フェブラリーステークス 予想

大阪杯を予想!

1984年のグレード制導入と共に誕生した、東京1600mのダート重賞として長く親しまれてきた名物競走が、他のダート戦に先駆けて、
1997年にG1へと昇格して以降、数々の名勝負を繰り返してきた、日本競馬界におけるダート競走の頂点にあるレースの一つです。
当初は地方所属馬も活躍していましたが、徐々にダート戦線もスピード化が進み、あまり地方の競馬場にない距離設定ということもあって、
有力馬のドバイワールドC壮行レースとならない限り、単独峰の趣が際立つ特異な競走へと進化してきました。

フェブラリーステークスの主な勝ち馬

・メイセイオペラ 1999年(史上唯一の地方所属馬によるJRAのG1制覇)
・アグネスデジタル 2002年
・カネヒキリ 2006年
・ヴァーミリアン 2008年
・コパノリッキー 2014年&2015年連覇

フェブラリーステークスの特徴

真冬のレースでダートの競馬であるため、下手に水を撒くと凍ってしまうので、自然と雨が降らない期間が長くなると、
信じられないほどに時計が掛かる年が最近増えていて、一時期よりも、勝ちタイムの振れ幅が大きくなっています。
さりとて、この条件に合うトップホースは少なく、総合力で勝ち切るのも厳しい芝スタートのネックと合わせて、中央専門で走るトップホースのためのレースになりやすく、
癖が強いとまでは言えない設定ながら、人気馬の不発も目立っている現状は、少し前とは変化した点と言えそうです。

フェブラリーステークスの歴代優勝馬

 1着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2011年トランセンド
牡5
57
藤田伸二
1ジャパンCダート①
ワイルドラッシュ
フリオーソ
牡7
57
M.デムーロ
3川崎記念①
ブライアンズタイム
バーディバーディ
牡4
57
池添謙一
4東京大賞典③
ブライアンズタイム
2012年
テスタマッタ
牡6
57
岩田康誠
7根岸S③
タピット
シルクフォーチュン
牡6
57
藤岡康太
4根岸S①
ゴールドアリュール
ワンダーアキュート
牡6
57
和田竜二
2東京大賞典②
カリズマティック
2013年
グレープブランデー
牡5
57
浜中俊
3東海S①
マンハッタンカフェ
エスポワールシチー
牡8
57
松岡正海
9東京大賞典「5」
ゴールドアリュール
ワンダーアキュート
牡7
57
和田竜二
7川崎記念<2>
カリズマティック
2014年
コパノリッキー
牡4
57
田辺裕信
16フェアウェルS<9>
ゴールドアリュール
ホッコータルマエ
牡5
57
幸英明
2川崎記念①
キングカメハメハ
ベルシャザール
牡6
57
C.デムーロ
1ジャパンCダート①
キングカメハメハ
2015年
コパノリッキー
牡5
57
武豊
1東海S①
ゴールドアリュール
インカンテーション
牡5
57
内田博幸
5東海S③
シニスターミニスター
ベストウォーリア
牡5
57
戸崎圭太
3チャンピオンズC⑪
マジェスティックウォリアー
「2016年」
モーニン
牡4
57
M.デムーロ
2根岸S<1>
ヘニーヒューズ
ノンコノユメ
牡4
57
C.ルメール
1チャンピオンズC②
トワイニング
アスカノロマン
牡6
57
太宰啓介
7東海S①
アグネスデジタル
2017年
ゴールドドリーム
牡4
57
M.デムーロ
2チャンピオンズC⑫
ゴールドアリュール
ベストウォーリア
牡7
57
戸崎圭太
5根岸S②
マジェスティックウォリアー
カフジテイク
牡5
57
津村明秀
1根岸S①
プリサイスエンド
2018年
ノンコノユメ
騸6
57
内田博幸
4根岸S「1」
トワイニング
ゴールドドリーム
牡5
57
R.ムーア
1チャンピオンズC①
ゴールドアリュール
インカンテーション
牡8
57
三浦皇成
6東京大賞典⑦
シニスターミニスター
2019年
インティ
牡5
57
武豊
1東海S①
ケイムホーム
ゴールドドリーム
牡6
57
C.ルメール
2東京大賞典②
ゴールドアリュール
ユラノト
牡5
57
福永祐一
8根岸S②
キングカメハメハ
2020年
モズアスコット
牡6
57
C.ルメール
1根岸S①
フランケル
ケイティブレイブ
牡7
57
長岡禎仁
16川崎記念【6】
アドマイヤマックス
サンライズノヴァ
牡6
57
松山弘平
3武蔵野S⑤
ゴールドアリュール
2021年カフェファラオ牡457C.ルメール1チャンピオンズC⑥アメリカンフェイローエアスピネル牡857鮫島克駿9チャンピオンズC⑦キングカメハメハワンダーリーデル
牡857横山典弘8根岸S<2>スタチューオブリバティ
2022年カフェファラオ牡557福永祐一
2チャンピオンズC⑪
アメリカンフェイロー
テイエムサウスダン
牡5
57
岩田康誠
5
根岸S①
サウスヴィグラス
ソダシ
牝4
55吉田隼人
4
チャンピオンズC⑫
クロフネ
2023年レモンポップ牡558坂井 瑠星1根岸S①レモンドロップキッドレッドルゼル牡758川田将雅3JBCスプリント④ロードカナロアメイショウハリオ牡658浜中俊4東京大賞典⓷パイロ
2024年ペプチドナイル牡658藤岡 佑介11東海S⑥キングカメハメハガイアフォース牡558長岡 禎仁5チャレンジC⑥キタサンブラックセキフウ牡558武 豊13兵庫GT⑤ヘニーヒューズ
2025年コスタノヴァ牡558R.キング2根岸S①ロードカナロアサンライズジパング牡458幸英明5プロキオンS②キズナミッキーファイト牡458戸崎圭太 1名古屋大賞典①ドレフォン

フェブラリーステークス 過去10年のデータベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気5回2回1回2回50%50%80%
前走チャンピオンズCでG1級勝ち馬2回2回2回6回14%29%43%
前走チャンピオンズCでそれら以外1回1回0回2回6%6%13%
前走根岸SでG1級勝ち馬2回1回1回8回11%16%21%
前走根岸Sでその他1~3着2回1回2回8回10%20%25%
前走旧東海SでG1級勝ち馬
1回0回0回3回4%4%4%
前走旧東海Sでその他の勝ち馬
1回0回1回3回4%8%8%
前走東京大賞典でG1級勝ち馬0回1回1回13回0%3%6%
前走その他秋以降の重賞で武蔵野S0回0回1回2回0%3%3%
前走JBCスプリントで
0回1回0回3回0%0%3%

フェブラリーステークスは単純明快な血統の縛りがある

こんなに分かりやすいレースはないくらいはっきりしていて、中央の芝にも地方のダートにも特別の適性がない系統だけを徹底的に押さえればいいというのは、ある意味では、初心者向けの傾向と言えます。
ゴールドアリュール以外のサンデーサイレンス系は、マンハッタンカフェ産駒のグレープブランデーのみが制し、
外国産馬でどう見ても北米テーストのスピード型がより台頭して、それ以外を、ダート向きの輸入種牡馬の産駒がカバーするといった具合。
要するに、サンデーサイレンス系を買わない方がいいという理解があれば、そこから序列を決めればいいわけです。

また、東京大賞典を勝つくらいなら中京からの直行にすべきとのデータも出ています。

言うまでもなく、大井の2000mと東京の1600mは対極にあるレースなので、短期間で連勝するような馬は、もはや、異常個体の類です。
10年に一度くらい現れればいいくらいで、そういう馬は当然、中央のG1でもちゃんと勝ち切れる実力者ですから、中京でも大井でも負けている馬を、あえて適性を買われた人気の順で押さえるのがミソです。
その違いについて、多くのファンは理解しているので、人気薄で押さえるという手段はハイリスクと言えます。

フェブラリーステークスの攻略ポイント

前述の種牡馬の縛りと、中央前哨戦の組の精査から、秋のG1シーズンで少し長かったというようなタイプに向く以上、東京の実績と年齢の壁については、しっかりとカバーしておきたいところです。
武蔵野SをチャンピオンズCの出否に関わらず、それなりに好走していることと、明けて6歳までなら5歳馬と同等とする以外、古豪と中距離以上に向くいかにもダート専門タイプは嫌って、
芝のような豊かなスピードや鋭い決め手といった武器をよく見極めて、最後は一番強い馬を時計の序列で決めるレースと据え置けば、
想像以上の波乱は起きないとできるので、まずは、近走インパクトのある走りをした馬の適性をしっかり見定めるのがいいでしょう。
地方で目立って強い馬は減っているので、上位組をピックアップすると、後はもう実力勝負となります。

フェブラリーステークス2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

フェブラリーステークス2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第42回フェブラリーステークス (G1)
グレード重賞(G1)
日程2025年2月23日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離ダート1,600m
コース左回り
賞金1億2000万円
レコードタイム1:33.5

フェブラリーステークス2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

フェブラリーステークス2025の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11エンペラーワケア横山 武史牡558.04.73栗東・坂路・良(横山武)
800m 50.0-36.5-23.5-11.6(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.6-38.8-25.2-12.5(馬なり)
12タガノビューティー石橋 脩牡858.059.213-栗東・坂路・良(助手)
800m 52.1-37.7-24.8-12.7(一杯)
23ミトノオー田辺 裕信牡558.072.614美浦・ウッド・良(田辺裕)
6F 80.6-65.5-51.4-37.9-12.5(一杯)
美浦・ウッド・良(田辺裕)
6F 84.7-69.6-54.8-39.7-12.2(馬なり)
24ウィリアムバローズ岩田 望来牡758.032.010栗東・CW・良(岩田望)
7F 99.6-67.7-53.0-37.5-11.4(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.9-38.0-24.7-12.5(馬なり)
35アーテルアストレア横山 典弘牝656.0 34.111 栗東・CW・良(菱田裕)
6F 82.3-66.9-52.2-37.5-12.4(稍一杯)
-
36メイショウハリオ浜中 俊牡558.031.49栗東・CW・良(浜中俊)
7F 97.5-66.7-52.8-37.7-11.8(一杯)
栗東・CW・良(浜中俊)
6F 82.7-66.5-50.9-36.4-11.3(一杯)
47サンデーファンデー鮫島克駿牡558.016.77栗東・坂路・良(鮫島駿)
800m 52.5-38.3-25.2-12.7(末強め)
栗東・坂路・良(鮫島駿)
800m 52.1-37.8-24.9-12.7(一杯)
48ドゥラエレーデ横山 和生牡558.015.88栗東・坂路・良(助手)
800m 55.0-39.7-25.7-12.4(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.7-39.5-25.4-12.2(馬なり)
59コスタノヴァR.キング牡558.04.59美浦・ウッド・良(助手)
7F 98.0-68.0-53.5-38.7-12.1(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 84.1-68.2-53.9-38.5-11.6(馬なり)
510アンモシエラ吉田 豊牝456.048.010-栗東・坂路・良(助手)
800m 55.1-39.9-25.3-12.6(馬なり)
611ペプチドナイル藤岡 佑介牡758.09.611栗東・坂路・良(藤岡佑)
800m 54.6-38.9-24.5-12.1(馬なり)
栗東・坂路・良(藤岡佑)
800m 54.3-39.1-24.4-11.8(末一杯)
612サンライズジパング吉田豊牝458.011.3 12栗東・坂路・良(助手)
800m 53.7-39.3-25.5-12.7(馬なり)
栗東・坂路・良(幸英明)
800m 51.4-37.8-24.5-12.4(末強め)
713デルマソトガケ松若 風馬牡558.0102.213-栗東・坂路・良(松若風)
800m 51.6-38.1-24.8-12.7(馬なり)
714ミッキーファイト戸崎 圭太牡458.03.414美浦・ウッド・良(助手)
6F 79.6-65.2-50.8-36.7-11.7(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 80.8-65.3-51.2-36.7-11.4(馬なり)
815ガイアフォース長岡 禎仁牡658.0 19.815栗東・坂路・良(長岡禎)
800m 54.4-39.0-24.4-11.8(馬なり)
栗東・坂路・良(長岡禎)
800m 52.1-37.5-24.1-11.8(末強め)
816ヘリオス原優介セ958.0999.916高知・良(多田羅)
4F 52.0-37.1-12.3(馬なり)
-
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬3回1回0回16回15.0%20.0%20.0%
先行馬10回6回5回59回12.5%20.0%26.3%
差し馬5回8回10回89回4.5%11.6%20.5%
追い込み馬8回5回5回92回1.9%6.7%11.5%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠1回0回1回36回2.6%2.6%5.3%
2枠4回2回3回30回10.3%15.4%23.1%
3枠1回2回4回33回2.5%7.5%17.5%
4枠2回4回2回32回5.0%15.0%20.0%
5枠1回4回5回29回2.6%12.8%25.6%
6枠4回0回3回33回10.0%10.0%17.5%
7枠3回4回0回33回7.5%17.5%17.5%
8枠4回4回2回30回10.0%20.0%25.0%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ヘニーヒューズ42回45回49回240回11.2%23.1%36.2%
ロードカナロア24回12回22回158回11.1%16.7%26.9%
ドレフォン22回25回17回149回10.3%22.1%30.0%
ドゥラメンテ19回13回15回120回11.4%19.2%28.1%
キズナ15回13回13回115回9.6%17.9%26.3%
パイロ15回12回16回124回9.0%16.2%25.7%
ジャスタウェイ15回12回11回104回10.6%19.0%26.8%
ホッコータルマエ14回9回15回108回9.6%15.8%26.0%
キングカメハメハ13回15回6回92回10.3%22.2%27.0%
ルーラーシップ11回16回19回157回5.4%13.3%22.7%

フェブラリーステークス2025 - 過去10年のデータ傾向

雰囲気の変化よりも、悪口を言われすぎて変貌の昨年も力通りという事実

過去10年で1番人気馬券外は、2022年と昨年の2度だけ。 川田騎手のレッドルゼル、ルメール騎手のオメガギネスということは、読み切れない要素を騎手の実績に丸投げの期待値が過剰となっただけのこと、という結論で、大まかな見解はOKであろう。
カフェファラオが連覇達成、昨年のペプチドナイルも以降3戦全てG1級競走ながら、それまで見せていた危うさのようなものは消え去り、そのカフェファラオ以来となるレース連覇に堂々挑む立場である。 オッズのつけ方が間違っていただけで、結果は純粋抽出による王者決定という工程に変化はない。
今年もいくらか過剰な出走意欲だけはG1級の伏兵がこぞって登録した関係で、最初から諦めモードのヤマニンウルスは登録だけで今回も終わりそうと、すでに裏の小倉大賞典参戦に主眼を置いているとされるが、そんなことがあっても、弱い馬は出番なしの傾向は踏まえねばならない。 芝スタート云々を言って、日本の芝以上にスピード能力が問われる本場のダート戦に挑めない連中が、空洞化を揶揄するなど以ての外。 サブトラック的な日本のサンド競馬に、地方を中心にオールウェザーや高速ダートなどの色分けをしない限り、質の本質的な向上は期待できないはずなのに、人気馬総崩れの昨年だって、適性をまるのまま証明するG1だったフェブラリーSは、いつも通り。 我々の側が、フェブラリーSから強いボールを投げ返されたような感じもしないではない。

エース級の直行ローテは、その格に相応しい馬のみ通用

単純明快、半端に中京で走ったくらいなら、ボロ負け、白旗を早々に掲げた後、逆襲をいち早く誓い、巻き返すのみという傾向。 好走のG1級勝者は、その2勝とも、このコースに高い適性を示したカフェファラオ、それもいずれもチャンピオンズC掲示板外の敗戦。 おまけに、ここが初G1制覇のゴールドドリームも、大井でのジャパンダートダービーでも連外しで、その格相応の実績作りが必要だった中京で自滅。 ところが堂々の抜け出しだった。
その直前に、同じゴールドアリュール産駒のコパノリッキーが魅せたように、違う何かを持っている馬が、他のダートタイトル戦と異なるスキルが求められた時の破壊力は、カフェファラオ同様、やはり侮れない。 昨年のヴィクトリアマイルを勝ったテンハッピーローズにも通じるところだ。
はっきりしているのは、その結果がフロックではなかったということ。 こういうタイプはペプチドナイルにもあった初東京で結果を出した実績とも合致する傾向で、いくらでも類推は可能。 案外、昨年覇者には当然の敬意を示しつつ、主要メンバーのサウジ駆り出しで隙間産業を担うこととなった昨年のダービーウイナーが、完全なるサウスポー・アーテルアストレア<意外にも、レディスプレリュード以外の7勝は全て左回りでの記録>に乗り込み、菱田がいないなら武豊のカードを切れない陣営をわくわくさせているようだから、こんなんも仕込んでおきまひょ。

中身は東海SのままというプロキオンSの注目馬は限定される

来るなら頭、理由があって2、3着。 1着馬は古い順に、コパノリッキー<5歳時、勇退される村山明調教師の管理馬>、インティらのユタカコネクションに、昨年変則開催の京都の高速馬場でもたついた大型馬・ペプチドナイルが絡む。 こちらは必ずしも、東京マイルがジャストフィットではなかった馬も混ざるが、何より、5歳以下か初G1挑戦か、いずれにせよ、新顔が有利。
古馬とはもう2度戦っているサンライズジパングは、主戦のレジェンド曰く、道中全く前に進もうとしないタイプというように、勝負所でいつも押っ付けられていて、武豊のフィジカルトレーナー?も兼務しているようだが、 歴戦の猛者のような振る舞いながら、1年前は芝の若駒Sで、例のモタモタを披露しつつ、きっちりホープフルS3着馬らしい基本能力の違いで差し切り勝ち。 まだ大丈夫そうですから…、というペプチドナイルリスペクトのついでに、この前進気勢に乏しい兼用馬が専門に変わるきっかけとなる一戦と勝手に位置づけ、これも拾っておく。

前走地方競馬の組の優先順位の変化に必然性が孕むことを根拠にして…

前走東京大賞典<現時点で地方競馬唯一のG1競走>という組は、一昨年に落馬寸前のスタート失敗を難なく直線でリカバリーしたメイショウハリオの前が、ほぼ全盛期だった頃のゴールドドリーム・5歳時 であったから、トレンドではない。 今はここから、サウジCに向かうのが王道に近い。
ドバイワールドCのダート戦を日本調教馬で唯一制したウシュバテソーロは、旧来の日程で根岸Sや旧東海Sなどが行われていた頃の川崎記念からの転戦であったわけだが、これも奇跡の復活を遂げたケイティブレイブ<この騎乗者・長岡騎手はまたガイアフォースに乗る>以降は、もう企図することが不可能なローテであるから、実質消滅。
今般行われたJRAの番組改革は、プロキオンSに名前が変わっただけの旧東海Sが、その前の平安Sから繋がるフェブラリーS前哨戦の位置づけに変化なく、回数を元のプロキオンSのままにするからややこしくなるだけであって、馬にも使う人にも本当は大きな変化がないパターンばかり。 トライアルを使わない陣営は今後もあまり使わないだろうし…、という程度の変化なのであり、夏の開催場組み換えが最大の変更点だった。
ただ、NAR側の改革は、JRAをも巻き込んだマジモード。 名古屋競馬に変わりはないが、距離そのものは東京大賞典と変わらない名古屋の大賞典は、その呼称でやや問題を生じる可能性も踏まえ、JRA調教馬解放の前からずっと春の開催だったが、競馬場の移設に伴う、施行条件の大幅変更により、ややこしいことになった。(笑)
名前だけで出られそうなデルマソトガケ<珍名という意味ではない>、そして、4歳になったばかりのミッキーファイト。 ヤマニンウルスは18頭くらいの登録でも怪しいところで、主戦も出張、早々に小倉逃避の攻めの手を講じてきた。 G1級ウイナーのデルマは正攻法の国内ひと叩きの王道路線で復権をかけるが、これが佐賀記念でかなり残念な結果に終わった。 決して、実戦復帰初戦の松若騎手云々は関係ない。
一方、ヤマニンウルスを倒したことで、出走をほぼ確実にしたノンタイトルホースのミッキーファイトは、昨年のウイナーと瓜二つ、それ以上の目方で名古屋大賞典を勝ち切ったが、明らかにウエイトオーバーに映った。 古馬初戦を、ややこしさは相変わらずの名古屋で、しかし、ナイターの経験も活かした内容は、直後に有馬を制する戸崎騎手といえども、馬の迫力が一枚上だった印象。
初マイルなどではなく、デビュー戦がこの東京の当該距離というのは、レモンポップに王者の振る舞いを仕込んだ田中博康調教師とのコンビで、今度こその戴冠を…。 昨年のオメガギネスのように、中身が備わっていないところで過剰な支持を集めるようなことはなく、同期にも強力なライバルがいるが、この馬、明らかにスピード勝負で本領発揮のカフェファラオタイプと筆者は睨み、渾身の◎としたい。

フェブラリーステークス2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

お前に任せたぜ、そうレモンポップとフォーエバーヤングに言われただろう信頼のコンビで初戴冠となるか

ミッキーファイトの血統

お馴染みのパロクサイド系。 母父のスペシャルウィークは、シーザリオやブエナビスタの父として著名ながら、直仔からゴルトブリッツやローマンレジェンド、母父としてもタガノビューティーがお馴染みの存在になったように、大物は他にジュンライトボルトや名脇役のヴェンジェンス、ソリストサンダーなども獲得賞金上位に加わるように、シーザリオ兄弟の猛攻の陰で、やけにダート巧者を多く出してきた。
そんな背景から、大種牡馬になったエピファネイアはドバイワールドCに挑んだのである。 ダービー馬・ダノンデサイルは、そのことにまで陣営は考えを巡らせ、母系が北米の快速系であることから、改めて、ワールドCへの出走を希望する旨を伝えたが、第2候補のシーマクラシックに選出、すでに快諾したとのこと。 スペシャルウィークの血筋はダートを走るなど、芝の超王道を進んだ、武豊・運命の馬の将来像を誰も予測していなかったが、父サンデーサイレンスは北米主要タイトルを3つもがっちりと押さえ、母父マルゼンスキーはダートでも異常に強かった。
父は速いダート型に出たドレフォンで、その前の代が、ストームキャットなのにダートではなく芝が合っていたという不思議な性質を持っていたから、社台グループとしても期待が大きかったが、大物はダートでこその印象。 大型エンジンに見合った、超ゴージャスボディに仕上がったミッキーファイトは、現状は当然未完であるものの、どんな条件でもまず崩れない。 ジャパンCでスペシャルウィークとも対決した3代母のエアグルーヴに関する説明はもはや不要であるが、この馬がまさに、相手なりに自身の状態に問題がない限り走れる馬だった。 生涯成績【9・5・3・2】のエアグルーヴ、同じく【10・4・2・1】だったスペシャルウィークと、ここまで6戦3着外しナシ、古馬初戦も力づくで制した底力は、しっかりと受け継がれている。 いいとこどりの次世代エース級。 あんなに同期のライバルが強くなければ、この馬が中東遠征していても不思議はなかった。 来年こそ、であろう。

フェブラリーステークス2025 - レース展開と最終予想

主に中距離実績しかないミッキーファイトを、自信の本命とした理由は単純。 戸崎騎手は夏のレパードSから、好位付けさせることに成功をさせながら、調子一歩は衆目の一致するところだったジャパンダートクラシックにおける大本命馬・フォーエバーヤングを、乾坤一擲、まさにここしかないという場面で負かしに行く策を、この先も見据えた中で、勝負圏内だった7頭ほどの先団グループの中では最後方にポジショニングして、当然、本番などと思っているはずもないフォーエバーヤングを一旦は呑み込もうという勢いで、誰よりも鋭く直線は反応して、伸びてきたのだ。 ラムジェットは早い仕掛けで、正攻法を仕掛けたものの、これも秋緒戦ということで奮わず。
そうした中で、ある意味、順調に叩かれてきた組の最有力であったサンライズジパングとこのミッキーファイトが、戦い方を違えたという点に、ある種の不安要素を見たのである。 さては、この距離だと長いのではないのか。 もっと言えば、よりタフさを増した大井のダートの厳しさを、スマートな騎乗をモットーとする戸崎圭太のこと、現状のパートナーの完成度や適性も見極め、戦えるギリギリのラインまで下げて、スパートの爆発力で一発を狙ったとも思えてきたのである。
筆者の中では結果論なのだが、陣営とすると、さすが戸崎さんではなかったのか…。 現に、揉まれ弱さは当然想定されたヤマニンウルス失意の敗退の最大要因は、武豊風邪っぴき疑惑というより、彼にも負けない迫力ボディで外を回して攻め込めたミッキーファイトが、実際は、前のノットゥルノも含め、全てレースを牛耳っておきながら、肝心のスパートの場面で、高速の新潟戦よりもずっと叱咤が必要だったという、前走名古屋大賞典の案外に等しい辛勝に、確証を持ったわけだ。 デカい馬なのだから、距離を万能にこなせるわけではない。 そもそも、逃げられるほどの行き脚もない。
ただ、逃げられないこそ、騎手は策の組み立てが自在にできる。 言い訳したくなるような不利を何度か受けてきたが、一度たりともめげなかったこのミッキーファイトは、その名の通りに大きな希望を抱く若き才能の一頭であろう。
気になったのが、デビュー当初から530kg超えだった馬体重。 そこから20数キロ増えた前走は、5の数字が3つキレイに並んだ。 サラブレッドなので、7並びでは流石に具合は悪いが、この馬の平均馬体重と同じくらいの目方であるフォーエバーヤングは、いつもそうだが、全身をしっかり使いこなし、四肢にバランスよく自重のかかる見事なフォームで、それでもなお、未完成と言わしめるほどの天才ランナー。 大井で並びかけた2頭のフォームチェックをすれば一目瞭然。 その辺りからして、才能の違いがあると見える部分は、当時はあったのだが、名古屋の内容で少し修正。 そもそも、守備範囲からして棲み分けが必要なくらいに、実際は適性が違っているのかもしれないと思った。
不良馬場の新馬戦のみ、戸崎騎手ではなかったのだが、馬乗りの才能で先輩に見劣りしない田辺騎手が前を行って、完全に押し切り態勢に入った時、同じように天才と称されてきた津村騎手でデビューしたミッキーファイトは、田辺騎手のセントラルヴァレーが水溜まりができていたゴールライン手前、急にそれを避けようと外へ瞬間移動した刹那、その進路に早着替えがごとく入り込んで差し切るまで、芝スタートもうまくいかず、さすがに2着も苦しいというところから、あり得ない追い込みで追撃してきたという経緯がある。 ただ馬乗りが上手、ただ騎乗経験が長いといういずれかが該当しただけでは、只ならぬ、不穏な空気に包まれる怪しげな展開を迎えただろう危険なシーンは、この二人が乗っていなければ、接触事象に発展していたはずだ。
悪運も強い両者は、いずれも直後のレースを制し、距離を変えて、少しずつまた力をつけているセントラルヴァレーが、来年のライバルになって不思議はない。 何せ、新馬で負けていたはずの相手である。 ただ、見事に軌道に乗せたミッキーファイトは、田中博康調教師が明確なビジョンを持って、的確にタクトを振った結果の好成績の持続。 そうして、沈むことのないスピードモンスター・レモンポップが走り切ったことは、誰もが理解する確かな実績である。
ルメール騎手に厩舎の期待馬を託すのは、大概は、芝の大レース向きのキャラ。 ここまでA級ダート馬はあまり多くいなかった木村厩舎から、早々にダート転向でここまで府中で暴れる男のキャラが板についてきたコスタノヴァは、ルメール騎手不在に加え、横山武史騎手も同じ理由で乗り替わりの発生するエンペラーワケアに先約がある関係で、出否そのものが怪しい。 こうなると乗るなら、もう北村宏司である。
こういう制約から、一切解放されているミッキーファイトは、まさに今こそが勝機濃厚のフェブラリーSで大威張りという状態。 相手関係から、ここまでのキャリアと確かな分析を加えれば、十分に1番人気も想定されるが、件の地方重賞組の不発続きに加え、妙な混戦が、主役級騎手の不在でも明らかなように、不確定要素を生む。 そのせいで、昨年は戸崎→ルメールという、複雑な事情の絡みで生じた怪しげな乗り替わりにより<ダート重賞未勝利馬の1番人気は若い馬ばかりなので過剰な支持を集めやすいが、幸運にも除外を逃れて出走できただけで、騎手人気先行が過ぎた>、オメガギネスさんの悲鳴が競馬場に響くくらいに、切なくなるほどの惨敗を喫したという経験を、今年はしっかりと活かしたい。
戸崎の二択で、レモンポップではなく、ドライスタウトを選んで、筆者もろとも飛んだのは一昨年。 もっと言えば、主戦のフリオーソが絶頂期に、このレースに挑んでトランセンドに食らいついた時の鞍上は、まだ短期免許時代のミルコ・デムーロ騎手だった。 まさにベストパートナーだったベストウォリアーとは、豪傑にねじ伏せられた完敗で勝ち切れず…。 これから真のビッグスターに育とうというタレントであることに、一切の疑う余地を残さぬミッキーファイトで、圧倒的な日本競馬G1シーズンスタートを決める、傑出した内容の完勝劇を期待する。 風邪には気を付けてください。 戸崎さんももう若くありませんので。
ただ、この男、腕の割に昨年のJRA7勝は物足りないが、秋以降は、大物とのタッグで魅せている。 エリカエクスプレスは今後どうなるかわからないほど、破格の内容で2戦2勝としたが、その前後のレガレイラ、ダノンデサイルらは、また乗れる確証のない実績十分の名手が乗ってきた馬で出した、在るべき姿を示したという意味でも価値がある勝利。 武豊が言い始めた5Gメンバーに多少の移ろいがあるのは仕方ないにしても、40代半ばのG1ジョッキーは、今まさに、絶頂期であることがほとんど。
5Gもその少し下の世代も、大いに活躍した時代と符合するそれに、今の戸崎騎手がズバリ当てはまる。 人馬とも、しっかりと力を示しておきたい。 ここで負けてもすぐ巻き返せるほど、今のミッキーファイトは逞しくなっているから、少し絞れれば、まず崩れることはない。

フェブラリーステークス 過去の予想と結果