フェブラリーステークス2021予想
レース名 | 第38回 フェブラリーステークス |
グレード | 重賞(G1) |
日程 | 2021年2月21日(日曜) |
発走時間 | 15時40分 |
開催場所 | 東京競馬場 |
距離 | ダート1600m |
コース | 左回り |
賞金 | 1億円 |
レコードタイム | 1:33.8 |
フェブラリーステークス2021の出馬表(馬柱)- 出走予定馬の馬体診断と想定騎手(枠順確定)
枠順 | 出走予定馬 | 騎手 | 斤量(負担重量) | 馬体重(前走) | 予想オッズ |
---|---|---|---|---|---|
1 | インティ | 武 豊 | 57kg | 524kg | 11.9 |
1 | エアアルマス | 松山 弘平 | 57kg | 494kg | 41.9 |
2 | カフェファラオ | C.ルメール | 57kg | 504kg | 3.1 |
2 | ヘリオス | M.デムーロ | 57kg | 466kg | 67.6 |
3 | アルクトス | 田辺 裕信 | 57kg | 544kg | 5.0 |
3 | サクセスエナジー | 酒井 学 | 57kg | 550kg | 239.0 |
4 | ワイドファラオ | 福永 祐一 | 57kg | 506kg | 35.5 |
5 | エアスピネル | 鮫島 克駿 | 57kg | 492kg | 53.2 |
5 | サンライズノヴァ | 松若 風馬 | 57kg | 534kg | 5.9 |
6 | スマートダンディー | 秋山 真一郎 | 57kg | 502kg | 301.7 |
6 | ヤマニンアンプリメ | 横山 武史 | 55kg | 496kg | 273.1 |
7 | オーヴェルニュ | 丸山 元気 | 57kg | 476kg | 8.8 |
7 | ソリストサンダー | 北村 宏司 | 57kg | 486kg | 33.6 |
7 | ワンダーリーデル | 横山 典弘 | 57kg | 532kg | 19.2 |
8 | ミューチャリー | 御神本 訓史 | 57kg | 469kg | 99.0 |
8 | レッドルゼル | 川田 将雅 | 57kg | 494kg | 4.0 |
フェブラリーSの過去のデータ傾向
1番人気は堅いというより大外しがないとすべき
【4・2・2・2】
着外の2頭は基本的に逃げて勝負したい徹底先行型。
G1昇格後では前年に良馬場で1番人気の逃げ切りを決めたことが翌年は裏目に出てしまったトランセンドと不良馬場でレースレコード勝ちのメイショウボーラーだけでどちらも大いに人気を集めた重賞連勝中の中心馬だった。
そういう馬は重賞レースでは押し並べて総マークを受けるのでマイペースならいい競馬はできるがその他で逃げ切りというか20年で3頭しかいない逃げの連対馬の1頭であるインティなどスタート直後のオーラでレースを制したようなところがあって翌年は皆惨敗。
コース形態からして追い込み一手も辛いが逃げ切れるという才能が裏目に出るとした時、揉まれても力を出せるダートスターらしいタフガイをピックアップするのが筋というのが1番人気の傾向からも読み解ける。
1番人気必至のレッドルゼルは元々グイグイ先行のタイプではなかったがここ2走での差しの内容からも、距離適性の壁のようなものを懸念する以外では大きな死角はない。
ただしG1初参戦で1番人気となると重圧は大きい。
無観客かどうかは競馬がよりタイトになるからあまり関係ないように思う。
ユニコーンS勝ちの4~5歳馬の傾向は?
こちらのデータは上部の過去10年のデータベースを見てもわかる通り以下となっている。
【1・2・2・6】
- ・1着 2017年 ゴールドドリーム(牡4) ※フェブラリーS通算【1・2・0・0】
- ・2着 2016年 ノンコノユメ(牡4) ※翌年は着外。6歳時、去勢後に勝利
- ・2着 2018年 ゴールドドリーム(牡5)
- ・3着 2011年 バーディバーディ(牡4)
- ・3着 2015年 ベストウォーリア(牡5) ※前年も参戦するが惨敗
該当するのは本命のカフェファラオ(牡4)と昨年12着のワイドファラオ(牡5/直後にかしわ記念快勝)なのだが、若い馬に有利なレースだけに最初の挑戦で外すと盛り返すのは困難というのは芝のタイトルとよく似た傾向。
狙うならファーストチャレンジ。
結果的に名馬であったからという人気薄の激走にもヒントはあった
後にJpn1を中心にマイルのビッグレースを軒並み制したそのレコード保持者であるコパノリッキーが最初にゲットしたのがこのフェブラリーS。
単勝式馬券の支持率は0.0?%レベルの272倍であった。
結果は2着のホッコータルマエに乗った幸騎手が語ったように相手が一枚上だったという通りのものに。
コパノリッキーが後々大成するとは園田で独走した3歳春の時点ではちょっとは感じたが故障明けの2戦を見る限り、しばらく苦しいと思わせるものがあったのは事実。
ただ、この前年のエスポワールシチー、少し経過して昨年のケイティブレイブなど誰でも知っているタイトルホルダーなのに、どうしてなのか、必然的にも思える近走の内容でもあったが何故人気薄激走となったのか…。
理由が最初は分からないから、そうした疑問が生じたわけだが
案外単純な傾向が見えてきた。
エスポワールシチー フェブラリーS通算【1・1・0・2】
2013年の2着馬(単勝:26.3倍)
※前走/東京大賞典 5着(重馬場)
コパノリッキー フェブラリーS通算【2・0・0・2】
2014年の勝ち馬(単勝:272.1倍)
※前走/フェアウェルS 9着(稍重馬場) *フェブラリーSが叩き3戦目
ケイティブレイブ フェブラリーS通算【0・1・0・2】
2020年の2着馬(単勝:142.6倍)
※前走/川崎記念 6着(不良馬場)
適性を感じさせないからオッズがまるで上がらなかったのであってここまでの中距離実績だとかそもそもの総合力が相手関係から見て結果的には低評価過ぎただけとはいえ、自分が得意かどうかはともかく道悪でそれもややタフな馬場質のところで完敗だった時ほど異色の東京マイルコースで動き一変は起こり得るとしたい。
本来は前哨戦組のトラックバイアスからの解放と理由づけるのが一般的な解釈ではあるが明解に前哨戦と呼べる存在があってないような感じのフェブラリーSだから意外なところから出現する野郎には気をつけたいところ。
フェブラリーSの主な候補
ミューチャリー(前年は11着)
前走/川崎記念 5着(重馬場)
地方から参戦の最強クラスの馬は、皆前走かその前に東京大賞典を使っていて、完敗ながら、着順は悪くなかった。
川崎記念も完敗続きの影響で5番人気で、昨年のこのレースは15番人気。
なくはないけど、3着までだろうという見方になってくるか。
ワンダーリーデル(前年は4着)
前走/根岸S 2着(稍重馬場)
名うての府中巧者ながら、ハマるかハマらないかのタイプで、前走が8歳にして初の2着からも分かるように、今回頭までは望み薄。
ただ、近年ほど高齢馬が増えているフェブラリーSだから、本筋ではないものの、穴馬としての狙い目ではレッドルゼルと一括りで面白い。
アルクトス、エアスピネル、サンライズノヴァ、レッドルゼルなどの扱い(過去10年)
5歳・重賞馬 【4・3・2・16】
レッドルゼルは勢いのある上り馬なので、正当な上位評価のケースの方が買い。
6歳・G1級連対馬 【3・1・3・11】
頭で買いづらいし、アルクトスは来るか来ないかはっきりしているタイプ。軸にはしない方が精神衛生上グッド。
7歳以上の近3走重賞連対実績ありの牡馬 複勝回収率:114%
芝から転じるも安定しているとは言えないエアスピネルよりは復活しかけているワンダーリーデルや、知り合いのおじさん的存在のノヴァを押さえたい。
キンカメ産駒には鬼門のフェブラリーSだけに、エアスピネルは当然評価を下げるしかないが、芝の準エース級だった同産駒が登場することなどなかったので、念のため印を回しておく。
フェブラリーステークス - 出走予定馬の血統分析
己の血統を根拠に完全論破してしまう名馬たれ。
レイズアネイティヴの多さ、主要8系統の内5本がそれに該当しここにトムフール系の名馬・バックパサーが絡むという血統構成。
名馬の伝説を再興すべき存在でなければカフェファラオがこの世に生を受けたその意味がなくなってしまうのではないのか。
筆者、この馬の血統表を見返してみて、想像以上に奥が深い配合と結論付け本命にせざるを得ないと観念した。
それにしても4歳馬が先週の京都記念にも登録なしと散々な状況。
雲散霧消にこれまでのことはなかったことにはできないのかとここ20年の1回東京最終週までの4歳馬の重賞勝利数を年毎にカウントしてみたのだが、最少記録から順に書き並べると以下の通りだった。
重賞勝利数 | 4歳になった年 | 勝ち数 | 古馬重賞総数 | 同期の古馬G1勝ち馬 |
---|---|---|---|---|
1勝 | 2002年 | 1回 | 13回 | ジャングルポケット、マンハッタンカフェ |
2勝 | 2004年 | 2回 | 13回 | ゼンノロブロイ、アドマイヤグルーヴ |
2勝 | 2008年 | 2回 | 13回 | ウオッカ、ダイワスカーレット |
2勝 | 2009年 | 2回 | 12回 | エスポワールシチー、リトルアマポーラ |
2勝 | 2015年 | 2回 | 12回 | モーリス、ショウナンパンドラ |
2勝 | 2021年 | 2回 | 13回 | コントレイル、デアリングタクト |
必ずしも4歳馬には有利ではないフェブラリーSだがパッとしない流れの年でも頑張れる馬は走り切って見せる。
ちなみに2019年はコパノキッキングとオメガパフュームといった大物もいたが条件が合わずに完敗だった。
条件は合うが走る気を取り戻しているか。
そこが問題のカフェファラオはひとまず勝機のある血統の持ち主であることだけは確かだ。
近年、レイズアネイティヴに偏りのある馬はインティが挙げられるがその前だとホッコータルマエだとかモーニンも好走している。
加えてバックパサーのインブリードが効果的とできる根拠になる歴代の勝ち馬が芝で走っていた牝馬二冠ベガの仔・アドマイヤドン。
ダートデビューから芝に転じて一気に2歳王者となり、クラシックは皆勤賞も菊花賞後一気に盛岡へ転戦しJBCクラシック圧勝後はマイル戦でほぼ無敗を通した。
フェブラリーS連覇のコパノリッキーもティンバーカントリー×トニービンの母を持つから共通項もあるが今の時代はハイペリオンかその直系のクロスは重要視されないのでノーザンダンサーとの相性がいいこのトムフール-バックパサーの血の方が有益。
芝もダートもなく、様々なエース級に育つ可能性を担保できる母系に入って重要な傍流系統だ。
父のアメリカンフェイローの3代母の父がトムフールの孫。
母父モアザンレディはウッドマンの血を持ちこれはティンバーカントリーの父でもあるからこの代で同じくバックパサーを母父に持つミスワキを母母父に置くことで母の代ではミスプロと同時にこの強いクロスも入り込む。
薄めの継続性を持ったクロスは当然、カフェファラオの代でも掛かるから薄っすらでもG1級7勝馬に並べるだけのスケール感は持ち合わせていると仮にでもできる。
フェブラリーステークス - レース展開と最終予想
前走は枠はともかく、3コーナー辺りから手応えが悪く休み明けに等しい中8週ローテで本来伸び盛りをアピールしたい3歳馬としてはマイナス体重だったことより、これまでの最少馬体重だった点でも物足りなさを示すと同時に4コーナーで外に膨れて完全アウト。
ただ、最後に唯一パスした馬がモズアスコットだけだったので前に突き放されたが自分は止まってないのだから仕方ない。
中山の新馬戦こそ独走だったが、その後2戦した東京の方が遥かにインパクトも内容もパワーアップの印象。
30戦21勝のトムフール、直仔であるバックパサーも31戦25勝で共にUSAスターだったわけだがマイル近辺での快時計の記録が残っている。
直系5代父であるファピアノも、ベルモントパークで8Fを1分33秒台で駆けている。
ちなみに、ファピアノのクロスを母が持っているコントレイルはほとんど不滅に思える1:44.5の芝1800Mにおける2歳世界レコード級のタイムを東京で叩き出しているわけだがそれとヘイローの血のミックスで共通する以外にも強く繋がりのあるクロスを成すバックパサーとコントレイルは同じラトロワンヌを牝祖に持つスターホース。
前者は3代母コントレイルはサイクルが早いから10代ほど遡ることになるのだが今回直系8代母にラトロワンヌを持つレッドルゼルが登場、初対戦することになったのがカフェファラオであるともできるのだ。
厩舎の宿敵であるコントレイルは、クラシック制覇さえも既定路線のかつてのダート王御用達の安田隆行厩舎に属すラトロワンヌの血を持つ好敵手を差し向け、お前ならどうするという課題をまた、サリオスに対して施した教育のようにこのカフェファラオにも与えているように思える。
セックスアピール系のスーパースター・アーモンドアイがコントレイルらに課した命題は特別だったが、今回のそれは単純なG1制覇のハードルに過ぎない。
ただ、カフェファラオにはもう少しだけ味方がいる。
5代血統表にひっそりと掲示される大種牡馬・ウッドマンの母であるプレイメイトはラトロワンヌ系のバックパサーとその直系の繁殖牝馬との掛け合わせで誕生した経緯があり、その4×5を内包してウッドマンは生を受けた。
ノーザンテーストやデインヒルも似たような基礎繁殖の濃厚なクロスを有した大種牡馬であり広範にその影響力を示す根拠ともなっている。
罠にかかればあっさりの若馬だがいざ本気を出した時の破壊力は別格。
言わずもがなウッドマン直系の子孫は先に挙げたアドマイヤドンだ。
血に恵まれた馬だからこそ結果も求められるのは仕方がない。
大一番となる。