フェブラリーステークス2025【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着コスタノヴァ(4.3倍)2着サンライズジパング(7.0倍)3着ミッキーファイト(3.3倍)

レース名第42回フェブラリーステークス (G1)
日程2025年2月23日
優勝馬コスタノヴァ
優勝騎手R.キング
勝ちタイム1:35.5
馬場
3連単配当13,510円

フェブラリーステークス2025 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

着順馬番馬名タイム着差
19コスタノヴァ1:35.5-
212サンライズジパング1:35.73/4
314ミッキーファイト1:35.91.1/4
411ペプチドナイル1:35.9クビ
51エンペラーワケア1:36.01/2
単勝9430円
複勝9170円
複勝12210円
複勝14150円
枠連5-6820円
ワイド9-12720円
ワイド9-14420円
ワイド12-14440円
馬連9-121,830円
馬単9-122,970円
3連複9-12-142,140円
3連単9-12-1413,510円

フェブラリーステークス2025 - レース後コメント(騎手/厩舎)

「非常に感動している。これは女性騎手ではなくて、騎手としてG1を日本で自分自身で取ることができて非常にうれしい。サポートしていただいている方に感謝している」

※優勝したR.キング騎手のコメント(コスタノヴァ)

フェブラリーステークス2025 - レース結果動画(YouTube)

フェブラリーステークス2025 - 回顧

コスタノヴァの血統

ロードカナロア×ハーツクライという配合は、木村調教師がこのコスタノヴァを、芝のマイル戦、本気でクラシック狙いをしてきた東京での初陣というところでも理解できるように、本質的には、芝が合っている。 キングカメハメハとハーツクライは、レコード決着のダービーで1、2着とした宿命のライバルで、それが双方の祖父にあたるという配合は、かなり意図したものを感じさせるが、ロードカナロアにはディープインパクトよりも、このハーツクライの方が合っているとも思える。 その十分な根拠となっているのが、あの小倉牝馬S同着優勝のシンティレーションがアグネスタキオンだったという前が、中京で強い勝ち方をしたロードデルレイ、またその前にも、ケイデンスコールやヴァルディゼールなど、年明け早々の重賞でやけに強い傾向があるからなのかもしれない。
ディープインパクトを父に持つ、血統にも価値のある有力な配合相手に困らないロードカナロアは、キングカメハメハのクロスにさえ気を付ければ、色々なタイプと組み合わせられるのだが、世界レコード級のマイルの勝ちタイムを誇るトロワゼトワルなど、何となく、1400くらいが合っていそうな馬を、いざ重賞で使ってみて、距離適性ではなく、持ちうるスピード能力、即ち、ロードカナロアらしい快活なスピードを全開にさせて勝負させることに特化した一面を秘める、ブルードメアサイアーハーツクライというカナロア産駒たちが、再び、肝心のマイルで魅せるというのは、レイチェル・キング騎手が日本でもG1を当たり前のように制したように、必然的な展開であっただろう。
根岸Sで独走を決めた時点で、素直に信じた多くのファンは、複雑な回答の方式を求められたようにいて、実にシンプルな適性に、こうした底上げ効果のある血統的特性にまで目を配れば、ようやく眠たくなってきたところで、本番を見逃していても、しっかりと的中だったはずである。


用意周到に挑んできたエンペラーワケア、期待値の中にマイルで能力全開の可能性が見られたと思えたミッキーファイトらは、元が大きいから気にならない部分もあったが、ともに、前走との増減の際こそあったが、共に、550kgでの出走。 500kg近くある、結果、今日もいつも通りだったコスタノヴァは、こういう肉弾戦を所望する男の中の男たちに立ち向かうと、まるで牝馬に見てしまうほど、線が細く映ったのだが、結果として、そうした才能、好走のサンライズジパング<もうかなりのベテランになった幸英明騎手がやや覚醒している印象>も、父がキズナということもあって、520kg超ながら、ストライドが大きすぎることがいいところでもあって、また死角にもなるという面の言いところが今回は出た。
1000M通過は、結果的には予測値を大きく下回る形で、59.4秒であった。 こういうことは日常茶飯事。
何もへそ曲がりは、横山典弘だけではないという定番の想定外は、決め手比べの様相となって、府中巧者、芝的な決め手を繰り出すことに特化したコスタノヴァを大きく後押した格好だ。 それを引き出す、恐るべきパーフェクトビューティのキング騎手は、特異な日本のダートの本質になど、まだ深くは接していないはずだが、そういう括りからは少しはみ出ている東京、芝スタートのマイル戦で、普段からひしひしと感じる、したたかなレースメイクの引き出しの多さ、その選択の正確性で、コスタノヴァを最高のアシストで、G1ウイナーへと導いたのであった。
あまり、軽い馬ではないものの、どういう反応をするのか、まだまだ全容が見えてこないこの若い5歳馬に、これまでは手を焼いてきたのだと、木村哲也厩舎のスタッフが語るかと思えば、いつも以上に酸っぱい顔をして、いらないことを言わないように気を付けながら、記者会見で言葉を紡いだボスの姿から、容易にこの舞台に連れてこられたわけではないことを、この上なく、レースの前の今では感じさせていたが、上位人気のメンバーが、どれも不安のない出来に映ったところで、わずかな際になりそうな体格面の特長は、最後の最後は、結果を分ける重要なファクターとなった。
コスタノヴァが直線で繰り出したのは、大体、30秒くらいの決め脚。 即ち、500Mくらいの東京の直線で、マイル以上の芝の標準値に最も適合し、2000Mまでのダートの選手権距離でも同じように必須能力として求めれるハロンごとに12秒の脚を確実に使うという、ある種のプロトコルに、最も、正攻法に近い手を取りやすかったキング騎手が、そうした才能を早くに理解し、コスタノヴァは難なく、その必須の才能を全開にさせたのだ。
526kgのサンライズジパングは、ハイペース所望でも、どの道置かれることを覚悟し、よく乗っている武豊騎手に尋ねるまでもなく、勝負どころでは必ずもたつくそれが、最小限で済むようにして、かつ、引退直前の音無調教師に最後のタイトルとプレゼントしようと、秘策を繰り出したのだろうが、キャラ的に、最後もまじめに走らないところがある。 鋭く迫っているが、何となく、脚がもう少し残っていた気がするのは、みためだけではないだろうし、本当は、もう少し距離が欲しいが、コスタノヴァ同様、彼もまた左回りの動き、盛岡も東京も同じで、大きな回りであると、能力全開になるタイプなのだろう。 思わず、ドゥラエレーデ・ライアンの発想力のイン強襲を思い出したが、スピード能力で見劣ったか。
一方、味があったエンペラーワケアの正しい位置からの抜け出しは、昨年の根岸S独走のイメージぴったりな展開になりながら、もつれる糸をほどき直す時間がないとまずならず、いつも焦らないエンペラーワケアにしては、堂々とした振る舞いではなかった。 体重増は体調の良さの証だったが、果敢な挑戦を選択したコスタノヴァ陣営に対し、使わないことのリスクが出てしまった印象もある。 この辺り、ハマれば何も言われないが、ジャパンCも凱旋門賞も、一昨年のブリーダーズCクラシックもそう、いいところまで行っても、たいがいは2、3着止まり。 スピード競馬というほどは速くない日本のダートで、彼の持ち味は、今回は全開ではならなかった。 皮肉なもので、近走で唯一の黒星を喫した相手に、今回は置いて行かれてしまったことは、事の真相を、ありのままに示しているようにも思えた。
外枠は馬格からして、全く問題ないはずのペプチドナイル、ミッキーファイトらは、少しもたつくほどの楽な追走で、ザ・推奨株通したミッキー至っては、むしろ掛かっていたほど。 恐ろしいほどの才能は、今回全開ではなかったが、不器用に回ってくることばかりが目立ったミッキーファイトは、もはや、マイルでも掛かるくらいのパワフルモンスターに育とうとしている。
高速マイルを期待するペプチドナイル共々、この上位組は、今後はかなり長い期間、やり合う関係性に転じ、やがて、フォーエバーヤングへの挑戦権を得た時、あのロマンチックウォリアー<彼は一生懸命にダートをこなし、負けそうな感じではないところまでもっていったのだから、最高の2着だった>を力でねじ伏せた怪物を、ついに負かして見せる同胞として、名を上げるチャンスを与えられるはずだ。 同期の2頭は、そういう中の関係で、切磋琢磨し合うことのできるライバルと再確認をし、サウジでは見せ場を作れなかった強いラムジェットと共に、再戦を誓ったのであった。 前途ある若者たちには、楽しみしかない。 まだまだこれからも戦い続けるだろうキング騎手も含め、サウジCの後のレースで、食傷気味にならなかった我々は、実に幸せである。