距離戦を経て、秋の天皇賞除外<外国産馬の出走枠が極めて制限されていた時代>から秋にダート重賞を2つ強奪したクロフネである。
皆がそれを夢見るのは致し方ないところ。
力は足りるはずでも、本当の適性に加えて、やはり牝馬特有の「気持ち」の方のバランスが重要な気もする。
軸で狙うには、一定のリスクがあることは否めない。
中央を使ってきた馬が多く出走してくるが、信用していいのはG1馬か余程の上昇力がある前走勝ち馬だけ
今年であれば、該当しそうなのはメイショウハリオやシリウスSの連対馬あたりか。
勝っている馬の方がいいに決まっているが、連勝中の馬は基本的にはみやこSまで怒涛の連勝をしているか、JBCクラシックも難なく突破であるか、それ以外はもう3歳馬というところだろう。
4歳が多いから、きっと人気にならない。
ウェスタールンドは過剰に惹きつける危険な魅力を秘めるから、押さえ方は慎重に、としたのだが結局回避。
ここからが重要。
JRAのレースを前走で使っていた馬は、中京移設後のこのレースで、まだ勝ち馬が出ていない。
時計が少しかかるだとか、やけに速い時計になるだとか、妙に極端な馬場傾向も影響して、大外不利の傾向だけは継続しつつ、かなり地方で使ってきた組の方に分があることは確か。
その中で2着には前哨戦群から直行の好走馬や人気になっていた馬などの台頭が目立っている。
振り回しても仕方ないが、使い込んでくることが多いダート巧者であるとして、シリウスSが例年とは違い、中京のレースであるという点でも、出走数が少ないので、その中でもコース巧者のところがあるサンライズホープを消す必要はないだろう。
例年よりも、みやこSや武蔵野Sがそれほどのレベルではなかったということでも、最右翼はこの馬に思う。
人気がないに越したことはないだろう。
南部杯 ≧ JBCクラシックという流れは、ローテに関係する以上のミスマッチが起こっている証拠!
JBCクラシックからの連勝は歴史上、片手で足りるくらいしか類例がないほどで、その前哨戦も兼ねているマイルチャンピオンシップ南部杯・盛岡であると、レース展開や同じ左回りの影響もあって、今のトレンドで言えば、ベストのプレップという位置づけになるのかもしれない。
両方勝った馬はルヴァンスレーヴだけだが、安定して人気を裏切るJBCクラシック連対馬などよりも、遥かにコネクションが強いのであろう。
簡単な話、フェブラリーSが他の地方のタイトル戦に繋がって行かないように、少なくとも10F路線の交流重賞とは毛色が違う。
ところが近年高速化著しい南部杯であると、急に中央のG1と何かしらの繋がりが生じてくる。
今は南部杯の前に叩くようなローテをとる馬も、有力であるほど減って行き、JBCクラシックもまた然り。
ローテの関係で、長い距離を叩いて、それで好走してしまった馬であると2走ボケは大いに考えられるが、ただ単に、求められる能力との兼ね合いで結果に大きく影響してくる面があるのだろう。
今年であると、JBCクラシック負けのJRA勢が多かったので、ここ数年の南部杯の高速馬場ではないことを考えて、軸はこれらの中であっても構わないが、グリグリの本命になる馬もまたいないわけで、人気の割に結果が悪くなかったという感じのする今年の地方G1勝ち馬であるテーオーケインズ<帝王賞>、カジノフォンテン<川崎記念、かしわ記念>らのボチボチ好走組は狙いどころに思うが、後はもう、中央のハイレベル戦の方が合いそうな突然走ることの多いケイティブレイブといった底力溢れる古豪以外だと、レースが壊れた後に突っ込んでくるよくわからない馬もいなさそうなので、そうなれば、安定のインティ押さえでもう十分か。
チャンピオンズカップ予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
馬鹿にされ続けた4歳勢も、ダートではそれなりにチャンスをものにしてきた。今回は、ソダシの気分次第ではあるが…。
父American Pharoahやそれに絡むネイティヴダンサー系の強力なコネクションなどについて一度、確か、フェブラリーSで推した理由として、同じ年のコントレイルに関わる基礎繁殖牝馬・ラトロワンヌ<La Troienne/コントレイルの10代母>が全体の血統構成同様、切っても切れない深い関係にあるということも記している。
種牡馬 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
クロフネ | 14回 | 10回 | 13回 | 96回 | 10.5% | 18% | 27.8% |
ディープインパクト | 12回 | 5回 | 6回 | 72回 | 12.6% | 17.9% | 24.2% |
ルーラーシップ | 11回 | 11回 | 15回 | 105回 | 7.7% | 15.5% | 26.1% |
ゴールドアリュール | 9回 | 15回 | 11回 | 110回 | 6.2% | 16.6% | 24.1% |
エンパイアメーカー | 9回 | 12回 | 12回 | 71回 | 8.7% | 20.2% | 31.7% |
ヘニーヒューズ | 9回 | 9回 | 10回 | 58回 | 10.5% | 20.9% | 32.6% |
シニスターミニスター | 9回 | 9回 | 5回 | 62回 | 10.6% | 21.2% | 27.1% |
ハーツクライ | 9回 | 8回 | 9回 | 91回 | 7.7% | 14.5% | 22.2% |
キングカメハメハ | 8回 | 14回 | 9回 | 101回 | 6.1% | 16.7% | 23.5% |
ダイワメジャー | 8回 | 4回 | 5回 | 65回 | 9.8% | 14.6% | 20.7% |
今回は深掘りに必要な母系の特性を洗い直したのだが、驚いたことに、また違う可能性について引き合いに出す好機を得たのである。
実は、カフェファラオの5代母であるQueen Ivorは、その名の通り父にサーアイヴァーを持っているだけでなく、カフェファラオから見て7代母にあたるSailing Home<父はセントサイモン直系のWait a Bit>と同じ孫の代に、Bold Reasoningがいるのだ。
言わずと知れた、あのシアトルスルーの父。
無敗の三冠であいつと共通するわけだが、このボールドリーズニングという存在は、意外にも今回のボールドルーラー-シアトルスルーの隆盛時代にあって、この直系でも何でもないカフェファラオにも影響を及ぼしているのである。
まず、そのボールドルーラー・シアトルスルーのライン<エーピーインディ直系に集約>から、出走予定馬を挙げていくと、
- ・カジノフォンテン
- ・ケンシンコウ
- ・サンライズホープ
- ・テーオーケインズ
- ・メイショウハリオ
全て重賞勝ち馬で除外対象も混じるものの、好走できる要素を備えた立派なG1参戦馬になる。
人気面はともかく、昨秋から覚醒したように交流G1で好走を続けてきたカジノフォンテンも、4歳馬が多い中では目立った地方の雄。
さて、本題はここからで、ボールドリーズニングの近親を持つカフェファラオとの関係性なのだが、実は、その代表産駒であるシアトルスルーの母であるMy Charmerがラトロワンヌ直系の孫であるStriking・Busherが全姉妹の3×3を形成し、妹の方のストライキングがコントレイルの8代母にあたる。
カフェファラオは名馬バックパサーの血を複数抱えるが、これが3代母ラトロワンヌ。
母母キャッチザクイーンはバックパサーの3×4を持ち、母父ウェヴァリングモナークはラトロワンヌの4×4を秘めるから、母のメアリーズフォリーズのバックパサーの継続クロスを含め、北米圏を代表するシアトルスルー・ラトロワンヌという骨格を成す名繁殖馬を両方抱えたようなカフェファラオが、本流の高速ダートで強いのは当然のこと。
近年のトレンドは、共通祖先を複数持つ者同士のニアリークロス<相似配合者同士の相乗効果といった意>となるわけだが、実際のクロスとニアリークロスの不完全なれど大きな価値を持つ共通項に、制覇者としてのプライドを持ったエースらしい振る舞いが、こうした舞台こそ似合うというバックボーンがあることくらいはいくらでも語れるのがカフェファラオなのだと、改めて強調しておきたい。
これまでの全戦績【5・0・0・4】、超がつくほどではない大型ながら、いかにもビッグボーイらしい振れ幅の大きなパフォーマンスが魅力でもあり、死角でもあったカフェファラオは、これでようやく10戦目を迎えることになる。
同期で芝路線を走る男馬のタイトルホルダーでいうと、コントレイルは【7・2・1・0】と最後のジャパンCで通算11戦での引退。
常にそれを意識するローテを組んできたカフェファラオのステーブルメイトであるサリオスもまだ【4・2・0・4】で、キャリアはほぼ同じ。
目標になる5歳いっぱい15戦で、G1を9勝のアーモンドアイと比べて、同じような軌跡というか、道筋を辿っていると言える。
ダートといえども、地方の大井、船橋で全く上手に走れなかったカフェファラオに、レースの選択肢はそもそも少ない。
大井のジャパンダートダービーで初敗戦で見えたものは、プレッシャーと変化に脆いという特性。
古馬緒戦は次走で難なくこなしたが、同じコースでも、メンバーも頭数を揃った昨年のチャンピオンズCでは、そうした圧に屈して、ねじ伏せられていた。
しかし、今年に入ってからの3戦は決して、脆さを見せた負け方ではない。
むしろ、性格が大人しすぎるというか、サリオス同様に悪さをしないところの死角と強みが両面出た印象がある。
チャンピオンズカップ予想2021 - レース展開と最終予想
フェブラリーSを万全の態勢で臨んだカフェファラオは、得意とは言えないまでも、経験済みの芝スタートを見事に失敗しながら、それじゃダメじゃないかと、これが3度目、それも続けての騎乗であったルメール騎手が、芝とダートの切れ目のところまででしっかりと叱咤したことで、ダートに入ってからは終始スムーズ。
お世辞にも馬込みを捌くテクニックに秀でた、いかにもダート巧者ではないものの、当日までの天候に大きく左右される冬の東京ダートらしい謎バイアス<この時は内のレーン優先のような馬場差が発生>にしっかり合わせた好位抜け出しで、最後まで危なげなく、完璧だったエアスピネルの激走を難なく封じている。
ところが、最初のコーナーから4コーナー、それこそゴール板までせわしなく走らされる船橋のかしわ記念では、内枠も時計を要する馬場も、無論コース適性に於いても、まさにお呼びでないという内容に終始。
インティやモズアスコットも得意ではないが、前年の屈辱を経験値で補うように、坊やの不発をあざ笑うような差し込みに屈した5着は、作戦面での平凡さも手伝った陣営の完敗でもあった。
狙いを芝に変えた、否、秋も使えるレースが限られる<南部杯はその後中京を目指すには間隔が短く、馬場が合わなさそうな金沢のJBCは眼中になかった>ことも含め、秋の天皇賞を狙えないものかと、函館記念のハンディキャップの面を言わば無視する格好で、敢えての芝強行参戦を決した。
しかし、内枠を引いたことで、コーナーワークはダート戦ほどタイトではないが、芝の加速力を試す場面で、芝の小回り巧者相手に同じ土俵で末脚比べに挑んだのは、分が悪すぎた。
伸びはそれなりにあったが、スムーズに外を立ち回った勝ち馬のトーセンスーリヤとは対照的に、伸び掛かった最後の進路選択の場面で、上手に加速できなかった分、進路を失った9着。
何も、強すぎたトーセンスーリヤにケチをつける意味もないのだが、もう少しやれたという結果に思えた。
結果が悪すぎる部分があり、休み明けの不安もある程度は考えねばらないにしても、かしわ記念の立ち回りにスムーズさがなく、芝の2000重賞でもノー感じではなかった辺り、意外にも、フェブラリーSまでの印象より、今はこの1800への適性の方がずっとある気がする。
4か月以上の間隔が開けば、初体験の渋った走りやすい馬場状態で古馬並みの時計で走ったユニコーンSのような例もある。
アーモンドアイや同期の芝のトップグループがそうであるように、思えば、あのレイパパレも初戴冠は果敢に挑んだ休み明けの大阪杯である、と思い起こせば、無理に使わなかった狙い通りのローテで、この臨戦過程はむしろ買い。
似たようなイメージで見られる「芝専門」であったソダシが、「ダート血統」らしさをいかにも体現しそうなこの競馬で、どちらかといえばやはりダート向きのアメリカンフェイロー産駒であるカフェファラオには、少ないキャリアの中での揉まれた経験が大いにあるとできる。
その点の死角は当然あるソダシは、無理に消す理由など全くないほど、明らかにダート向きの性向にある血統背景から、その距離を適正に保ちつつ、様子見のスタンスは変えたくない。
何せ、ここにはカフェファラオがいるのだから。
ルメール騎手はうまくアシストしようとしたことが、ここ2戦は見事にハマらなかった印象。
やはり、順をおいて好発からの中団より前目のポジションから、楽に抜け出す本来の形を目指す一戦になるだろう。
あっさりはむしろソダシより、テーオーケインズだろう。
帝王賞の快勝は知られるところだが、ボールドルーラー系の馬で、道悪でも内から抜け出してこられるようならば、中央の軽めの馬場の方が明らかに合っているとなる。
その気になれば2番手くらい楽に取れる馬。
インティなどが引く手も取れるようになった分、楽に4コーナーを回り切った時は、かなりの脅威となる。
それならばと、同系のサンライズホープ、メイショウハリオも拾ったわけだが…、勝ち切れる馬は意外と限られそうな一戦に思う。