ホープフルステークス2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

ホープフルステークス2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第41回ホープフルステークス(G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年12月28日(土)
発走時間15時40分
開催場所中山競馬場
距離芝2,000m
コース右回り
賞金7,000万円
レコードタイム1:58.8

ホープフルステークス2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

ホープフルステークス2024の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追いきり
11ジョバンニ松山弘平牡25616.06栗東・CW・良(松山弘)
6F 81.2-66.0-51.3-37.0-11.6(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.9-40.1-25.6-12.6(馬なり)
12ショウナンマクベス池添謙一牡25636.014美浦・ウッド・良(木幡初)
6F 81.6-65.8-51.7-37.5-12.0(一杯)
美浦・ウッド・良(木幡初)
6F 82.2-66.5-52.1-38.0-12.0(馬なり)
23ジェットマグナム丹内祐次牡25634.312栗東・坂路・良(助手)
800m 54.0-38.7-25.2-12.6(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.7-37.8-24.8-12.8(一杯)
24クラウディアイ西村淳也牡25624.610栗東・CW・良(西村淳)
6F 83.7-68.8-54.0-38.5-11.6(馬なり)
栗東・CW・良(西村淳)
6F 85.3-69.6-54.5-39.1-11.6(馬なり)
35レーヴドロペラ大野拓弥牡255103.917美浦・ウッド・良(助手)
6F 83.5-66.5-51.1-36.8-12.0(強め)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 88.0-71.0-55.2-40.7-12.9(馬なり)
36クロワデュノール北村友一牡2562.41栗東・CW・良(北村友)
5F 67.9-51.3-36.4-11.4(一杯)
栗東・CW・良(北村友)
6F 84.3-67.4-51.2-36.1-11.3(馬なり)
47ヤマニンブークリエ武豊牡25618.57栗東・CW・良(助手)
6F 84.1-67.8-52.3-36.8-11.1(強め)
栗東・CW・良(助手)
6F 82.4-67.1-52.5-38.3-11.8(馬なり)
48デルアヴァー三浦皇成牡25633.011栗東・CW・良(三浦皇)
6F 81.6-66.4-51.8-37.7-11.7(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 86.4-69.8-54.7-39.8-12.4(馬なり)
59アリオーンスマイル木幡巧也牡256649.319美浦・ウッド・良(助手)
6F 85.1-68.4-53.1-38.1-12.2(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 80.5-65.0-50.9-37.7-12.1(強め)
510アスクシュタイン横山武史 牡25623.79栗東・CW・良(横山武)
7F 96.2-65.3-50.6-36.0-11.4(一杯)
栗東・芝・良(小牧加)
5F 65.3-50.5-37.4-11.9(馬なり)
611ファウストラーゼン杉原誠人牡256160.418栗東・CW・良(杉原誠)
7F 97.4-65.8-51.0-36.4-11.6(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.5-39.5-25.3-12.5(馬なり)
612マジックサンズ佐々木大輔牡2568.23栗東・CW・良(佐々木大)
7F 95.1-64.8-50.5-36.0-11.5(一杯)
栗東・CW・良(酒井学)
6F 81.1-66.3-52.4-38.0-12.0(末強め)
713ジュンアサヒソラ横山和生牡25635.913美浦・ウッド・良(横山和)
6F 82.0-65.5-50.7-36.0-11.4(馬なり)
美浦・ウッド・良(横山和)
6F 84.5-67.5-52.5-38.5-12.6(馬なり)
714リアライズオーラム菅原明良牡25653.615栗東・CW・良(酒井学)
7F 95.6-65.1-50.8-36.3-11.6(一杯)
栗東・CW・良(田口貫)
7F 95.9-64.9-51.4-37.7-12.0(一杯)
715ピコチャンブラック川田将雅牡2568.44美浦・ウッド・良(川田将)
6F 81.8-65.0-51.0-36.9-11.6(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
5F 67.8-52.4-37.6-11.2(馬なり)
816ジュタ坂井瑠星牡25620.28栗東・CW・良(坂井瑠)
6F 80.3-65.8-51.0-36.0-11.0(一杯)
栗東・坂路・良(坂井瑠)
800m 54.2-39.7-25.8-12.9(馬なり)
817アマキヒC.ルメール牡25613.95美浦・ウッド・良(ルメール)
6F 84.7-69.0-54.2-39.3-12.3(G前仕掛け)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 81.2-65.2-51.2-37.3-12.0(強め)
818マスカレードボール戸崎圭太牡2564.92美浦・ウッド・良(戸崎圭)
6F 85.0-69.8-54.2-38.8-11.9(馬なり)
美浦・ウッド・良(嶋田純)
6F 84.7-68.9-53.0-38.1-11.7(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬0回3回0回19回0.0%13.6%13.6%
先行馬10回9回6回55回12.5%23.8%31.3%
差し馬10回7回12回68回10.3%17.5%29.9%
追い込み馬0回1回2回73回0.0%1.3%3.9%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠2回1回2回19回8.3%12.5%20.8%
2枠4回3回4回19回13.3%23.3%36.7%
3枠2回3回3回23回6.5%16.1%25.8%
4枠2回3回3回28回5.6%13.9%22.2%
5枠4回1回1回29回11.4%14.3%17.1%
6枠3回4回4回27回7.9%18.4%28.9%
7枠2回2回2回33回5.0%%10.0%17.5%
8枠1回3回3回37回2.4%9.8%9.8%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト18回20回16回95回12.1%25.5%36.2%
ハーツクライ18回14回14回124回10.6%18.8%27.1%
エピファネイア15回14回17回106回9.9%19.1%30.3%
ハービンジャー13回10回11回109回9.1%16.1%23.8%
ルーラーシップ12回9回14回113回8.1%14.2%23.6%
キズナ11回5回6回77回12.0%17.0%23.0%
ドゥラメンテ11回14回16回82回8.9%20.3%33.3%
モーリス11回9回8回56回13.1%23.8%33.3%
キングカメハメハ11回6回7回38回17.7%27.4%38.7%
ゴールドシップ7回23回8回189回3.1%13.2%16.7%

ホープフルステークス2024 - 過去10年のデータ傾向

来るも来ないも、ルメールさんの腕<フィーリング>次第となってきた

ルメール騎手騎乗馬が【1・2・2・2】で、1番人気は記した通りに5勝、来ないならとことんダメという傾向。 ちなみに、G2最後の年にレイデオロで勝利し、ラジオNIKKEI杯の名で阪神の名物として行われた暮れの風物詩が、朝日杯とトレードされることが決定した最終開催年も、ワンアンドオンリーで快勝というのが、ルメール騎手の持つ快記録。 何と言っても、両方ともダービー馬になったのだから、誰もが記憶している。
人気どうこう関係なしに、有馬記念では毎年来る御仁が、ついでにもう一丁のアスリート感でグイグイ攻めてくる傾向はあるものの、同時に、ルメールのコマンドラインも消えているからな…。 考えようでは、ルメール騎手の馬が1番人気でない年は、1番人気は沈むこともないし、崩れるとしたら、全体は大荒れとなってきた傾向からも、同質も狙い方を考えて、パッケージという発想もあっていいのではないだろうか。 軸馬をクロワデュノールとアマキヒとした理由は、ここにある。

狙った通りに来てほしい東京スポーツ杯組

ここからはクロワデュノールの狙いのスタンスに絡む、考慮すべきポイントをサクサクと押さえていく。 まずは、近年はイクイノックス指向の未来展望が優先されるために、ホープフルSさえパスする東スポ杯<東京スポーツ杯2歳S>の組は、G2昇格後は、ほとんどが、目ぼしい馬を探ることの難しい状況になっていて、出てこないということも、今後は珍しくないだろう。
だからこそ、関西馬の東京デビューであるから、6月の新馬戦もそこまで作りこんでいなかったはずだが、そこからの20kg以上増加で、無理やりここも使うつもり、起こしすぎないようにしておいて、12月くらいになって動けるような形で東スポ杯を使ったクロワデュノールが勝ち切った点を評価し、ここで狙うべき、前走1番人気馬<コントレイル、ダノンザキッド>というスタンスをここでは取りたい。
新馬は走っているようで走っていないコントレイルは、東京で末脚を炸裂させたが、実際は、手替わりのムーア騎手とけんかしていただけという感じもしないではなかった。 阪神デビューがド派手だったダノンザキッドは、抑えめの東スポで、繋ぎの部分を重視していた印象。
全く同じイメージで体重増の細かい数字まで24で後者と共通のクロワデュノールは、ここに倣ったのかもしれないが、たまたまにしては出来過ぎ。 以降は対照的なキャリアを重ねたが、負け散らかしたダノンザキッド最後の1勝は、種牡馬入りに繋がる最短での権利獲得と同義だった点でも、クロワデュノールはとっとと、それこそ、イクイノックスよりも先にその辺りを決めてしまいたい。 内容は似たり寄ったりも、左回り圧勝後に、東京で負けたハーツコンチェルトだけが妙な仕上がりになっているだけに、ここだけは疫病神的存在のまま現役ということもあるが、進路選択に誤りのないようにお願いしたい。

危険な兆候を示す怪しすぎる成功キャリアの死角

こちらの狙いは、来た2頭ともに、東京デビューのアイビーS組で、その断然人気馬に乗ったルメール騎手が、継続騎乗で…。 何となく、まとまりだけはいい天皇賞の日に2000Mで新馬勝ちしたアマキヒは、ルメール騎乗内定で、一応、買い目に入れるべきとなった。
しかし、それ以外はおぞましい展開。 唯一に近いクロワデュノールの消し材料は、新馬戦より明らかにパフォーマンスダウンしつつも、相手強化でもそられをいなして勝利の底力の違いで、ここは良化必然の流れ、強引な連取を可能とする条件はあるとしながら、危ない面はなくはないとしたい。 イクイノックスはローテがまるで違ったが、中山で掛かってほぼ死亡状態の2着。 でも、それがあったから、有馬記念は強かったのである。
他にも、ワーケアの手塚厩舎がブラウンラチェットで大恥をかかされた後に燃える挑戦をしてくるだろうマスカレードボールだとか、矢作厩舎=言わずと知れた後の三冠馬を同年送り込んだ名門から登場する、アマキヒに喧嘩を売っているとしか思えない(笑)ローテで、JCデーに派手な新馬勝ちを決めたジュタなどがいる。 まとめて来てしまえ、というワンパクな買い方もいいのかもしれない。 特段、別路線が強力なわけではなく、才能で重賞実績を上回る手段を講じてよいのだろう。 クロワデュノールの一点死角切りはない。 能力が疑問であるから、という理由が欲しい。

少なくとも格好はつけてくる崩れていない馬を買わないのは愚の骨頂

その他大勢となっている、マジックサンズら正統派のクラシック王道進行を目論む猛者たちは、クロワデュノールの存在さえなければ、確実な線で狙えるはずだが、枠からはみ出した新馬戦の内容で、ギブアップしそうなグループが早速登場していたとしてもおかしくなかったものの、なんとか菊賞<京都の特別、変則阪神でもジャスティンパレスが連続好走>からの無敗連勝馬がいないので、有馬も勝ったら、武豊・ヤマニンブークリエも怖いとなってくるわけだが、クロワデュノールは消せるという条件がない限りは狙いたくない。
アルマヴェローチェを強引にねじ込んで、無理やりハナ差、力任せに勝ったマジックサンズは、派手なアクションが普通の光景になってきた佐々木大輔騎手早速のG1制覇に最も近い存在。 ここも強引に勝ってしまって不思議はないが、あまり夏からの直行組は走らない傾向。
前述のマスカレードボールは戸崎継続で、消す理由はなし。 マジックサンズを買うなら、ローテに敗因がある印象のアスクシュタインが横山武史騎手で穴狙いなら面白いし、それにコスモス賞でやってしまった感じの負け方をしたジェットマグナムも、理由が沢山走っていれば一度くらいは経験する心房細動というところで、あっという間に立て直した芙蓉Sだったから、そろそろある丹内祐次で、こうした2勝の内容はいいけど、ペケの中身に一定理解ができる馬を掻い摘んでいくと、あら不思議。 その他1勝の馬から、主要レース最先着のクロワデュノール以外を加えたら、計8頭とまとまりのいい数が出揃った。

ホープフルステークス2024- 出走予定馬の血統/成績/タイム

勝った負けたで大違いという馬で挑むG1を、人気の人馬がどう切り抜けていくかに注目したい

クロワデュノールの血統

やけに重厚な牝系で、矢作厩舎でそこそこ活躍したアースライズが走っているくらいで、オークス・英2着も勝ち馬に突き放された結果だったというライジングクロスの実績は、直仔の代であまり反映されていない…、という段階で初めてキタサンブラックをつけたら、こうなった。
必ず種牡馬になれるという保証はないが、デビュー2連勝でG1も恐らく1番人気か、悪くても僅差の2番人気。 尻すぼみの結果に終わったとて、望みは消えないくらいに、近年では珍しくなった、本格派の欧州芝血統の配合である。
何しろ、4代母の兄には、ダービー・英勝ち馬であるブレイクニーとモーストンがいるというのだから、いちいちねちっこい。 母父ケープクロスは、新馬戦以外手当たり次第にG1を勝っていった真のエース・シーザスターズを送り込んで、その兄ガリレオと共に、欧州圏の競馬界に大きな影響力を持つのだから、簡単に血統表から消えることはない。 少しして、今度はゴールデンホーンを送り込んで、日本に取捨の難しい産駒が登場しては、調教師やファンを困らせている。 日本でもロジユニヴァースの母父に登場するから、これが欧州系のファミリーだったことで、クロワデュノールの将来展望は、雨馬場所望ながら、新馬戦の派手な内容で、十分な伸びしろと可能性の部分で、一定程度の保証がついているとも言い換えられそう。
日本ではベーカバドが種牡馬として輸入され、ジャパンC3着になったウィジャボードも名牝の一頭してファンに知られる存在。 キタサンブラックのことにばかり触れる評論が多数だろうが、本格派の芝血統だったイクイノックスの成功により、こうした副産物が誕生しているというトレンドの捉え方は大切。 大物は多いが、その間の馬があまり多くなく、案外、仕上がりが早い馬もいる。 悪い面ばかり似なくてもいいが、イクイノックスが示した成功の道の過程に、どこまでついていけるかが、今後のカギと握っていると言えよう。 十分に彼の半分くらいの活躍はできるはずである。

ホープフルステークス2024 - レース展開と最終予想

見た目は大して良くない勝ち方なのだが、そのスタッツがいずれも秀逸というクロワデュノールは、文句なしのクラシック候補である。 どう見てもバタバタの直線で、北村友一騎手の鞭に過剰に反応しては内にモタれる仕草で、完全にフォームのバランスは崩しているのに、終いの2Fでは、新馬戦も前走の東京スポーツ杯でも11秒前後→11秒中盤以内でまとめ、中身は相手を底知れぬ末の伸びで、ねじ伏せているようにも感じる。 逃げ馬を必ず2着に残しているのだから、いずれも好位付けで、4コーナーの時点では勝てそうなポジションに既にいたというセンスもまた秀逸。
そこからのギアチェンジでスムーズさを欠く姿は、ある意味、少し前に行きすぎている印象もあったりするのだが、本番想定でそのラップ構成上のポジショニングから、相手を見定めて下げることはいつでもできるとしていい。 無論、朝日杯のあのようなスローでも、ある程度仕上がっているならば、アドマイヤズームの強烈な終いの脚に対し、伸び負けするような展開は想定できないほどのスケール感を誇る。 ちなみ、アルレッキーノと新馬で対戦した時、勝負を分けた残り200Mの辺りまでしっかりとギクシャクしながらもお互いが負けじと争っていた時点のマイルの通過タイムは、朝日杯のアルレッキーノより大分速い。
マイルの未勝利戦独走で人気になったのはいいものの、シンコウラブリイ一族の牡馬が抱える闇=初戦で逃げさせたのはまずかったことになる に呑まれるように、諸々のスケールダウンが予測されるアルレッキーノとは対照的に、このクロワデュノールは、その初戦を走り抜いた時点で、1:46.7を叩き出しておきながら、体重増の前走は1:46.8。 1000M通過は重賞の前回の方がいくらか速くなったが、6F目が新馬戦はラップ計算で1秒東スポ杯を上回るので、レース展開そのものは違っていた。
その関係で上がりタイムは新馬を上回ったのは当然だが、イクイノックスや不滅にも近いレコードを叩き出したコントレイルなど、やけに強い2戦目とした馬たちが、マイル通過に至るハロン別ラップで、必ず、決定的なラップを挟んでいたことに注目。
前と離れたところから追い込んできた2戦目のイクイノックスは、自身が32.9秒で上がったことで快時計を繰り出したが、レースラップが11.9秒のところで、恐らくは、コントレイルが独走態勢に入った場面<ムーア騎手の叱咤に最も激しく抵抗を見せて顔が上を向いていたところ>では、三冠馬と同じ10秒台後半の強烈な決め手をライバルに見せつけるように出しているのだろう。 理論上、独走のラストのレースラップ11.4秒を11秒フラットと仮定した時、これを3連続で繰り出した計算。 恐らく、自身10秒台中盤の数値がイクイノックスのスケール感を示す要素として、東京スポーツ杯の記録に残されたのだろう。
そういう背景からも、スローで前にいる2戦で、レースラップが異なるところで、レースの上がりそのものをハイラップを終い2段階で連続して、それも時間は空いたとはいえ、相手強化でも着差だけが小さくなっただけで、本来、本質的な芝適性などの面で、距離延長だけでなく、ハイペースの底力勝負歓迎にも思えるクロワデュノールは、そう簡単に倒される存在とは思えないのである。
反応は案外鈍いが、きっと、直線勝負は合っていないタイプなのだ。 だから、前に行くのは正解。 とはいえ、相手が弱いようにも思えない。 東京スポーツ杯で人気を分け合ったレッドキングリーは、2000M戦とはいえ、東京の高速馬場を上手に走りながら、11秒台前半のラップを3連発。 当然、ルメールが乗り込んだのだが、どうにも、馬の考えることを推察するに、レッドキングリーと目方そのものは同じでも、おデブちゃん状態覚悟の参戦だったクロワデュノール相手でさえ、少し怖気づいていたような気がする。
同じく、4歳秋のジャパンCで終焉となるジャパンC快走を見せ、存在感を満天下に知らしめた顕彰馬と確実にそうなる両者が、その日、競馬場で異彩を放つようにして、オーラで相手を抑え込んだ姿と、モノの見事にリンクしている。 最初から、あなた方は相手ではございません、といった状態を作っているから、大レースで一定以上の仕上がりとなった名馬というのは、常に安定して、その力を存分に発揮するものなのである。
まだその段階ではないクロワデュノールにしても、アルレッキーノにそのようなプレッシャーをかけていたのだとすれば、ただもらいに近い未勝利戦は除き、以降2戦でダメダメになるのも理解できなくはない。 道中から激しい圧をかけていた新馬戦には見えなかったが、ずっと追いかけてくるライバルに対し、最初の出の部分でアルレッキーノが敗れたことから、一度も、その者が持つ才能は発揮しきれていないのかもしれないと感じた。 後ろの脚=後続勢の差し脚に恐れをなすような、やわな先行型ではなく、差しタイプに近い万能のコントレイルやイクイノックスなどは、デビュー戦から連続して上がりも最速。
ポジション問わずの両者に対し、本格的なハードな底力勝負で、強烈な決め手を繰り出して、皆を圧倒するシーンを目撃する可能性を大いに信じて、ここは断然の存在であることを強調しておく。 相手は例年よりはタフだろうが、休み明けのマジックサンズは、中山移設後、断然人気を裏切り2着に終わったロードクエストが来たのみという、休み明けローテの死角と合わせ、相手関係の自身の格からして、格下はあり得ないので、データ上は消しに等しいが、これをまず馬券内はない、G1昇格後はステイフーリッシュしか来ていない新馬勝ちのみの馬=アマキヒとの取り合わせで、ある種のバーターを行って、茶を濁しておく。
ここで消すのは忍びないが、人気馬が他にいるから、堂々と走らせてもらえたら、魅力は十分。 ルメールでも2番人気までに思えるアマキヒを上位に取って、妙味ある馬券を優先し、こことの本線軸で、大本命馬の正しい姿を期待し、天まで上る名馬像を再現してもらおうと願うばかりの筆者である。