日本ダービー(東京優駿)2016 予想
合理的に考えたら、キングカメハメハ<2頭>とディープインパクト<6頭>の取捨選択が最重要ポイント。
戦績の優秀なこの8頭の優駿は、血統は素晴らしいが実績が大分物足りないプロディガルサンだけ、別個のアプローチが必要だ。
フレッシュさで勝負になるかどうか。血統はあまり重要ではない。
7頭の取捨。
皆、重賞馬である上に、GⅠ連対4頭以外も、皐月賞1番人気、スプリングS勝ち、青葉賞快勝と、ダービーに縁のあるレースの主役であった。
ダービーだから、血統の吟味が肝になる。
裏を返せば、今年はそれほどまで拮抗した力関係なのだ。
前走の内容から、人気が更に落ち、気楽になるだろうマウントロブソン、エアスピネルらが、2400Mまで来るとちょっとタフさがどうかというタイプに見えたから、連下に据えるとして、
ディーマジェスティ
マカヒキ
サトノダイヤモンド
リオンディーズ
ヴァンキッシュラン
ら5頭の共通点と、大きな個性の違いを表しているだろう血統の相違点を探っていくと、ノーザンダンサークロスは皆持っているが、
・ヘイロークロス
サトノダイヤモンド
マカヒキ
・ヘイルトゥリーズンクロス
ディーマジェスティ
・ノーザンダンサークロス<主要素>
リオンディーズ
ヴァンキッシュラン
と、3分類することができた。
近5年の勝ち馬の血統的特徴、言うなれば、クロスの性質を挙げると、
11年 ノーザンテースト4×3
12年 ノーザンダンサー<リファール>クロス
13年 ノーザンダンサークロス
14年 ヘイロー3×4
15年 ノーザンダンサークロス
ここ10年の例外となるウオッカ、エイシンフラッシュらにも、各々の個性を生む継続クロスや薄いクロスが入っている。
最近多いヘイルトゥリーズン、特に、その直仔のヘイローのクロスは、しなやかさや鋭さを身上とするサンデー系にとって、2400Mという、この系統には少し距離適性で我慢しきれない馬も出てくる条件に向けて、少なくとも、鋭さを強化しない意味での効果は出ている。
ディープの産駒で、2200M以上の距離に向く馬には、絶対にノーザンダンサーのクロスが入っているが、それは、母馬には必ず入っているようなオーソドックスなものであるから。
父がディープなら、マカヒキのような3×5のヘイロークロスは、決してプラスにならない可能性はある。
先行力で勝負できる馬か、持続力のある末脚を早めスパートから繰り出せる馬に合うクロス。
東京の方が、今のコースになってから、極端な追い込みは決まりにくくなっている。
キングカメハメハは、自身がノーザンダンサークロスを持っているから、産駒にそれが入れば、自ずと継続性が出てくる。
昨年のドゥラメンテは、母母母父のまた父の位置に入ったその血のクロスが、大種牡馬同士の配合をまとめるヒモのような役目を果たしていた。
予想の段階で一番は決められないが、配合のパターンと戦績から、ダービー血統、即ち一流の血統馬を選び出すことは可能だ。
ディープらしさを出すには、ヴァンキッシュランの配合が一番か。
でも、ヘイロークロスが決してマイナスにはなっていない傾向もある。
サトノダイヤモンドは即座に切れない。
実績と血統の持つ潜在的な適性はリオンディーズ。
ただ、人馬とも、何だか迷い道に入ったような印象はある。
本来は、ダービーで行きたかったはずが、抑えていく方の確率が上がったともとれる中山の内容がある。
父にヘイロークロスのある裏路線の勝者には、距離適性を補う根拠となる血が少々足らない。
まあ、ディープと配合イメージが近いスマートオーディンは、ギリギリセーフか。
帯に短し、襷に長し。
しかし、ハイレベルだから、そして、みんな速さがあるから迷うのかもしれないが、ならば、持続力が最もありそうな馬からがいいのか。
◎サトノダイヤモンド
○リオンディーズ
▲ヴァンキッシュラン
ヘイロークロスが、スピードをプラスするというより、キレをちょっと消された分だけ勝負の仕掛けができるサトノダイヤモンドは、策が見えないリオンディーズの適性を上回れる可能性がある。
キレが凄いのならいけるだろうが、最後は戦ってきた相手の差という先週の結果も踏まえると、ヴァンキッシュランは、自分の競馬をして着があるかどうか。
皐月賞の着差は、必ずしも実力差とはならないが、00年代は1分58秒中盤の連対馬、ここ数年は58秒台前半以上の連対馬が、ほとんど来ていない。
エピファネイア、ドゥラメンテは、2400Mの古馬GⅠの連対馬でもあるから来たが、今年は、ハイペースの2000Mがぴったりの馬が来た印象。
ハイペースの皐月賞を正攻法で行った2頭が、今年の主役だと考える。
大荒れは想定しづらいが、穴なら、他のディープが疲れてしまって力が出し切れなかった時のプロディガルサンか。兄よりはゴツい競馬が合っているように思う。