ジャパンカップ2018 予想
最初はミッキーロケットにしようと思っていた。
アーモンドアイと同じ父系であり、アウトサンデーのトップホースが宝塚記念の覇者。
叩いた後のここで、もっとハイレベルのパフォーマンスを期待していたのだが…。
続いて、ではアーモンドアイと接戦になるとして、本命はそちらに譲るにしても、よもやの差し返しなどの展開で誰に可能性があるのかと、色々思案していった。
ダービーで前目のポジションでもスパッと反応したマカヒキには、前走凡走で上がり目十分のはずで、対抗格の単穴にでも指定しようと思ったのだが…。
JCと3歳馬との関連性は、実に珍妙である。
1番人気で9頭全てが1着にならず、古馬に頂点を譲ることが実に8度あったことが、どうにも気掛かりだったのだ。
こんな世界レベルのGⅠレースの傾向を、知識凡庸の筆者ではあるが、聞いたことがない。
秋の欧米のトップレースは、斤量利が多少あるにしても、古馬なんかより圧倒的に3歳馬の方が勢いで勝るケースが多いのだ。
ただ、先週のマイルCSは、結局、古馬が人気になって2年連続での3歳馬の制覇。
流れは来ている。敢えて、不遇の3歳1番人気<ほぼ確定だろう>の女王に、史上初の快挙を成し遂げてもらいたい。
ここまで相手が楽なら…。それが一番の理由なのだが。
◎アーモンドアイ
○スワーヴリチャード
▲ミッキースワロー
注ウインテンダネス
△キセキ、サトノダイヤモンド、サトノクラウン、シュヴァルグラン
本命の推挙理由の一つに、陣営の拘った余裕ローテのステップが挙げられる。
ただ、ここはジャパンC。
前哨戦は地元勢以外、当然名立たる国際GⅠである。
秋華賞はその中ではローグレードのほぼローカルタイトルだが、ジャパニーズギニー、オークスやダービー、セントレジャーの菊花賞よりも、ファビラスラフィンの快走に始まり、三冠馬対決を制したジェンティルドンナなど、世界クラスの名馬との激闘の立役者になってきた歴史がある。
レースとしては軽いが、そこはGⅠ。
だから、消耗のより激しい天皇賞組より、血統構成にやや縛りが薄れた現在の2400戦なら、リスクの少ないGⅠの好勝負組の方がより有利なのだ。
似たような理由で、昨年のアルゼンチン共和国杯くらい走れば、十分に上位争い可能のスワーヴリチャードが推挙できる。
アーモンドアイは、きっとジェンティルドンナとの比較がされる。
オークスの内容はほぼ互角だが、その前後のタイトルの勝ちっぷりは、あまりにも対照的。
力でねじ伏せることも共通のようで、後輩の方が遥かに基本能力が上である。
追い込んで阪神マイルを1分33秒前半で乗り切ることなど、ウオッカもブエナビスタもまるでできなかったのだ。
故に、前哨戦は必要ないのだ。
それがしっかりとしたステップでJCに挑む。
ここに挑むためのローテの理想形を、前哨戦たる秋華賞で体現したが、それとて、あの衝撃のシンザン記念の比ではない。
桁違いのスローに、道悪も重なった1月の京都マイルは、前年のキョウヘイのことがあるから、ある種の必然性はあったのかもしれないが、坂上で13.3秒というあり得ないようなラップが刻まれてから、12.8-12.1-11.7-11.5秒という極端な加速ラップの中、数字のインパクトは平凡の類の34.4秒ながら、後方位置の9番手から直線一気。
当時乗れていた戸崎騎手とて、スタートがあまりにも酷く、見せ場作りで十分という風に頭を切り替えていたはずだ。
ちなみに、ジェンティルドンナはリードホースがいた中、好位抜け出しの34.7秒で男馬連中を屈服させた。
思うのだが、既にこの時点でジェンティル超えを果たしていたアーモンドアイが、言っては何だが、オルフェーヴルクラスではない古馬勢や欧州勢を相手にして、53で負ける構図を、14頭立てになって思い浮かべることの方がよっぽど無理筋なのではないだろうか。
ついこの間まで、違う手段をもってJC攻略に臨んでいた人間とは思えない豹変ぶりだが、GⅠ馬がこれだけいなくなれば、秋天のレイデオロもそう、格相応の能力が必然的に求められる条件だという理屈で、経験則に沿って、アーモンドアイを今回ばかりは応援するしかないと結論付ける。