ジャパンカップ2021【結果】|レース後コメント/動画/払い戻し/回顧
【レース結果速報】1着コントレイル(1.6倍)2着オーソリティ(7.1倍)3着シャフリヤール(3.7倍)
レース名 | 第41回 ジャパンカップ(GⅠ) |
日程 | 2021年11月28日(日曜) |
優勝馬 | コントレイル |
優勝騎手 | 福永 祐一 |
勝ちタイム | 2:24.7 |
馬場 | 良 |
3連単配当 | 1,780円 |
ジャパンカップ2021 - レース結果・配当・払い戻し・オッズ
着順 | 馬番 | 馬名 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | コントレイル | 2:24.7 | - |
2 | 7 | オーソリティ | 2:25.0 | 2 |
3 | 4 | シャフリヤール | 2:25.2 | 1 1/2 |
4 | 12 | サンレイポケット | 2:25.4 | 3/4 |
5 | 6 | グランドグローリー | 2:25.5 | 3/4 |
単勝 | 2 | 160円 |
複勝 | 2 | 110円 |
複勝 | 7 | 140円 |
複勝 | 4 | 120円 |
枠連 | 1-4 | 530円 |
ワイド | 2-7 | 210円 |
ワイド | 2-4 | 150円 |
ワイド | 4-7 | 330円 |
馬連 | 2-7 | 530円 |
馬単 | 2-7 | 670円 |
3連複 | 2-4-7 | 510円 |
3連単 | 2-7-4 | 1,780円 |
ジャパンカップ2021 - レース後コメント(騎手/厩舎)
「今日で終わりだと、いろいろとこみ上げるものがありました。本当に立派な走りをしてくれました。感動しました。コントレイルがデビューしてからここまでは夢のような時間でした。ジョッキー人生の全てを、この馬に捧げてきた。感謝しかないです。今日は次のキャリアに無事に送り出すことが一番の使命でしたが、課題のゲートも出てくれたし本当に完璧でした。コロナ禍のなかで生まれた3冠馬ということで、うっ屈とした世の中に光を差し込んでくれた存在だと思います」
※優勝した福永騎手のコメント(コントレイル)
ジャパンカップ2021 - レース結果動画(YouTube)
ジャパンカップ2021 - 回顧
終わってみれば、パドックを見る前の段階で分かっていた基本能力が、極めて単純に、ごまかしの利かない東京2400、標準的な馬場質で求められたことになる、と言えるだろう。
終わってみれば、瞬発力で魅せるシャフリヤールが昨年のコントレイルのような感じで、もう一つギアを上げようとした瞬間の古馬だからこそひと踏ん張りを見せられるところで、挟まれというよりも、圧に屈したような伸び負けだった。
そこで決着をつけたのがホープフルSの時以来の再戦となったオーソリティとコントレイル。
皆が知っているあのオーソリティの粘っこさと、一度たりとも、同期牡馬に敗れていないコントレイルのキレ味がクライマックスシーンを彩った。
時計勝負になりすぎない方がいいオーソリティには、最高の展開であり、後傾ラップも望むところのルメール騎手であるから、自信を持って、シャフリヤールを封じるための抜け出しを図り、やるべきことはやった。
しかし、ホープフルSで魅せられた絶望的才能差とは違って、最高潮を極めたサラブレッドの誇りを見せつけるべき大舞台での敗戦。
中身が伴っているからこその、立ち直って凄味を増した木村厩舎の英断は、素晴らしいジャパンCを作った功労者と絶賛される。
胸を張るべき内容であり、ちょっとヤバいくらいの仕上げ方をした三冠馬に挑むには、まだキャリアが足らなかっただけのこと。
褒めなければならない敗者の筆頭であろう。
シャフリヤールは川田将雅なので、らしく、自分で位置をとる正しいポジショニング作りに成功。
正直、行けると思っただろう。
秋の天皇賞の結果も知らないはずはないのだから、またコントレイルが伸び負けてくれるなら、絶対にいける。
どこかにそんな隙でも何でもない、当然在るべき希望的観測の期待感のようなものもあっただろうが、古馬の12F・G1は甘くなかった。
昨年の有馬記念では哀れなまでに揉まれて自滅の時に、川田騎手はオーソリティに乗っていたが、しばらく乗っていないうちに、とてつもなく強力なハイバランスの中長距離型へと大いに変貌を遂げていた。
出来は申し分なく、昔で言えば、お尻の辺りに塩でも盛っていて不思議ない絶好調であったのだが、まだまだ、内面的な問題でもそもそも血統的な背景でも怪しげな距離であることでも、善戦止まりの学習効果を狙ったベストバウトが、もしかすれば、今の段階のシャフリヤールの限界だったのだろう。
ダービーとは別のレース。
たった一つしか違わないのに、こんなにお兄さんは強いのか。
シャフリヤールはもっと心が強くなり、結果も伴っていくと信じたい。もう、距離に拘ることもないのだから、そこは大丈夫だろう。
サンレイポケットには頭が下がる。
好位からの正しい多頭数の競馬に適応されたノリ騎手のシャドウディーヴァも、完璧な状態というよりは、充実の秋を迎えたトニービンの血が入った迫力を身につけ、東京で満足のいく好結果を出した。
さすがに距離は長い両者の事。
差せる位置にいたサンレイポケットは、シャドウディーヴァより距離ロスは少しくらいあったものの、やはり、サンレイポケットの父ジャングルポケットがオペラオーを捉え切った時のように、外から一気にスパートの型が合う。
キセキがいないなら行くしかないと決めていたのだろうアリストテレスの横山武史騎手は、父の道を既に辿るように、結果はどうであれ、G1で最低ラインの基準となる展開を作ることで、何とかコントレイルや強くなりすぎた同期のオーソリティに戦いを挑んだのが、東京もこの距離も、実は不適なのであろう。
皐月賞とダービー、そして3強戦を制した秋の天皇賞と、10Fくらいで強いのがエピファネイアの本質。
その流れに近いところにいるオーソリティも、オルフェーヴルのサンデー効果を受けたところで、3000では少し長い。
この難しさを、我々は今後理解していく必要がある。
やれることはやったユーバーレーベン、グランドグローリー、前記のシャドウディーヴァ。
今の時代、ジャパンのようなステイヤータイプよりも、東京であれば牝馬のキレ。
オークス後がいかにも厳しかったユーバーレーベンは、ほぼ正攻法で古牡馬相手に見せ場作り。
同期のダービー馬と大した差ではない。ようやく、元の道に戻してあげられたのは、手塚厩舎の手腕以外の何物でもない。
ミルコはクリスチャンには勝ちたかっただろうが…。5着は弟のグランドグローリーだった。
何はともあれ、引退レースを完勝で終えたことは誇れる。
今後の産駒の配合イメージに、生産者の側にとって、このインパクトが残っていることが重要。
一度だけの対戦とて、2歳時のG1で完封のオーソリティを、完成度ではなく、互角に等しい究極の戦いができるレベルの作りに持っていっての再戦で、今度はホープフルSとは逆で、差し切って完勝。
ロベルト系のモーリスがあちこちで好印象というかドえらいパフォーマンスで度肝を抜いている状況で、JCには色々と因縁のあるオルフェーヴル×エピファネイアの全妹という配合であるオーソリティは、それを再び負かすことで、同じヘイルトゥリーズン系の中でも、チャンピオンに相応しい血統がどちらかという選択ができる繁殖牝馬を持つ時、迷わずこちらで…、と流れを作ることができるのだ。
辛勝を制する価値もあるが、性格面で意外なほどのやんちゃさを秘めるコントレイルには、ここぞの場面の迫力あるパフォーマンスを期待できる。
ダービー然り、このジャパンCも然り。
平然とディープの仔ですと言い放つことは、父があれほどの名馬<14戦12勝>であるから、普通は謙遜するが、11戦8勝でG1を5勝。
三冠でも共通、最初に負けたレースを引退レースで制したことも瓜二つ。
性格はほとんど真逆と見るが、走りたい気持ちを抑えきれないディープインパクトのようなその孫の世代が生まれた時、コントレイルが秘める極めてシャープな高純度の加速能力を受け、桁違いのスピード型が誕生した瞬間、サンデーサイレンス系の立場は揺るがないものになる。
ノーザンダンサーも母系で大いにクロスるミスタープロスペクターの血も、厳しいクロスを作らないポジションに入る。
5代目以降に入る大種牡馬。
父ディープインパクトも父父サンデーサイレンスも、構成はよく似ている。
社台グループにしては、この血統構成はありがたい。
案外、ロベルト系との相性もいいのかもしれない。
実は、コントレイルはタフ馬場も得意だったのかもしれないが、菊花賞を使って勝ったので、それを見せる場面がなかっただけとも思う。
福永騎手の涙には色々な意味はあるのだろうが、最後に弾けた瞬間、もうすでにその感慨は爆発し掛かっていたのだろう。
馬を止めた時には、もう前は見えていなかったように思う。
思ったよりも後ろの位置にいたが、その我慢は、しっかり結果に繋がった、そうあの伸びに必然の根拠を持ったのである。
これは福永祐一のコントレイル観であり、我々はどうこう言えるものではない。
だから、ディープインパクトの後継者になれるのだ。
それを証明するためのジャパンCである。
あれが出来なければ、主戦としての義務は果たせなかったことになる。
思いの丈を全てぶつけたインタビューには、そうしたことの積み重ねがあったからこそ、正しいサンデーサイレンス系種牡馬の在り方を継承できると堂々と言えるように、勝たねばならなかった一戦。
陣営もプレッシャーはあっただろうが、鞍上が馬を信じれば、結果が自然とついてくる。
猛烈な調教が彼にとっては普通だと気づいた時、新馬戦の馬体重458kgでキレ味が冴えわたった。
全て、これらのことはコントレイルが教えてくれたことなのであろう。
自然と馬は、やるべき仕事をできるようになる時、人間の努力は当たり前のように結実するのである。
この体で戦いたい。思い叶った、素晴らしい引退レースであろう。
アーモンドアイもグランアレグリアも同じだった。