ジャパンカップ2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

ジャパンカップの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第43回ジャパンカップ(G1)
グレード重賞(G1)
日程2023年11月26日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2400m
コース左回り
賞金5億円
レコードタイム2:20.6

ジャパンカップ2023の予想オッズ/出走馬(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

ジャパンカップ2023の予想オッズと登録馬

枠番馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気一週前追い切り最終追い切り
11リバティアイランド川田 将雅牝354.03.02栗東・CW・良(助手)
6F 86.8-71.3-55.7-39.5-12.0(馬なり)
栗東・CW・良(川田)
6F 80.7-65.5-50.9-36.4-11.0(馬なり)
12イクイノックスC.ルメール牡458.01.41美浦・ウッド・良(助手)
7F 97.7-66.2-51.5-37.3-11.4(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
5F 67.5-52.4-37.8-11.3(馬なり)
23タイトルホルダー横山 和生牡558.018.55美浦・ウッド・良(横山和)
5F 65.1-50.5-36.5-11.3(直一杯)
美浦・ウッド・良(横山和)
5F 65.9-51.0-37.0-11.4(馬なり)
24スタッドリーT.マーカンド牡558.0335.714栗東・CW・良(助手)
6F 87.7-70.8-55.1-39.8-12.1(馬なり)
栗東・CW・良(小坂)
6F 81.4-66.2-51.7-37.1-12.1(一杯)
35ドウデュース戸崎 圭太牡458.016.64栗東・CW・良(藤岡康)
6F 80.1-65.0-50.3-35.3-11.1(末一杯)
栗東・ポリ・良(助手)
5F 66.3-51.7-38.0-11.3(馬なり)
36フォワードアゲン黛 弘人セ658.0371.616美浦・ウッド・良(助手)
6F 81.7-65.4-51.0-37.1-11.7(馬なり)
美浦・ウッド・良(黛)
6F 84.5-68.1-53.0-38.6-12.2(馬なり)
47イレジンM.ヴェロンセ658.0161.110-馬場内国際厩舎内追馬場にてダク左回りで3周、キャンター左回りで2周、 ダートコースにてキャンター左回りで1周
48パンサラッサ吉田 豊牡658.058.27栗東・CW・良(助手)
6F 81.8-66.7-52.9-38.1-11.8(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.3-39.1-24.8-11.8(馬なり)
59ヴェラアズールH.ドイル牡658.068.08栗東・CW・良(助手)
6F 83.3-67.3-51.8-36.7-11.5(稍一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.7-37.3-24.5-12.6(一杯)
510ダノンベルーガJ.モレイラ牡458.034.16美浦・ウッド・良(モレイラ)
6F 84.6-68.5-53.6-38.2-12.3(馬なり)
美浦・ウッド・良(モレイラ)
6F 84.1-67.6-52.4-37.8-11.9(馬なり)
611トラストケンシン荻野 極牡858.0380.617美浦・坂路・良(原)
800m 54.8-40.0-26.4-13.2(馬なり)
美浦・坂路・良(助手)
800m 56.7-40.1-26.0-12.9(末強め)
612チェスナットコート田中 学牡958.0350.715-園田・良(井上幹)
5F 69.5-51.7-38.6-12.5(稍強め)
713クリノメガミエース吉村 智洋牝456.0495.918西脇・稍重
5F 65.4-50.7-37.5(馬なり)
西脇・良(助手)
5F 70.2-54.0-39.5(馬なり)
714ディープボンド和田 竜二牡658.072.09栗東・CW・良(和田竜)
6F 81.8-66.9-52.2-36.9-11.4(一杯)
栗東・CW・良(和田竜)
6F 84.3-68.6-53.5-38.1-11.7(直強め)
715ショウナンバシットM.デムーロ牡356.0306.112栗東・CW・良(M.デムーロ)
5F 70.2-53.8-37.7-11.2(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.1-37.6-24.6-12.4(強め)
816インプレス三浦 皇成牡458.0273.911栗東・CW・良(助手)
6F 81.6-66.3-51.6-37.1-11.9(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 84.2-67.9-51.8-36.7-11.5(G前気合付)
817スターズオンアースW.ビュイック牝456.014.43美浦・ウッド・良(杉原)
6F 83.3-67.1-52.9-38.2-11.7(馬なり)
美浦・ウッド・良(ビュイック)
6F 81.5-65.4-50.5-35.9-11.4(G前仕掛け)
818ウインエアフォルク藤田 菜七子牡658.0332.113美浦・ウッド・良(助手)
6F 84.9-68.2-53.5-38.9-12.1(強め)
美浦・ウッド・良(藤田菜)
6F 82.8-66.4-51.9-37.6-11.8(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬2回1回1回18回9.1%13.6%18.2%
先行馬6回8回6回59回7.6%17.7%25.3%
差し馬12回8回9回110回8.6%14.4%20.9%
追い込み馬0回3回4回87回0.0%3.2%7.4%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠6回4回3回23回16.7%27.8%36.1%
2枠3回0回5回30回7.9%7.9%21.1%
3枠4回1回5回29回10.3%12.8%25.6%
4枠1回2回2回34回2.6%7.7%12.8%
5枠1回6回1回31回2.6%17.9%20.5%
6枠1回2回0回36回2.6%7.7%7.7%
7枠2回1回3回44回4.0%6.0%12.0%
8枠2回4回1回47回3.7%11.1%13.0%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト32回29回23回164回12.9%24.6%33.9%
ハーツクライ16回11回9回114回10.7%18.0%24.0%
ルーラーシップ10回13回7回73回9.7%22.3%29.1%
ハービンジャー10回12回6回70回10.2%22.4%28.6%
ドゥラメンテ9回5回6回25回20.0%31.1%44.4%
キングカメハメハ8回8回2回48回12.1%24.2%27.3%
オルフェーヴル7回5回6回44回11.3%19.4%29.0%
ゴールドシップ4回6回10回76回4.2%10.4%20.8%
ロードカナロア4回3回1回17回16.0%28.0%32.0%
ステイゴールド4回2回3回45回7.4%11.1%16.7%

ジャパンカップ2023 - 過去10年のデータ傾向

熱量を上げてまで押さえるべきかはともかく、不動の軸に相応しい王者は斯く在りたいといったところか

イクイノックスは強い。

それだけで押さえるべき対象になるわけだが、第一、ピンからキリまでということではなく、絶頂期に近い時期に差しかかり、また王道を進んだ、有馬パスまで見えているグループというのは、基本的には強い。

日本で最初に両方のレースで連続して連対を果たしたキョウエイプロミスは、同期のアンバーシャダイと共に、6歳で天皇賞獲りに成功の大晩成型であったが、トレンドはもうスピードレース、天皇賞も秋に関しては、1984年から2000Mである。

古馬といっても、完成されたということと同時、様々なことに動じないための時間をもらった中でのハイパフォーマンスとなれば、より若い方が有利。

連続連対に限定すると、シンボリルドルフ、タマモクロス、一戦挟んだ炎の連闘・オグリキャップ、エアグルーヴ、スペシャルウィーク・ブエナビスタ父娘、テイエムオペラオーだけ2年連続、ゼンノロブロイ、ジェンティルドンナ、コントレイルら4歳馬がほぼ全てで、超例外が、初めて詰めたローテでG1を連勝したアーモンドアイ/5歳時という状況。

距離延長歓迎のジャスティンパレスは有馬行き。

ダノンベルーガだけ、しっかりと扱いを考える必要があるくらいで…、普通は不動の軸。

破壊の動作が先走りの傾向にだけは要注意でも、三冠となると話は別

三冠馬が牝馬でも3頭該当し、ギリギリオルフェーヴルが過去の存在になっただけで、そこはコントレイルが埋め合わせる。

同時に、3歳までの争いの中で、複数回のタイトルを得たエースは、不利のあったミッキークイーン、明らかに春までとは動きが違っていたソウルスターリングを除けば、3年前の奇跡の競演となった夢の三冠馬三つ巴戦で相まみえた例の方々が、1のカウントを馬券内の枠それぞれにしている。

無論、この枠の1着のところは、世界レコードとしていい3歳時の爆烈レコードを涼しげな顔で叩き出した時のアーモンドアイだ。

よく考えたら、11年前の三冠馬の競演の時だって、1、2着である。

連続参戦の牝馬だけが4着だったというわけで、三冠というだけで、ほとんどただもらいに等しいレース。

牡馬と牝馬の三冠の価値は全く違う質とされるが、チャンピオンシップマッチの様相を呈する今年ほど、こういうキャラが立った姫の好走は確実視されて相応しいように思う。

普通は不動の軸。繰り返されるのは仕方がないほど、2頭とも素晴らしい競走馬である。

踏まえるべきルールはたくさんあるが、結局、有馬記念と同じで雰囲気に流されないことが重要

ジェンティルドンナとレイデオロは、3歳時に連対実績があり、混戦というか、軸を探すのが対極の意味で難しい年に、5歳時、有馬で引退がほぼ決まっているところで、無駄な消耗をする激しいレースに適応できなかったという、切ない3着外し。

オールカマー4着から直行の5歳馬が、ジャパンCで人気になる事など、もうないはずだが、昨年はそこで着外だったヴェルトライゼンデが、際どい上位争いの3着であるから、中らずと雖も遠からずのローテなのであろう。

人気になっていいのは、前走のG1が明らかな不利であるか、明快な捨てレースであったかを除いて、好走が条件。

3歳で、オールカマーではなく、同期同士の争いの中、不良馬場で沈没したシャフリヤールなど、来る馬は1番人気でないという条件が絶対につく。

ただ、ここは天下のジャパンC。

イクイノックスでほぼ間違いないが、武豊様のような悲劇も起こり得る。

川田支持がルメール支持を上回る条件を生む、リバティアイランドというパワーワードが、どこまで通用するかはともかく、前走快記録が出た天皇賞組でかつ1番人気と条件を絞っても消えたのは、シンボリクリスエスの大差負け3着と遅い決着に対応できなかったウオッカなどしかおらず、3着の2頭に関しても、王道路線の5歳馬が春からエンジン全開でやや天皇賞で疲れてしまったという面々。

イクイノックスをどこにはめ込むにしても、故障や強烈なアクシデントでもない限り、勝ち負けになる事前提の組み立てが重要で、そもそも、一騎打ちであろうから…。

実力で人気になるなら、素直であるべきだが、秋天の走りすぎだけは敗因になるから、対抗にするという二段構えは悪くないように思う。

古馬が優勢の中、3歳三冠馬だけは必ず来るという不思議な図式

ルドルフと天皇賞レコード勝ちの同じ三冠馬・ミスターシービーの世紀の対決に始まった、熾烈なJC決戦。

シービーに隠れて、しっかりと力をつけて、宝塚記念を快勝していたカツラギエースが、まさかの逆襲により、物語は有馬の三つ巴戦へと転ずる。

1984年の秋。バブルが膨らみ過ぎつつあった時代の話である。

攻撃的な3歳馬は、しばらく登場しなかったが、ウイニングチケットがルドルフに続き<この主戦である柴田政人元騎手は、シンボリルドルフの新馬戦にオファーがあったという話もあるから、不思議な縁である。ルドルフ主戦の世界の岡部とは同期、前年に史上初の複数回JC制覇騎手にルドルフ産駒のトウカイテイオーで輝く>、ようやくこれが3例目の本流3歳クラシック組の登場。

しかし、時代の要請と外国産馬隆盛の時代に突入のトレンドが、1996年・ファビラスラフィンとシングスピールの死闘を生む。

以降はコンスタントに3歳馬が登場し、秋天を勝っていない年のオペラオーを、ダービーを勝った年に破ったジャングルポケットが2001年に登場。

牝馬三冠の2頭が計4勝の歴史が物語るように、強い牝馬が結果を出す時代に、オルフェーヴルもコントレイルもプライドそのものを冒されそうになったが、その他の場面で名誉挽回。

秋天から連勝馬が少ないのは当然としても、競馬界の常識である「両雄並び立たず」の格言の通り、共倒れもあるにはあるが、片方は必ず走る。

勝負できる、動きやすい54が、昨年前の53とは決定的に違うと傾向分析の結果、明確に示されている場合を除き、斤量差のアドヴァンテージに乗っかるのが常道であろう。

牝馬の強さというより、その利点を生かしたのが、ジェンティルドンナとアーモンドアイである。

ジャパンカップ2023- 出走予定馬の血統/成績/タイム

一生に一度というJC=競馬を、アーモンドアイは二度も見せてくれたが、ジェンティルにも絡み、牝馬の方が優勢なのか

リバティアイランドの血統

距離耐性について、イクイノックスの実績と真っ向で比べる手段など存在しない一方で、強烈なインパクトを残し、実に太く短いサラブレッドの一生を終えたドゥラメンテという稀有な存在が、いかにこんなにも簡単にという感じで、続々とワンダーホースを送り込めるのか考えたのだが、意外と単純であったりもする。

何しろ、すでに菊花賞勝ち馬を2頭も出しているのだから、父同士は同期であるキタサンブラックとの関係性でも、むしろ、逸脱しているのはイクイノックスであるという可能性さえある。

それでも、本質ではもう少し短い距離の方が良く…、という部分を、ほんの一部分だけ秋の天皇賞で見せつけたものが、あの空前絶後の…、であったわけで、こうしたやりとりさえも、ほぼほぼ父超えの両者にはあまり意味はないのだろう。

3歳でまだ古馬と対決していない以上、根拠になりそうなキーワードくらいは欲しいリバティアイランドであるが、最大のポイントは、母父がサドラーズウェルズ<ここにも登場のタイトルホルダー>であろうと、ヘイローの非サンデーライン<粋の良さで制したドゥレッツァ>だったとして、血統的な偏りがなければ問題ないし、例えば、タイトルホルダーとこのリバティに共通するのが、ミスタープロスペクターのクロスであるという部分を強調するなら、母方に入る血がマイラーばかりで、スピードよりの性質が目立つとして、ロベルトにかかるヘイルトゥリーズンクロスを併発することで、バランスのいいインブリードを完成させた点で、スピードに勝るアーモンドアイのヌレイエフ5×3が、快レコードの根拠になるなら、真っ向イクイノックス相手に、時計勝負に出た方が、勝機がより見出せるという見解。

時計が掛かれば、イクイノックスが楽になるから、無理に前走は勝ちに出るべき立場だったリバティは少し苦しくなる。

斤量差は極大にも等しい4kgの差。<凱旋門賞だと、もう半分古牡馬に足される>

生かすも殺すもではないが、スピード比べに持ち込むのが定石であるからこそ、王者には間違いなく、最強の刺客となりうる配合の持ち主であろう。

ジャパンカップ2023 - レース展開と最終予想

実質的には、今季の日本競馬を総決算する一戦であろう。

血統改良に役立つクラシック競走の概念を導入し、戦後には、欧米に倣って2歳戦をスタートさせたわけだが、皮肉なことに、馬場の改良を進めるうちに、スピード系の北米血統が世界中で活躍するうち、いい馬=必然的に速い馬となる ほど使い込めなくなってしまった。

誠に遺憾ともしがたい、切なさもを宿した現代的な競走馬の決定版と言える二頭が、斯くあるべきジャパンCの面目を一応保つこの舞台で、いよいよ決戦の時を迎える。

現状、どの道を歩むべきかまでは不明も、リバティアイランドが無事ならば、今後も古馬のタイトルをいくつもかっさらっていく。

行く末に、国内外でG1を9勝したアーモンドアイにどこまで近づくかというところになるが、アーモンドアイは概念を破壊するようなスーパーレコードで駆けた時が、ちょうど4つ目の戴冠になるのに対し、リバティアイランドは2歳女王でもあるから、5つ目。

半分まで到達してしまえば、あとはもう流れで3つくらいは勝ててしまうだろう…、そう思わせる存在が、今ここに至るまで【5・1・0・0】と、先輩と見事にリンクする他を圧倒する戦績で、競馬界そのものを牽引しようとするリバティアイランドなのである。

しかし、普段ならアーモンドアイ級の1倍台中盤、有り体に評するなら、JCの単勝を買う人の半分くらいが1頭の馬券を沢山買うという現象が起きるのだが、今年の場合は、もう一頭買われる馬がいる。

世界最強というより、芝中距離戦における歴史上最速のサラブレッド・イクイノックスである。

1:55.2というの記録を叩き出した前走の天皇賞は、国内的には実質的な世界記録と認識されるが、公式記録には恐らく残らない。

欧米各国はおろか、おとなりの香港でもそう、10分の1秒表記でタイム計測をする、それも公式の記録に残せるほど、微差を軽んじるような時代ではない。

VRが大きな影響を及ぼす判定を生み、好機とした、正式にゴールを決めたとなった例の1mm事象は、その先にある話。

イクイノックスは間違いなく、世界のエース級であるが、日本競馬に関わる人間は、今もってアナログな思想でがんじがらめにされている面もあるから、木村厩舎はそうではないのかもしれないが、もっと、森、矢作両厩舎らのような国際交流を積極的に行う関係者が増えない限り、イクイノックスでさえも、実はローカルスターになってしまうということは、気をつけねばならない。

勿体ない。泣く子も黙る、イクイノックス様なのであるから。

意味の分からない記録を叩き出せる両者の対決だけに、衆目の一致する本命などは存在しない。

どちらに振らねばならないが、不確実性の部分で推理を進めていくより他なく、斤量差が4という、重大な視点も欠けてはならないとした時、自然な発想では、有利なのは若い牝馬の方。

歴史はすでに動き、冒頭に皮肉ったキャリアの構成で、戦前まではあった、3歳春にデビューしたばかりの馬が古馬重賞を勝ってしまうというような現象が、5戦目でエリザベス女王杯を重賞初制覇の形でブレイディヴェーグが勝ち切ったということでも、少しでも軽い方がいいというような、かつての凱旋門賞的なハンディキャップ指向の強い傾向は、ジェンティルドンナのオルフェーヴル斬りで決定的となり、いずれ、有馬記念を勝つ3歳牝馬も出てくる。<2600M時代にはスターロッチが勝っている>

イクイノックスは走りすぎたようには思えないのだが、より内面的な進化が著しいのであろう、ペースを無視した先行押し切りで、件の快時計を繰り出してしまった。

中3週の実戦は、かつて香港を目指しつつ、一頓挫あって、ドバイを目指す過程でひとつ使う必要があると、有馬に出て行って、悲惨な撃沈の屈辱を味わった4歳時のアーモンドアイが、中5週より詰めて使ったことがないところで、中7週でも不発だったことがある。

イクイノックスはまだ、アーモンドアイが最終盤を有終の勝利で大団円の青写真を描くため、5歳時にマイルの中2週を経験させたことで、あの世紀の三冠馬三つ巴戦での大団円に導いた経験を得ていたのに対し、未だ、皐月賞→ダービーの中5週のみの経験。

ほぼ、連闘と考えた方がいいこの中3週は、あのオグリキャップもホーリックスに肉薄するまでで精一杯で、続く有馬はガス欠という激烈な一例が考察の端緒となるか。

4歳春も無理をして使えなかったオグリキャップは、最後の有馬記念を制した時も、本調子に戻り切っていなかったとされる。

連闘のイクイノックスと、やや無理をしながら勝つことを重視した前走を経たリバティアイランド。

しかし、休み明けのローテが未だに振るわない、常識的判断が問われるこのレース。

そうした長休明けローテの有力勢は、今年もいないから、必然的にフレッシュな方が優勢となりそうだが、タフに走れる能力も同時に問われる。

崩れるなら、連闘扱いのイクイノックスか。

負けても大敗はなさそうな54のリバティアイランドの位置取りが、レース全体の展開を左右する。

個人的には、イクイノックスと上手に闘うために、斤量利の強みで前にいる可能性はあるが、追われるイクイノックスとなっても、本当は決め手同格の両者、後ろに活きのいい若馬がいてはやりづらい。

イメージ通りになるとは限らないが、結果的には、皆が思ったような直線の中盤を経て、驚くようなゴールシーンへと展開するのであろう。

妄想でも何でも、夢を皆で語り合うレースである。

そして、このジャパンCを終わった後も、また同じだろう。