2020年阪神ジュベナイルフィリーズ【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧

【レース結果速報】1着ソダシ(3.2倍)2着サトノレイナス(4.4倍)3着ユーバーレーベン(30.0倍)

 
 
レース名第72回 農林水産省賞典
阪神ジュベナイルフィリーズ
(阪神jf)
日程2020年12月13日(日)
優勝馬ソダシ
優勝騎手吉田 隼人
勝ちタイム1:33.1
馬場
3連単配当17,260円
 
 

阪神ジュベナイルフィリーズ2020 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ

 
着順馬番馬名タイム着差
16ソダシ1:33.1-
27サトノレイナス1:33.1 ハナ
311ユーバーレーベン1:33.2 クビ
418メイケイエール1:33.3 1 1/2
58ヨカヨカ1:33.5 1 1/2
単勝6320円
複勝6150円
複勝7170円
複勝11450円
枠連3-4620円
ワイド6-7340円
ワイド6-111,200円
ワイド7-111,640円
馬連6-7690円
馬単6-71,290円
3連複6-7-115,020円
3連単6-7-1117,260円
 
 

阪神ジュベナイルフィリーズ2020 - レース後コメント(騎手/厩舎)

 
「こうして大きな舞台に連れてきてくれた。ソダシもそうだし、かかわった牧場や関係者の方に感謝したい。ホッとしました。結果を出せて良かったです。1番人気だったので、ボクがこの馬を負けさせてはいけないとプレッシャーがありました。最後は馬場が悪くて思ったよりはじけなかったですけど、何とかしのいでくれという気持ちでした。馬に助けられました。まだ課題もあるし、来年のクラシックへ向けて、もっと鍛えないといけません。これからのある馬なので、応援よろしくお願いします」
 
※吉田隼人騎手のコメント(ソダシ)
 
 

阪神ジュベナイルフィリーズ2020 - レース結果動画(YouTube)

※実況レース映像

阪神ジュベナイルフィリーズ2020 - 回顧

思わぬヨカヨカの飛び出しで、なぜかそれでスローペースにはならなかったのだが、おかげで力勝負となった。

46.8−46.3→1:33.1

これで結果を出した

1着 ソダシ<重賞連勝中>

2着 サトノレイナス<東京・中山で1600M連勝>

3着 ユーバーレーベン<東京で不良の新馬勝ち・札幌2歳S2着>

この三者は明らかに実力で他を上回っていた。

彼女の割には、しっかりとレースに参加できていたメイケイエールにしても、持ち味を出し切って、阪神のマイルの外枠では流石に…、という感じで粘りは見せるも最後は止まってしまった。

これだって連勝中の無敗馬。

層が厚い牝馬戦線とはいえ、小倉で2戦オープンを楽勝のヨカヨカも総合力を示して、内容のある初G1であった。

要するに、ヨカヨカさんのおかげで、みんなが力を出したのである。

それは、逃げたいタイプの7枠の2頭も行ければよかったが、みんながやりたいことができる大レースなど存在しない。

今回は力通り。

恐るべき白毛一族の破壊力を示しつつ、チームアーモンドアイ然り、ラフィアンの早熟性を強化する一連の調教の質の高さも、ユーバーレーベンが証明したのだ。

一族の毛色の確認に、何度かチェックを加えたファンも多かっただろうから、すでにお馴染みの血統表だろうが、

母・ブチコ<白毛・ポニーのような斑がら>

祖母・シラユキヒメ<白毛・旧500万条件で3着のある未勝利馬>

ブチコはアパパネの父キングカメハメハの産駒、スティンガーがこのレースを制したことがあるサンデーサイレンス産駒となるが、これがシラユキヒメと同じ歳の姉妹のようなもの。

時代の最先端を進むブチコの配合<キングカメハメハ×サンデーサイレンス>では、驚異の二冠馬であり、今年からデビューの産駒が活躍するドゥラメンテがいる。

クロフネにはダートの先入観があるが、彼が短いキャリアの中で示した「ダート」におけるパフォーマンスは、そのまま北米の競馬のしきたりを守ったUSA産馬としての矜持そのものであり、日本でのその遺伝力は決まって、牝馬に、そしてスピード型の芝のスプリンターに伝わっていった。

だから、エース級はみんな芝向きのかわいこちゃんであり、ソダシはその面でもトップホース。

冗談抜きで、白毛を母や祖母から受け継いだ時点で、この結果は分かっていたとしても無理筋ではないのである。

スタミナ豊富な系統ではないが、マッチョ型には出なかったから、強烈な消耗戦の札幌2歳Sも、その馬体のイレギュラーな特性<言わばドゥラメンテみたいな傾向とすべきか>をフルに活用し、身体能力で大いにこなしてしまった可能性がある。

その一端は、東京のマイル戦でも証明し、そこで完全リーチ。

その他の才能の実力がたとえ上回っていたとして、血統でも敗れ、容姿でも若干の引け目があり、誰でも力を出し切れるバランスラップの勝負で、ソダシにやられてしまったというところか。

全ての面で、この18頭の中で最も相応しい勝ち馬が彼女だったとするのが、今となっては自然な解釈であるべきだろう。

揉まれてどうかというのは、大概の場合、きれいなレースしかしてこなかった馬に対して当てはめるべきフレーズ。

確かに、スピード能力でも決して、その他クラシック血統の才能と引けと取らないソダシとて、周りに馬を置いての追走は、決して楽ではない。

ところが、そういう時に限って、極端な上がり勝負でもなければ、逆に猛烈なハイラップに呑まれるような展開にもならないのだ。

あえて、ヨカヨカ<この場合は福永騎手だろうが>に感謝の意を示したのは、そうした基準レースを形成する上で、最も重要な意味を持つ競馬を作るために、すべての条件が整ったことになったからなのである。

揉まれたと言っても、前が詰まったわけではない。

グランアレグリアでもこなしてしまった、進路がありません状況も、今回は当てはまらない。

むしろ、直線では早く出過ぎずに勝負できるメイケイエールらを相手に叩き合う、ソダシが最も勝負強さを発揮できる状況を自ら作り出せるような時計の勝負になったことで、他がねじ伏せられた格好なのだ。

ユーバーレーベンだって、いつもなら差せるということを、今後は東京辺りで証明していくのだろうが、またしても差し返された。

よく考えたら、そういうタフさを身に着ける前の、まだまだ未完成ライン上のサトノレイナスのイン強襲の方が驚き。

時に、ルメールという男はハーツクライのジャパンCでも、アーモンドアイの2度目のそれでも、もっと外をつきたい展開で敢えて、内を狙うことがある。

今回はそれが際どくなったから、惜しいとなるが、実際は才能だけであそこまで追い詰めただけであって、内容的には自然界ではまず生き残れない目立ちすぎる女の子という大目標を捉え切らなかったというのは真実だろう。

よくやったが、ここでは完敗である。

そもそも、出来ないことに挑戦して、この内容なのだから、むしろいい負け方だったとすべきだろうか。

ソダシにとっては普通のことになりかけている、最後のひと粘りは、このレースを機に、サトノレイナスが自分の武器としたことになる。

距離はもう少しあった方がいいだろう。

見どころは他にもあって、ユーバーレーベンと似たようなところから掲示板争いに入ってきたオパールムーンやジェラルディーナも、酷い位置取りだった割には、さすがに2歳馬の限界に挑むようなハイレベルな時計の決着でもあって、展開の利はなくとも、総合力の一端を示して上がってきた。

オパールムーンはまだまだ伸びしろはありそうだが、それ以上にジェラルディーナは、初めて真っ直ぐ走ろうと頑張ったことが、ようやくの競走馬としてのスタートに思えた。

これまでの芸風は一本調子に思えるが、実際はそうではない。

1分33秒台で駆ける2歳牝馬が、展開が向いたどうこうはない。

前も接戦。

5着争いもわずかな差の中で争ったことになる。

残念だったのが、そんな小柄な体がより減っていたのに頑張った面々にも遠く及ばなかったインフィナイト。

一言、連続の不良馬場を両方快走してしまっては…。

ドゥラメンテ同様、ジェラルディーナと彼女等はモーリスの仔であるから、無理をしては後は続かない。

枠、位置取り、レース内容、それら全てで、上位に来た面々より完璧に映ったから、そんなことしか予想がつかないほどの惨敗。

ソダシは前々走で1800を勝ってきたが、それはインフィナイトがここ2戦で経験したそれよりもずっと楽で、もはや、抗うことのできない血の宿命と共に沈んでいった哀れさもあったということだろう。

これで負けるかね…。

インフィナイト推しのオジさんたちは、直後にダノンスマッシュが勝ったと聞いて、より驚くことになった。