日本ダービー(東京優駿)2021【予想】

日本ダービー(東京優駿)の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

今世代の頂点は誰だ!?

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第88回 日本ダービー(東京優駿)
グレード重賞(G1)
日程2021年5月30日(日曜)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2400m
コース左回り
賞金2億円
レコードタイム2:22.6(ロジャーバローズ※2019年)

日本ダービー(東京優駿)予想2021の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)※レース直前オッズ&最終追い切り更新!

枠順馬名騎手最終追い切り性齢斤量予想オッズ
1エフフォーリア横山 武史美浦・南W・良
5F 66.3-51.2-38.3-11.9(G前仕掛け)
牡357.01.6
1ヴィクティファルス 池添 謙一栗東・坂路・良
800m 54.5-38.7-24.8-12.4(末強め)
牡3 57.0 62.1
2レッドジェネシス 横山 典弘栗東・芝・良
6F 81.8-65.7-51.1-37.6-11.9(馬なり)
牡3 57.0 47.5
2タイムトゥヘヴン 石橋 脩美浦・南W・良
5F 66.3-51.1-38.2-12.4(G前仕掛け)
牡357.0 246.4
3ディープモンスター 武 豊栗東・坂路・良
800m 52.9-38.7-25.1-12.3(馬なり)
牡3 57.0 15.9
3バジオウ 大野 拓弥美浦・坂路・良
800m 53.9-39.7-25.4-12.5(馬なり)
牡357.0 189.8
4ヨーホーレイク川田 将雅栗東・芝・良
6F 78.4-63.4-49.7-37.0-12.4(馬なり)
牡357.0 22.0
4グラティアス 松山 弘平美浦・南W・重
6F 82.7-67.5-52.2-38.1-11.9(直強め)
牡357.0 51.2
5シャフリヤール 福永 祐一栗東・坂路・良
800m 54.4-39.7-25.4-12.1(馬なり)
牡3 57.0 11.2
5ラーゴム 浜中 俊栗東・CW・良
6F 87.6-70.2-54.6-39.7-11.9(G前仕掛け)
牡357.0 122.6
6ワンダフルタウン 和田 竜二栗東・CW・良
6F 79.9-64.5-50.3-37.4-12.0(稍一杯)
牡3 57.0 13.7
6ステラヴェローチェ 吉田 隼人栗東・坂路・良
800m 52.7-38.2-24.9-12.2(馬なり)
牡3 57.0 28.5
7タイトルホルダー 田辺 裕信美浦・南W・良
5F 66.5-51.2-37.8-12.0(馬なり)
牡3 57.0 18.8
7グレートマジシャン 戸崎 圭太美浦・南W・良
5F 66.9-51.9-37.7-12.0(馬なり)
牡3 57.0 18.1
8サトノレイナス C.ルメール美浦・南W・良
6F 84.3-67.8-53.0-39.3-12.8(馬なり)
牝355.04.6
8バスラットレオン M.デムーロ栗東・坂路・良
800m 52.0-37.8-24.4-12.0(強め)
牡3 57.059.7
8アドマイヤハダル 藤岡 佑介栗東・坂路・良
800m 54.5-38.6-24.4-11.7(馬なり)
牡3 57.0 48.7

日本ダービー(東京優駿)予想2021 - 過去10年のデータ傾向

今年の日本ダービーの解法としては、秘めた才能の爆発を目撃することの多い皐月賞と比べ、ダービーの結果に意外性はないという過去30年の傾向に従う。

ダービーで必要となる既知の能力値は、皐月賞、東京、マイルなどの各実績を除き、人気に比例する傾向

1番人気で連対した馬は、期間中では5頭と案外の数字に止まるも、勝ち馬は4頭いる。
うち、皐月賞の勝ち馬が4頭連対し、弥生賞の結果<5着>に修正点を見つけて、関西の裏ルートから立て直されて戴冠のキズナ<武豊騎手はこれでダービー5勝>が皐月賞組を豪脚で封じた例外があるのみ。
問題なのは、3着以下に終わった5頭。

a: 皐月賞勝ち馬
2016年 ディーマジェスティ 3着 / 2019年 サートゥルナーリア 4着

b: 青葉賞勝ち馬
2017年 アドミラブル 3着

C: 弥生賞勝ちから直行<中11週>
2018年 ダノンプレミアム 6着

d: 皐月賞1番人気で敗戦
2012年 ワールドエース 皐月賞2着→ダービー4着

朝日杯快勝などのダメージもあって、上手にローテを組めなかったところのあるダノンプレミアムのみ着順が掲示板外ながら、ワグネリアンに大した差をつけられた結果ではない。
だから、消えているわけではないが、何かが違うのだとしたら、東京を経験している皐月賞勝ち馬以外、実は、4着以下の馬券外敗戦が普通というのが、一般的解釈。
今年、その他の中でも例外のアドミラブルタイプにあたる青葉賞勝ち馬・ワンダフルタウンが1番人気に推されるような皐月賞の内容ではない。
要するに、この一点だけでも、エフフォーリア1強の論拠となってしまうのだ。

ちなみに、その前の10年で、皐月賞勝ち、またはそこで1番人気だったという以外の馬が制した例は、

・2001年 ジャングルポケット <1番人気> /前々走共同通信杯勝ち・皐月賞1番人気で優勝のアグネスタキオンが故障で引退

・2004年 キングカメハメハ <1番人気> /前走NHKマイルCをレースレコード勝ち

・2007年 ウオッカ <3番人気> /阪神ジュベナイルフィリーズを大レコードで快勝

・2008年 ディープスカイ <1番人気> /前走NHKマイルCを1番人気で制す

・2010年 エイシンフラッシュ <7番人気> /前走皐月賞3着も、京成杯1着以来の競馬 

エイシンフラッシュや一昨年のロジャーバローズは、定期的に登場のミラクルホースであり、皐月賞の馬場質や時計が少し通常と違ったときに、チャンスを得たタイプ。
エイシンフラッシュの年のヴィクトワールピサとエフフォーリアの違いは、勝ちタイムが優秀なのは同じでも、前者は途中乗り替わりがあったところで展開も向かずという二重苦があった。
似たタイプになるコントレイルより、ローテはタイトになるし、前々走が冬季という馬は皐月賞かその前で負けていた方がいいという死角はあるが、乗り替わりもなく、成功に最も近い冬の東京からの余裕ローテをとれた若き挑戦者にとっては、あまりにも有利なデータであろう。

 京都新聞杯組が絡む条件は、前走時の人気から実力を認められていた場合に限られる

変則的な狙い方だが、5番人気で日本レコード勝ちのトーセンホマレボシは、本番で3着。
あのモズベッロの父になるディープブリランテと翌年から春の天皇賞連覇のフェノーメノが競った際どいゴールシーンは、記憶に新しい。
でも、それ以外も連にまで絡んできている。

3頭存在しているから、あのロジャーバローズのこともあるから無視などできないとして、今年は有利な上位人気の勝ち馬が登場の展開で面白いわけだが、レッドジェネシスは何とも言えない3番人気での勝利。
僅差とはいえ、そこは厳密に捉えるとしたら、この組は頭までは突き抜けないとなる。

連対したアグネスフライトや京都4歳特別時代のシルクジャスティスらは、上位人気で勝っていた。
ダービーでもそこそこ人気になりそうな馬を出せるかどうかの観点で、時計だけは優秀な京都新聞杯組は、いつもと違う中京のレース。<ナリタブライアン−エアダブリンの決着だった1994年が阪神・京都4歳特別の最新例で、その年の京都4特は低レベル>
レッドジェネシス自身がどうこうではなく、その他大勢がほとんど横並びというところでは、下手に逆らって痛い目に遭うのは寂しい。
青葉賞かこちらか。
例年はわざわざ選択などせず、皐月賞一桁着順組との組み合わせの中で、必ず皆が拾っているのだから、今年も枠ははみ出てしまうが、勝っていた馬は押さえたい。
東京のトライアル、前哨戦だと、人気薄好走の馬が連続して走ることはある。

皐月賞で負けたとて、結局、上位組ばかり来るのは当然なのだろう

本流組のダービーの勝ち馬に限って、二冠達成以外の5頭の特徴を挙げていくと、

・2着 →1着 マカヒキ <弥生賞レースレコード勝ち>
*今年はタイトルホルダー <現ディープインパクト記念勝ちで共通>

・3着 →1着 ディープブリランテ <東京スポーツ杯勝ち・スプリングS参戦>
*今年はステラヴェローチェ <不良馬場の東京の2歳重賞勝ちは同じ>

・4着 →1着 ワンアンドオンリー <ラジオNIKKEI杯勝ち・弥生賞参戦>
*今年はアドマイヤハダル <阪神2000の重要戦勝利は同じだが…>

・5着 →1着 レイデオロ <G2・ホープフルS勝ちまで3戦全勝・休み明け>
*今年はヨーホーレイク <同じレースを使ってはいるが、実力はレイデオロの方が遥かに上>

・7着 →1着 ワグネリアン <皐月賞は稍重で完敗・弥生賞参戦>
*今年はディープモンスター <ディープ産駒で似たような負け方も、暮れから使い詰めの裏路線から参戦の点は全く違う>

何から何まで全て、理想の結果を勝ち得たダービー馬に肖ることはないのだが、理由がないと逆転は難しいという構図で言えば、また着拾い止まりの可能性がある掲示板組を押さえるに止まるだろうか。
そうなると、3着以内とそれ以外で全く着内率が違う点は見逃せない。
ただ、昨年みたいに接戦の皐月賞ではないから、<本当のところは、際どい内容ではないが> ここの順番は前々走の内容で入れ替わるとしていい。
皆、全くの互角だが、良馬場になった時に魅力は、やはりアドマイヤハダル。
距離は少し長いだろうが、ここはダービー2勝のミルコにお願いすることにしよう。

歴史を紐解けば、偉大な軌跡を辿っているとも評せるが、異質ローテで二冠制覇を目指すのが今年のエフフォーリア

全てはダービーのためにある、という時代ではないのかもしれないが、超名馬・10戦無敗の二冠馬であるトキノミノルの名を残すために作られたと言って過言ではない共同通信杯<旧東京4歳S・〜4歳S>は、トライアル前に使うレースであった。
そうではない馬は、大体が関東の有力馬で、中山の朝日杯で勝ち負けの馬ばかり。

年明けに2つ使って皐月賞の流れ、皐月賞とダービーの間に東京のレースを一つ…、というのは、平成期ではもう見られなくなっていって、皐月賞に直行ローテが可能になった2歳中距離重賞の総クラシック前哨戦化の影響もあって、暮れにG1を使っているくらいでちょうどいいほどの、いい意味での早熟化が安定して実現されている。

でも、ミスターシービーだって、シンボリルドルフだって、2歳戦は使っていても、オープンを使ったわけではない。
2歳のオープンを複数回使われて三冠制覇のナリタブライアンとオルフェーヴルは、4歳春から大分おかしな感じになっていった。
ディープインパクトとコントレイルは親仔というだけあって、特徴に大差があるわけではないが、暮れにチャンピオンの仔の方は、激しい菊花賞とJCを経て、道悪大幅体重増の大阪杯でひと休み。
定石どおりに無敗の三冠馬らしく、菊花賞後は敗れた有馬記念とその次以降の古馬戦は、余裕ローテで立て直された父に対し、コントレイルはハードな選択で連敗。

三冠馬になれるのかどうこうはさすがに早いが、完璧な戦績の重ね方と無敗二冠など牝馬のそれと比べ、昨年のコントレイル登場により全く珍しいことではないという風に、近50年で5頭登場の10年に一度ペース継続の流れに戻したから、トウカイテイオー・ミホノブルボンの連チャンパターンがあって、ここは不思議もないとしていいだろう。
キャリア5戦以内の二冠挑戦者は、皐月賞の前に関東圏のオープンで本賞金加算の好走歴があった馬に限れば、【6・2・1・2】という圧倒的成功確率。
着外の2頭が、不良馬場のダービーと主戦騎乗停止で乗り替わりの各関西馬であったとすれば、その確率はより高くなる。

ただし、ドゥラメンテもナリタブライアンもカブラヤオーも共同通信杯参戦の成功者だが、このキャリアの括りでフレッシュな組であったところで、前週のソダシのように、この参戦ルートで無敗継続の馬は、どこにもいない。
大昔のトキノミノルやミスオンワードを思い起こさせた近年の無敵キング・クイーンらは、そんなもの糞食らえと出来たのだが、類例がないということが死角というだけで、もはや、その必然の流れを無視できるような状況ではないというのが、結論となってしまう。
東京の芝2400Mは、ジャパンCがそうであったように、常に絶対的な結果を求めるべき舞台とした時、勝ち運を失ったサートゥルナーリアのような結果だけは切ない。

それでも今の横山武史騎手が、酷いヘグり方で不発に終わると考えにくい、というのも推挙できる強い材料だ。
もはや、他の人馬によほどの強運でもない限りは、今年も何も起きないダービーであろう。

日本ダービー(東京優駿)予想2021 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

共同通信杯の決着と同時に生まれたこの流れに乗って、期待感だけなら3年連続で平穏ダービーを希望したい一戦!

  • エフフォーリア

立派なギニーホースであり、血統に関しても語り尽くされているだろうが、くだらない妄想を引き合いに出せば、

・父エピファネイア <2013年/キズナに半馬身差の2着>

・母父ハーツクライ <2004年/キングカメハメハに1馬身半差の2着>

・従兄アドマイヤムーン <2006年/メイショウサムソンに5馬身ほど離された7着>(稍重)

縁のない血脈ではある。
直系祖父のシンボリクリスエスはエピファネイアがそうであったように、武豊騎手の人気馬に最後に差されるという屈辱を味わっている。
ただ、エピファネイアはデアリングタクトを出し、ハーツクライもダービー馬・ワンアンドオンリーがすでに輩出。
クラシック出走不可で、出走権があるエリザベス女王杯を勝つためにずっと負けずに戦ったヒシアマゾンの一族であるアドマイヤムーンに、そこまでのタフさや万能性はなかったが、叔母が勝ち切れなかったジャパンCを制したのだから、血の進化は侮れない。
それでも、オークス馬のチョウカイキャロルを競り落としたヒシアマゾンのプライドは、春に続くサムソン斬りのJCとしたアドマイヤムーンに引き継がれている。

もう、クラシックに縁のないケイティーズの系統ではない。
同時に、いい血のイメージを継承しながら、早熟性を幾らか強化している良血馬には珍しいスケール感の維持や進化には、ただ、エピファネイアやハーツクライが優秀というだけではない、エフフォーリア自身の個体としての非凡さも、結果に表れている。
すでに、このパフォーマンスだけでアグネスタキオン級であると証明したわけで、阻むものなど何もない状態。
昨年のコントレイル同様、余勢をかってどこまでやれるのか…、という種牡馬としての能力以外の面が、今のところの皆が注視するポイント。
もはや、スタッドインした時の期待感は、完全に目一杯のところにまで膨らみ切っている。

日本ダービー(東京優駿)予想2021 - レース展開

脚質1着2着3着4着以下
逃げ馬0回3回1回18回
先行馬8回6回6回52回
差し馬10回8回11回141回
追い込み馬2回3回2回87回
枠順1着2着3着4着以下
1枠7回2回1回30回
2枠3回2回3回32回
3枠3回2回2回33回
4枠0回5回4回30回
5枠1回2回1回36回
6枠2回5回1回32回
7枠2回1回5回52回
8枠2回1回3回53回

別に、何も書くことはない。見ているだけでいいというレースだろう。
昨年以上に、本命馬にかかるプレッシャーは大きいが、もう勝負付けは済んでいる。
初参戦だと何をするにしても、不安はあるものだが、横山武史騎手にはトライアルホース・リオンリオンと挑んだダービーの貴重な経験がある。
慎重に抑えても、進路取りを間違えなければ、それさえも仕掛け遅れとはならない。
勝たねばいけないレースの勝ち方を既に馬には教え込んだし、それを皐月賞で完全実行している。
故障さえしなければ、他が立ち向かうことも難しいはずだ。

そこで、不安材料を一つだけ拵えることにした。(笑)
過去データを参照とし、皐月賞が渋っている時に快勝した4頭について、分類を加えた時には不安が残る、という死角を提示してみる。

共同通信杯から直行の馬が、意外と二冠馬になるのに、どこかで不完全なレースをして敗れている戦績を隠し持っているなどというのは、実はどうでもいいが、皐月賞を勝って、かつ大きく支持を集められないダービー参戦馬はたまにはいるが、渋った馬場の皐月賞勝ちの実績は、素直に評価されるダービーという構図になった時、反発の憂き目に遭うことはほとんどないという安心の材料はある。

ところが切り取り方を変えて、皐月賞で1番人気ではない時とした場合、トウカイテイオーやコントレイルのようになれず、エアシャカール<2000年2着>やヴィクトワールピサ<2010年3着>などが、大昔のキタノカチドキだとかハイセイコーのような残念な敗戦を喫するのである。
約50年前の彼らは中間NHK杯を叩いて、本番でガス欠になったが、菊花賞では素晴らしい結果を残した。
エアシャカールもヴィクトワールピサも秋にタイトルを得ている。
ただ、ここでミソをつけたことで、コントレイルにはなれなかった。

無敗で共通の50年前のスターホースと、二冠の2頭に対し、そのほとんどよりキャリアが少ないエフフォーリアは、ディープインパクトやコントレイルが達成した5戦目での最短キャリア二冠達成記録に挑むことになる。
が、夏デビューの馬の二冠達成もまた珍しく、無敗に括ると、7月の旧新潟デビューのシンボリルドルフ以来の記録となる。
大した要素ではないが、そんな些細な誰も気にしない死角を乗り越えることくらい、いとも容易いと思わせた時点で、それはジンクスでも高いハードルでもなくなるのだ。
筆者、それら低レベルの障害に躓くとは思っていない上に、ナリタブライアン的着差拡大の可能性まで予測しているような状況。
相手は関係ないと言える状況で、自身のパフォーマンスがより大切になるという、昨年のコントレイル&福永コンビの実例を、よく復習すれば二冠は確実であろう。
大いに楽しみたいものだ。